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・・・『始動』・・・

ナイト・プール 2

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「・・貴方はいったい何を言っているんですか!?・アドル・エルクさん!?・・現在、個人で貴方以上に営業利益を挙げつつある社員は、全社を見渡してもいない筈です!・・控え目に言っても今の貴方は、トップクラスの営業利益を個人で挙げつつあるんです!・・それなのに貴方は、ご自分の営業成果を過小評価して卑下してさえいる!・・止めて下さい!・・確かに貴方が艦長に選ばれたのは偶然でした・・でも貴方は、その偶然がもたらした結果に振り回されず、充分に活用して使い熟しています・・それは貴方が運さえも味方にして、ご自分の実力として捉えているからです!・艦長に選ばれた貴方の人柄や為人が示され、広く内外に周知された結果・・貴方を指名しての新規も含めた様々な業務の依頼・・依託や新規の発注・・新規顧客の申し込みが右肩上がりで急速に増加・増大しているのも、アドル・エルクさんの真の実力なんだと自覚して下さい・!・そしてしかも貴方は、急速に増え続ける依頼・依託・発注・新規も含めた顧客の皆様方に対して、可能な限り誠実に誠心誠意で真摯に対応し続けています・!・これが貴方の真の力でなくて何だと言うのですか・!?・貴方は立派にちゃんと仕事をしていますから、どうかその事に誇りを持ってご自分の自信として大きく立って下さい・!・そしてもっと力強く、大胆に先廻りして話したり動いて下さい・!・そう言うアドルさんを、私はもっと観たいのです・・先読みのアドル・エルクの異名は私でも知っています・・今回のプロジェクトに呼ばれて、貴方と一緒に働ける事が私は嬉しいですし光栄にも思っています・・貴方の存在が私をワクワクさせています・!・どうかお願いします・・壮行会で見せてくれた活き活きとしたあの笑顔で・・誇りと自信にあふれて・・力強く立って大胆に話して動くアドルさんを見せて下さい・!・もっと言わせて頂けるのなら・・私だって『ディファイアント』に乗りたいです!!・・」

・・息を吐き切るように話し切って彼女は座った・・そしてまた、息を整えながら私の顔を観て続ける・・。

「・・初対面なのに、すごく生意気な事を言ってしまって済みませんでした・・営業本部・営業第1課・セカンドセクション・ファーストフロアの、アンヴローズ・ターリントンです・・初めまして、アドル・エルクさん・・これから宜しくお願いします・・非礼は深くお詫びします・・」

・・また拍手が沸き起こる・・ハーマン・パーカー常務が拍手しながら笑顔でエリック・カンデルを見遣る・・。

「・・いや・・自分が言いたかった事を、こうも総て言い切られてしまうのが、これ程に爽快な事だとは知らなかったね・・チーフ・カンデル・・?・・」

「・・全く同感ですね・・常務・・アドル・エルク係長・・君はどうかね・・?・・」

・・私は襟と居住まいを正して立ち上がった・・。

「・・ターリントンさんを初めとして皆さんに・・皆さんの前で弱気を吐露してしまった事を謝罪します・・ターリントンさんには、私がこの環境と境遇の激変を充分に上手く活用して使い熟していると仰って頂きましたが、まだ上手く処理し切れていない部分もあったようです・・それが、会社や同僚や皆さんに対しての引け目や申し訳なさになってしまっていたようです・・先程ターリントンさんに詳しく指摘して頂いて、眼が覚めました・・これからは指摘された事を自覚して、自信を持って活動して参りたいと思いますので、どうか宜しくお願いします・・」

