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・・・『始動』・・・
・・『ディファイアント』・・6・・
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・・デッキ4に移動した・・。
「・・ここがエンジニアリング・ルーム・・機関室です・・メインエンジンルームと、サブエンジンルームがあります・・どちらからでもこの2つのエンジンを初めとして、舷側スラスター・姿勢制御スラスター・補助ロケットモーター等、総ての推進設備・装置・機器の調整、制御をすると共に、この『ディファイアント』が消費する、総てのパワーとエネルギーの発生源、メインリアクターがあります・・このメインリアクターのセットが大きいので、3階分吹き抜け相当の広さと大きさになっています・・リアクターを整備する必要から、上にはキャットウォークが張り巡らされていますが・・警戒態勢に入ったら、キャットウォークへの立ち入りは禁止されます・・この機関室からもメインコンピューターの、どのレベルにもアクセスしての操作が可能です・・そして、この機関室の方がブリッジよりも重要です・・ブリッジが壊滅しても、機関室が活きていれば何とか艦は動かせますが、機関室が壊滅すれば撃沈判定が出ます・・えー・・設備・装置・機器のセットがルームの中を大きく占めているので、シートは機関部長と副部長・・主任機関士2人の、4席しかありません・・他の機関部要員は立ったままか、動きながら操作したり監視したり記録したりします・・仮眠室兼休憩室が隣接されていますが、同時に全員は入れません・・また、先程にも言いましたが、3本のメイン・メンテナンスチューブは総てここに繋がっています・・ざっとまあ、こんな処ですね・・」
・・私はここ迄で説明を切った・・。
「・・アドルさん・・短いですが、充全な説明をありがとうございます・・」
「・・いや・・今ここに機関部要員は1人しかいないので、あまり喋っても、とも思いましたのでね・・」
「・・どうでしょうか・・?・・質問が無いようでしたら、次のデッキに移動しましょう・・」
・・誰も口を開かなかったし、手も挙げなかったので、次のデッキに移動した・・。
「・・デッキ3・・」
・・先ず、全員を中に入れて眺めて貰う・・私もマルセルさんも口を開かなかった・・全員がゆっくりと歩きながら観て廻った・・。
「・・ここが、メイン・ブリッジですね・・?・・」
・・と、アーレン・ダール医療部長・・。
「・・そうです・・『ディファイアント』のもう一つの中枢部分・・外交も含めた中枢部分ですね・・」
「・・この・・形は・・何と言うのか・・?・・」
・・と、カーラ・ヘンリエッタ女史・・。
「・・卵ですね・・卵を・殻の内側から観ている感じなんですね・・?・・」
・・と、フーダ・ゾービ女医・・。
「・・そうですね・・あちらに観えるのが、メインビューワですので・・この方向が艦首前方と言う事になります・・さあ・!・ここに席のある人はシートに着いて、設定作業を続けて下さい・!・・」
・・そう言うと副長以下、ここに自席を持つクルー達がシートに着き、パネル上で指を走らせ始める・・うん・・よくやってくれている・・。
「・・あそこが貴方の席ですか・?・アドルさん・・?・・」
・・と、マエストロ・ラウレンティスが、副長と参謀の間の席を指差す・・。
「・・そうですね・・そうなっています・・」
「・・座って見せて下さい・・」
「・・そうですか・?・じゃ、ちょっと失礼します・・」
・・と、キャプテンシートに滑り込んで、深く座ってみる・・うん・・シートの調製は完璧に仕上げられている・・深く淹れた紅茶が欲しい・・二口飲んだら眠ってしまうかも知れない・・おっと・・気を取り直して前を向くと、自分のパネルを通電させて指を走らせ始める・・普通に色々と触って・・観て廻っているつもりだったのだが、暫くすると・・周りのメンバーが私の手元を覗き込んでいるのに気付く・・?・何だ・?・・。
「・・すごい・・」
・・その声は、私のシートの左後ろに立って同じように私の手元を覗き込んでいた、リサの口から漏れた・・。
「・・あれ・?・リサさん、知らなかったの・?・先輩のタッチワーク・スピードは俺の知る限り、10指に入るよ・・」
「・・そりゃ褒め過ぎだろ、スコット・・30人程度じゃねえの・・?・・」
