115 / 276
・・・『始動』・・・
・・合流・・2・・
しおりを挟む
・・受付嬢が飲み物の注文を取りに来たが、水だけ頼んだ・・コーヒーはちょっともう飲み過ぎだ・・3人とも配信会社の中に入るのは初めてなので、キョロキョロ見回している・・水を飲みながら1本の煙草をゆっくりと燻らせる・・喫い終わり灰皿で煙草を揉み消して水を飲み干した頃合いで、マルセル・ラッチェンス・マスタープロデューサーとシエナ・ミュラーが並んで先程迄運営本部のVIPラウンジで昼食を共にしていたメンバー全員を引き連れて歩いて来た・・。
「・・アドルさん、また来社して下さいまして、ありがとうございます・・最近はもう大活躍ですね・・オンライン・トップミーティングでのお話は私も聞き及んでいますし、今社内ではアドルさんの話で持ち切りですよ・・私もアドルさんの提案には感動しました・・そして今日もセット見学方々のおいでで、ご苦労様です・・リサ・ミルズさんもおいで頂きまして、ありがとうございます・・お疲れ様ですね・・そちらの方々は、アドルさんの御社の方々ですか・・?・・」
・・と、歩み寄って来たマルセル・ラッチェンスと握手を交わしながら、挨拶を受ける・・。
「・・こんにちは、マルセルさん・・いつも歓迎して下さってありがとうございます・・紹介しましょう・・私と同じフロアでデスクを並べて働いてくれている仲間で、特に私を強く支えてくれている3人です・・こちらからスコット・グラハム・・隣がマーリー・マトリン女史・・その隣がズライ・エナオ女史です・・皆・・こちらがマスター・プロデューサーのマルセル・ラッチェンスさん・・」
「・・こんにちは、皆さん・・どうも初めまして、マルセル・ラッチェンスです・・お気軽にマルセルとお呼び下さい・・ようこそおいで頂きました・・ご来社を歓迎させて頂きます・・今日はごゆっくり、ご覧になって行って下さい・・宜しくお願い致します・・」
「・・初めまして、スコット・グラハムです・・スコットと呼んで下さい・・」
・・そう言いながらスコットから歩み寄って、握手を交わす・・。
「・・初めまして、こんにちは・・マーリー・マトリンです・・マーリーと呼んで下さい・・」
・・そう言ってマーリーは会釈したが、マルセルが歩み寄ったので握手を交わした・・。
「・・初めまして、ズライ・エナオです・・私はどちらで呼ばれても大丈夫です・・宜しくお願いします・・」
・・そう言いながらズライもマルセルと握手を交わす・・。
「・・それでは弊社のメインスタッフをご紹介しましょう・・こちらがマスターディレクターのアランシス・カーサー・・隣がファーストディレクターのハイラム・ケラウェイ・・その隣がセカンドディレクターのデザレー・ラベル女史・・更にその隣がセカンドプロデューサーのミンディ・カーツ女史です・・代表させて頂きましてどうぞ、宜しくお願い致します」
「・・ご丁寧に、どうもありがとうございます、皆さん・・スコット・グラハムと、その仲間達です・・どうぞ宜しくお願い致します・・」
・・右手を挙げながらそう言い、言い終えてスコットは頭を下げる・・。
「・・マルセルさん・・もう御社の中の、制作現場ツアーは終えられたのですか・・?・・」
「・・はい、お陰様で・・弊社の制作現場はそれほど多岐に亘るものではありませんので、見学としてご案内すると言いましても、それ程の時間は要しません・・それでは皆さん・・次いではいよいよ皆さんが乗艦されます『ディファイアント』の撮影セットをご覧頂く訳ですが、状態と状況の確認に少しばかりお時間を頂きます・・それが終わりますまで、どうぞこちらのラウンジで暫くの間お休み下さい・・」
・・そう言ってマルセルプロデューサーは私やリサとも軽く握手を交わし、先にここに着いて見学していた全員とも軽く握手を交わすと、会釈して歩き出す・・他のプロデューサーやディレクター達も、私達に繰り返し会釈しながら彼の後に附いて歩いて行った・・。
「・・さあ皆さん、お疲れ様でした・・暫く時間が有ると思いますので、こちらのラウンジでお掛けになって休憩しましょう・・」
