オリオンの館~集められた招待客~

翔子

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 『館』内を廻る

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一月二十五日(月)

二十一時十五分 ─────── 
 
 玄関ホールに出ると、ちょうど松岡美幸と堤冷花を部屋まで送った重崎が階段を下りて来た、

「おう、土倉! ……どう……した──」

「───重崎様、もう二十一時でございますのでお部屋へお戻りください。なぜ下りて来られたのですか」

 香川に客室へと戻るよう仏頂面で強く言われ、重崎は訳がわからないという具合に執事の後ろにいる土倉に目配せをし、来た道を戻って行った。
 土倉が螺旋階段に足をかける前に、玄関の左隣にある摺りガラス窓に視線を移した。先ほど見たは無くなり、群青色の暗闇が広がっていた。

 螺旋階段を登り切り、『宴』に参加する前に立ち寄った衣装がたくさん揃えられた更衣室を通り過ぎると、十字に分かれた通路に突き当たった。どちらも長い廊下が広がっており、前方と左側の廊下は明かりが点いておらず真っ暗だった。

「土倉様、こちらでございます」

 十字廊下を右側に体を向けると不思議な形の天井灯が通路を黄昏色に照らしている。
 香川によれば、ここは招待客用に客室が割り当てられていると言う。主客は個室、同伴者は相部屋となっている。客室は全部で廊下を挟みながら八部屋ある。土倉たちは一番奥の部屋で、その右隣りが松岡美幸の部屋だと重崎が教えてくれた。

「では、おやすみなさいませ」

 目の前でドアを閉められ、土倉は思わず笑ってしまった、

「とことん不愛想なジイさんだな。俺たちをガキみてえに。なあ、謙太。……謙太?」

「クソっ!!!犠牲者を出しちまった……」

 重崎は上着をベッドに脱ぎ捨て、自分の太腿を殴り続けていた。重崎は時々こうなる時がある。土倉と共に十二年間、真犯人を追い詰めて来たが、検挙出来ずに容疑者を自殺させてしまった過去がある。その時、重崎は自分を責め続け、一種の神経症に罹った。一年の休養をするよう、医者に診断されたが、土倉のおかげで半年で復帰できるまでになった。

「仕方が無いさ……あの暗闇じゃあな……」

 部屋を見回しながら、土倉は重崎の肩に手を置いて励ましの言葉を掛けた。

 部屋はビジネスホテルでよくあるツインルームと同じ広さだった。テレビと台、その隣には大きな鏡が立て掛けられた机、引き出しには特に何も入っていなかったがテレビ台の下に置かれた冷蔵庫には水のペットボトルが三本入っていた。
 入口の近くには浴室が備え付けてあった。ユニットバス式で上の棚には触り心地の良さそうなバスタオルが用意されていた。土倉と重崎の荷物は更衣室に置きっぱなしになっていたのをあの執事が置いてくれていたのだろう。クローゼットの横に並べられていた。

「なあ、お前はこの事件どう思う? さっそく名推理をしたか?」

 重崎が期待するような目でこちらを見つめて来たが、土倉は灰皿があるのを見つけ、すかさず煙草に火を付けながら吐き捨てるように言った、

「いや……怪しい奴が多すぎる。証拠も無ければ立証も出来ない。だが、あの猫背の男が怪しい。見た目でしか判断できないが、浮浪者に見えた。臭いはしなかったけどな……」

「最近のホームレスは小銭稼いでコインシャワー使うんじゃねえか? 綺麗好きな奴らだっているんだぜ」

「随分詳しいな」

「ホームレス同士の小競り合いで呼び出されて、話を聞いたことがあるんだよ」

「ふーん」

 煙を吐きながら土倉は上着を脱ごうとした。するとポケットの中でカチャカチャと音が鳴った。

「ん?」

 土倉は煙草を唇の端で咥えながら、念のため指紋を付けないようにハンカチ越しでポケットに手を突っ込むと、やけに伸び切った細長い釣り糸が出て来た。長さは三十センチぐらいありそうだ。

