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・・・『始動』・・・

・・全員集合・・3・・

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「・・よ~し・・次は保安部に行こう・・フィオナ・コアー保安部長は知ってるな・・?・・彼女には色々と世話になってる・・以前俺の社宅に来てくれた時に、彼女と副保安部長を務めるカリッサ・シャノンさんが、俺の社宅にファインダーを向けていたカメラを3台発見してくれた・・そして今は、その盗撮事例に於いて会社が法的な措置を執っている・・と言う事で、保安部要員として就いて貰った人達には護身格闘スキルとか、巡廻警備・警護のスキルが1程度以上に具わっている・・先も言ったが、副保安部長のカリッサ・シャノンさんだ・・この2人の許に保安部要員を7名配置する・・こちらから、ジャニス・マニアさん・・アン・ピューシーさん・・エミリアナ・フィンレーさん・・リサ・ダービンさん・・シーラ・メロさん・・アーシア・アルジャントさん・・ディア・ミルザさんだ・・皆さん、この3人がリサさんも含めて私の同僚です・・こちらからスコット・グラハム・・マーリー・マトリン・・ズライ・エナオです・・」

「・・皆さん、宜しくお願いします・・スコットと仲間達です・・皆さんには本当に、先輩の事を宜しくお願いします・・」

「・・スコットさん、宜しくお願いします・・大丈夫ですよ・・アドルさんの事は、安心して私達にお任せ下さい・・」

「・・そ~して、最後が生活環境支援部だな・・こちらの方が、生活環境支援部長のミーシャ・ハーレイさんだ・・そのお隣が副部長のヘザー・フィネッセーさん・・それで、このお二人の許にも生活環境支援スタッフが2名就く・・サディ・カルノーさんと、エラ・ホールさんだ・・生活環境支援部は生命維持システムを含む、艦内環境調整の全般及び、各システム・装備・装置・施設の改良や改善を担当して取り仕切る・・正に『ディファイアント』艦内の命綱だ・・艦内環境を健全に保つ為に、非常に重要な部門だ・・皆さん、この3人がリサさんも含めて私の同僚です・・こちらから、スコット・グラハム・・マーリー・マトリン・・ズライ・エナオです・・」

「・・皆さん、宜しくお願いします・・先輩と一緒に同じ職場で働いています、スコット・グラハムと、その仲間達です・・皆さんのお陰で気持ち良く乗れる艦(ふね)になると思いますので・・くれぐれも宜しくお願いします・・」

「・・ご丁寧にありがとうございます、スコットさん・・こちらこそ、宜しくお願いします・・クルーの皆が少しでも気持ち良く過ごせるように頑張りますので、大丈夫ですよ・・お任せ下さい・・」

「・・よ・・し・・これで全員だな・・残りは医療部と厨房とバーラウンジのメンバーだけど・・これらの部所に就いて貰った方々は、もう紹介済みだからな・・あとはそれぞれで積極的に話して交流を深めてくれ・・疲れたから座るよ・・」

・・そう言ってグラスを取り、ドリンク・ディスペンサーにジンジャー・エールを出させると、副長とカウンセラーの間の席に座る・・スコットは、またエドナの隣に座って話しているし・・ズライもまた、ヘンリエッタ女史の隣に座って話し込んでいる・・マーリーは・?・ほう・・ハンナの隣に座って話している・・リサはチーフの隣にいて、彼が何か冗談でも言ったようで、笑っている・・あの2人・・結構お似合いかも知れない・・さて、右隣の副長を見遣れば、何故か顔が赤い・・。

「・・どうした・?・シエナ・・?・・」

・・そう訊いてエールを二口飲む・・。

「・!・い、いえ・!・何でもありません・!・」

・・そう応えて、赤い顔を隠すようにして向こうを向く・・デザレー・ラベル女史が、何故かギターを持って来た・・。

「・・あの、アドルさん・・先程シエナさんにも伺って許可を頂いたのですけれども・・会見が始まりますまでにまだ暫く掛かるようですので、こちらで歌って頂けないでしょうか・・?・・」

・・そう言いながらギターを手渡される・・なるほど、そうか・・副長が顔を赤くしていた理由が判って腑に落ちる・・。

「・・ラベルさん・・最近はどこに行ってもギターを渡されて、歌ってくれって言われるようでしてね・・それじゃまあ・・取り敢えず1曲・・これは・・シエナ・ミュラー副長のデビュー曲でして・・『恋は不思議色』です・・」

