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・・・『集結』・・・

アイソレーション・タンクベッドと艦長対談番組 2

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「・・アドルさん・・私は・・いえ、私だけじゃないですけれども・・ほぼ毎日・・貴方の新しい素晴らしさを・・見せられています・・本当にアドルさんは素晴らしい人ですよ・・」

私が差し入れたポトフを、若いスタッフ達が旨そうに食べている。

その様子を眺めている、私の横顔を見詰めながらリサさんはそう言った。

「・・ありがとう、リサさん・・どうやら、心配しなくても大丈夫みたいだね・・」

私は彼女に向き直ってそう言いながら、コーヒーカップを取り上げる・・。

「・!・アドルさん・!・今日はおいでになるご予定だったのですか・!?・・」

振り向くと、ハル・ハートリーさんとエレーナ・キーンさんが歩み寄って来る・・。

「・・ああ・!・ハルさん、エレーナさん、お早うございます・!・朝早くからご苦労様です・・マルセル・ラッチェンスプロデューサーに、アイソレーション・タンクベッド配備の件を申入れに来ました・・それで先に彼と話したところ・・ここ数日は皆さん、泊まり込みで対応されているとの事でしたので・・手土産とお裾分けを、差し入れとして持って来た訳です・・」

ハル・ハートリーとエレーナ・キーンが向こう側を見遣ると、若いスタッフ達がポトフに舌鼓を打ちつつ、美味い旨いと言いながらこちらに手を振ってくれている・・。

「・・アドルさん・・貴方は制作会社の皆さんも、味方に付けましたね・・」

と、ハル・ハートリーが感歎したように言う・・。

「・・そうかな・・?・・残り物で申し訳ないと思うけどね・・」

そう応えて、私はコーヒーを飲み干す。

「・・奥様のポトフは、時間が経つ毎に味が沁みて旨味を増します・・多分、今が最高の味わいでしょう・・」

そう言いながらリサさんもコーヒーカップを取り上げる・・。

「・・ありがとう・・ところで、誰かを引率して来たの・・?・・」

2人に座るように促して訊く・・。

「・・はい、あの・・2つのアイドルグループです・・」

と、エレーナさんが座りながら応える。

「・・ああ、ええと・・ミーアス・クロスと・・?・・」

「・・リアン・ビッシュです・・」

と、リサさんが後を引き取った・・。

「・・そうでしたね・・ご苦労様・・引率して来たのは、君達だけ・・?・・」

「・・いえ、ハンナも来ています・・もうすぐレクチャーとブリーフィングを終えて、皆ここに来ますよ・・」

と、ハル・ハートリー・・。

「・・そうですか・・朝食は・・?・・」

「・・ここに来る前に『ホワイトブリッジ』で頂きましたよ、アドル・エルク艦長・・どうしたんですか・?・こんなに早くから・?・」

そう言いながらハンナ・ウェアーが若いメンバーを引き連れて現れ、私の左隣に座ると右手で私の左手を握って、腕を絡める・・。

「・・ハンナ、止めなさい・・皆、見ているわよ・・!?・・」

と、ハル・ハートリーが嗜めたのだが・・。

「・・ああ、良いですよ、このくらいは・・ハル・ハートリー参謀・・今はまだね・・『ディファイアント』が出航したら、色々と続けて指示を出して、忙しくして貰いますから・・おはよう、ハンナ・ウェアーカウンセラー・・今日も元気そうだね・・それじゃあ、若いメンバーを紹介して貰えるかな・・?・・」

私は手を離して立ち上がり、居住まいを正した・・ハンナさんも急いで立ち上がり、私の左隣に立つ・・。

「・・失礼しました・・おはようございます・・アドル・エルク艦長・・それでは、ご紹介します・・分かれて並んで・・そう・・向かって左が、ミーアス・クロスの4人・・右側がリアン・ビッシュの4人です・・ミーアス・クロスの左側から、ラニ・リーさん・・ララ・ハリスさん・・ディア・ミルザさん・・ローナ・ハートナーさん・・です・・続けてリアン・ビッシュの4人・・左側から、コディ・ホーンさん・・サラ・ペイリンさん・・イリナ・スタムさん・・アーシア・アルジャントさん・・です・・そして皆さん・・こちらの方が、アドル・エルク艦長です・・」

私はラニ・リーの目の前まで歩み寄り、右手で彼女の右手を取って握った・・。

「・・お早うございます・・初めまして、ラニ・リーさん・・私がアドル・エルクです・・これから、宜しくお願いします・・『ディファイアント』にようこそ・・歓迎します・・医療室スタッフと言う職務をも了承して頂き、ありがとうございます・・現役看護士としての、貴女の知識・経験・技能・見識を役立てて下さい・・」

「・・お早うございます・・初めまして、アドル・エルクさん・・ラニ・リーです・・ご丁寧にありがとうございます・・また、私達を選んで頂いて、ありがとうございます・・こちらこそ、宜しくお願いします・・精一杯、お手伝いさせて頂きます・・」

握手を交わしてメディアカードを交換し、隣のララ・ハリスの目の前に移る・・。

「・・お早うございます・・初めまして、ララ・ハリスさん・・私がアドル・エルクです・・これから、宜しくお願いします・・『ディファイアント』にようこそ・・歓迎します・・サポートスタッフと言う職務をも了承して頂き、ありがとうございます・・サポートスタッフですので、幅広い知識・経験・技能・見識が必要なのですが・・それはこれからゆっくりでも着実に培っていって下さい・・」