「釣り糸か?」

 重崎が覗き込みながら首を傾げた。土倉は何も言わず、釣り糸を引っ張ってみたり、顔を近付かせて何か手掛かりは無いか観察した、

「凶器か?!」

「そうとは限らない。被害者は首が異様な形に折り曲げられていた。余程の力が無きゃ不可能だ」

 土倉は釣り糸を垂らして見せた、

「端っこが千切れて二連になっている」

 ハンカチ越しで再度ポケットに手を突っ込むと五粒ほどの飾りが出て来た。真珠とキラキラとしたクリスタルが入っていた。土倉はトランクを片手で開き、もしもの時のために持って来ておいた透明のビニール袋に釣り糸と飾りを入れた。

「壊れてるんなら凶器じゃないのか?」 

「さあな、それはまだ分からない」

 土倉はベッドに寝そべり、天井を仰いだ。男性招待客の内の誰かがネックレス用の釣り糸を隠し持っていたとして、宮下薫を絞め殺すのは簡単だ。だが、土倉にはどうしてもそんな単純じゃないと考えている。あの急な暗闇じゃそもそも不可能だ。計画的な犯行に違いなかった。
 
「暗闇? ……そうか! 時に停電になったんだよ」

 土倉は大広間で執事に邪魔された推理を思い出した。急に起き上がった土倉に重崎は驚いた、

「あの時ってどの時だよ」

「宮下薫と堤冷花の内、宮下の方が主客だった。しかし、あの女にはどうも殺人を犯すようには見えなかった」

「どうして分かる? 刑事の時、少年課からの要請で家族を殺害した娘を尋問したのを憶えてるだろ?」

「いや、あの少女とは目が違っていた。宮下薫はどこか楽し気に話してて、この『館』を別荘として欲しかったから参加したと話していた。多分……多分だがな? 彼女は、松岡美幸や他のやつらが受け取った招待状と違う内容が送られたんじゃねえか?」

「なんのために?」

「それは……まだ推理の途中だ……」

 土倉がそう呟くと、重崎は肩透かしを食らったように「シャワーしてくる」と告げ、服を脱いで浴室に消えて行った。探偵としての生業か、謎が謎を呼んでいた。


* * * * * *

「なぜあの時取り乱した。あなたらしくもない」

「誰だって、あの惨劇を目の当たりにしたら取り乱したくもなりますよっ!」

「いい加減にしなさい。を殺るまでは気を緩めてはいけない」

「……ごめんなさい……冷静になるように努めるわ……」

「とにかく、次はの番だ。彼がを起こしてから今度は私が手を打つ。ようやくお前と私の仇を打つ時だ……」

* * * * * *


一月二十六日(火) 

八時 ─────── 

 朝、香川の戸を叩くノックで目を覚ました。白Tシャツにセーターを羽織ったラフな姿で土倉が返事をすると、「朝食の用意ができました」とぶっきらぼうに言い放ち、去って行った。
 巨大ないびきをかいている重崎を足で蹴って起こし、二人は身なりを整えて一階の大広間に向かった。隣の松岡美幸の部屋をノックしてみたのだが応答はなかった。さしずめ、土倉達より先に起きたのだろう。寝起きの彼女の姿が見たかったと、殺人が起きた次の朝でも欲にまみれていたのだった。

八時十分 ─────── 

大広間**

 昨夜とは打って変わり、立食形式ではなくなり、長テーブルに椅子が八脚並べられており、松岡美幸、堤冷花、五十~六十代の夫婦、細縁メガネをかけた男、猫背の男が黙々と食事をしていた。

「あ、土倉さん! 重崎さん! おはようございます」

 松岡美幸がテーブルから声をかけると、皆が振り向いて来た。

「おはようございます」

 土倉が言うと、まばらに挨拶が返されたが半数以下しかいなかった。
 二人は長テーブルの端にある二脚の椅子に座ると、裏口から出て来た香川が朝食を乗せたワゴンカートを押し、土倉と重崎にそれぞれ置いて行った。テーブルマナーの知識はわきまえていたが、周りを見ると遵守している訳ではなかった。特に猫背の男はナイフとフォークが煩わしくなったのか手で食べてしまっている。
 毒などが入っていないか不安だったが、腹は減っているし、松岡美幸もおいしそうに食べているのでスクランブルエッグを口に運んだ。程よく柔らかく、弾力もある、ホテルの朝食ばりに美味かった。重崎に目配せを送り、特に問題はないことを示すと、普通に食事をした。