「・・いや、10人スね・・最近じゃ音声入力とかイメージ入力とかで、指を使う人も少なくなったスから・・」
「・・まあ・・それもそうだけどさ・・でもこのパネル・・反応速度がちょっと渋いね・・設定をちょっと弄って・・うん・・好くなった・・ちょうど好いや・・」
「・・しかし、すごいですね・・アドルさん・・全く貴方と言う人には、毎回驚かされますし、感動させられますよ・・」
「・・貴方も人を褒め過ぎですよ、マルセルさん・・1万人以上の艦長は、私よりも必ず優秀です・・でも戦いは単に能力の優劣だけでは左右されない・・例えどれ程に優秀な相手だとしても、意表を突いた攻撃で隙を作らせる事は出来るし、その隙に乗じる付け込んだ攻撃で、機先を制して先にダメージを与える事は充分に可能です・・そしてそれこそが、私が考えるこのゲームの醍醐味ですよ・・と・・ここで、セーブだね・・良し・・ここは、これで好いや・・」
・・そう言うとパネルのOSを落し、電源を切って立ち上がった・・。
「・・あっ、先輩、すみません・!・もうちょっと座っていて貰って良いスか・?・マルセルさん、すみません・!・このまま皆さんが座っている処を、撮らせて貰っても良いでしょうか・・?・・」
「・・う~ん・スコットさん・・まあ特別に、許可しましょう・・でもネットにアップするのは、開幕してからにして下さいね・・これは本当にお願いしますよ・・!・・」
「・・ありがとうございます!・マルセルさん・・指示は絶対に守ります!・・安心して下さい!・・皆さん、すみません!・・3枚だけ!・3枚だけご協力下さい!・・」
・・そう言うとスコットはメインビューワの前まで飛んで行き、携帯端末を取り出すとメインパイロットのパネルの上に置いて、そこに居る全員がファインダーフレームの中に入るように調整すると、また飛んで戻ってキャプテンシートの右後ろ・・リサの隣に立った・・緑の点滅が10回続き、赤の点滅が5回続いて、シャッター音が3回聴こえた・・。
「・・ありがとうございました!・皆さん、ありがとうございました!・・」
・・そう言いながらスコットは、周りに何回も頭を下げながら携帯端末を取りに行く・・私は立ち上がってブリッジ後方を示しながらマルセルさんを見遣ると、彼は頷いた・・。
「・・はい・!・・設定作業を進めている人は、そのまま進めて下さい・・それ以外の方はこちらへどうぞ・・この部屋が、ブリッジから機関室を遠隔で集中的に操作できる制御室です・・!・・」
・・そう言って、ブリッジ後部の右脇のドアから入る集中遠隔制御室を紹介する・・入っても5人くらいしか入れない制御室なので、3人くらいのグループ分けで、交代で入って貰う・・。
「・・例え機関室に誰もいなくても、リモートで操作・調整の制御が出来ます・・ここに入れるのは、機関部長と副部長・・それと主任機関士2人を含めた4人までです・・それでは次に、艦長と副長の控室をご覧頂きましょう・・」
・・そう言ってブリッジ右側前方のドアを開き、艦長控室に入る・・。
「・・控室と言われましたが、ちょっと豪華な会議室のような趣ですね・・」
・・そう言って、ティエリー・パッサールシェフが見廻す・・。
「・・デスクやソファーセットも、かなり高いグレードですね・・」
・・と、アラセリ・セガーラシェフ・・。
「・・ここでなら、部長・副部長は全員、座れますね・・」
・・と、イアン・サラッド氏・・。
「・・これは水槽ですか・・?・・」
・・と、サラ・ペイリンが訊く・・。
「・・うん・・水槽だね・・まあ、観賞魚でも容れられたら如何でしょうかと言う感じで作ってくれたんだけど・・生き物を飼う習慣が無いのでね・・まだ決めてない・・」
「・・アドルさん・・私の知り合いに観賞魚ショップを経営している者がいるのですけれども・・連絡してみましょうか・・?・・」
・・そう、医療部長が訊いた・・。
「・・はあ・・有難いですけれども・・私は生き物の世話をするのが苦手でしてね・・」
「・・あまり世話の要らない観賞魚を紹介して貰いますよ・・なので・・ちょっと、水槽の画像だけ撮りますね・・」
・・そう言って自分の携帯端末を取り出すと、水槽のサイズを計測して3つのアングルから画像を撮った・・。
「・・まあ、楽しみにしておいて下さい・・色々と、どんな観賞魚が好いのか、訊いてみますから・・」
「・・はあ・・宜しくお願いします・・それで、ここのちょうど反対側に副長の控室があるのですが・・デザインとレイアウトはここと同じです・・が、水槽は入っていません・・水槽は入っていなくて、ただ、空間が空いているだけだったのですけれども・・観ますか・・?・・」
