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・・・『始動』・・・
・・『ディファイアント』・・
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・・スターベース・スペースドックのセットは、既にその規模が確定されているようだ・・手前から奥へと並ぶ20本のスペースポートには、既に20隻の軽巡宙艦がその左舷を接舷させている・・スペースドックのセットも細部まで造り込まれていて、まるで本物のように観える・・『ディファイアント』は手前から2本目のポートにその左舷を接舷させていて、その外観は輝くシルバー・ホワイトだった・・。
「・・ほう・・こうして20隻が舳先を並べているのを観るのは、壮観なものですな・・」
・・と、マエストロ・ラウレンティス・・。
「・・すごいわね・・ここがあたし達の出発点なんだ・・」
・・と、ハンナ・ウェアー・・。
「・・ええ・・そうね・・」
・・と、シエナ・ミュラーがそう応じる・・。
「・・マルセルさん・・『ディファイアント』はどれですか・・?・・」
・・と、ドクター・アーレンが訊く・・。
「・・ああ、すみません・・手前から2隻目です・・」
・・マルセルさんがそう言うと、何人かから感嘆の声が挙がる・・。
「・・綺麗っスね・・シルバー・ホワイトか・・先輩らしいや・・」
「・・それが最初は山吹色に塗られていてさ・(笑)・違和感アリアリだったから、マルセルさんに頼んだんだよ・・塗り直してくれませんかって・・そしたらマルセルさん、渋い顔して・・まだ時間がありますから良いですけど、1回だけですよってね・(笑)・」
・・それを聴いてマルセル・ラッチェンスも苦笑する・・何時の間にかマーリー・マトリンが私の右脇に来ていて、右袖を掴んでいる・・。
「・・どうした・?・マーリー・?・怖くないよ・・俺は何処にも行かないから・・」
・・そう言うと笑顔を見せるが、周りの女性達が少し強めに彼女を観た・・。
・・手前から6番目に、真紅に塗装された艦が接舷している・・他に赤く塗られた艦は無い・・。
「・・マルセルさん・・あれがハイラム・サングスター艦長の・・?・・」
「・・ええ・・『サライニクス・テスタロッツァ』です・・あの色は、あの方にしか似合わないでしょうな・・」
「・・全く同感ですね・・」
「・・正に、赤の1番ですね・・」
・・と、マエストロ・コラントーニ・・。
「・・マルセルさん・・出演艦20隻の、データベースは共有されるのですか・・?・・」
「・・はい・・完全に共有されます・・ですから、観掛ければ直ぐに判りますよ・・」
「・・観掛ければ、ね・・男性艦長の艦と女性艦長の艦は、分けて接舷させているのですか・・?・・」
「・・いえ、順不同で並べています・・ご紹介しましょうか・・?・・」
「・・いや、データが共有されるのでしたら、結構です・・大丈夫です・・」
「・・分かりました・・皆さん・!・何かご質問はございますか・・?・・」
「・・マルセルさん、補給物資の搬入はどのように行われるのでしょうか・・?・・」
・・と、マレット・フェントンが訊く・・。
「・・ああ、マレットさん・・マニュアルにも書いてありますので、読んでおいて頂きたいのですが・・各艦とも艦尾艦底部に搬入口のハッチがあります・・そこを開けて、下からリフトで持ち上げて搬入するようになっています・・」
「・・ご丁寧にありがとうございます・・マニュアルでも確認します・・」
「・・宜しくお願いします・・それでは皆さん・・ここで他にご質問が無いようでしたら、乗艦しましょう・・」
・・また、私とマルセル氏を先頭にして歩き出す・・ドックエッジを歩いて2本目のポートに入り、『ディファイアント』の左舷に展開されたタラップを登る・・既に解放されている3枚のエアロック・ハッチを潜り抜けて、デッキ15に入る・・。
「・・デッキ15です・・ここは、一般とサポート・アシスタントクルーの居住エリアです・・」
・・アランシス・カーサーとハイラム・ケラウェイが、マスター・カードキーとパスコードの入力で、個室4部屋のドアを開く・・私達は、初めてここに来たクルーから先に室内に入らせていく・・。
「・・ここが私達の部屋ですか・・?・・」
・・と、イリナ・スタム・・。
「・・1LDKって聞いたけど・・?・・」