・・私はそう全員に呼び掛けてラウンジへと促した・・リサ・シエナ・ハンナ・ハル・マレット・エレーナ・フィオナ・ミーシャも、新しく『ディファイアント』での仲間となった皆をそれぞれ促し、誘ってラウンジシートに座って貰う・・私はリサと同僚の3人とも一緒にラウンジの中程に立つ・・。
「・・皆さん、改めてお疲れ様でした・・先ず、今日は特別に招待した私の同僚達を紹介します・・彼らは私と同じフロアで働いています・・こちらから、スコット・グラハム・・マーリー・マトリン・・ズライ・エナオです・・今日は一緒に『ディファイアント』の見学に入りますので、宜しくお願いします・・」
・・3人はそれぞれ、手を挙げて頭を下げたり、会釈したりする・・少し拍手もして貰った・・。
「・・それじゃ、翻って紹介しよう・・こちらが『ディファイアント』の医療部長、アーレン・ダール博士・・お隣が医療副部長に就いて頂いた、アトゥール・ビリングス博士・・続いてスタッフ・ドクターのエフライム・ハークネス医師・・ヘイシャム・ハイムリック医師・・フーダ・ゾービ医師・・バージェス・シェリダン医師・・ブランドン・ダルトン医師・・そして、生検化学分析研究員として入って頂いた、カーラ・ヘンリエッタ女史・・この方々が大会運営本部から派遣された医療部スタッフだ・・それと、私が選抜して任命した医療室スタッフとしての3人・・イリナ・スタム・・サラ・ペイリン・・ラニ・リー・・この全員が、『ディファイアント』の医療部だ・・続いてこちらの方が厨房のファーストシェフ・・マエストロ・サルヴァトーレ・ラウレンティス・・セカンドシェフとして、マエストロ・エンリコ・コラントーニ・・サードシェフとして、ティエリー・パッサール氏・・そしてスタッフシェフとしてのお三方・・イヴァン・ハリトーノフ氏・・アラセリ・セガーラ氏・・エレナ・アナヤ女史だ・・こちらの方々で、厨房を取り仕切って頂く・・そしてバーラウンジ・スタッフの皆さん・・こちらがチーフバーテンダーを務めて頂く、カーステン・リントハート氏・・セカンドバーテンダーとして入って頂く、イアン・サラッド氏・・スタッフバーテンダーとして入って頂く、ライル・アルバート氏・・そしてサポートバーテンダー兼ウェイトレスとして入って頂く、ミレーナ・ファルチ女史とラリーサ・ソリナ女史・・厨房とバーはそれぞれ独立した部所ではあるんだけれども、バーラウンジ全体は協力・共同して運用して貰う・・そして通常勤務時シフトに於いては、厨房とラウンジにアシスタントとして入って貰うサポートクルーの3人・・コディ・ホーン・・ララ・ハリス・・マルト・ケラー・・以上が、バーラウンジ全体でのクルーメンバーと言う事になる・・彼女らサポートクルーは、緊急事態時や戦闘時に於いては必要に応じて別部所での任務に就く・・副長と参謀やカウンセラーは、もう知っているな・・?・・あちらの方が参謀補佐のエレーナ・キーン・・彼女は凄いぞ・・SSBG(戦略シミュレーション・ボードゲーム)公式女流の5段だからな・・暇があったらバーで飲みながら、1局お願いしようと思ってるんだ・・そしてこちらが保安部長のフィオナ・コアー・・隣が補給支援部長のマレット・フェントン・・彼女に頼めば何でも揃えてくれる・・その隣が、生活環境支援部長のミーシャ・ハーレイ・・艦内環境の全般は生活環境支援部が取り仕切る・・そしてあそこに座っているのが、今日誕生日を迎えた機関部要員のエレイン・ヌーンだ・・ここにいるのはこれで以上だ・・座ってくれ・・俺も疲れたから座る・・」
・・そう言い終えると、ドクター・アーレンとマエストロ・ラウレンティスの間に座って大きく息を吐く・・リサがグラスに水を汲んで持って来たのを、マエストロが受け取って私に手渡してくれた・・。
「・・お疲れ様でした・・アドル艦長・・」
「・・これはマエストロ・・恐縮です・・頂きます・・」
・・そう言って半分飲む・・。
「・・如何でしたか・?・配信番組制作会社の制作現場をご覧になって・・?・・」
「・・いやあ・・ラッチェンスプロデューサーが熱心に説明して下さいましたが・・私共にとってはかなり畑違いの現場でしたので・・興味をそそられる部分もありましたけれども・・正直に言ってあまり解りませんでした・・」
・・と、マエストロ・ラウレンティスが頭を掻く・・。