「・・お早うございます・・初めまして、アドル・エルクさん・・ララ・ハリスです・・ご丁寧にありがとうございます・・また、私達を選んで頂いて、ありがとうございます・・こちらこそ、宜しくお願いします・・頑張りますので、教えて下さい・・」

彼女とも握手を交わしてメディアカードを交換し、隣のディア・ミルザの目の前に立つ・・。

「・・お早うございます・・初めまして、ディア・ミルザさん・・私がアドル・エルクです・・これから、宜しくお願いします・・『ディファイアント』にようこそ・・歓迎します・・保安部員と言う職務についても了承して頂き、ありがとうございます・・出航したら、シミュレーションとか様々な訓練を受けて貰う事になると思いますが、無理はしないように頑張って下さい・・」

「・・お早うございます・・初めまして、アドル・エルクさん・・ディア・ミルザです・・ご丁寧にありがとうございます・・また、私達を選んで頂いて、感謝します・・こちらこそ、宜しくお願いします・・私が習いました護身術を、お役に立てられると思いますので、頑張ります・・」

このようにして私は、彼女達全員と挨拶を交わし、握手も交わしてメディアカードを交換した。

ローナ・ハートナーには、『ディファイアント』右舷の、対空ミサイル・オペレーターとして、その任務に就いて貰う・・。

コディ・ホーンは、3人のサポート・スタッフクルーの内の1人だ・・。

サラ・ペイリンとイリナ・スタムには、ラニ・リーと同じ医療室スタッフとして、その任務に就いて貰う・・。

アーシア・アルジャントも、ディア・ミルザと同じく、共に保安部要員としてその任務に就いて貰う・・。

8人とも若い・・ミーアス・クロスは4人とも21才で・・リアン・ビッシュは4人とも22才だ・・若いが眼の光は強く、その表情は凛々しく、清々しい・・排他的、退廃的、自己本位的な印象は微塵も見受けられない・・。

「・・改めて宜しくお願いします・・皆さんを心から歓迎します・・レクチャーとブリーフィングが終わったと言う事は、皆さんそれぞれに専用の、認識アクセスコードが付与されて、またその他に携帯端末、PIDメディアカード、専用PADは貸与されましたね・・?・・『ディファイアント』に乗艦する際、この3つは絶対に忘れないで下さい・・忘れた場合は乗艦出来ませんし・・紛失した場合は任務を解かれ、資格も剥奪されます・・くれぐれも注意して下さい・・これはお願いでもあり、厳命でもあります・・カウンセラー・・『ホワイトブリッジ』で支払って、貰ったレシートをリサさんに渡して下さい・・後程、貴女の口座に振り込みます・・ああ、この件で問答はしませんよ・・私は貴女方に金銭的な負担はさせないと言明しました・・リサさんにレシートを渡して下さい・・」

口を開こうとしたハンナ・ウェアーだったが、諦めてレシートをリサ・ミルズに手渡した。

「・・よく、私が払ったと分りましたね・・?・・」

「・・これも勘ですね・・説明は出来ません・・」

「・・アドルさんには、毎回驚かされます・・そしてその度毎に、惹き付けられます・・」

その言葉に返せる言葉は、今の私には無い・・これからも、持てないかも知れない・・。

「・・これから撮影セットの見学ですか・・?・・」

と、ハルさんを見遣る・・。

「・・はい、そうです・・」

「・・私は、ラッチェンスプロデューサーと面談なので、任せても良いですか・・?・・」

「・・はい、勿論大丈夫です・・お任せ下さい・・」

「・・それじゃあ、宜しくお願いします・・通電して、よく触って、動作確認して下さい・・終わったら、合流しましょう・・」

「・・はい、分かりました・・」

「・・と言っても、まだ皆さん食べていますから・・待ちましょうかね・・?・・」

私はもっと離れた席に移り、一服点けた。

すると、ディア・ミルザとアーシア・アルジャントが歩み寄って来る・・。

「・・アドルさん・・改めて私達を選んで下さって、ありがとうございます・・一生懸命に頑張りますので、宜しくお願いします・・」

と、ディア・ミルザ・・。

「・・こちらこそ、宜しくお願いしますね・・・君達がそれぞれのグループ・リーダーだね・・?・・」

2人とも驚きの色を観せる。

「・・よく・・お判りですね・・?・・」

「・・これは勘もあるけれど、合理的な推測の方が強いかな・・」

「・・あの・・聴いたのですが・・アドルさんが貰ったクルー候補者リストには、私達のグループの事は書かれていなかったのですね・・?・・」

と、アーシア・アルジャントが訊く。

「・・そう・・グループの事は、書かれていなかったね・・」

「・・それなのにどうして、私達全員を選び出す事が出来たのですか・・?・・」

私は煙草を揉み消して、手を組んだ。

「・・悪いんだけど、その質問に対する明快な回答は・・今の私には出せないんだ・・勘とか偶然では、弱過ぎる・・多分君達8人に・・何かを感じたのだろうけれども・・それが何かを明確には出来ないんだ・・今はこれで許して欲しい・・」

「・・分かりました・・ありがとうございます・・」

そう言って頭を下げると、2人は戻って行った・・。



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