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第一章 徳川の姫
しおりを挟む慶長八年(1603)三月 江戸城 ───────
ここは、初代江戸幕府将軍・徳川家康が拠点とする城である。
天正十八年(1590)に、豊臣秀吉が北条家を攻めた【小田原征伐】に勝利を収めた際、褒美として、家康に関東の北条家の領地であった:武蔵国・伊豆国・相模国・上野国・上総国・下総国・下野国の一部・常陸国の一部の関八州を与えられた。
その中でも、家康は江戸の地を選び、没落していた土地の整備に取り掛かった。
遡ること、室町時代の康正三年(1457)、【太田道灌】が有力武将を押さえる為、江戸の地に城を築いた。
【子城】【中城】【外城】の三重構造で造られ、周囲を切岸や水堀を巡らせて門や橋で結んでいた。この城では、兵士たちの鍛錬所や弓場などを設え、来る戦乱に備えていた。
ところが、室町時代後期である文明十八年(1486年)冬、道灌の主である【扇谷定正】が道灌に謀反の兆しがあるという噂を聞き、謀殺した。世に言う【江戸城の乱】である。それは周辺地域までに及び、荒廃させて行ったのだった。
それから百十七年の時を経て、粗末な門や、低い土地、茅葺の家が百軒が残るだけの貧しい土地になってしまった。川の水が入り込んだ豊かな土地ではあったものの、城としてはとても使いものにはならなかった。
家康は、入城した当初から小規模だったこの城の突貫工事を開始した。旧来、構えていた本丸・二ノ丸に加え、西ノ丸・三ノ丸・吹上・北ノ丸等を増築して行った。
また、堀や川を、江戸前島中央部へと移動させ、それに伴う残土を用いて、西ノ丸下の半分以上を埋め立た。
次第に全国の民が江戸へと移り住み、百万人を超える人口世界一の町と言われる事になるのだが、それはまだ先の話である。
江戸城・御広座敷 ───────
工事の音が鳴り響く中、千姫の母・江は、御広座敷の下段に座し、千姫の祖父・家康の事をまっすぐ見据えていた。
「義父上様」
「なんじゃ?」
「太閤殿下が亡くなられて五年。千姫と秀頼との婚儀の話が再び舞い込み、またそれをご承知なされたと聞き及びましたが、何故にございますか?」
江の後ろに控えていた千姫の父・徳川秀忠は、妻の淡々とした物言いに、内心ヒヤヒヤしていた、
「これ! 父上に物を訊ねるなど、無礼ではないか」
「お前様は黙っててくだされ!!」
七歳年下である秀忠にとって、妻は恐怖の存在であり、いつも尻に敷かれていた。
シュンとする秀忠を不憫に思ったのか否か、家康は江の注意を秀忠からこちらに向かせた。
「江」
家康に向き直り、江は耳を傾けた。家康は、高坏に盛られている最中を頬張りながら、先ほど問われた質疑について返答を述べた、
「これは、豊臣と徳川の間を良好に取り持つ為の、言わば、同盟の婚儀じゃ。何も深い意味は無い。じゃがのう……。千にとって、辛い重荷を背負わす事になるじゃろうのう」
家康が深くため息をわざとらしく吐きながら、グイッと茶を飲み干した。江は合点が行かず口を挟んだ、
「嘘でございましょう」
「なんじゃと?」
喉を鳴らしながら家康は、湯呑茶碗を音立てて置いた。江は臆さず続けた、
「豊臣家を亡きものにするため……天下取りの為ではございませぬか?」
「お、おい……」
大胆不敵な言葉を口にした妻に、秀忠は額に汗を浮かべながら打掛の裾を引っ張った。
当時の結婚は、政略結婚が当たり前だった。
双方の家の都合によって女子は政の道具に使われる。江は前々からその掟に我慢ならなかった。
大切な娘に、政略的な婚儀を取り決められたくは無かった。
しばらくの間、普請の石叩きの騒々しい音だけが広がった。すると、急にドッと劈くような笑い声が座敷中に響いた。
「ガッハッハッハ!! 江よ、笑わせるでないわ、ガッハッハッハ!!」
江は、唇を真一文字に結んだまま、家康を凝視した。秀忠は父と共に笑うか笑うまいか悩みながら、止めどない汗を拭った。
やがて笑い声が止むと、見た事もないような深刻な表情になり、宣言するように声を張り上げた、
「婚儀は七月と決まった」