「・・ここがエンジニアリング・ルーム・・機関室です・・メインエンジンルームと、サブエンジンルームがあります・・どちらからでもこの2つのエンジンを初めとして、舷側スラスター・姿勢制御スラスター・補助ロケットモーター等、総ての推進設備・装置・機器の調整、制御をすると共に、この『ディファイアント』が消費する、総てのパワーとエネルギーの発生源、メインリアクターがあります・・このメインリアクターのセットが大きいので、3階分吹き抜け相当の広さと大きさになっています・・リアクターを整備する必要から、上にはキャットウォークが張り巡らされていますが・・警戒態勢に入ったら、キャットウォークへの立ち入りは禁止されます・・この機関室からもメインコンピューターの、どのレベルにもアクセスしての操作が可能です・・そして、この機関室の方がブリッジよりも重要です・・ブリッジが壊滅しても、機関室が活きていれば何とか艦は動かせますが、機関室が壊滅すれば撃沈判定が出ます・・えー・・設備・装置・機器のセットがルームの中を大きく占めているので、シートは機関部長と副部長・・主任機関士2人の、4席しかありません・・他の機関部要員は立ったままか、動きながら操作したり監視したり記録したりします・・仮眠室兼休憩室が隣接されていますが、同時に全員は入れません・・また、先程にも言いましたが、3本のメイン・メンテナンスチューブは総てここに繋がっています・・ざっとまあ、こんな処ですね・・」
・・私はここ迄で説明を切った・・。
「・・アドルさん・・短いですが、充全な説明をありがとうございます・・」
「・・いや・・今ここに機関部要員は1人しかいないので、あまり喋っても、とも思いましたのでね・・」
「・・どうでしょうか・・?・・質問が無いようでしたら、次のデッキに移動しましょう・・」
・・誰も口を開かなかったし、手も挙げなかったので、次のデッキに移動した・・。
「・・デッキ3・・」
・・先ず、全員を中に入れて眺めて貰う・・私もマルセルさんも口を開かなかった・・全員がゆっくりと歩きながら観て廻った・・。
「・・ここが、メイン・ブリッジですね・・?・・」
・・と、アーレン・ダール医療部長・・。
「・・そうです・・『ディファイアント』のもう一つの中枢部分・・外交も含めた中枢部分ですね・・」
「・・この・・形は・・何と言うのか・・?・・」
・・と、カーラ・ヘンリエッタ女史・・。
「・・卵ですね・・卵を・殻の内側から観ている感じなんですね・・?・・」
・・と、フーダ・ゾービ女医・・。
「・・そうですね・・あちらに観えるのが、メインビューワですので・・この方向が艦首前方と言う事になります・・さあ・!・ここに席のある人はシートに着いて、設定作業を続けて下さい・!・・」
・・そう言うと副長以下、ここに自席を持つクルー達がシートに着き、パネル上で指を走らせ始める・・うん・・よくやってくれている・・。
「・・あそこが貴方の席ですか・?・アドルさん・・?・・」
・・と、マエストロ・ラウレンティスが、副長と参謀の間の席を指差す・・。
「・・そうですね・・そうなっています・・」
「・・座って見せて下さい・・」
「・・そうですか・?・じゃ、ちょっと失礼します・・」
・・と、キャプテンシートに滑り込んで、深く座ってみる・・うん・・シートの調製は完璧に仕上げられている・・深く淹れた紅茶が欲しい・・二口飲んだら眠ってしまうかも知れない・・おっと・・気を取り直して前を向くと、自分のパネルを通電させて指を走らせ始める・・普通に色々と触って・・観て廻っているつもりだったのだが、暫くすると・・周りのメンバーが私の手元を覗き込んでいるのに気付く・・?・何だ・?・・。
「・・すごい・・」
・・その声は、私のシートの左後ろに立って同じように私の手元を覗き込んでいた、リサの口から漏れた・・。
「・・あれ・?・リサさん、知らなかったの・?・先輩のタッチワーク・スピードは俺の知る限り、10指に入るよ・・」
「・・そりゃ褒め過ぎだろ、スコット・・30人程度じゃねえの・・?・・」
「・・いや、10人スね・・最近じゃ音声入力とかイメージ入力とかで、指を使う人も少なくなったスから・・」
「・・まあ・・それもそうだけどさ・・でもこのパネル・・反応速度がちょっと渋いね・・設定をちょっと弄って・・うん・・好くなった・・ちょうど好いや・・」
