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・・『開幕』・・

・・女性艦長達・・11・・

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「・・さて・・ご視聴の皆さん・・改めまして、アランシス・カーサーです・・本日のスペシャル生配信プログラムも昨日と同様に、全く予想だにしない展開となりました・・番組の配信が始まるまでアドルさんを初め、同盟から来られた皆さんからもお話を伺いながら、女性艦長と男性芸能人副長の皆さんから伺うお話をメインに据えて番組を進行させて行こうと考えておりましたが・・【『ディファイアント』共闘同盟】は、挨拶と自己紹介が終わって・・アドル主宰が皆さんにお茶を振る舞われると、その後程無くして21隻全艦で完成しました・・そして同盟完成の影響はこの中だけに留まらず外部にも波及し、同盟に参画を希望される艦長の方から直接のコンタクトもありました・・私は・・アドル主宰がこの急展開を当然の如く、冷静沈着に捌いてリードするのを観ました・・本日のスペシャル生配信プログラムに、主役としてお集まり頂いた女性艦長と男性芸能人副長の皆さんには申し訳ないと思っておりますし、失礼であろうとも思いますが・・私はもっとアドル主宰のお話を伺いたい・・伺ったお話の感想を皆さんからも伺いながら、この番組を進めて行こうと思います・・アドル主宰・・宜しいでしょうか・・?・・」

「・・ええ・・アランシスさんの宜しいように、進めて下さい・・」

「・・ありがとうございます・・それでは先程、アドルさんはザック・オークマン艦長に煽動者達の名前を訊きませんでしたが、それは何故でしょうか・・?・・」

「・・私が知りたかったのはゲームフィールドのデータと敵性集団の規模でしたので、煽動者達の素性に関心はありませんでした・・」

「・・それはまた何故ですか・・?・・」

「・・ザック・オークマン艦長の話を聞く限り、SNSサイトの枠を超えてもカリスマ的リーダーシップを発揮出来る程のキャラクターを持つ、煽動者はいないとの事でしたのでね・・逆に存在するのなら、その個人の為人を調べる必要性も出て来るでしょうが・・」

「・・成程・・今・・その五つのグループの所謂リーダー達は、何を考えていると思われますか・・?・・」

「・・彼等は初め、こう考えていたでしょう・・何隻か集めて、私達を1隻ずつ取り囲んで袋叩きにすれば、沈められるだろうとね・・しかし私達は同盟を開幕前に完成させました・・彼等は今、お互いに連絡を執り合って連携協力体制を敷こうとしているでしょう・・」

「・・それは結構・・危ない局面・・と言えるのではありませんか・・?・・」

・・と、クレイトン・パイク副長が腕を組んで訊く・・。

「・・まあ・・注意を喚起すべき状況ではありますが、怖れる程ではないでしょう・・100隻の敵性集団と言っても、1人の指揮官に率いられた艦隊ではありません・・協力だ連携だとは言っても内実は渋々でしょうから、その実行には齟齬やタイムラグも伴うでしょう・・こちらを包囲するつもりで接近して来ているとしても、包囲網が完成する迄は幾らでも隙を突いて、集団を分断する事は充分に可能です・・そうして分断したグループの一つに攻撃を集中して平均損傷率20%まで叩けば、もう戦意を喪失して離脱するかバラバラに壊走するでしょう・・そうなれば、残りの4グループに於ける連携体制は瓦解します・・その後はもうこちらの思うがままです・・こちらの損傷が軽微なら作戦を続行しても好いし、見限って離脱しても好いでしょう・・」

「・・アドルさんは・・最高の参謀ですね・・軍師と言っても好いでしょう・・いや、全く素晴らしい・・」

・・と、『ロード・ガラン』のリンデン・アーミセン副長が感心して言う・・。

「・・いや・・リンデン・アーミセン副長・・アドルさんは艦隊司令官も副司令も、参謀長も1人で兼務できる人物ですよ・・私は今でも本気で彼を我が警備護衛艦隊にスカウトしたい気持ちですからね・・アドルさんのような人は観た事がありません・・」

