瞑想の紹介と説明と指導

瞑想に入る前に

瞑想の三要素

瞑想は、三つの要素で構成されます。

前項でも少し触れましたが、バランスとリラックスと集中です。

やじろべえのように徹底した絶妙なバランスで座る為に、考え得る限りに試行しましょう。

座る場所や使う座具、用いる椅子などに於いても、自分が絶妙なバランスで座る為に、妥協しないで追求しましょう。

やや顎を引いて、上体の直立を確認しましょう。

座れたらリラックスです。やや深い深呼吸を続けながら気持ちを落ち着けて、呆けっとした無念無想のリラックス状態に入ります。

これからは自分にとって特別で必要な時間なのだと規定しましょう。

充分なリラックス状態に入れるまで、眼を閉じなくても結構です。

鼻腔を通過する呼吸の流れに意識を向けながら、ゆっくりと瞼を閉じましょう。

きつく瞑ってはいけません。四分の一程開ける薄目でも結構です。

雑念が湧き上がりますが、捉われずに鼻腔を通過する呼吸に意識を向けましょう。

呼吸の回数を数えても結構です。数息観と呼ばれるテクニックです。

雑念を抑え付けようとしてはいけせん。そうしようとしても抑えられません。

自分が春の小川の川縁に座っていると想像しましょう。

雑念は、眼の前を流れ去って行く川面です。

湧き上がり続ける雑念を、流れ去って行く川面になぞらえて、眺めるだけにして見送り続けましょう。

そうしながら、ますます落ち着かせていきましょう。焦る必要も急ぐ必要もありません。

想像の中で雑念の川の流れから、もう少し距離を採って、自分の身体の輪郭にも意識を向けて行きましょう。

呼吸の流れに意識を向けて観察する事も、自分の身体の輪郭に意識を向けて観察する事も、強く行ってはいけません。

柔かく・軽く・暖かく・優しく、観察しましょう。

向けている意識が途切れたら、もう一度意識を向けましょう。その繰り返しでも充分に結構です。

力を入れる必要はありません。閉じた瞼の裏側に何かを観ようとしないで下さい。

それはストレスに直結します。

瞑想未経験の方は、この状態を十五分程度続ける事が出来ましたら、一度切り上げて眼を開き、立ち上がって身体を解しましょう。