・・言い終えると一礼して着座する・・3回目の拍手は、常務が右手を挙げて制したので10秒ほどで静まった・・常務はそのまま立ち上がり、居住まいを正した・・。

「・・これまでの経緯については、これで宜しいかと思いますが・・何か質問はありますか・・?・・思い付いた時点で発言して頂いても結構ですので、またミーティングリンクをご参照ください・・それでは先ず最初のビジネスアプローチとして、私とジェア・インザー副本部長とエリック・カンデルチーフの3人体制で、『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社と、『ビューティフル・ドリーム・ヘルス・アソシェーション』社の、それぞれの上層部に対して、この3社合同での業務提携ビジネスプランを提案します・・その上で、明日から出来れば5日以内に、3社合同での上層部同時オンライン・ミーティングの開催を目指して交渉し始めます・・この交渉に於いても、3社合同上層部同時オンライン・ミーティングに於いても、時間が許すのであればトーマス・クライトン社長及び、グレイス・カーライル副社長にも参加して頂きます・・このお二方が、交渉に於いても合同・同時オンライン・ミーティングに於いても参加されると言う事で、こちらの真摯な熱意と真剣さを両社に対して強くアピールします・・次に進みます・・この3社合同での、上層部同時オンライン・ミーティングに於いて、3社でのアイソレーション・タンクベッドの宣伝と販売に於ける、業務提携契約条項の策定と締結に向けた交渉の開始に合意します・・合意が得られましたら3社それぞれでの交渉チームの編成にも合意し、以降の交渉は3社がそれぞれで編成する交渉チームが、同時に合同でオンラインで業務提携契約条項の策定と、締結に向けた交渉を開始すると言う事で合意し、最初の3社合同オンライン交渉日時を協議の上で決定して合意します・・それ以降は、3社それぞれの交渉チームが合同オンライン同時ミーティングで交渉します・・言うまでもなく我が社の交渉チームは、ここに居るメンバーです・・チームリーダーは、エリック・カンデルチーフが担当します・・サブリーダーはアドル・エルク係長にお願いします・・現状で説明できるのはここまでです・・アドル・エルク係長は宜しいですか・・?・・」

「・・はい・・大丈夫です・・問題ありません・・頑張りたいと思います・・」

「・・次回のこのミーティングは明後日の朝に、またこの場所で開催します・・そして次回からは、エリック・カンデルチーフが議長を担当します・・皆さんにはそれぞれそれまでに、我が社が主張すべき販売利益率の案を考えて来て頂き、それぞれ発表してそれらを素に討議して頂き、我が社が主張する販売利益率を決定して下さい・・宜しくお願いします・・他に現状で討議して置くべき事はありますでしょうか・・?・・質問でも、どのような意見でも結構です・・・」

「・・こうして集まっての討議・討論も良いですけれども、クラウドスペースに専用の会議室を作りましょう・・何時でも何処からでも、意見・提案・質問・様々な情報や問い掛けでも共有できるように・・?・・」

・・右手を挙げて立ち上がり、ダグラス・スコットが提案する・・。

「・・うん、実用的で素晴らしい提案だね・・早速作ろう・・スコット君・・戻ったら、直ぐに構築してくれるかね・?・フロアチーフには、私から話をするし・・このチームのメンバーについても、まとめて君に伝えるよ・・?・・会議室の名前は、クライトン・ネゴシェーション・チームの頭文字を採って、C・N・T・01としよう・・頼めるかな・・?・・」

・・と、エリック・カンデルが座ったまま笑顔で応える・・。

「・・分かりました、直ぐに作ります・・」

「・・それと、ここに居る全員は私や常務も含めてメディアカードの交換をして欲しい・・既に交換している場合はしなくても良いよ・・他には何かあるかな・・?・・無ければ、今朝はこれで終わりましょう・・」

「・・チーフ・・最後に私から一つ、良いかな・・?・・」

「・・勿論です・・どうぞ、常務・・」

「・・皆さん・・アドル・エルク係長が所属している営業第3課・セカンドセクション・ファーストフロアでの業務は・・今や、営業本部全体で第一義的に取り組むべき優先業務となっております・・毎日少なくとも70名ほどのオンライン・テレリモート・ジョブサポートに入って貰っておりますので、1日の業務を処理し切れずに進捗状況に於いて遅延で着地させてしまう事は、何とか回避しています・・皆さんのご協力には心から感謝しています・・それじゃ、今日も頑張りましょう・・解散します・・」

・・こうして第1回目の『朝会』は終わった・・メンバーの中で18人と、メディアカードを交換する・・アンヴローズ・ターリントンとカードを交換した時、彼女は自分から私の右手を握った・・。

「・・改めて宜しくお願いします、アドル・エルクさん・・艦長に選ばれる前からファンです・・アンバーと呼んで下さい・・壮行会で皆さんを観られて素晴らしかったです・・アドルさんの歌にもギターにも、お話にも感銘を受けました・・ご一緒できて嬉しいですし、光栄です・・」

「・・こちらこそ宜しく・・アンバーさん・・アドルと呼んで下さい・・お話には眼が覚めました・・今後、後ろ向きの言動は採りません・・一緒に頑張りましょう・・」

・・手を離してお互いに会釈する・・。

「・・私・・社内に於ける、アドルさんの副長になれるように頑張ります・・」

・・そう言うと彼女はリサさんを一瞬見遣り、PADを携えて踵を反す・・私は同僚達を笑顔で見渡す・・。

「・・じゃあ、行こうか・・今日も忙しいぞ・・」

・・会議室を出てリサさんと並んで歩く・・。

「・・また僕の悪い癖が出ちゃったけど、もう眼が覚めたから大丈夫だよ・・」

「・・気にしていません・・アドルさんなら直ぐに立ち直りますから・・でも、たまには弱気を漏らすアドルさんの方がらしいと思いますし、(小声で)私はその方が好きです・・」