・・ハイラム・サングスター艦長が静かに大きく息を吐きつつ、そう口添える・・。

「・・アドルさん・・話を戻しますが、ゲームフィールドのデータも知りたいと仰っておられましたね・・?・・」

・・と、司会のアランシス・カーサーが訊く・・。

「・・ええ・・私達が持つ艦長としてのアクセス・コードを以てしても、ゲームフィールドのデータにはアクセス出来ません・・それが何故なのか考えていましたが、推測して1つの仮説を立てました・・つまり・・このゲームのフィールドに関する限り、オフィシャルなユージュアル・ベースデータは存在しないのではないかと思うのです・・」

「・・それはどう言う事でしょう・・?・・」

・・と、エイミー・カールソン艦長が少し身を乗り出し気味にして訊く・・。

「・・言い方を換えれば、このゲームのフィールドは既に多数で設定されていて・・おそらく毎週違うものになるのではないかと言う事です・・それは、大会の運営本部が艦同士の通信に全く制限を掛けなかった事からも窺がえます・・制限の無い通信は、戦略的にも戦術的にも有効・有用に使用できます・・一本の通信だけで相手を撹乱することや、欺瞞に迷わせる事や・・煙に巻いて時間を稼ぐ事も出来ます・・つまり大会運営本部は、このゲームを早目に終らせる積りが無い・・と言うよりも・・幾ら長引いても構わないと、そう考えていると思います・・だから、多種多様なゲームフィールドを既に多数設定していて・・ゲーム・データベース内のゲームフィールドについては、ブランクのままにしているのでしょう・・また、20日に1回程度の頻度でチャレンジ・トライミッションが発表されますが・・発表されれば、そのミッションに応じたゲームフィールドに換装されるでしょう・・そしてこれは、私達を狙って来る敵性集団に対しても有効です・・我が同盟は須らくミッションに参加する方針ですが、ミッションに参加していない艦が参加している艦を攻撃するのは重大な規約違反に当たり、参加資格が即時に剥奪されます・・同様に参加していても、妨害・威嚇以上の直接攻撃は厳に禁じられております・・こちらも参加資格は即時に剥奪されますので、チャレンジ・トライミッションに参加していれば集団組織戦闘は勃発しないでしょう・・」

「・・アドルさん・・開幕して最初の2日間のゲームフィールドは、どのように設定されると思いますか・・?・・」

・・と、『カレドン・カサンドラ』のアシュリー・アードランド艦長が訊く・・。

「・・そうですねえ・・これは全くの予想なので・・外れる可能性もありますが、開幕して最初の2日間のゲームフィールドは、とてつもなく広く設定される可能性が高いのではないかと思います・・まだ判りませんので、我が同盟に関して言えば複数の行動方針を考えて会議室にアップしますので、読んで下さい・・先ず全艦が出航してお互いの位置関係とフィールドの状況を確認した上で、半日航行すれば同盟全艦が合流できる距離の場合と・・1日航行すれば合流できる距離の場合と、2日間航行し続けても合流できない程の距離である場合を想定して、取り敢えず3つの行動方針を考えてアップしますので読んで下さい・・私の予想は3番目です・・まあ楽観的と言われるかも知れませんが、ゲームが長引いても構わない大会運営本部の御目こぼしかも知れない、と思っています・・出航直後の私達は横一線でズブの素人ですから、それぞれが単艦での訓練期間に充てられるようにとの・・配慮があるのかも知れません・・お解りかと思いますが、私達にとって最も危険な可能性は最初に言った予想です・・半日航行して合流できる程の距離ならば、その半日で敵性艦と接触する可能性もある訳です・・今、敵性集団とは言いませんでしたが、集団を形成するなら彼等も半日をかけて合流しなければなりません・・そうなると私達にとっての危ない時間帯は、開幕して1日経つか経たないかの頃・・と言う事になりますが・・その頃には親睦パーティーを開かなければなりません・・この規定を無視して行動すれば、相応のペナルティが運営本部に因って課されます・・つまり・・合流前の私達を捕捉して叩くのなら規定を無視する他には無い・・課されるペナルティをも覚悟の上で、私達を付け狙う程の気概が彼等にあるとも思えません・・すれば残る可能性は、合流前の私達が何隻かの敵性艦に発見されるかも知れないと言うものですが、その場合は即時にサイレントモードに入って貰って遣り過ごすしか無いでしょう・・」