 しばらく食べ進めると、隣に座る松岡美幸が徐に手を挙げた、

「如何なさいましたか、松岡様」

「すみません、香川さん。紅茶をいただけますか?」

「かしこまりました。ただいま持って参ります。パンのおかわりなどは?」

「ああ、結構です。ありがとうございます」

 一連の流れがとてもスムーズで、松岡美幸の『館』で順応しようとしている姿勢に感心した。しばらく彼女を見ていると、ふと目線が合い、中学三年生よろしく、どきまぎとしながら自分の皿に視線を戻した。すると、向こう側の端向かいに座る猫背の男が、皿を無造作にカチャリと音立てて大声で口を開いた、

「お前ら、よく食えるなあ? 毒が入ってるかもしれねえってのによ!」

「あなただって全部召し上がったじゃないの。食べ方は下品だけど」
 
 ナイフを動かしながら冴子という名の夫人が言うと、猫背男は唾を飛ばしながら突っかかって来た、

「うるせえ、ババア!」

「バ、ババア?!」
 
 妻を罵倒され激怒した大柄の夫が席を離れ、猫背男の胸倉を掴んで立たせた、

「お前、妻に向かってなんてことを!」

「うっせえ、ジジイ!」

「お前さんもジジイだろうがぁ!!」

 このままでは和やかな朝食が不味くなってしまう。止めに入った方がいいかと土倉が考えあぐねていると、

「お控えください!」

 珍しく大きな声を張り上げた香川が猫背男と夫婦に間に割って入った。争いはピタッと止んだ。香川の傍らにはワゴンに乗ったティーセットが忠犬のように佇んでいる。

我褒われぼめで恐縮ではございますが、お食事はすべて私が用意してございます。ご主人様の命に背き、勝手に一服盛ることなど一切致しません!」

 猫背男と大柄の男を交互に見つめながら、自ら成している仕事を吐露した。厨房に幾人か料理人がいると土倉は思っていた。しかし、これらの料理と昨夜のバリエーション豊かな立食スタイルの食事をすべてこの老紳士一人で作ったという。献身的でそれを態度に表さない執事の振る舞いに脱帽した。

 重くなった空気を破ったのは、重崎の向かいに座っていた細縁メガネの男だ。他はラフな姿なのに対し、朝からスーツをビシッと着ている。

「ごちそうさまでした。香川さん、美味かったよ」

 香川に向かって手を小さく挙げ、礼を述べた。

「ありがとうございます、佐藤様。お部屋にコーヒーでもお持ち致しましょうか」

「ああ、頼むよ」


九時十五分 ─────── 

 「おかわりなどよろしかったら」と提案する香川の厚意に甘え、大広間を出たのは九時十五分過ぎてからだった。運よく三人だけになった所を見計らい、土倉たちは香川にいろいろな質問を投げかけた。

 『オリオンの館』は二十八年前、星の観賞用として建てられたという。周りの道がハイキングコースとなったのはここ十年ぐらいであり、それ以前は私有地であった。今住んでいるのは香川とあの『仮面』の正体たる主で、主の名は教えてくれなかったが、生身の人間らしかった。
 数々の部屋やプール、図書館などの娯楽スペースがあるのはかつて主が友人を招待して共に過ごすことを好み、彼らを退屈させないように設置したという。
 『館』の管理すべては香川一人に任せてあり、「大変ではないか?」と土倉が気の利いた言葉をかけると、「それが私の役割ですので」と不愛想に答えた。

「しかし、すげーな? あの香川ってやつ。一人であんな料理作れるなんてさ」

「感心したよ。何時間くらい掛かるんだろうな」

「気になるとこそこかよ」

 「これからどうする」と重崎が聞くので、ひとまず『館』内を探索することにした。
 殺人を目的に集められた招待客の間には、張り詰めた空気があったが、前日に比べて火曜日の今日はどこか緩やかな雰囲気が感じられた。

───────────────────────

 まず二人は玄関ホールにある出入口の扉を目指した。錠前が固く閉じられ、中から開けられないようになっていた。まさしくこの『館』はと化している。

「ここから逃げることはできないってことか」

「なあ、昨日の爆発って大丈夫なのか?」

「あー、あれね。爆発でもなんでもないよ」

「は?」

「あれはただのだ。スクリーン横にあった大きなスピーカー、そして、天井四方にもスピーカーが取り付けられていた。爆発音はその名の通りただので、摺りガラスではっきり中から外が見えないことをいいことに橋が燃えているように見せかけてるだけだ」