突然の通告に、江は目を丸くした、
「え?」
「準備は概ね、大姥に任せる」
家康が扇で、後ろに控えていた【大姥局】を差した。江が振り向くと、大姥は恭しく会釈をした。
この女人は、秀忠の乳母で、江戸城奥向を取り仕切っている頭たる存在だ。
江は家康に向き直って必死な形相で頼み込んだ、
「私がっ……私が婚儀の手配を致しまする!! 私にさせてくださいませ!!」
「おまんは、初姫を産んだばかりだら~。身体を大事にせんにゃいかん」
江は家康に痛い所を突かれ、何も言えなくなった。
三河訛りで、意地っ張りな江を正すとはさすがだと、後ろにいた秀忠と、大姥局の隣に座していた、江の乳母・民部卿局は感心した。
昨年七月、江は千姫の妹である第四子・初姫を産んでいた。
家康の言葉は、江の身体を労わる、家康なりの気遣いの様に聞こえるが、ただ言い包められただけだという事に、江は後になって気付いた。
───────────────────────
一方その頃、当の千姫は、
『おちょぼーー、行くぞーー!! そぉれ!!』
「ほっ! あー!!」
自分が輿入れするなぞ知る由も無く、御庭で羽根突きに興じていた。空高く舞い上がった羽根を打ち損ね、空しく地面に落ちると、千姫は肩を落とした、
『もぉー! おちょぼは相変わらず羽根突きが下手じゃのー?』
「も、申し訳ありませぬ……」
この【おちょぼ】と呼ばれる娘は、多くの御小姓の中で、千姫から厚く信頼を置かれている御小姓だ。
母が江の侍女という縁から、千の遊び相手として側近くに仕える事になった。千とは一歳しか歳が離れておらず、二人は気兼ねなく話し合える間柄であった。
『よいよい、構わぬ! だれか、一緒に突かぬか? あ、お近!!』
千姫が他の小姓に呼び掛けていると、打掛を着た女子が奥から現れた、
「姫様ー! お菓子をお持ち致しましたぞ」
そう言って、高坏を持った侍女を引き連れた【お近】と呼ばれるこの女子は、浅井長政を父に持つ、江の義姉である。
以前は江に仕えていたが、千姫の誕生に伴い乳母として勤める事になった。
縁側まで駆け寄って来た千姫はお近を見上げた。侍女が恭しく高坏を持っているのを見ると、そこには小山になるほど盛られた落雁が乗っていた。
「京の都から落雁が届きましてございます」
高坏が千姫の褥の前に置かれると、千姫はキラキラと目を輝かせていた。千姫にとって落雁は大の好物だった。
『わぁ~! 美味しそう、いただき……』
千姫は縁側をよじ登り、汚れた手で落雁を取ろうとした、すると、
「姫様!!」
先ほどまで穏やかだった声とは裏腹に、お近は大きい声を上げて叱りつけた。千姫はビクッと驚き、思わず体勢を崩してしまった、
『急に大声を出すでない! びっくりするでは無いか!』
「何を仰せです! 左様にお手が汚れておいでではありませぬか!」
『手拭いで拭けば良いでは無いか、ちょぼ、これへ持て』
千の命令を受けておちょぼが懐から手拭いを取り出しながら立ち上がろうとすると、お近は更に注意をした。
「しっかりと御手水場でお手を洗ってからでございます!! それに、天下の徳川家の姫君が、縁をよじ登るなぞ、はしたなき振る舞いにございますぞ!」
鼻がくっつく程ににじり寄りながら、お近は怖い顔をして睨み付けた。千は、頬を膨らませながらそっぽを向いた。
「また頬を膨らませて! ほら、御手水場へ向かわれませ。おちょぼ、共に行っておやりなさい」
お近が命じると、おちょぼは慌てて立ち上がり、身を震わせながら千に声を掛けた、
「……さ、お千様? 参りましょう?」
千姫は縁側を階で駆け上り、ふくれっ面をしながらバタバタと足音を立てて、御手水場へと走り去って行った。
自分の姪であり、徳川家の一の姫である千姫に対し、お近は厳しく育てる事に力を注いでいる。時折、悪態をつかれる事もあるが、それさえも愛おしく感じる程、お近にとって千姫は、かけがえのない存在なのである。
───────────────────────
お近が縁側へ腰を落ち着かせながら千姫が戻って来るのを待っていると、江が物悲しそうな表情をして御庭を訪ねて来た。