・・と、サラ・ペイリン・・。
「・・結構広いわよね・・?・・」
・・と、ラニ・リー・・。
「・・私が今住んでいる部屋は、これの半分くらいです・・」
・・と、ズライ・エナオ・・。
「・・これで一人住まいの個室だなんて、信じられない・・ベッドが大きくて広い・・」
・・と、コディ・ホーン・・。
「・・こんな素敵なお部屋、観た事ないです・・」
・・と、ララ・ハリス・・。
「・・この位の部屋を、私と妹で使っています・・」
・・と、マルト・ケラー・・。
「・・すごい・・こんな素敵な部屋に毎週末住めるなんて、最高です・・」
・・と、エレイン・ヌーン・・。
「・・皆さん、シャワールーム・レストルーム・バスルームは別個です・・そして、Dタイプのフード・ドリンクディスペンサーがあります・・個室の中にカメラはありませんので、ご自由に過ごせます・・ですが、通路・ターボリフト・各デッキともにマイクロカメラが16の方位に設置されています・・特にバーラウンジは36の方位に設置されています・・それらは、探そうとしても見付かりませんので宜しくお願いします・・」
・・と、アランシス・カーサーが説明した・・。
「・・飾り付けとレイアウトを工夫すれば、オリジナリティが出せますね・・」
・・と、ラリーサ・ソリナ女史・・。
「・・何かご質問はございますか・・?・・今でなくても気が付いた時に何時でも訊いて下さいね・・それでは、今の処無いようでしたら、次のデッキに移動しましょう・・」
・・と、ハイラム・ケラウェイが促す・・ターボリフトで移動して、デッキ14へ・・。
「・・ここは一般クルーとサポート・アシスタントクルーが利用できるトレーニングジム、プール、シャワー、サウナ、バスルーム、レストルーム、各種のエクササイズ施設、ヨガと瞑想の施設、10人程度で利用できる会議室、更衣室、ロッカールーム、Dタイプのドリンクディスペンサーがあります・・」
「・・何だか、トレーニング・ジムにしては広くて天井が高いわね・・」
・・と、エレナ・アナヤ女史・・。
「・・それにここの照明は影が出来ない・・手術室並みに明るいな・・」
・・と、ヘイシャム・ハイムリック医師・・。
「・・まあ、ここを使う私達の姿と、その情景を放映素材として撮影したいのでしょうね・・」
・・と、ミレーナ・ファルチ女史・・。
「・・何だか無駄に広いね・・どうしてこんなに広くしたんだろう・・?・・こういう場所でドラマが起きると思っているのか、起こる事を期待しているのか・・かな・・?・・」
・・と、そう言ってライル・アルバート氏が首を捻る・・。
「・・でも天井が高いせいか、優しい明るさで暖かく感じます・・私は身体を動かすのが好きなので、ここは利用したいです・・」
・・と、ララ・ハリスが見廻しながら言う・・。
「・・まあ、ここでなら護身術の訓練とか・・講習会も開けそうですしね・・」
・・と、フィオナ・コアーも言う・・。
「・・皆さん・・序でにお見せしますので、ちょっと来て下さい・・ここにあるメンテナンスハッチを見せます・・」
・・私はそう皆に呼び掛けて促すと、シャワールーム奥の左の壁・・プールの更衣室にあるパワートランスファーボツクスの下・・サウナの換気口を開けた左側・・ヨガと瞑想の部屋の床下に設置されている、メンテナンスハッチを開けて見せて廻った・・。
「・・アドルさん・・どうして私達にメンテナンスハッチを見せたのですか・・?・・機関部の人達でしたら、メンテナンスハッチの場所は知って置くべきなのだろうとは思いますが・・?・・」
・・と、ドクター・アーレンが不思議そうに訊く・・。
「・・ドクター・・それに皆さんも・・慌てなくても良いですから、マニュアルを熟読して頂きたいのですが・・軽巡宙艦の艦体には艦首から艦尾にかけて、3本のメンテナンスチューブが貫いて通っています・・そして艦内の主要施設に設置されているメンテナンスハッチは、3本のチューブの内のどれかに必ず繋がっています・・ハッチもチューブも人が入って通れます・・戦闘状況や緊急事態の内容によっては、ターボリフトが使えない状況や使うべきでない状況も想定されます・・その場合での・・言わば秘密の抜け穴・通路として使えます・・本当はこんな事まで今の段階で皆さんに言うのは、どうかとも思うのですけれども・・ゲームとは言え最悪の場合、この艦内で白兵戦が展開される可能性もあります・・勿論ゲームですから実際にケガなどしません・・まあ、白兵戦にまで縺れ込んでしまえば戦いは大概敗けですから、私達はそうならないように作戦を立てて遂行しますし、操艦もします・・ですがどうしてもそうなってしまった場合に、このチューブを使った作戦が・・逆転勝ちをキメる鍵になるかも知れません・・まあ・・備えあれば何とやら・・ってぐらいでも好いですよ・・」