・・同時刻・・とある場所にある大規模集中制御室・・3Dモニターが1列20枚で30列も並び、四面の壁一面にも様々なタッチパネルの上にモニターが起動している・・。

「・・おい・・あの男は何者だ・・?・・」

「・・今巷で専ら噂の、アドル・エルク艦長ですよ・・主任・・いや、今は主宰かな・・?・・」

「・・そんな事は分かってる・・どうしてあんな事まで言えるんだ・・?・・情報が洩れたのか・・?・・」

「・・物凄く的確に話していますが、当てずっぽうで言っているだけです・・情報が洩れた形跡はありませんし、洩れるなど有り得ません・・情報秘匿レベルは4A(フォー・エー)を堅持しています・・」

「・・なら、何故あそこまで読めるんだ・・?・・洞察力どころの話じゃないぞ・・!?・・」

「・・彼に関してトップの間から時折聞こえる、アレじゃないんですかね・・?・・」

「・・おい・!・その言葉、滅多に口にするなよ・・飛ばされたくなければな・・!?・・」

「・・はい、委細は承知しております・・」

「・・アドルさん・・!・・貴方のその洞察力は一体どれ程のレベルなのですか・・?・・驚異的な程ですよ・・」

・・と、『サンクトル・アヴローラ』のクレイトン・パイク副長が眼を剝く・・。

「・・う~ん・・どうなんでしょうかねえ・・?・・普通に考えを進めて、予測・予想しているだけのつもりなんですが・・?・・」

「・・シエナ・・リサさん・・エリック・カンデルさんの言った『アドルさんを怖がらないでやって欲しい』の意味がやっと解ったよ・・受け止め方に依ったら、今のアドルさんを怖がる人もいるだろうね・・?・・」

「・・うん・・そうかも知れないけど、私は大丈夫だよ・・!・・ハルだってそうでしょ・・?・・何たってアドルさんは、私達全員を選び抜いて一つにまとめてくれた人なんだから・・」

「・・うん・・そうだね・・ごめん・・」

「・・良いのよ・・」

「・・ねえ、リサさん・・お勤め先でのアドルさんは、どんな方なんですか・・?・・」

・・と、『ヴィンセント・ガラン』のマヤ・アンジェロウ艦長が緊張気味に訊いた・・。

「・・そうですね・・会社でのアドルさんには、『先読みのアドル・エルク』と言うあだ名が付けられています・・」

「・・先読みの・・そうなんですか・・?・・」

「・・怖いですか・・?・・」

「・・いいえ・・そこまでは感じません・・私は・・ただ、アドルさんの鋭い感受性になかなか付いて行けないような人には・・理解されづらいだろうなとは思います・・」

「・・そうですか・・ありがとうございます・・」

「・・いいえ、どう致しまして・・」

「・・何だかその・・生々しい話になっちゃいましたね・・次はどうしますか・?・アランシスさん・・?・・何かこう・・楽しいお話でもしません・・?・・」

「・・では一つ、お訊きします・・これにお応え頂けたら、次は親睦パーティーの話題に移りましょう・・戦艦や重巡宙艦の艦長達は、この同盟をどう捉えているでしょう・・?・・」

「・・(笑)・・歯牙にも掛けていないでしょうし、眼中にも無いと思いますよ・・重巡宙艦の相手は重巡宙艦であり、戦艦の相手は戦艦ですよ・・軽巡宙艦などは、何の問題にもしていないでしょうね・・もしもいきなり眼の前に顕れたとしたら、余程に運が良くない限り即時に詰みますね・・」