その場にいた侍女たちは一斉に平伏し、江を迎えた。お近も両手を付き、他の侍女達と同様に頭を下げた、
「奥方様、如何なされたのでございますか?」
「千は何処じゃ? 庭で花でも摘んでおるのか?」
江が辺りを見回しながらお近に訊ねた。
「姫様なら、先ほど御手水場へ」
江は褥の側に置かれていた高坏を見て、察した。
「お待ちなさいますか? 今すぐ褥を───」
お近が侍女に命じようとすると江は手を上げて制した、
「いや、そちに話がある。私の部屋へ参れ」
「はい……」
お近は不思議に思いながら、侍女達に後を任せた後、江の後を付いて行った。
江戸城 奥御殿・江の部屋 ───────
江は、御付きの侍女達を人払いさせ、襖や障子を締め切らせた後、お近と二人きりになった。
・
・
・
・
「今……なんと?」
お近は目を丸くして江を見つめた。
「千の輿入れが決まった」
「それは……おめでとう存じまする!! して、どちらのお家へ御輿入れに?」
お近はめでたい気持ちで逸る思いだった。しかし一方で胸騒ぎさえ感じていた。
「豊臣……秀頼じゃ……」
重々しく放たれたかの人物の名を聞き、お近は衝撃を受け、途切れ途切れに言葉が滑り出た、
「さ、されど……確かそのお話はご沙汰止みになったはず……。それに、義姉上がお許しになるはずが……」
「豊臣の方から、輿入れを求めて来たのじゃ。姉上も承知のうえなのであろう」
信じ難い思いに駆られたお近は、肩を震わせた、
「恐れながら、豊臣の敵は徳川でござりまする……。先の関ヶ原の戦で敗れ、石高も下げられた豊臣家の屈辱はいかばかりか……。それに万に一つでも……姫様に危害が及ぶ様なことあらば────」
「お近の義姉様!!」
急に大きな声を出した江に、お近は驚いた。江は褥を退け、両手を付き始めた、
「……どうか……義妹の、最初で最後の願いにございます! どうか、千を守って頂きとうございます! 乳母としてではなく、家族として……」
初めて見た必死の涙の訴えに、お近は驚きすら感じていたが、同じ父を持つ義姉として、お仕えする姫の御為と考え、お近は両手を付きその願いを聞き受けた、
「承知仕りました……」
「分かってくださいましたか?!」
「はい……。ですので、どうかその様な言葉遣いはお止めくださいまし」
「あ……済まぬ」
江は打掛と小袖の衿を正し、敷物を整え直して居住まいを正した。
「私達は、父上が同じでも、私は側室の子。姉妹といえども、然様な親しみを含めた様な話し方は、お控え下さいます様に……」
お近は江や淀殿と同じく浅井の生まれであったが、側室が産んだ子であった。嫡出である浅井三姉妹とは義理の間柄ではあったものの、お市の方の厚意により、小谷城落城後も共に暮らし、共に育った。
「分かっておる……ただ、こうせねば、分かってくれぬと思うたからじゃ。済まぬ事であった」
「そのような……分からぬはずはありませぬ。もとより配下として、一生を捧げるつもりでおりまする」
「殊勝な心構えじゃ。とにもかくにも、輿入れまで四月しかない。千には今宵、輿入れの事を重々と、理解させる様に」
お近は涙を拭って、「はっ!!」と深々と頭を下げた。お近は、ここからが正念場だと覚悟を定めたのだった。
江戸城 奥御殿・千姫の部屋 ───────
その夜、お近は千姫に豊臣家へ嫁ぐ事となった事を話して聞かせた。千姫はおちょぼに髪を梳かさせながら首を傾げた、
『とよとみ?』
「お母上様の姉上、つまり、姫様の伯母上様がご後見として治めておいでのお家にございます。そのお方の若子様に、姫様は嫁がれるのでございまする」
千姫は、初めて豊臣家の名を耳にした。生を受けて六年、母に姉がいたことさえ初めて聞かされたのだから無理も無い。
『そこに、わたくしが嫁ぐのか?』
乳母の言う言葉を繰り返した千が少し寂しそうな表情になった。お近は励ますように笑顔で取り繕った、
「左様にございます。ですがご安心遊ばせ、まだ四月もございまする。それまで、豊臣家とはどういうお家か、色々とご説明して参りまする故、ご安心を───」
お近がそう言って夜着を取り出そうとすると、その隙を見計らい、千は駆け足で部屋を飛び出して行った。
突然の出来事に、おちょぼや侍女たちは声を上げて慌てた。
「姫様!!」
お近らはすっくと立ちあがり、追い掛けた。
ところが、幼な子のすばしっこい走りに、なかなか追い付く事が出来なかった。やっと追い付いたかと思えば、迂回されたりなど振り回されてしまう始末。侍女達は転んだり柱や侍女同士でぶつかったりなどし、小さな騒ぎが起きていた。
髪梳きの途中で走り去った為、髪を振り乱しながら千姫は夜の廊下を駆けて行った。一体どこへ向かうのか見当もつかないでいたお近は打掛の裾を抱えて辺りに転がる侍女らを避けながら一目散に追い掛けた。
息を切らす侍女達を追い抜き、自身も息を弾ませながら、お近がようやく千姫の肩を掴んで止めると、そこは、あるお方の部屋の前だった。
息を切らしていない千はお近の手を振りほどき、襖の手前に両手を付いて一言呼び掛けた、
『母上、千にございます』
「入れ」
そこは江の部屋だった。千姫が勢いよく襖を開くと、お近は慌てて平伏し突然の無礼を詫び入れた、
「奥方様! 夜分遅く突然こうして罷り越しましたる事、面目次第もございませぬ!」
江は侍女に打掛を畳ませ、自身で髪を梳いていた。
「どうしたのじゃ? このような夜更けに」
優しく言葉を掛けて来た母に、千は臆することなく両手を付き続け、口を開いた、
『母上に、一言お尋ねしたきことがございます!』
「姫様、もう夜も深うございます。お話は明日になされませ……」
お近が傍に寄りながら小声で諫めた。すると千姫はお近に向かって悪態をついた、
『いやじゃ! 今でなくてはならぬのじゃ!』
大声で反論する千に、お近は真っすぐなその気性が江にそっくりだと呆れ果てながら、頭を下げ続けた。
「構わぬぞ。千、申すがよい」
江は発言を許すと、千姫は膝の上に手を重ね、背筋を正した。その手を固く握り締めながら、勇気を振り絞って口を開いた、
『わたくしは、母上と父上のために、豊臣家へ嫁ぐのでございますか?……珠の時のように』
千姫には初姫の他に、珠姫と勝姫という二人の妹がいた。
勝姫はまだ二歳で、奥御殿で共に暮らしている。が、妹の珠姫は二年前の慶長六年(1601)、前田家の四男・前田利常の下へ、わずか三つで嫁いでいる。
政略結婚というものを、千姫は間近で目にしていた。
「そうじゃ、そなたも珠と同じ様に、お家の為に嫁ぐのじゃ……」
江が隠すことなく、そう頷くと千はギュッと小袖の裾を掴んだ。江は千姫の前に座り、諭すように話した、
「これは、そなたの有無を言わせぬ事。この婚儀が無ければ、豊臣と徳川が仲良う出来ぬと、お祖父様は仰せであられた。……じゃが……真は───」
「お方様……」
側に控える民部卿局が、主が何を言い出すのかを察し、言葉を制した。
『母上?』
千が聞くと、江は我に返り、取り繕う様に咳払いをした。
「いや……まだそなたには、これを聞かせるのはちと早すぎるのう。いずれ、大きゅうなった時に話すとしよう」
千は小首を傾げ、もう一度問い質そうとしたが、いずれ話してくれるだろうと信じて押し黙った。
「さぁ、もう休まれよ」
『はい……おやすみなさいませ』
千は頭を下げて、就寝の挨拶を述べた。そして今度はゆっくりと、その場から立ち去った。
お近が一礼し、千姫に付いて行こうとすると、途端に、江に呼び止められた、
「お近」
「はい」
お近は膝立ちになりながら、頭を下げた、
「どうかくれぐれも、千の事を……」
「承知してございまする」
江の更なる念押しを含み置き、もう一度一礼して静かに打掛を捌いて千姫を追い掛けて行った。
───────────────────────
ようやく床に就いた千姫だったが、添い寝するおちょぼに気付かれぬ様、声を押し殺しながら枕を濡らした。
当時の姫君の人生は、他家へ嫁ぐこと以外、道は残されていない。珠が嫁いで行った時、乳母に抱きかかえられ、訳も分からずに輿に乗り込んでいく姿が、なんとも哀れで憎いとさえ思った。
次は自分の番であると、こうしてまざまざと知らされると、寂しさに苛まれそうになり、とうとう千は泣き疲れ眠りに就いた。
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