「・・先輩・・先輩はもうホントに・・すごいですよ・・僕も『ディファイアント』に乗って先輩を手伝いたいです・!・」
「・・(笑)ああ、スコット・・ありがとうな・・気持ちだけ、有り難く頂くよ・・そうだ・・配信番組を観て、気が付いた事があったら何でも言ってくれ・・お前のアドバイスが欲しい・・」
「・・アドルさん・・貴方と言う人は、そこまでお考えなのですか・・?・・」
・・と、そう言って首を振りながらティエリー・パッサールシェフは嘆息する・・。
「・・ええ・・ですので皆さんにも、ある一定度の射撃訓練は受けて貰いますし、拳銃も貸与します・・また後でも説明しますが、部長・副部長の個室の寝室のベッドの下には・・シークレット・ウェポンキットも装備されておりますので、時間が許す場合に確認して下さい・・マルセルさん・・時間を取らせて相済みません・・参りましょうか・・?・・」
「・・いや、アドルさん・・私共の事はどうぞお気になさらずに・・存分に語って下さい・・我々としても、参考になりますので・・それでは皆さん・・宜しければ、次のデッキ13へ移動しましょう・・」
・・ターボリフトへの最大乗り入れ人数は16人なので、2回に分けてデッキ13に移動した・・ここもクルーの居住エリアである・・ここではデザレー・ラベル女史とミンディー・カーツ女史が、マスター・カードキーとパスコードの入力で個室4部屋のドアを開く・・。
「・・ここはサブスタッフ・・各部所での副部長と、機関部では主任機関士の2人も含めて、アトゥール・ビリングス医療副部長・・マエストロ・エンリコ・コラントーニ・セカンドシェフ・・イアン・サラッド・セカンドバーテンダー・・エレーナ・キーン参謀補佐・・サブ・センサー・オペレーターの2人・・サブ・パイロットの2人・・が居住するエリアです・・どうぞ、観て下さい・・」
「・・間取りは1LDKですけど・・各部屋の広さは通常の1.5倍以上ある・・普通のハウスメーカーなら、こんな構造は許さないでしょうね・・」
・・と、バージェス・シェリダン医師が見廻しながら言う・・。
「・・今住んでいる家に近いですね・・と言っても家族で住んでいるので・・1人でここに住むのは気が咎めます・・しかも、週末の2日間だけでしょ・・?・・どんな出張に出たって、これ程の部屋には泊まれませんよ・・」
・・と、そう言ってイヴァン・ハリトーノフシェフも、腰に手を当てて息を吐く・・。
「・・高級感と言うか、グレードは上がっていますね・・センターエリアのハイグレードシティマンション・・と言った感じでしょうか・・?・・」
・・と、イアン・サラッドも各部屋に眼を通してリビングに戻り、ソファに腰を降ろして脚を組んでから言う・・。
「・・室内を撮影されたければ構いませんが、ネットへのアップとクルー以外の人への画像譲渡は禁止です・・どうしても閲覧させたい場合には、肉眼でのみの閲覧として下さい・・個室の状態は、非公開と言う事にしておりますので・・」
・・と、ハイラム・ケラウェイがそう説明した・・。
「・・ここのクローゼット・・詰めれば40着は入りますね・・」
・・と、そう言ってエレイン・ヌーンが感心する・・。
「・・広い・・私も家族でこのくらいの所に住んでます・・」
・・そう言ってマーリーは目を見張り、右手で口を押さえる・・。
「・・サウナは2人でも入れますし、Cタイプのフード・ドリンクディスペンサーを設置しています・・リビングに設置している固定端末は、居住者専用です・・ので、その居住者に貸与されている携帯端末やGPADとは、最初から完璧にリンクしています・・」
・・と、ミンディ・カーツ女史が説明した・・。
「・・皆さん・・ここにはメンテナンスハッチがあって、チューブへと通じています・・場所はクローゼットの左側内壁と、サウナの腰掛の中です・・」
・・私はそう説明して、実際に皆の眼の前で開けて見せる・・そろそろ皆の私を観る眼が、少しずつ変わり始めて来ているように感じる・・。