「・・餅は餅屋に・・と言う事でしょうね・・逆に言えば彼らに、マエストロの厨房とそこでの貴方の仕事を真に理解して貰おうとしても、なかなかに難しい、と言う事でしょう・・」
・・そう言うとマエストロは腑に落ちたような表情で私を観た・・。
「・・アドルさんは・・いえ、アドル艦長は・・どう申し上げたら好いのか・・不思議な方ですな・・こう観えて私も結構気難しい性格でして、初めてお会いした人と打ち解けると言うのは・・なかなか難しいです・・ですが、初めてアドルさんと・・今日お会いしたばかりですけれども・・私の心はもうアドル艦長を受け容れていますし、それどころか・・更にアドル艦長に向って心を開きつつあるようにも感じています・・多分それがアドル艦長の人徳と言うか・・人間としての魅力なのだろうと思います・・先程のマエストロ・コラントーニとのお話ではこの私でさえ、ついぞ涙腺が緩んでしまいましたから・・」
・・マエストロ・ラウレンティスの話を受けて・・その時その場に居た女性の殆どが頷いている・・。
「・・マエストロ・・まだ出航しておりませんから、アドルで好いですよ・・私を艦長と呼んで下さるのは、出航してからで結構です・・それと・・あまり年下の者を煽てない方が好いです・・調子に乗って付け上がるかも知れませんからね・(笑)・でもまあ・・上司に言われた事があります・・「・・お前は少しぐらい調子に乗った方が皆が安心する・・だからそれ位で好いよ・・」ってね・(笑)・艦長に選ばれて・・新しい沢山の人達と接するようになって・・それまで私自身知らなかった・・いや、自覚できていなかった・・私自身の特性と言うか特質と言うか、魅力に?・・気付かされるようにもなりました・・はっきりと言われた事もありますしね・・とにかく私にとっての皆さんは、最高の仲間です・・皆さんと一緒に乗れて動かせてこそ、『ディファイアント』は最高の艦となるでしょう・・今からそれが、本当に楽しみなんです・・」
・・そこまで話した時に、マルセル・ラッチェンスがスタッフ達を引き連れて戻って来た・・。
「・・皆さん、大変に長らくお待たせ致しました・・それではこれより、皆さんの『ディファイアント』にご案内致します・・我々の後に続いておいで下さい・・」
・・皆がそれぞれ立ち上がる中で、私も水を飲み干して立ち上がる・・。
「・・そう言えばアドルさん・・『ディファイアント』全クルーの配置が完了されたとの事で、おめでとうございます・・20隻中では3番目の早さでした・・」
「・・そうでしたか・・どうもありがとうございます・・お陰様でご迷惑にならない範囲で全乗員の配置を完了させる事が出来ました・・改めて、これから宜しくお願い致します・・」
「・・ご丁寧にありがとうございます・・こちらこそ、宜しくお願い致します・・それでは、参りましょう・・」
・・そう言って、全員で歩き始める・・私はマルセルさんと並んで歩き、その直ぐ後ろをリサとシエナとハルとドクター・アーレンが並んで続く・・。
「・・マルセルさん・・参加艦は10万隻を超えるでしょうか・・?・・」
「・・アドルさんは、ブックメイクをしますので・・?・・」
「・・いや・・私は賭け事が好きではないので・・」
「・・なるほど、そうですか・・分かりました・・確かに国内ではもう伸びないでしょう・・ですが、世界的にはまだ判りません・・とは言いましても、五分五分ですね・・」
「・・そうですか・・ですが、軽巡宙艦は6万隻を超えると考えていますが・・?・・」
「・・その可能性は高いと私も考えています・・まあ超えても超えなくても、然程の違いにはなりませんが・・」
「・・はい・・そうですね・・」
・・それから数分後、私達は全員でスターターセレモニー大ホールに立っている・・巨大な擂鉢型の円型大ホールは、もうほぼ完成の域にあると言っても過言ではないようだ・・照明も凝っているし、装飾もカラフルに彩色されていて美しい・・。
「・・もう完成ですかね・?・マルセルさん・・?・・」
「・・もう少しですね・・アドルさん・・皆さん・・!・・ここが皆さんが最初においでになる処・・スターターセレモニー大ホールです・・ここで先ず、20隻の出演艦の全乗員が集い・・最初のスターターセレモニーが開催されます・・そのセレモニーの終了後に、上に観える20ヶ所の扉からそれぞれの艦に乗艦します・・『ディファイアント』へと通じる扉は、あそこです(・右手人差し指で差す・)・・それでは、乗艦しましょう・・」