「・・そんなものですか・・?・・」

「・・そんなものですね・・」

「・・分かりました・・それでは、各艦の艦長乃至は副長の方にお伺いしましょう・・初出航後24時間前後を目処として、初出航記念艦内親睦パーティーの開催が規定されていて義務付けられています・・現時点での状況で結構ですので、開催形態や企画等についてお話し下さい・・それではまた・・アドルさんからと言う事で・?・すみません・・」

「・・いやいや・・まあ言い出しっぺですからね・・大丈夫ですけれども・・え~、本艦・『ディファイアント』に於きましては補給支援部長を委員長とした実行委員会を組んでおりまして、総てはそちらに一任しております・・まあ漏れ聞く処では、私が弾き語りで6曲ほどを披露するとか言う話が聴こえています・・あとは、開幕2日目の日曜日に誕生日を迎えるクルーがおりますので、その彼女の誕生会をセッティングして欲しいとの要望は出しました・・あとは歌って踊って飲んだり食べたり、じゃないですかね・?・他に何かあれば、シエナ・ミュラー副長がお応えします・・」

「・・はい・・『ディファイアント』のシエナ・ミュラーです・・アドル艦長も仰られましたが、日曜日に誕生日を迎えるクルーの誕生会を開催します・・次に、本艦内に『ミーアス・クロス』と『リアン・ビッシュ』がおりますので、合同でのミニ・ライヴを開催します・・次に、25才未満と25才以上に分かれての歌合戦を開催します・・アドル艦長の弾き語りで6曲をお願いしております・・次に・・所謂隠し芸大会を企画しておりまして、これは現在組織中です・・あとはまあ、呑んだり食べたり騒いだり・・と言う処でしょうか・・」

「・・ありがとうございました・・なかなか楽しそうなパーティーですね・・私も参加したいです・(笑)・特にアドルさんの弾き語りを6曲も聴けると言うのは好いですね・・大変に興味深い配信用動画の為の素材が収録出来るでしょう・・さて・・他に親睦パーティーでの企画が既に決まってらっしゃる処はありますでしょうか・・?・・」

「・・はい・・ジーン・ヴィダルです・・私は、イラストレーターなんですけれども・・親睦パーティーの中で、イラスト描きの講座を開きます・・勿論飲んだり食べたり踊ったり騒いだりはあると思いますけれども・・この講座にも結構力を入れて取り組みたいと思っています・・あと・・恥ずかしながらクルーの誕生日を把握しておりませんでしたので、今月内にて誕生日を迎えるクルーの誕生会を開催したいと思います・・今は・・以上です・・」

「・・エイミー・カールソンです・・私は、宴会に毛の生えたようなものだと思っていました・・私には絵心や音楽の才能も無いので、何のパフォーマンスも出来ませんが・・祖母や母から伝え聞いた家庭料理の味には幾らか自信がありますので、自信を持って作れる料理をクルーに振る舞いたいと考えています・・私もクルーの誕生日を把握しておりませんでしたので、誕生日の近いクルーはパーティーの中で祝ってあげたいと思います・・それと何でも自由に話題に出来る場にはしたいと思っています・・あとはウチでも、呑んだり食べたり歌ったり踊ったり騒いだりですね・・今の処は以上です・・」

「・・アマンダ・アーズマです・・私はテニスプレイヤーですので、全乗員参加でのテニス・トーナメントを開催します・・3つあるトレーニング施設をフルに使って、呑んだり食べたり騒いだりしながら盛り上げていきます・・私自身も1回戦から参加して、それぞれのトレーニング施設で1位が決まったら、3人全員と対戦します・・」

「・・はい・!・アシュリー・アードランドです・!・『カレドン・カサンドラ』艦内で開催される親睦パーティーでは、弊社で取り扱う全商品を取り上げての一大PRキャンペーンの場とします・!・勿論、食べながら飲みながら歌いながら騒ぎながら、盛り上げて行います・!・ご期待下さい・!・」

「・・エスター・セーラ・ヴェレスです・・『クラウン・カンバーランド』での親睦パーティーでは、ちょっと地味かも知れませんがフラワー・コーディネート講座を開催します・・勿論飲みながら食べながら行いますが、そんなに騒がないだろうなとは思います・・誕生日の近い方にはバースデー・ブーケを作って差し上げますし、バースデー・ブーケの作り方も教えます・・以上です・・」