「・・その方がらしい・・?・・」    「・・らしいですね・・」

「・・ターリントンさん・・君を観てたね・・?・・」

「・・そうですね・・私を意識しているんでしょう・・でも気にしません・・(また小声で)何がどう変わっても貴方の一番近くに居るのは、私ですから・・」

・・その後は言葉を交わさずにオフィスに入り、直ぐに仕事にかかった・・いくらでも仕事はある・・余計な事を考えられる余裕も無いのは、ある意味でありがたい・・昼食休憩のチャイムが鳴って立ち上がった時に初めて、弁当を買って来なかった事に気付く・・(ままよ)・・いつものメンバーと一緒に1階に降りる途中だった・・。

「・・大丈夫ですかね、先輩・・?・・」

「・・さあね、なるようになれば良いのさ・・」

・・ラウンジに入ると、厨房の人がちょっと大きめのランチバスケットを持って来る・・。

「・・お疲れ様! アドルさん・・これは厨房の皆からの差し入れです! 皆さんで食べて下さい・・厨房の皆も応援してますので・・」

・・驚いたが、嬉しい想いも大きい・・咄嗟に動けずに居ると、スコットがバスケットを受け取った・・。

「・・いやあ、ありがたいですね・・驚きましたけど・・皆さんにまで気を遣わせてしまって・・良いんですか・・?・・」

「・・好いんですよ、アドルさん・・皆、応援してますから・・しっかり食べて、頑張って下さい・・」

「・・ありがとう・・本当に・・嬉しいです・・感動しています・・しっかり食べて、頑張ります(笑)・・」

・・握手を交わして手を挙げ、5人で席に着く・・バスケットにはみっちりとサンドイッチが詰められている・・私を除く4人が立って、スコットはコーヒーポットとカップを・・リサさんはミルク・ピッチャーとグラスを・・マーリーは取り皿を・・ズライは水とお絞りを持って来た・・。

「・・期せずして嬉しい差し入れを貰ったね・・遠慮なく、有難く頂こうか・・」

「・・頂きます・・」

・・旨い・・そこらのカフェで出て来るサンドイッチなどは、及びも付かない・・やっぱりウチの会社の厨房で働いてくれている人達は、ランクが違う・・皆、美味しさに感じ入って舌鼓を打ちながら平らげていく・・5人でも食べ切れないかなと初めの内は思ったが、サンドイッチが美味しいのと空腹感が好い調味料になってか、予想より早く食べ切った・・。

「・・いや~旨かったっスね・・こんなのを食べ慣れちゃうと、並のサンドイッチが食えなくなりますよ・・」

・・と、ナプキンで口を拭ってコーヒーを飲み干したスコットが感嘆する・・。

「・・全くだな・・結構お腹いっぱいになっちゃったから、眠くならないように気を付けないとな・・」

「・・ご馳走様でした、アドルさん・・とっても美味しかったです・・ありがとうございました・・」

・・と、ズライ・エナオが礼を言う・・。

「・・僕が奢ったんじゃないんだから、そんなのは良いんだよ・・」

「・・私が今度、これよりもっと美味しいランチ・バスケット、作って持って来ます!!・・」

「・・ああ、楽しみにしてるよ、マーリー・・それじゃあ、そろそろ上がろうか・?・午後も頑張ろう・・」

・・少し早めにフロアに上がり、私は喫煙休憩室で紙コップのコーヒーを飲みつつ、一服点けてまったり過ごす・・喫い終って揉み消した頃合いでチャイムが鳴った・・。

・・午後も変わらずに忙しいが、追い立てられているような感覚は無い・・そのような感覚を覚えながら仕事をしている時は、丁寧さと誠実さと確認作業が大概疎かになっている・・無理をして急ぐ必要は無い・・サポートメンバーを信頼して、いつも通りに進めれば好い・・3時の休み時間もいつも通りに過ごして、また同じように集中して見落としなく、間違いも無く取り組み続けて、終業時刻のチャイムが鳴る・・プラスで6時間分ほどの業務進捗で着地した・・ああ・・これはもう本当に何の心配もない・・明日も普通に自分の仕事に集中していれば良い・・。

・・後片付けをして、少し明日の準備もする・・バッグを持って同僚達と労を労う挨拶を交わす・・スコットやマーリーもズライも、私より先にフロアを出て行く・・リサさんも早く上がったようだ・・確認して記録してから、私も1階に降りる・・ラウンジには寄らずに車に乗り、メモを出して住所を入力する・・名称が書かれていないので、どんなプール施設なのかは分らないが、まあ行って観れば判るだろう・・ナビゲーション・モニターでは、70分少々の行程だ・・私はオートドライブにセットしてスタートさせると、端末を取り出して出航後の最初の2日間に於ける、訓練内容と訓練日程について思い付くままにメモしていく・・。

・・アラームが鳴ったので顔を上げると、到着まで10分との表示だ・・端末を仕舞い、切り換えて自分で運転する・・この辺りはあまり来た事もないが、高級住宅街が点在するエリアだ・・観えて来た目的地は、一見して少し高級なジムのようにも観えるが、窓が少ない・・。

・・駐車スペースに滑り込み、受付でPIDメディアカードを提示すると、若い男性だったが丁寧に対応してくれる・・。

「・・いらっしゃいませ、ようこそおいで下さいました、アドル・エルク様・・こちらが会員証でございます・・今後とも宜しくお引き立ての程を、お願い致します・・皆様、カフェの方でお待ちです・・」

(皆様・?・)「・・こちらは会員制の施設ですか・・?・・」

「・・はい、完全会員制となっておりまして、今夜は皆様の貸し切りとなっております・・」

・・かなりハイソに観える完全会員制の施設を貸し切りにしたのか・・?・・幾ら払ったのかな・・?・・。

「・・ありがとう、処で売店はどちらですか・・?・・」

「・・はい、こちらを真っ直ぐに行って突き当たりの右手になりますが・・お連れ様から、準備は既に済んでいるからとの、御言伝を預かっております・・」

「・・分かりました、ありがとう・・」

・・礼を言い、会員証を受け取って案内されたカフェに入ると、同じテーブルに座っていた7人の美女が、私の姿を認めて立ち上がった・・。

「・・元からここの会員だったのは、エマさんだね・・?・・リサさんを迎えに来たのは、ハンナさん・・?・・全員の入会金と会費と貸し切り費用で、幾ら払ったのかな・?・リサさん・・?・・伝言は聞いたけど、まだパンツ買ってないんだよね・シエナ副長・・?・・」

・・エドナ・ラティスとアリシア・シャニーンが、口を押さえて目を見張る・・。

「・・どうして・・そこまで・・?・・」

「・・アドルさんの凄さはこんなものじゃないのよ、エドナ・・?・・アドルさん・・確かに私がリサさんを迎えに行きました・・エマの車だと目立ちますので・・ご覧の通り、高級会員制のフィットネス・スパですけれども・・今回はアドルさんのも含めて、全員の水着購入にお金が掛かりました・・」

「・・へえ、僕のもね・・何だか今夜も、特別なイベントになりそうだね・・皆さん、座って下さい・・もしかして、有名な水着デザイナーの作品でも買ったのかい・・?・・」

「・・アドルさんには、いつも驚かされますね・・いつまで経っても慣れません・・」

・・シエナ・ミュラーがそう言って、エマさん以外の全員がテーブルに着く・・。

「・・デザイナーは、エタンス・ミードです・・彼と私は10年来の友人でして・・毎年発表される新作は、私も含めてシエナ・・ハンナ・・エドナ・・カリーナも、CM に起用されていますし・・水着のファッションショーにも出させて貰っています・・実は男性ながら彼も私達のグループの一員でして・・彼も、アドルさんのファンなんです・・でもビジネスはビジネスとして、水着は定価で買いました・・」

・・そう言って、エマさんも座る・・。

「・・そうですか・・エタンス・ミード氏なら私も知っています・・配信ニュースで、3.4 回は観ましたね・・斬新で先鋭的なデザインも、伝統的な要素を取り入れた古風なデザインも出来る人ですよね・・処でどうしますか・・?・・少し何かお腹に入れないと、疲れちゃうけど・・?・・」

「・・ご安心下さい・・具沢山のリゾットを注文しました・・これなら、美味しいですし、食べ易いですし、栄養のバランスも良いですし、消化も早いです・・」

・・と、リサさんが微笑んで言う・・。

「・・さすがはリサさんだね・・」

・・そう言って、私も笑った・・。
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