「・・アドルさん、また来社して下さいまして、ありがとうございます・・最近はもう大活躍ですね・・オンライン・トップミーティングでのお話は私も聞き及んでいますし、今社内ではアドルさんの話で持ち切りですよ・・私もアドルさんの提案には感動しました・・そして今日もセット見学方々のおいでで、ご苦労様です・・リサ・ミルズさんもおいで頂きまして、ありがとうございます・・お疲れ様ですね・・そちらの方々は、アドルさんの御社の方々ですか・・?・・」
・・と、歩み寄って来たマルセル・ラッチェンスと握手を交わしながら、挨拶を受ける・・。
「・・こんにちは、マルセルさん・・いつも歓迎して下さってありがとうございます・・紹介しましょう・・私と同じフロアでデスクを並べて働いてくれている仲間で、特に私を強く支えてくれている3人です・・こちらからスコット・グラハム・・隣がマーリー・マトリン女史・・その隣がズライ・エナオ女史です・・皆・・こちらがマスター・プロデューサーのマルセル・ラッチェンスさん・・」
「・・こんにちは、皆さん・・どうも初めまして、マルセル・ラッチェンスです・・お気軽にマルセルとお呼び下さい・・ようこそおいで頂きました・・ご来社を歓迎させて頂きます・・今日はごゆっくり、ご覧になって行って下さい・・宜しくお願い致します・・」
「・・初めまして、スコット・グラハムです・・スコットと呼んで下さい・・」
・・そう言いながらスコットから歩み寄って、握手を交わす・・。
「・・初めまして、こんにちは・・マーリー・マトリンです・・マーリーと呼んで下さい・・」
・・そう言ってマーリーは会釈したが、マルセルが歩み寄ったので握手を交わした・・。
「・・初めまして、ズライ・エナオです・・私はどちらで呼ばれても大丈夫です・・宜しくお願いします・・」
・・そう言いながらズライもマルセルと握手を交わす・・。
「・・それでは弊社のメインスタッフをご紹介しましょう・・こちらがマスターディレクターのアランシス・カーサー・・隣がファーストディレクターのハイラム・ケラウェイ・・その隣がセカンドディレクターのデザレー・ラベル女史・・更にその隣がセカンドプロデューサーのミンディ・カーツ女史です・・代表させて頂きましてどうぞ、宜しくお願い致します」
「・・ご丁寧に、どうもありがとうございます、皆さん・・スコット・グラハムと、その仲間達です・・どうぞ宜しくお願い致します・・」
・・右手を挙げながらそう言い、言い終えてスコットは頭を下げる・・。
「・・マルセルさん・・もう御社の中の、制作現場ツアーは終えられたのですか・・?・・」
「・・はい、お陰様で・・弊社の制作現場はそれほど多岐に亘るものではありませんので、見学としてご案内すると言いましても、それ程の時間は要しません・・それでは皆さん・・次いではいよいよ皆さんが乗艦されます『ディファイアント』の撮影セットをご覧頂く訳ですが、状態と状況の確認に少しばかりお時間を頂きます・・それが終わりますまで、どうぞこちらのラウンジで暫くの間お休み下さい・・」
・・そう言ってマルセルプロデューサーは私やリサとも軽く握手を交わし、先にここに着いて見学していた全員とも軽く握手を交わすと、会釈して歩き出す・・他のプロデューサーやディレクター達も、私達に繰り返し会釈しながら彼の後に附いて歩いて行った・・。
「・・さあ皆さん、お疲れ様でした・・暫く時間が有ると思いますので、こちらのラウンジでお掛けになって休憩しましょう・・」
・・私はそう全員に呼び掛けてラウンジへと促した・・リサ・シエナ・ハンナ・ハル・マレット・エレーナ・フィオナ・ミーシャも、新しく『ディファイアント』での仲間となった皆をそれぞれ促し、誘ってラウンジシートに座って貰う・・私はリサと同僚の3人とも一緒にラウンジの中程に立つ・・。
「・・皆さん、改めてお疲れ様でした・・先ず、今日は特別に招待した私の同僚達を紹介します・・彼らは私と同じフロアで働いています・・こちらから、スコット・グラハム・・マーリー・マトリン・・ズライ・エナオです・・今日は一緒に『ディファイアント』の見学に入りますので、宜しくお願いします・・」
