オリオンの館~集められた招待客~

翔子

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 依頼人

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 高層ビル群が広がるM通りには冷たいビル風が凍えるように寒かった。一月なのだから仕方がないにしろ、コートを着て来なかったことに舌を打ちながら、土倉は小走りでコンビニに駆け込んだ。

 シンプルで無機な入店音と和やかな店内BGMに覆い被さる様に「いらっしゃいませ、こんにちは」という、店員のマニュアル通りの挨拶を聞き流し、土倉は無駄に店内を歩き回って暖を取った。

 外の寒さを知った土倉は、昼食用の弁当を買っておこうと思い立ち、焼き肉弁当と梅おにぎりを手にレジに向かった。ポイントカードを催促する店員の言葉を無視して、マールボロのミディアム・ボックスを三箱要求した。
 煙草が身体に害なのは百も承知。国も努力して抑制させるように、六月から値上がりするという噂だ。
 愚かな。この世に煙草が消えない限り、いくらになろうとニコチン中毒者は吸い続けるだろう。

 煙草を取る店員の背中を睨みながら、土倉は頭の中で呟いた。

 「お弁当温めますか」と言う無愛想な店員に対し首を振り、支払いを終えてレジ袋を引っ掴み、コンビニを後にした。土倉はさっそく煙草をひと箱手に取り、封を開けながら事務所へと駆け足で戻って行った。コンビニの重ったるい暖房のおかげで、数分先の事務所までは持ちこたえることが出来た。


土倉探偵事務所**

 そろそろ修理を頼まなければと考えながら重たい事務所の扉を開けて中に入ると、森谷が電話対応をしていた。マフラーをハンガーラックに掛けながらブラウンのセーターとデニムに着替え終えた片桐に顔を向けると、

「依頼の電話らしいっすよ?」

 と声を潜めながら報告した。

「ふーん、どうせ犬猫の捜索依頼だろ」

「俺の服、割と似合うじゃねえか」と片桐を褒めながら、冷蔵庫上の電子レンジに煙草を省いたレジ袋を置き、土倉は自分のデスクに座って煙草を引き出しの中に放り投げた。

「はーい、では、午後一時にお待ちしておりまーす!」

 受話器を置いた森谷に、土倉は煙草に火をつけながら文句を吐き捨てた、

「その電話の応対の仕方何とかなんねーのか。事務所の看板に傷が付くだろ?」

「逆ですよ。『土倉探偵事務所』なんて固いネーミングからあたしの様な可愛いぃ声が──」

「──いいから、依頼人の名前と時間を報告しろ」

 森谷は小さく咳払いをしながら書き取ったメモを読み上げた、

「 ”午後一時 マツオカ ミユキ 様 突然家に届いた妙な招待状について” 聞きたいそうです」

 メモを受け取りながら、「妙な招待状?」と呟いて土倉は煙草の煙を吐いた。

 何がなのか?

 おおかた内容が妙なのだろうと考えられるが、まぁとにかく、二時間後に久しぶりの新規の依頼人が訪ねてくる。


二時間後 ───────

 昼食を摂った後、土倉は自室に入り、クローゼットを開け放った。
 普段は皺くちゃなシャツとスラックス姿の土倉であったが、依頼人が訪問する際は決まって正装に身を包む。

 チェック柄のセットアップに黒のディアストーカーハット。

 土倉が敬愛してやまない、かのシャーロック・ホームズをイメージした出で立ちである。何度も鏡の前で皺や糸くずが無いか確認をし終え自室を出ると、弁当箱を洗っていた森谷が振り向いてため息をついた、

「その恰好なんとかならないんですかー? 重崎刑事が来るときはそんなダサい恰好しないくせに」

「なっ! ダサいとはなんだ! それに謙太は依頼人じゃない、いち友人だ。堅苦しい格好してどうする? この姿は依頼人に対して失礼のないようにだな──」

「はいはい、分かってまーす!」

 勢いよく洗い物の水気を切りながら、森谷はタオルで手を拭き、ポーチを持ってラバトリーへと入って行った。

 森谷の度重なる無礼な物言いに苛立ちながら椅子にドサッと座り込んで煙草を咥えようとするが、ふと思い出し、外に面してるベランダ兼喫煙所へと引き返した。依頼人が煙草嫌いだった場合、今後の依頼に支障をきたす事もあると鑑み、訪問する二時間前には寒くても窓を開けて換気をし外で煙草を吸う様にしている。
 おかげで昼食はコートとマフラーを着込みながら食べる羽目になった。