「・・しかし、すごいですね・・アドルさん・・全く貴方と言う人には、毎回驚かされますし、感動させられますよ・・」
「・・貴方も人を褒め過ぎですよ、マルセルさん・・1万人以上の艦長は、私よりも必ず優秀です・・でも戦いは単に能力の優劣だけでは左右されない・・例えどれ程に優秀な相手だとしても、意表を突いた攻撃で隙を作らせる事は出来るし、その隙に乗じる付け込んだ攻撃で、機先を制して先にダメージを与える事は充分に可能です・・そしてそれこそが、私が考えるこのゲームの醍醐味ですよ・・と・・ここで、セーブだね・・良し・・ここは、これで好いや・・」
・・そう言うとパネルのOSを落し、電源を切って立ち上がった・・。
「・・あっ、先輩、すみません・!・もうちょっと座っていて貰って良いスか・?・マルセルさん、すみません・!・このまま皆さんが座っている処を、撮らせて貰っても良いでしょうか・・?・・」
「・・う~ん・スコットさん・・まあ特別に、許可しましょう・・でもネットにアップするのは、開幕してからにして下さいね・・これは本当にお願いしますよ・・!・・」
「・・ありがとうございます!・マルセルさん・・指示は絶対に守ります!・・安心して下さい!・・皆さん、すみません!・・3枚だけ!・3枚だけご協力下さい!・・」
・・そう言うとスコットはメインビューワの前まで飛んで行き、携帯端末を取り出すとメインパイロットのパネルの上に置いて、そこに居る全員がファインダーフレームの中に入るように調整すると、また飛んで戻ってキャプテンシートの右後ろ・・リサの隣に立った・・緑の点滅が10回続き、赤の点滅が5回続いて、シャッター音が3回聴こえた・・。
「・・ありがとうございました!・皆さん、ありがとうございました!・・」
・・そう言いながらスコットは、周りに何回も頭を下げながら携帯端末を取りに行く・・私は立ち上がってブリッジ後方を示しながらマルセルさんを見遣ると、彼は頷いた・・。
「・・はい・!・・設定作業を進めている人は、そのまま進めて下さい・・それ以外の方はこちらへどうぞ・・この部屋が、ブリッジから機関室を遠隔で集中的に操作できる制御室です・・!・・」
・・そう言って、ブリッジ後部の右脇のドアから入る集中遠隔制御室を紹介する・・入っても5人くらいしか入れない制御室なので、3人くらいのグループ分けで、交代で入って貰う・・。
「・・例え機関室に誰もいなくても、リモートで操作・調整の制御が出来ます・・ここに入れるのは、機関部長と副部長・・それと主任機関士2人を含めた4人までです・・それでは次に、艦長と副長の控室をご覧頂きましょう・・」
・・そう言ってブリッジ右側前方のドアを開き、艦長控室に入る・・。
「・・控室と言われましたが、ちょっと豪華な会議室のような趣ですね・・」
・・そう言って、ティエリー・パッサールシェフが見廻す・・。
「・・デスクやソファーセットも、かなり高いグレードですね・・」
・・と、アラセリ・セガーラシェフ・・。
「・・ここでなら、部長・副部長は全員、座れますね・・」
・・と、イアン・サラッド氏・・。
「・・これは水槽ですか・・?・・」
・・と、サラ・ペイリンが訊く・・。
「・・うん・・水槽だね・・まあ、観賞魚でも容れられたら如何でしょうかと言う感じで作ってくれたんだけど・・生き物を飼う習慣が無いのでね・・まだ決めてない・・」
「・・アドルさん・・私の知り合いに観賞魚ショップを経営している者がいるのですけれども・・連絡してみましょうか・・?・・」
・・そう、医療部長が訊いた・・。
「・・はあ・・有難いですけれども・・私は生き物の世話をするのが苦手でしてね・・」
「・・あまり世話の要らない観賞魚を紹介して貰いますよ・・なので・・ちょっと、水槽の画像だけ撮りますね・・」
・・そう言って自分の携帯端末を取り出すと、水槽のサイズを計測して3つのアングルから画像を撮った・・。
「・・まあ、楽しみにしておいて下さい・・色々と、どんな観賞魚が好いのか、訊いてみますから・・」
「・・はあ・・宜しくお願いします・・それで、ここのちょうど反対側に副長の控室があるのですが・・デザインとレイアウトはここと同じです・・が、水槽は入っていません・・水槽は入っていなくて、ただ、空間が空いているだけだったのですけれども・・観ますか・・?・・」
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