・・そう言いながらチューニングがてら、適当に掻き鳴らす・・するとラウンジにいる全員が、身体ごとこちらを向いて注目した・・。

「・・どうする・?・シエナ・・?・・一緒に演ろうよ・・?・・」

「・・いや・・あの・・(すごい小声で)・・ここは知らない人がたくさんいますから・・この歌はちょっと・・恥ずかしいです・・」

「・・たくさんって言ったって、30人くらいだろ・・?・・営業本部での壮行会の時には、もっといっぱいいたじゃないか・・?・・配信が始まったら何人が観ると思う・・?・・親睦パーティでは一緒に演るからね・・今ここで練習しといた方が好いよ・・?・・ほら、キーはこれで好いよね・・?・・」

・・そう言って、イントロを繰り返し弾いて聴かせる・・。

「・・ああ・・(諦めたように)・・分かりました・・これで好いです・・歌います・・」

「・・よし・・好いぞ・・今のシエナの声の方が合っていると思うよ・・可愛くな・・?・・」

・・もう一度イントロを繰り返して、歌い始める・・私は低い音程でのハーモニーラインを採った・・。

「・♬・つかまえて♡マイ・ハッピネス♪恋は不思議色♡マイ・ハッピネス・♪・」

「・♫・パラシュートみたい♪突然に♫ときめき見付けた♡貴方のそば・♪・」

「・♬・風に流されて♪行かないで♡私のハートに♫舞い降りてね・♡・」

「・♫・桃色ですか・?・水色ですか・?・今夜♪観る夢は~・♡・」

「・♪・つかまえて♡マイ・ハッピネス♪恋は不思議色♡マイ・ハッピネス・♫・」

「・♫・いつか ふたりの胸に~♪咲かせるわ♡ファンタジー~・・」

「・♪・七色のカード♫並べたら♪迷わず選んで♡赤いハート・♡・」

「・♪・優しい貴方の♫微笑みに♪ふたりの明日が♪観えるように・♡・」

「・♪・誰かを好きに♫なる事で~♡みんな♬変わるのね~・♡・」

「・♫・つかまえて♡マイ・ハッピネス♬恋は不思議色♡マイ・ハッピネス・♬・」

「・♬・きっと 貴方だけに~♪届けるわ♡ファンタジー~・・」

「・♪・つかまえて♡マイ・ハッピネス♬恋は不思議色♡マイ・ハッピネス・♬・」

「・♬・つかまえて♡マイ・ハッピネス♪恋は不思議色♡マイ・ハッピネス・♪・」

・・そのままリフレインを繰り返して、フェードアウトさせていく・・歌い挙げて終わると、全員から拍手と歓声が湧き起こる・・私は右手を挙げて応えたが、シエナはものすごく赤くさせた顔を両手で覆った・・。

「・・どうした・?・シエナ・?・ものすごく好かったよ・・!・・やっぱり今のシエナの声にピッタリとマッチしているよ・・恥ずかしくないよ・・とても好かったよ・・」

「・・恥ずかしいですよ・!・もう・!・アドルさんは意地悪です・・!・・」

「・・そんな事ないよな・・?・・ハンナ・・?・・」

「・・そうですね・・とても可愛くて・・好かったです・・この歌は私も気に入っていて、デビューした頃の彼女を思い出しました・・好かったわ
よ・・!・・シエナ・・♡・・」

・・ハンナもそう言ってシエナに声を掛けたが、まだ赤くした顔を両手で覆って俯いたまま顔を上げられない・・ラベル女史の顔を観ながら、左腕のクロノウォッチを指差して眼で訊くと、彼女は右手でVサインを作って見せる・・。

「・・?・・あと2曲ですか・・?!・・」

「・・!・・そうです・!・すみません・・あと2曲だけ、お願いします・・」

「・・2曲だけ・・と言われましてもね・・分かりました・・それでは・・え~・・『例え世界中が敵に回っても』と・・『恋物語は突然に始まる』・・です・・」

・・それだけ言うとギターを抱え直し、1分程でチューニングし直して前奏に入り、そのまま歌い始める・・2曲ともミディアム・スローな曲なので、少し強目に情感を込めて謳い上げる・・歌い終えると、先程よりも大きい拍手と歓声が湧き起こる・・立ち上がって周囲に頭を下げ、ラベル女史にギターを返してサムズアップをキメると、彼女はOKサインで返した・・座り直してジンジャー・エールを飲み乾し、グラスを置いて大型モニターを見上げると、ちょうどそのタイミングでモニターが起動した・・。
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