 ベランダの手すりに体を預けながら、ニコチンを大量に肺に運んだ。空はどんよりとしており、今朝森谷が言った通り、雪が降り出しそうな空模様であった。
 しばらくすると、片桐が煙草をトントンと箱に軽く叩き付けながら土倉の隣に現れた。片桐も喫煙者である。

「お前のなんていう銘柄だっけ?」

「メビウスっすよ。メビウスのパープル八ミリ」

「あぁ、味がする奴か?」

「ええ、吸い口のカプセルからブルーベリーの香りがするんすよ。試してみます?」

「いや、俺、味がする煙草嫌いなんだよ」

「ふーん」

 片桐は爪でプチっとを潰しながら、口に運んで火をつけた。

 喫煙者の醍醐味は喫煙所で交わされる他愛のない会話だと、土倉は考える。土倉は事務所でも構わずプカプカと吸うが、片桐は昼食後と仕事終わりにしか吸わない。森谷に気を遣ってか、わざわざベランダに出て吸っている。森谷に対して無愛想で無機質だが時折小さな優しさを見せる。

─────────────────────────────

十三時 ───────

 時計の針が十三時を指し示し、秒針が一、二秒過ぎた後に事務所の扉をノックする音がした。

 森谷が「はーい!」と甲高い声で返事をしドアを引くと、ギギギという鈍い音を響かせ、一人の女性が恐る恐る辺りを見回すように入って来た。
 依頼人の顔を見た瞬間、土倉はハッとした。かなりの盛美な顔立ちだったのだ。名前からして女性の依頼人である事は分かっていたが、ここまで美しい人を見たのは初めてだった。

「お電話で予約をさせて頂きました、松岡美幸まつおかみゆきと申します」

 緊張の面持ちを携えながら、松岡美幸が言った。

(なんて品のある言葉遣い! 恰好から髪型まで全てが完璧だ! この依頼、是が非でも受けなければ!)

 髪を緩く巻き、ベージュのコートを片手に掛け、柔らかそうなハイネックのピンクのセーターと黒のレギンスを履いた白のミニスカートにショートブーツを合わせてる。上品さの中に愛らしさがあった。

 森谷は依頼人を歓迎した、

「お待ちしておりましたーー! コーヒー、紅茶かジュース、どちらになさいますかー?」

 ここは喫茶店でもなければ、無料相談所でもない……探偵事務所だ。土倉は森谷を払い除け、依頼人の前に立ち、自己紹介をした、

「私が代表の土倉です。ささ、どうそ奥の客間へ」

 依頼人の見えないところで森谷を睨み付けながら、相談室を兼ねた客間へと案内した。腰に触れるか触れないかの位置で手を宛てがいながら奥へ誘おうとすると、依頼人は急に立ち止まり森谷の方を向いた、

「紅茶を……お願いします」

「あ、はーい! かしこまりましたー!!」

 森谷は嬉しそうに飛び上がりながら返事をした。

(美人でありながら気遣いがある……なんて最高なんだ!)

 土倉は無類の女好きである。

 
土倉探偵事務所 客間兼相談室**

「それで、ご依頼というのは? 確かお電話では ”不審な招待状が届いた” と?」

 ガラスのローテーブルを挟んだ二連のソファに座る様促した後、土倉が前かがみの姿勢で座った。松岡美幸は両手を細い太腿の上で組み合わせながら、消え入るような声で土倉の顔色を窺った、

「あの……その前にお聞きしてもよろしいでしょうか……」

「はい」

 思わずそのか細い声に蕩けそうだった土倉であったが、持ち前の忍耐力を奮い起こし元気に返事をした。

「土倉さんは数々の難事件を解決したと、雑誌を拝読して知りました。──あぁ、確か『月刊D』という雑誌で。そこでこちらの事務所の広告が載ってらしたのでご連絡をさせて頂いたのですが──」