・・3人はそれぞれ、手を挙げて頭を下げたり、会釈したりする・・少し拍手もして貰った・・。
「・・それじゃ、翻って紹介しよう・・こちらが『ディファイアント』の医療部長、アーレン・ダール博士・・お隣が医療副部長に就いて頂いた、アトゥール・ビリングス博士・・続いてスタッフ・ドクターのエフライム・ハークネス医師・・ヘイシャム・ハイムリック医師・・フーダ・ゾービ医師・・バージェス・シェリダン医師・・ブランドン・ダルトン医師・・そして、生検化学分析研究員として入って頂いた、カーラ・ヘンリエッタ女史・・この方々が大会運営本部から派遣された医療部スタッフだ・・それと、私が選抜して任命した医療室スタッフとしての3人・・イリナ・スタム・・サラ・ペイリン・・ラニ・リー・・この全員が、『ディファイアント』の医療部だ・・続いてこちらの方が厨房のファーストシェフ・・マエストロ・サルヴァトーレ・ラウレンティス・・セカンドシェフとして、マエストロ・エンリコ・コラントーニ・・サードシェフとして、ティエリー・パッサール氏・・そしてスタッフシェフとしてのお三方・・イヴァン・ハリトーノフ氏・・アラセリ・セガーラ氏・・エレナ・アナヤ女史だ・・こちらの方々で、厨房を取り仕切って頂く・・そしてバーラウンジ・スタッフの皆さん・・こちらがチーフバーテンダーを務めて頂く、カーステン・リントハート氏・・セカンドバーテンダーとして入って頂く、イアン・サラッド氏・・スタッフバーテンダーとして入って頂く、ライル・アルバート氏・・そしてサポートバーテンダー兼ウェイトレスとして入って頂く、ミレーナ・ファルチ女史とラリーサ・ソリナ女史・・厨房とバーはそれぞれ独立した部所ではあるんだけれども、バーラウンジ全体は協力・共同して運用して貰う・・そして通常勤務時シフトに於いては、厨房とラウンジにアシスタントとして入って貰うサポートクルーの3人・・コディ・ホーン・・ララ・ハリス・・マルト・ケラー・・以上が、バーラウンジ全体でのクルーメンバーと言う事になる・・彼女らサポートクルーは、緊急事態時や戦闘時に於いては必要に応じて別部所での任務に就く・・副長と参謀やカウンセラーは、もう知っているな・・?・・あちらの方が参謀補佐のエレーナ・キーン・・彼女は凄いぞ・・SSBG(戦略シミュレーション・ボードゲーム)公式女流の5段だからな・・暇があったらバーで飲みながら、1局お願いしようと思ってるんだ・・そしてこちらが保安部長のフィオナ・コアー・・隣が補給支援部長のマレット・フェントン・・彼女に頼めば何でも揃えてくれる・・その隣が、生活環境支援部長のミーシャ・ハーレイ・・艦内環境の全般は生活環境支援部が取り仕切る・・そしてあそこに座っているのが、今日誕生日を迎えた機関部要員のエレイン・ヌーンだ・・ここにいるのはこれで以上だ・・座ってくれ・・俺も疲れたから座る・・」
・・そう言い終えると、ドクター・アーレンとマエストロ・ラウレンティスの間に座って大きく息を吐く・・リサがグラスに水を汲んで持って来たのを、マエストロが受け取って私に手渡してくれた・・。
「・・お疲れ様でした・・アドル艦長・・」
「・・これはマエストロ・・恐縮です・・頂きます・・」
・・そう言って半分飲む・・。
「・・如何でしたか・?・配信番組制作会社の制作現場をご覧になって・・?・・」
「・・いやあ・・ラッチェンスプロデューサーが熱心に説明して下さいましたが・・私共にとってはかなり畑違いの現場でしたので・・興味をそそられる部分もありましたけれども・・正直に言ってあまり解りませんでした・・」
・・と、マエストロ・ラウレンティスが頭を掻く・・。
「・・餅は餅屋に・・と言う事でしょうね・・逆に言えば彼らに、マエストロの厨房とそこでの貴方の仕事を真に理解して貰おうとしても、なかなかに難しい、と言う事でしょう・・」
・・そう言うとマエストロは腑に落ちたような表情で私を観た・・。