「・・はい、メリッサ・エメリックです・・『シムリット・サール』での親睦パーティーでは、私共の店で作ったケーキをお出ししての、ケーキ・ヴァイキングを開催します・・また、様々なタイプでのケーキ製作講座も開催します・・バースデー・ケーキの製作講座も行いまして、お誕生日の近いクルーの方に食べて頂きます・・飲んだり食べたりもしますが、そちらは程々にしようかなとは思っています・・以上です・・」

・・私は嬉しくなって、自然な笑顔で左手を挙げた・・。

「・・メリッサ・エメリックさん・・素敵なパーティーになりそうですね・・私もご相伴に与りたいですよ・(笑)・まあ、それは冗談ですが・・後でお店に伺いますので、私の作るミルクティーのレシピと一緒に、ケーキに好く合うモルトを一本、進呈させて頂きます・・楽しんで下さい・・」

「・・!え・あ・!・ありがとうございます・!・嬉しいです・!・感激です・!・わざわざおいで下さるんですか・?・どうしましょう・?・何かお渡ししましょうか・・?・・」

「・・いえ、26日の木曜日に我が家で細やかな壮行会を開きますのでね・・仕事帰りにお土産のケーキを買いに伺います・・その時にお渡ししますよ・・」

「・・え・!?・はい・!・そうなんですか・?・分かりました・・ありがとうございます・・本当に嬉しいです・!・感激しています・・あの、ケーキは何をお渡ししましょうか・・?・・」

「・・そうですね・・7号サイズのケーキを2つで・・ひとつはザッハトルテ・・もう一つはベイクド・チーズケーキでお願いします・・妻の好物なもんでね・・」

「・・分かりました・!・精一杯心込めて作らせて頂いて、お待ちしております・!・どうもありがとうございます・・」

「・・宜しくお願いしますね・・それとあの・・序でで申し訳ないのですが、エスター・セーラ・ヴェレスさん・・メリッサ・エメリックさんのお店に伺う前にそちらのお店に伺いますので、この前に頂いたのと同じ構成での花束を2つ・・もう少し大きい花束にしてお願い出来ますか・・?・・」

「・・は・!?・あ・・ありがとうございます・・私も嬉しいです・・感激です・・私も丁寧にお作りしてお待ちしています・・あ、あの・・宜しければ私にもミルクティーのレシピを頂けないでしょうか・・?・・」

「・・え?、ああ、好いですよ・・メモ書きで好ければ・・?・・」

「・・はい、メモで結構です・・ありがとうございます・・宜しくお願いします・・」

「・・どう致しまして・・こちらこそね・・」

「・・あの・・アドルさん・・私もアドルさんのミルクティーのレシピが、欲しいです・・」

・・観ると、エイミー・カールソンさんが手を挙げている・・。

「・・は・・ああ、そうですか・・いや・・もしかして他にも、私のミルクティーのレシピが欲しい方はいらっしゃいますか・・?・・」

・・この問い掛けが鬼門であり、愚問でもあった事は直ぐに分かった・・何故ならその場に居た女性が全員手を挙げたからだ・・観ればデザレー・ラベル女史と、ミンディ・カーツ女史も手を挙げている・・ザンダー・パスクァール艦長さえも手を挙げている・・見渡して思わず顎を引いた私だったが、直ぐに気を取り直す・・。

「・・分かりました・・この生配信番組が終わりましたら、ちょっと端末をお借りして書きます・・カスタムレシピでお出しした方には、そのレシピでお渡しします・・通常のレシピでお出しした方には通常のレシピで・・双方とも段取りから手順も含めて書いてお渡ししますので、暫時お待ち下さい・・宜しくお願いします・・」

「・・ありがとうございます・・本当に・・楽しみですわ・・」

・・アウリィ・グナディ博士が、両手を祈るように握り合わせて笑顔でお礼を言ってくれた・・。

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