「・・最後になりますけど、ここのベッドは1人用にしてはかなり大きくて広いです・・何故かと言いますと、このベッドの下にはシークレットキットとサバイバルキットが、それぞれ一つずつ収納されています・・内容物については自分の個室が決まってから直接確認して頂くか、マニュアルを熟読して下さい・・」
「・・それでは・・次のデッキに移動しましょう・・」
・・アランシス・カーサーが促す・・。
「・・ほう・・こうして20隻が舳先を並べているのを観るのは、壮観なものですな・・」
・・と、マエストロ・ラウレンティス・・。
「・・すごいわね・・ここがあたし達の出発点なんだ・・」
・・と、ハンナ・ウェアー・・。
「・・ええ・・そうね・・」
・・と、シエナ・ミュラーがそう応じる・・。
「・・マルセルさん・・『ディファイアント』はどれですか・・?・・」
・・と、ドクター・アーレンが訊く・・。
「・・ああ、すみません・・手前から2隻目です・・」
・・マルセルさんがそう言うと、何人かから感嘆の声が挙がる・・。
「・・綺麗っスね・・シルバー・ホワイトか・・先輩らしいや・・」
「・・それが最初は山吹色に塗られていてさ・(笑)・違和感アリアリだったから、マルセルさんに頼んだんだよ・・塗り直してくれませんかって・・そしたらマルセルさん、渋い顔して・・まだ時間がありますから良いですけど、1回だけですよってね・(笑)・」
・・それを聴いてマルセル・ラッチェンスも苦笑する・・何時の間にかマーリー・マトリンが私の右脇に来ていて、右袖を掴んでいる・・。
「・・どうした・?・マーリー・?・怖くないよ・・俺は何処にも行かないから・・」
・・そう言うと笑顔を見せるが、周りの女性達が少し強めに彼女を観た・・。
・・手前から6番目に、真紅に塗装された艦が接舷している・・他に赤く塗られた艦は無い・・。
「・・マルセルさん・・あれがハイラム・サングスター艦長の・・?・・」
「・・ええ・・『サライニクス・テスタロッツァ』です・・あの色は、あの方にしか似合わないでしょうな・・」
「・・全く同感ですね・・」
「・・正に、赤の1番ですね・・」
・・と、マエストロ・コラントーニ・・。
「・・マルセルさん・・出演艦20隻の、データベースは共有されるのですか・・?・・」
「・・はい・・完全に共有されます・・ですから、観掛ければ直ぐに判りますよ・・」
「・・観掛ければ、ね・・男性艦長の艦と女性艦長の艦は、分けて接舷させているのですか・・?・・」
「・・いえ、順不同で並べています・・ご紹介しましょうか・・?・・」
「・・いや、データが共有されるのでしたら、結構です・・大丈夫です・・」
「・・分かりました・・皆さん・!・何かご質問はございますか・・?・・」
「・・マルセルさん、補給物資の搬入はどのように行われるのでしょうか・・?・・」
・・と、マレット・フェントンが訊く・・。
「・・ああ、マレットさん・・マニュアルにも書いてありますので、読んでおいて頂きたいのですが・・各艦とも艦尾艦底部に搬入口のハッチがあります・・そこを開けて、下からリフトで持ち上げて搬入するようになっています・・」
「・・ご丁寧にありがとうございます・・マニュアルでも確認します・・」
「・・宜しくお願いします・・それでは皆さん・・ここで他にご質問が無いようでしたら、乗艦しましょう・・」
・・また、私とマルセル氏を先頭にして歩き出す・・ドックエッジを歩いて2本目のポートに入り、『ディファイアント』の左舷に展開されたタラップを登る・・既に解放されている3枚のエアロック・ハッチを潜り抜けて、デッキ15に入る・・。
「・・デッキ15です・・ここは、一般とサポート・アシスタントクルーの居住エリアです・・」
・・アランシス・カーサーとハイラム・ケラウェイが、マスター・カードキーとパスコードの入力で、個室4部屋のドアを開く・・私達は、初めてここに来たクルーから先に室内に入らせていく・・。
「・・ここが私達の部屋ですか・・?・・」
・・と、イリナ・スタム・・。
「・・1LDKって聞いたけど・・?・・」
・・と、サラ・ペイリン・・。
「・・結構広いわよね・・?・・」
・・と、ラニ・リー・・。
「・・私が今住んでいる部屋は、これの半分くらいです・・」
・・と、ズライ・エナオ・・。
「・・これで一人住まいの個室だなんて、信じられない・・ベッドが大きくて広い・・」
