脊髄反射のように書いてるネタ短文っぽい何か

ほんのり雪達磨

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2019/07

かき氷バニラ

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走りまわるやんちゃさんであれたころ、無性に夏はかき氷が食べたかったことを覚えている。

ちょっとやんちゃじゃなくなったころ、無性にただの氷をがりがり食うのが楽しかった時があるのを覚えて――あれ? 退化してない? 大丈夫?


ふわふわとした食感が等いろいろ時代の流れと共にはやりすたりはあったわけであるが。

それでも心に残るのはなんか100円未満の袋ずめで大量生産されたノリのかき氷。

安っぽい味が良かったのだろう、きっと。冷たくて甘いというのは夏はそれだけでうれしいのだ。
 

かき氷を食った時に起こる頭痛の事をアイスクリーム頭痛というらしいということを知ったのはいくつのことだったろうか。

別にかき氷に限った話ではないが、かき氷でしか起こらないと思っていた時代の時分にとってそれは衝撃的だったのだ。蜘蛛が甲殻類っぽい味がするらしいと初めて知った時と同じくらいの衝撃だったのだ。わかりにくいな。
 

バニラだ。
 

子供だったのである。
 

バニラだ。

 
そう思ったのだ。意味が分からないだろう。俺も今となってはわからないのである。
 

アイスクリームとはバニラのイメージが先行していたのだ。バニラ好きでもないくせに。べ、別にバニラの事なんか気にしてないんだからね、とテンプレめいたツンデレという訳でもなく、本当に食べれるが好きではないのだ、バニラ。

そしてなぜか、アイスクリーム頭痛とはバニラであるという謎理論が当時の俺に発生したのだ。俺の中の世界だけで満場一致で可決されてしまったのだ。なんてことだ、そんな会議に出席した議員は辞職しろ。脳内総辞職……それって思考能力なくなるのでは?

 とにかくバニラだ。アイスクリーム頭痛はバニラ頭痛と俺の中で完結したのだ。
 

「あー、イッキ食いして頭痛がする!」

「バニラだな!」

「え、これかき氷でメロン味なんですが(敬語で困惑)」

「バニラ頭痛だ!」

「(困惑)」

 
すると、こうなるのだ。ボケですらないので相手ができることは困惑と首をかしげる事である。単なる阿呆であった。

昨今はアイスクリーム頭痛が起きにくいかき氷もあるらしい。だいぶ前からあるな。あるよ。

 
あったものがなくなるとはいいことでも不思議な感覚ではある。

 
昔の感覚でかき氷を食べたい。今なんか食ったら歯が痛いよ。やめろぉ! 歯は拷問に使われちゃうレベルでなんかあれ、あれだ、あれなんだぞ! くっそめ!


ファアアアアアアックファアアアアアアアアアアアアアアック

 
安く発狂したところでおしまい。
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