 土倉は、『明朝社みんちょうしゃ』という、オカルトや推理ものなどを取り扱う事で高名な出版社にコラムを掲載している。
 特に──先ほど松岡美幸が話した『月刊D』は──土倉にとって、いや、『事務所』にとって命綱ともいえる広告を載せてくれており、原稿料も多少なりとも貰い受けている。
 『月刊D』の他にも様々な雑誌にコラムを掲載しているが、何せ狭い世界。オカルトや推理ものを取り扱う出版社は他にも存在するので、雑誌が売れなければ無論、原稿料は減額となる。
 見開き二頁分の枠を貰って全雑誌分の原稿料を合計しても六~七万円に満たない。

 しかし、この様な容姿端麗な女性にも読んで貰えていたことを知り、土倉は心が弾む思いだった。

 以前までは雑誌を読んで、来る依頼人は多くいたが、そのほとんどが個性的な風貌をしていたり、近所にいるような年寄りばかりだった。それも大した相談ではなく、モノ探し、人探し、ペットの失踪、時には心霊現象の検証依頼など土倉にとっては専門外ばかりだ。

 そういう時は大抵「都合が出来た」と言って逃げ、片桐に押し付ける事が多い。

なんですか?」

 頭の中のもう一人の自分が浮足立って騒ぎ出したせいで依頼人の最後の言葉を聞きそびれてしまった。
 聞き返そうかしまいかあくせくとしていると、良いタイミングで客間の扉をノックする音がし、いつもの甲高い声で「失礼しまーす」と続いた。森谷が盆にのせた飲み物を片手でしっかりと持ちながら入り、松岡美幸に紅茶、そしてその後に土倉の前にコーヒーが置かれた。

「コラムを読んで事務所うちに来て頂いたんですかー?! まぁ嬉しい!」

 森谷が土倉の隣にちょこんと座りながら満面の笑みで言うと、松岡美幸は苦笑いしながら紅茶に砂糖とミルクを注ぎ入れ口に運んだ。

(なんて素敵な所作だ……)

 いやいや、と土倉が頭をぶるっと振り邪念を払い除けた、

「三ヶ月前に起きた<浜村銀行強盗殺人事件>はご存知ですか?」

「あ……はい……悲惨な事件だったと、ニュースで……」

「名前は出ていませんが私が解決しました。まあ、探偵が世に出る事なんてそうそうありませんから当然ですが。他にも色々と解決致しました。ご安心ください」

 土倉が自信満々にそう言うと、松岡美幸は感嘆の声を漏らし、緊張が解れたような顔をした。幸いにも、聞こえなかった言葉はコラム雑誌に掲載された事件の詳細(と言ってもおおやけに出る雑誌のため濁したような言い方だが)についての事実の確認をしたのだろうと自身を安心させた。

 森谷が「ごゆっくりー」と意味深げに客間を去った後、土倉はコーヒーカップに手を伸ばし、口に運んだ。

「ところで ”妙な招待状” の件なのですが……」

「はい」

 松岡美幸は傍らに置いたバッグに手を伸ばし、真っ白な封筒をガラスのローテーブルに置いた。土倉はその封筒に疑問を覚えた。文字通りな封筒だ。

「確かに妙ですね……」

「それだけではないんです……」

「と言うと?」

「中身ももっと妙なんです」

「お読みになったんですか?」

「はい」

「何故?」

 土倉の突然の問いに松岡美幸は首を傾げた、

「え?」

「貴女のお名前も、住所も書かれていない封筒を良く開けようと思いましたね? の人間なら恐ろしくて破り捨ててしまうと思うのですが……」

「もちろん、最初は怖かったです……。ですが、新居に越したばかりで、もし私でない誰かに送られた物だとしたら大事だと思って」

「ちなみに……どこですか?」

「麻布です」

(住まいまでもっともらしい。しかも、前に住んでいた人に届けられた手紙かもしれないと考えていたなんて、心が優しいんだなあ……)

 土倉は、再び燃え出した邪念を取っ払って前のめりになった、

「失礼しました。その、妙だという招待状のこと、詳しくお聞かせください」



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