・・と、コディ・ホーン・・。
「・・こんな素敵なお部屋、観た事ないです・・」
・・と、ララ・ハリス・・。
「・・この位の部屋を、私と妹で使っています・・」
・・と、マルト・ケラー・・。
「・・すごい・・こんな素敵な部屋に毎週末住めるなんて、最高です・・」
・・と、エレイン・ヌーン・・。
「・・皆さん、シャワールーム・レストルーム・バスルームは別個です・・そして、Dタイプのフード・ドリンクディスペンサーがあります・・個室の中にカメラはありませんので、ご自由に過ごせます・・ですが、通路・ターボリフト・各デッキともにマイクロカメラが16の方位に設置されています・・特にバーラウンジは36の方位に設置されています・・それらは、探そうとしても見付かりませんので宜しくお願いします・・」
・・と、アランシス・カーサーが説明した・・。
「・・飾り付けとレイアウトを工夫すれば、オリジナリティが出せますね・・」
・・と、ラリーサ・ソリナ女史・・。
「・・何かご質問はございますか・・?・・今でなくても気が付いた時に何時でも訊いて下さいね・・それでは、今の処無いようでしたら、次のデッキに移動しましょう・・」
・・と、ハイラム・ケラウェイが促す・・ターボリフトで移動して、デッキ14へ・・。
「・・ここは一般クルーとサポート・アシスタントクルーが利用できるトレーニングジム、プール、シャワー、サウナ、バスルーム、レストルーム、各種のエクササイズ施設、ヨガと瞑想の施設、10人程度で利用できる会議室、更衣室、ロッカールーム、Dタイプのドリンクディスペンサーがあります・・」
「・・何だか、トレーニング・ジムにしては広くて天井が高いわね・・」
・・と、エレナ・アナヤ女史・・。
「・・それにここの照明は影が出来ない・・手術室並みに明るいな・・」
・・と、ヘイシャム・ハイムリック医師・・。
「・・まあ、ここを使う私達の姿と、その情景を放映素材として撮影したいのでしょうね・・」
・・と、ミレーナ・ファルチ女史・・。
「・・何だか無駄に広いね・・どうしてこんなに広くしたんだろう・・?・・こういう場所でドラマが起きると思っているのか、起こる事を期待しているのか・・かな・・?・・」
・・と、そう言ってライル・アルバート氏が首を捻る・・。
「・・でも天井が高いせいか、優しい明るさで暖かく感じます・・私は身体を動かすのが好きなので、ここは利用したいです・・」
・・と、ララ・ハリスが見廻しながら言う・・。
「・・まあ、ここでなら護身術の訓練とか・・講習会も開けそうですしね・・」
・・と、フィオナ・コアーも言う・・。
「・・皆さん・・序でにお見せしますので、ちょっと来て下さい・・ここにあるメンテナンスハッチを見せます・・」
・・私はそう皆に呼び掛けて促すと、シャワールーム奥の左の壁・・プールの更衣室にあるパワートランスファーボツクスの下・・サウナの換気口を開けた左側・・ヨガと瞑想の部屋の床下に設置されている、メンテナンスハッチを開けて見せて廻った・・。
「・・アドルさん・・どうして私達にメンテナンスハッチを見せたのですか・・?・・機関部の人達でしたら、メンテナンスハッチの場所は知って置くべきなのだろうとは思いますが・・?・・」
・・と、ドクター・アーレンが不思議そうに訊く・・。
「・・ドクター・・それに皆さんも・・慌てなくても良いですから、マニュアルを熟読して頂きたいのですが・・軽巡宙艦の艦体には艦首から艦尾にかけて、3本のメンテナンスチューブが貫いて通っています・・そして艦内の主要施設に設置されているメンテナンスハッチは、3本のチューブの内のどれかに必ず繋がっています・・ハッチもチューブも人が入って通れます・・戦闘状況や緊急事態の内容によっては、ターボリフトが使えない状況や使うべきでない状況も想定されます・・その場合での・・言わば秘密の抜け穴・通路として使えます・・本当はこんな事まで今の段階で皆さんに言うのは、どうかとも思うのですけれども・・ゲームとは言え最悪の場合、この艦内で白兵戦が展開される可能性もあります・・勿論ゲームですから実際にケガなどしません・・まあ、白兵戦にまで縺れ込んでしまえば戦いは大概敗けですから、私達はそうならないように作戦を立てて遂行しますし、操艦もします・・ですがどうしてもそうなってしまった場合に、このチューブを使った作戦が・・逆転勝ちをキメる鍵になるかも知れません・・まあ・・備えあれば何とやら・・ってぐらいでも好いですよ・・」