「・・アドルさんは・・いえ、アドル艦長は・・どう申し上げたら好いのか・・不思議な方ですな・・こう観えて私も結構気難しい性格でして、初めてお会いした人と打ち解けると言うのは・・なかなか難しいです・・ですが、初めてアドルさんと・・今日お会いしたばかりですけれども・・私の心はもうアドル艦長を受け容れていますし、それどころか・・更にアドル艦長に向って心を開きつつあるようにも感じています・・多分それがアドル艦長の人徳と言うか・・人間としての魅力なのだろうと思います・・先程のマエストロ・コラントーニとのお話ではこの私でさえ、ついぞ涙腺が緩んでしまいましたから・・」
・・マエストロ・ラウレンティスの話を受けて・・その時その場に居た女性の殆どが頷いている・・。
「・・マエストロ・・まだ出航しておりませんから、アドルで好いですよ・・私を艦長と呼んで下さるのは、出航してからで結構です・・それと・・あまり年下の者を煽てない方が好いです・・調子に乗って付け上がるかも知れませんからね・(笑)・でもまあ・・上司に言われた事があります・・「・・お前は少しぐらい調子に乗った方が皆が安心する・・だからそれ位で好いよ・・」ってね・(笑)・艦長に選ばれて・・新しい沢山の人達と接するようになって・・それまで私自身知らなかった・・いや、自覚できていなかった・・私自身の特性と言うか特質と言うか、魅力に?・・気付かされるようにもなりました・・はっきりと言われた事もありますしね・・とにかく私にとっての皆さんは、最高の仲間です・・皆さんと一緒に乗れて動かせてこそ、『ディファイアント』は最高の艦となるでしょう・・今からそれが、本当に楽しみなんです・・」
・・そこまで話した時に、マルセル・ラッチェンスがスタッフ達を引き連れて戻って来た・・。
「・・皆さん、大変に長らくお待たせ致しました・・それではこれより、皆さんの『ディファイアント』にご案内致します・・我々の後に続いておいで下さい・・」
・・皆がそれぞれ立ち上がる中で、私も水を飲み干して立ち上がる・・。
「・・そう言えばアドルさん・・『ディファイアント』全クルーの配置が完了されたとの事で、おめでとうございます・・20隻中では3番目の早さでした・・」
「・・そうでしたか・・どうもありがとうございます・・お陰様でご迷惑にならない範囲で全乗員の配置を完了させる事が出来ました・・改めて、これから宜しくお願い致します・・」
「・・ご丁寧にありがとうございます・・こちらこそ、宜しくお願い致します・・それでは、参りましょう・・」
・・そう言って、全員で歩き始める・・私はマルセルさんと並んで歩き、その直ぐ後ろをリサとシエナとハルとドクター・アーレンが並んで続く・・。
「・・マルセルさん・・参加艦は10万隻を超えるでしょうか・・?・・」
「・・アドルさんは、ブックメイクをしますので・・?・・」
「・・いや・・私は賭け事が好きではないので・・」
「・・なるほど、そうですか・・分かりました・・確かに国内ではもう伸びないでしょう・・ですが、世界的にはまだ判りません・・とは言いましても、五分五分ですね・・」
「・・そうですか・・ですが、軽巡宙艦は6万隻を超えると考えていますが・・?・・」
「・・その可能性は高いと私も考えています・・まあ超えても超えなくても、然程の違いにはなりませんが・・」
「・・はい・・そうですね・・」
・・それから数分後、私達は全員でスターターセレモニー大ホールに立っている・・巨大な擂鉢型の円型大ホールは、もうほぼ完成の域にあると言っても過言ではないようだ・・照明も凝っているし、装飾もカラフルに彩色されていて美しい・・。
「・・もう完成ですかね・?・マルセルさん・・?・・」
「・・もう少しですね・・アドルさん・・皆さん・・!・・ここが皆さんが最初においでになる処・・スターターセレモニー大ホールです・・ここで先ず、20隻の出演艦の全乗員が集い・・最初のスターターセレモニーが開催されます・・そのセレモニーの終了後に、上に観える20ヶ所の扉からそれぞれの艦に乗艦します・・『ディファイアント』へと通じる扉は、あそこです(・右手人差し指で差す・)・・それでは、乗艦しましょう・・」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
72
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる