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・・・『始動』・・・

ナイト・プール

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・・翌日(2/15)(月)・・

・・アラームはAM5:30にセットしていたのだが、先にチャイムを鳴らされる・・(・何!?・)と思って起きるが、声には出さず騒がずにパジャマを整え、髪の寝癖だけ撫で付けて、自室を出る・・。

・・洗面所で顔を入念に洗い髪を整えてからまた自室に戻り、出勤用の服に着換えて出るとキッチンに入る・・。

「・・おはよう・・女優さん達が朝に強いんだって言う事が、ようやく身に沁みて来たよ・・」

「・・おはようございます・・勝手でしたが朝食の準備をさせて頂いています・・朝のお茶は・・アドルさんが淹れられる方が美味しいので、宜しくお願いします・・」

「・・2人ともありがとう・・助かるよ・・朝のお茶はコーヒー?、紅茶?・・」

「・・紅茶でお願いします・・」

「・・ストレートで好い・・?・・」

「・・はい・・」  「・・お願いします・・」

「・・よし、じゃあ僕も今日はストレートティーで始めよう・・紅茶で置いているのはダージリンとアールグレイなんだけど・・紅茶はストレートで淹れると、淹れ手の上手さが判るよね・・」

・・そう言いながらアールグレイの缶を取り上げ、注意深く丁寧に3杯のホット・アールグレイ・ティーを淹れる・・2杯は彼女達の近くに置いて、砂糖はそれぞれの好みに任せて自分はそのままダイニングテーブルに着いて、香りと味と熱さを堪能する・・。

「・・ありがとうございます・・勝手に作らせて頂いていますが、卵2個のターンオーバーに、昨夜の温野菜サラダにほうれん草を加えたソテー、乱切りキャロットとボイルポテトのソテー、ソーセージ2本のボイルとハムが2枚、スープは昨夜のスープを温め直したものです・・ライスは少なめにしまして・・ミルクとオレンジジュースを冷蔵庫から出しました・・如何でしょうか・・?・・」

「・・完璧ですね・・申し分ありません・・」

「・・ありがとうございます・・じゃあ、出来ましたので頂きましょう・・」

・・3人で朝食の卓を囲む・・簡単に作ったように観えたが、この2人の調理手法はかなり上級だ・・卵のターンオーバーは、火加減と引っ繰り返すタイミングが難しい・・上手く仕上がり良く焼き上げている・・その他の食材も丁寧に調理されている・・。

「・・2人とも料理が上手いね・・将来カフェを開いたら、本当に手伝って貰いたいよ・・」

「・・本当ですか?!・ありがとうございます!・嬉しいです・・是非、手伝わせて下さい!・・」

「・・ありがとうございます!・アドルさんに褒められると、すごく嬉しいです・・これで女優として売れなくなっても、大丈夫ですね・?・」

「・・2人とも頼りにしてるよ(笑)・・今もこれからも、将来もね(笑)・・」

・・3人で笑った・・朝食の席で笑い合えるのは、本当に気分が好い・・平日の朝にこんな気分を味わわせてくれる彼女達には・・感謝するしかない・・それにどんなに上手く、美味く作っても、3人で食べる方が絶対に美味しい・・これも真理の一つだな・・。

・・食べ終わって片付けて洗って拭き上げて収納し、新しい紅茶を淹れてまたテーブルに着く・・朝から充実していて気持ちが好い・・。

「・・アドルさんの淹れる紅茶も、本当に美味しいですね・・」

「・・ありがとう・・君達と摂る食事も本当に楽しくて美味しいよ・・平日の朝晩は、大体ここで一人だからね・・じゃあ、まだ少し早いけど行けるかな・・?・・」

「・・はい、大丈夫です・・ありがとうございました・・」

「・・ありがとうございました・・ご馳走様でした・・お世話になりました・・」

・・席を立ち、バッグを携えて出社前の準備を確認する・・2人とも大丈夫なようだ・・3人で室内からガレージに入り、車に乗り込んで車内からシャッターを操作して発車した・・。

・・最寄りのステーションまでスムーズに行けば20分程だ・・エントランス・ロータリーに入り、停車して2人を降ろす・・笑顔で手を振ってくれる2人に笑顔で右手を挙げて応え、エレカーをスタートさせて会社を目指した・・。

「・・アドルさんって、本当に素敵な人だね・・深くて広くて優しくて正直で、何でも出来て・・皆が好きになるのも解るわ・・」

・・ステーション正面出入口へと続く階段を上りながら、アンバー・リアム・・。

「・・そうね・・私達は仕事で乗るんだけど、アドルさんの為に本当に精一杯頑張りたいって言う気持ちになるわね・・」

・・同じように階段を上りながら、シンシア・ラスター・・。

「・・私はシエナに報告するわ・・」と、アンバー・リアム・・。

「・・私はハンナさんに報告します・・」と、シンシア・ラスター・・。

「・・今夜は、ナイト・プールって言う話だったわね・・?・・」と、アンバー・・。

「・・そうですね・・アドルさんは、エマさんと泳ぎたいと言って誘ったそうですけど・・」

「・・アドルさん・・社宅と職場との往復だけじゃ、寂しそうだものね・・」

「・・それ以上に、私達も逢いたいんですけれどもね・(笑)・・」

・・そう言い合いながら、ステーションの正面出入口に消えて行く2人であった・・。

・・始業時間より70分も早く、駐車スペースに滑り込んだ・・我が社はサービス残業が出来ないようになっている・・その上、君に時間外労働をさせるのは却って損失なのであるとの通告を受けている我が身として、こんなに早い時刻での出社は全く何の意味もない・・のだが、早く起きてしまったし、早く社宅を出てしまったし、他に寄れる場所も、寄るような用も無かったから、仕方なくこの時刻に着いてしまった・・。

・・取り敢えずラウンジに入り、自分でマンデリンを少し濃い目にして2杯分淹れてポットに入れ、ポットとカップ・ソーサーと一緒に喫煙室に入って席に着く・・ここのラウンジは自分の好みでこのような事が出来るので気に入っている・・こんな時間だからまだ客(社員)は少ない・・プレミアムシガーを持って来れば好かったなあと思いながら、いつもの煙草とライターを取り出す・・自分で淹れて飲めるのは好い・・飲みながら注ぎながら一本目を灰皿で揉み消し終わった時に聴こえた・・。

「・・お早うございます・・早いですね・・」

・・リサ・ミルズが対面の席に座り、保温ボトルを取り出してテーブルに置く・・いつもこんなに早いか・・?・・まさか・・?・・いや、有り得ない・・。

「・・お早う・・君も早いね・・何か用事・・?・・」

「・・私も今朝のプロジェクト・キックオフ・ミーティングに呼ばれていますので、ちょっと下調べでもしようかなと思いまして・・」

・・そう言いながらカバーカップを外して、ブレンドハーブティーを注いだ・・。

「・!・へえ、君も呼ばれてるんだ・・ウチのフロアで他に呼ばれている人はいるのかな・・?・・」

「・・分かりません・・私のアクセス権限では調べられませんでした・・」

・・カップを両手で持ち、二口飲んでからそう言った・・。

「・・そう・・じゃあ、僕のアクセス権限でも無理だろうね・・もしもウチのフロアから他にも何人かこのプロジェクトに呼ばれているのなら、それが意味するのは・・・」

「・・営業第4課創設に向けての布石・・ですか・・?・・」

「・・そんな処だろうね・・」

・・そう言ってコーヒーを二口飲み、2本目を咥えて点ける・・。

「・・不安があるのですか・・?・・」

「・・いや・・不安はないね・・期待感が7割・・高揚感が3割・・それらを包み込んで、至極普通の平常心・・と言った感じだね・・何事も始まってみなければ分からないし、始まってからこそ対処もできると言うものじゃないかな・・?・・」

「・・やっぱり・・私にとっての貴方は・・最高の人です・・」

「・・あまり会社の中では言わないでくれるかな・?・・下調べ・・するんでしょ・・?・・」

「・・はい・・思わず言ってしまいました・・控えます・・それじゃ、失礼して先にフロアに上がります・・」

・・ハーブティーを飲み干してカバーカップを閉め、保温ボトルをバッグに入れて立ち上がると、彼女は会釈して出て行った・・それから5分してコーヒーを飲み終え、2本目の煙草も揉み消して立ち上がると、煙草とライターをポケットに入れ、ポットやカップ・ソーサーをカウンターに返して、私もラウンジから出た・・。

・・リフトで上がってオフィスフロアに入る・・リサさんと視線を合わせて自分のデスクに着く・・朝礼迄30分・・端末は外部ネットワークに繋がっているが、始業時刻になるまでは社内サーバー・社内データベース・社内でのどのような個人ファイルにもアクセスできない・・何が出来る訳でも無いので、背筋を伸ばして軽く眼を閉じ、瞑想に入る・・15分もするとフロアに入って来る同僚達の気配が強くなってくるので、眼を開けて座ったまま身体を解す・・。

「・・お早うございます、先輩!・今朝は下にいなかったスね・・?・・」と、スコットだ・・。

「・・ああ、お早う・・大分早く来ちゃってさ・・下でまったりと過ごしてから上がったよ・・」

「・・週末はゆっくりできたみたいスね・・好い顔してますよ・・今週も宜しくお願いします・・」

「・・こちらこそ、宜しくな・・」

「・・お早うございます、アドル係長・・今週も宜しくお願いします・・」

・・ズライとマーリーが一緒に入って来た・・外が寒かったようで頬っぺたが赤い・・。

「・・2人ともお早う!・こちらこそ、宜しくね・・」

・・ヘイデン・ウィッシャー・フロアチーフが入って来たので、席から立って腰を廻した処で始業のチャイムが鳴る・・。

「・・皆さん、お早うございます・・今週も宜しくお願いします・・まず初めに、新しい業務提携プロジェクトをスタートさせる為のプロジェクト・キックオフミーティングが、朝一番で開かれます・・今から読み上げるメンバーは朝礼が終ったらすぐに、営業本部ビル3階のA大会議室に行って下さい・・それぞれPADを忘れないように・・アドル・エルク係長・・リサ・ミルズさん・・ダグラス・スコット君・・マーリー・マトリンさん・・ズライ・エナオさん・・ヨエル・ハンソン君・・ペイトン・クライン君・・以上の7名です・・宜しくお願いします・・今週の営業本部の予定・・課の予定・・セクションの予定・・フロアの予定・・メンバー個々人への通達や連絡に関しては、メッセージサーバーのメンバーボックスの中を閲覧して確認して下さい・・こちらからは以上です・・皆さんから何かありますか・・?・・休暇の申請は私のメッセージボックスにお願いします・・無ければ・・今週も間違いの無いように、始めましよう・・以上です・・」

・・朝礼が終り、業務が始まる・・PADとバッグを携えて立ち、廊下に出て他のメンバーを待つ・・直ぐに6名が出て来る・・。

「・・じゃあ、行こうか・・」

・・足早に歩き出す・・営業本部ビルと言うのは通称で、正式には本社第1棟と言う・・自分達が今居るのは本社第2棟であり、本社ビルは全部で第5棟まである・・。

「・・先輩・・何のプロジェクトなんでしょうね・・?・・」

・・スコットが私の左側に付いて、歩きながら訊いてくる・・。

「・・ああ・・俺が提案した、あるアイソレーション・タンクベッド・メーカーとの間で、業務提携契約条項を締結しようと言うプロジェクトだ・・このメーカーは、アイソレーション・タンクベッドの販売シェアでは現在第4位にあるメーカーで・・先に『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社との間で業務提携条項を締結している・・このプロジェクトが上手くいけば、ゲーム大会の開幕までにはリアリティ・ライヴ・ショウに登場する20隻全艦と、『ロイヤル・ロード・クライトン』の全個室にアイソレーション・タンクベッドを配備できるし、3社で宣伝と販売の営業業務を提携できるようになれば、そのメーカーの販売シェアも拡大させられるだろう・・勿論、我が社の売り上げにもなるし宣伝にもなって、我が社の知名度と社会的評価の向上にも繋げられるだろう・・」

「・・その、『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社に・・そのメーカーとの業務提携を提案したのも、アドル係長なんですよね・・?・・」

・・と、少し誇らし気にマーリー・マトリンが言う・・。

「・・そうだね・・先にそちらの業務提携契約を締結して貰う方が、ビジネスプロセスとしては効果的だろうと思ったからね・・」

「・・すごいビッグプロジェクトじゃないですか!・・面白そうですね・・」

・・と、ヨエル・ハンソン言う・・。

「・・呼ばれたからには、頑張りますよ!・・」

・・と、ペイトン・クラインも若者らしい意気込みを見せる・・。

リフトで1階まで降り、外に出て30秒歩けば第1棟に入れる・・リフトに乗って3階に上がる・・A大会議室は通常なら500人でも余裕で座れる広さがあるのだが、今は総ての机と椅子が収納されて中央に大型の円卓が設えられ、その周りに椅子が配置されている・・会議室に入って一番近い椅子に座る・・他の6名も、それぞれ適当に着席した・・見廻すと、このキックオフミーティングの参加者は36名だ・・同僚達以外にも、顔見知りが10数名いる・・」

・・ハーマン・パーカー常務が立ち上がって口火を切る・・。

「・・皆さん、お早うございます・・始業して直ぐに集まって頂いて感謝します・・この集まりは、新規に業務提携プロジェクトをスタートさせる為のプロジェクト・キックオフミーティングです・・では、お持ち頂きましたPADを開いて下さい・・皆さんそれぞれのワークアドレスに向けて、ミーティングリンクをお送りしましたのでご参照ください・・今回業務提携を目標とする対象企業は、社名『ビューティフル・ドリーム・ヘルス・アソシェーション』と申しまして、アイソレーション・タンクベッドの製造・販売メーカーです・・この会社を対象として目的とする提携事業業務は、この会社が製造しておりますアイソレーション・タンクベッドの宣伝と販売であります・・それでは、時系列を追ってこれまでの推移をご説明しましょう・・エリック・カンデルチーフ・・お願いします・・」

・・常務が着席して、チーフ・カンデルが起立する・・。

「・・分かりました・・皆さん、お早うございます・・それではこれまでの経緯を掻い摘んでご説明します・・皆さんもご存知のように、ここにおられるアドル・エルク係長が例のゲーム大会の一部である、リアリティ・ライヴ・バラエティ・ショウの出演者募集に応募されまして、艦長として当選されました・・それからこれまでの経緯の中でエルク氏は、件のリアリティ・ライヴ配信番組のマスター・プロデューサーに対して、番組内で登場する20隻全艦の全個室にアイソレーション・タンクベッドを配備してはどうだろうかと提案されました・・そしてそれを現実的なビジネス・プロジェクトとする為にエルク氏は、配信番組制作を担う『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社と、アイソレーション・タンクベッド・メーカーである『ビューティフル・ドリーム・ヘルス・アソシェーション』社とで、アイソレーション・タンクベッドの宣伝と販売に於ける業務提携契約条項を締結されてはどうだろうかと提案されたのでした・・このエルク氏からの提案に対して配信番組制作会社の上層部は非常に強い興味を示され、この両社に於ける業務提携契約交渉はスムーズに推移して、つい先日に業務提携契約は良好な形態でその成立を観たのであります・・そして更にエルク氏は、まだまだ高額に昇る20隻全艦全個室へのタンクベッド配備に於ける必要経費を、少しでも安価とする為にこの宣伝と販売での業務提携契約を我が社をも交えて3社合同での、業務提携事業としてはどうだろうかと・・私と常務に対して提案されました・・我が社の役員会はエルク氏からの提案を受けて朝の定例評議会に於いてこれを協議し、承認の上即時にプロジェクト・チームを発足させて起動しようと決議しました・・今朝のこの場でのキックオフ・ミーティングは、この役員会での決議を受けてのものであります・・皆さん・・このアイソレーション・タンクベッドの宣伝と販売に於ける業務を・・3社合同での業務提携事業と出来れば・・タンクベッドの販売が我が社の利益となる事は勿論・・我が社の知名度と社会的な評価の向上にも繋がりますし・・そして我が社の『ロイヤル・ロード・クライトン』の全個室にも、アイソレーション・タンクベッドを安価で配備する事が叶うのであります・・3社合同での業務提携契約条項を3社合意の基で改めて練り直し、ゲーム大会の開幕までに21隻全艦全個室にアイソレーション・タンクベッドを配備できるように、スピードを上げて取り組みましょう・・私からの説明は以上とさせて頂きたいと思いますが、アドル・エルク係長から補足や訂正があればお願いします・・また、質問・意見など何でも自由に発言して下さい・・」

・・そこで言葉を切ってチーフ・カンデルは着席する・・入れ替わりで私が立った・・。

「・・お早うございます・・アドル・エルクです・・先ず、私がマスター・プロデューサーに話を持って行った時点では、対象とするメーカーはまだ決まっていませんでした・・ただ、アイソレーション・タンクベッドの販売獲得シェアで、4位か5位のメーカーを選んだら好いだろうとは助言しました・・『ビューティフル・ドリーム・ヘルス・アソシェーション』社を選定したのは、『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社です・・そして現在、『ビューティフル・ドリーム・ヘルス・アソシェーション』社の販売獲得シェアは、第4位です・・次に狙っていた効果と言いますか・・どうしてこれを思い付いて実行に移そうと考えたのかについてお話します・・アイソレーション・タンクベッドを導入すれば、睡眠時間は最長でも3時間で済むようになるのでその分活動時間を多く取れるようになります・・21隻の全クルーがそのように時間を使えるようになれば、それはそれだけで他艦に対して一歩も二歩も先んじる事が出来るようになると言う事です・・これにより21隻が他艦に先んじて経験値を集積させられれば、ファーストシーズンを全艦で生き延びる事が充分に可能です・・ファーストシーズンを全艦で生き延びられれば、現在セカンドシーズンまでの制作は決定されていますが・・サードシーズンは勿論、フォースシーズンまでの制作も決定されるでしょう・・そうなればどうなるでしょうか・・?・・世界的に超人気の配信番組がフォースシーズンまで続けば、視聴取率は右肩上がり・うなぎ上りで、タンクベッドのCМも配信され続けますし・・結局の処3社合同での業務提携事業は、『ディファイアント』と『ロイヤル・ロード・クライトン』が撃沈されるまでは確実に続くでしょう・・そして私は勿論、簡単に沈められるつもりは毛頭ありませんので・・最後の最後まで粘ります・・結果としてタンクベッド販売による利益は、長期間に渡ってもたらされ続ける事になるでしょう・・」

・・言葉を切って、私も座った・・20秒ほどして拍手が沸き起こる・・驚いて思わず声を出す・・。

「・・すみません・・拍手を貰えるような話じゃありません・・ゲームの事は遊び事ですし・・ちゃんとした仕事で貢献できていない事については申し訳ないと思っています・・なので・・ゲームの事も全部利用して何とか・・会社に貢献できればと思っている次第です・・」

・・そう言い終ると初対面の女性社員がすっくと立ち上がり、私の顔を強く観た・・。

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