 土倉が説明すると重崎がほっと胸を撫でおろした。実際に外に出て見てないので確信はないが、あの一回の爆発音であんなにメラメラと燃えるのは不自然だ。風の音が中からでも聞こえてくるから、防音設備がしっかりしてないのだろう。爆ぜる音がしないのが何よりの証拠だ。
 
 次に土倉たちは螺旋階段を上り、十字廊下を左に曲がった。執事の香川には大広間を出る際に『館』を探索し、部屋に入る許可を得ておいた。
 細い廊下には二つの両開き扉があり、それぞれに、【図書館】【書斎】と木板表札に文字が彫られている。二人はまず、図書館の扉を押し開いた。

 中は案外広く、窓はカーテンで閉め切られ真っ暗だった。大方、本のヤケを防止するためだろう。扉の横にあるスイッチを上げると、柔らかい青い灯りが点いた。大きなテーブルが二卓互い違いに置かれている。本棚の高さは一八五センチの土倉と大して変わらず、部屋中の壁に埋め込まれている形で並べられていた。洋書から和書、絵本から巻物型の書物があり、どれも珍しいコレクションだと見受けられた。

「すっげぇな……何冊ありやがんだ?」

「ざっと五千……いやそれ以上はあるだろうな」

「なんか、学校みてえだな」

「がっこう?」

「ああ、学校の図書室ってこんな感じじゃなかったか?」

 昔を懐かしむように笑いながら重崎がテーブルに手をついて言った。

 確かに、本のジャンルは世界史、日本史、手芸や宇宙の本、料理の本まで取り揃えられている。よくよく探すと雑誌系もあった。まるで、家族が使う本棚だ。土倉は本棚から本を取り出してパラパラとめくったり、背表紙をなぞりながらタイトルに目を通した。危うく近くにあった木製の脚立に躓きそうになった。

「怪しい点は無いな。【書斎】に行こう」

 重崎に声をかけると、椅子に座って熱心に何かを読んでいた。

「ああ、ちょっと待て、今いい所なんだ」

 重崎の方に近付いてよく見ると、九〇年代に流行ったマンガだった。土倉も子供の頃に読んだ記憶がある。土倉も読みたい気分になりそうだったが、今はあくまでも仕事中だ。土倉は重崎の首根っこを掴み「あとで読め」と言ってマンガを引っ掴んでテーブルに置き、入口まで引きずって行った。

 書斎に入り電気をつけるとまず目に映ったのは、机とその背にある埋め込み型の本棚だ。先ほどの図書館とは違い、無地生地のブックカバーが付けられた分厚い本が並んでいた。机にはアンティークランプただ一つ置かれただけだった。しかし、薄く日に焼けている箇所があり、それが本か紙の形に縁どられていた。土倉たちが入ることを知っていたのか、引き出しの中もすべて片づけられている。

 机の前には、深緑の装飾が四方に施された木製のローテーブルとそれを挟むように二人掛けのソファが置かれている。色も装飾と同様深緑であまり目立たないアラベスク柄だった。

は相当本好きなんだな」

「見かけによらず、だな」

 机に体を預けながら土倉は腕を組んだ。埃が一つも残っておらず掃除されている。逆に綺麗過ぎて違和感を覚えるほどだ。使った形跡がどこにもない。筆記用具もない書斎机なんて誰が使うのだろう。
 土倉は、この図書館と書斎は『館』の主が持て余している場所だと推察した。多分、ここは、主のが使っていた可能性が高い。

* * * * * *

~~~~~~~~~

「パパーー! このご本読んでー!」

「こら、パパは今仕事中だから、後でにしなさい。広間にお菓子あるから参りましょ」

「いーやーだぁ! パパに読んでほしいのー!」

「ははは、もうしょうがないな。ちょっとだけだぞ」

「わーい!」

~~~~~~~~~

 は……どうして昔の記憶なんて……。やっぱり、に戻るんじゃなかった。どうしても思い出す……父と母とのオモイデの場所だから。
 
 でもまだダメだ。

 アイツを殺るまでは。

* * * * * *


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