「・・先輩・・先輩はもうホントに・・すごいですよ・・僕も『ディファイアント』に乗って先輩を手伝いたいです・!・」
「・・(笑)ああ、スコット・・ありがとうな・・気持ちだけ、有り難く頂くよ・・そうだ・・配信番組を観て、気が付いた事があったら何でも言ってくれ・・お前のアドバイスが欲しい・・」
「・・アドルさん・・貴方と言う人は、そこまでお考えなのですか・・?・・」
・・と、そう言って首を振りながらティエリー・パッサールシェフは嘆息する・・。
「・・ええ・・ですので皆さんにも、ある一定度の射撃訓練は受けて貰いますし、拳銃も貸与します・・また後でも説明しますが、部長・副部長の個室の寝室のベッドの下には・・シークレット・ウェポンキットも装備されておりますので、時間が許す場合に確認して下さい・・マルセルさん・・時間を取らせて相済みません・・参りましょうか・・?・・」
「・・いや、アドルさん・・私共の事はどうぞお気になさらずに・・存分に語って下さい・・我々としても、参考になりますので・・それでは皆さん・・宜しければ、次のデッキ13へ移動しましょう・・」
・・ターボリフトへの最大乗り入れ人数は16人なので、2回に分けてデッキ13に移動した・・ここもクルーの居住エリアである・・ここではデザレー・ラベル女史とミンディー・カーツ女史が、マスター・カードキーとパスコードの入力で個室4部屋のドアを開く・・。
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「・・間取りは1LDKですけど・・各部屋の広さは通常の1.5倍以上ある・・普通のハウスメーカーなら、こんな構造は許さないでしょうね・・」
・・と、バージェス・シェリダン医師が見廻しながら言う・・。
「・・今住んでいる家に近いですね・・と言っても家族で住んでいるので・・1人でここに住むのは気が咎めます・・しかも、週末の2日間だけでしょ・・?・・どんな出張に出たって、これ程の部屋には泊まれませんよ・・」
・・と、そう言ってイヴァン・ハリトーノフシェフも、腰に手を当てて息を吐く・・。
「・・高級感と言うか、グレードは上がっていますね・・センターエリアのハイグレードシティマンション・・と言った感じでしょうか・・?・・」
・・と、イアン・サラッドも各部屋に眼を通してリビングに戻り、ソファに腰を降ろして脚を組んでから言う・・。
「・・室内を撮影されたければ構いませんが、ネットへのアップとクルー以外の人への画像譲渡は禁止です・・どうしても閲覧させたい場合には、肉眼でのみの閲覧として下さい・・個室の状態は、非公開と言う事にしておりますので・・」
・・と、ハイラム・ケラウェイがそう説明した・・。
「・・ここのクローゼット・・詰めれば40着は入りますね・・」
・・と、そう言ってエレイン・ヌーンが感心する・・。
「・・広い・・私も家族でこのくらいの所に住んでます・・」
・・そう言ってマーリーは目を見張り、右手で口を押さえる・・。
「・・サウナは2人でも入れますし、Cタイプのフード・ドリンクディスペンサーを設置しています・・リビングに設置している固定端末は、居住者専用です・・ので、その居住者に貸与されている携帯端末やGPADとは、最初から完璧にリンクしています・・」
・・と、ミンディ・カーツ女史が説明した・・。
「・・皆さん・・ここにはメンテナンスハッチがあって、チューブへと通じています・・場所はクローゼットの左側内壁と、サウナの腰掛の中です・・」
・・私はそう説明して、実際に皆の眼の前で開けて見せる・・そろそろ皆の私を観る眼が、少しずつ変わり始めて来ているように感じる・・。
「・・最後になりますけど、ここのベッドは1人用にしてはかなり大きくて広いです・・何故かと言いますと、このベッドの下にはシークレットキットとサバイバルキットが、それぞれ一つずつ収納されています・・内容物については自分の個室が決まってから直接確認して頂くか、マニュアルを熟読して下さい・・」
「・・それでは・・次のデッキに移動しましょう・・」
・・アランシス・カーサーが促す・・。
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