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湯殿ー密かに纏わりつく視線

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浴場というよりも、藤堂の言う湯殿という表現が似合う浴室だった。

到着したのは西欧風の建物だったが、こちらは和洋式の建物だ。

こちらも風格のある建築だ。

そして案内された湯殿。

広い。

タイルや金属は使われておらず、全て木製。

入った瞬間から木の良い匂いがした。

洗い場にある鏡だけが例外で木製ではなく、木の湯殿の中で異彩を放っていた。

水やお湯を出す蛇口もなく、湯船とは別の洗い場用の大きな桶にお湯が張られ、そこから汲んで身体にかけるようになっている。

ふぅ

広い湯船に浸かった雄一は一息着き、手足を伸ばしリラックスをする。

1人で使うのはもったいない広さだ。

湯殿に案内してくれた修習生、黒川は、着替えを用意するのでゆっくりと身体を休め、旅の疲れをお取り下さいと言っていた。

おそらく雄一が早く出て着替えの用意が間に合わないと仕事をおろそかにしたということになるのだろう。

“お風呂からあがられたら、外で控えてますのでお声がけ下さい。校内を案内するよう申し使っております”

“そうですか。お待ちいただくのも申し訳ないので、着替えが用意できたら声をかけてもらえますか?”

“私にはお気使いなく。それよりも、けが、、、いえ、よごれを充分に洗い流して下さい。中に身体を洗うための粉石鹸を入れた布も用意しております。身体をほぐす薬湯ですので、ゆっくりと浸かり身体のお疲れをお取りください。この学園は清潔を重んじますので、教員の方々、生徒さん、我々修習生も湯浴みには時間を取り、鍛練で身体に纏った汗、汚れを時間をかけ、丁寧に洗い流すのが習慣です。高尾先生もお時間を気にせず、くつろいで身体をお清めください”

“ではお言葉に甘えましょう”

“そうしてください。今日の予定は私が校内を案内し、お食事を取っていただくだけですので時間の余裕はあります”

身体を清めるか、、、

確かに、お湯からは微かな良いハーブの香りが漂い木の香りと混じりとても良い香りだ。

また、薬湯も身体を暖め、凝りを取る成分が入っているのかじんわりと身体に染み込み疲れを取り、解されていく心地よさがある。

洗い場には、身体を洗うためと先程黒川が言っていた布に包まれた石鹸らしきものがが置かれている。

それは固形石鹸ではなく時代劇に出てくるような袋状の布に粉石鹸や薬草などをいれたもので、それも薬草独特の良い香りがした。

おそらくお湯に浸し水を含ませ、布越しに擦って洗うのだろう。

至れり尽くせりだが、思いもかけず、旧式の学園だな。。。と雄一は思う。

伝統校だけあるということか。

黒川の身体を清めて下さい、、、という表現が急に思い出される。

これは丁寧に洗った方が良いだろうと雄一は考え、まずは湯船で身体を暖めてからゆっくりと洗おうと、まずは桶でお湯を汲み、髪、身体にかけざっと汚れを流し、お湯に浸かったのだ。

上部には明り取りが設けられているようで、柔らかな自然の光が湯殿に注いでいる。

お湯から昇るハーブの香りが鼻から全身にゆったりとした感覚を広げていく。

良い気持ちだ。。。

雄一はリラックスして全身の力を抜く。

お湯に四肢を解放する。

雄一は1人きりの時間を楽しんでいた。。。いや、1人きりと思っている時間を。。。

ーいかがですかな?

ーいい、、、いいよ。見事な身体だ。あの肩幅。。。胸筋も、腹筋も美しい。背中も見たいな。

その言葉が通じたのか、雄一がお湯の中、ゆっくりと身体を動かした。

湯船の縁に両腕をのせ、そこにアゴを置いた。

足を伸ばす。

それだけの広さのある風呂だ。

完全にリラックスしている様子。

雄一の褐色の身体の背面がお湯の中、露に伸びる。

鍛えられた背筋、見事に盛り上がった尻、凶器のように筋肉が浮き出た長い足が晒されている。

ー見てみろよ、良いケツじゃないか。揉みしだきたい。。。グチャグチヤにしたい。。。

ーまぁ、見た目ばかりこだわるのはお止めください。彼は中身も高潔です。そちらの方もゆっくり確かめていただきたい。

ーククッ、楽しみだな。

ーあまりお急ぎになりませぬように。

ー分かってるよ。もう壊したりしない。

ーそうでございます。まぁ、壊れてしまって残念と思ったところに、このような上質の“ニエ”が現れてくれたのですから。“ナミ様”のご加護。幸運でございました。

ーほら。俺には分かってたんだ。全ては“ナミ様”の思し召しだよ。

ーそうかもしれません。“カリョウ”の江並が以前より目を付けて、泳がせ、育てていたようですから。仕事が出きる奴です。

ー彼には報いるように。

ーもちろんでございます。

ーあ、風呂から上がった。やっぱりデカイな。ゆっくり洗って見せてくれないかな。

ー黒川に、ゆっくり入浴するよう勧めさせました。これから身体を洗うのでしょう。

鏡の向こうでそんな会話がなされていることを雄一は知らない。

無造作に石鹸の入った布にお湯をかけ、身体を擦り始める。

滑った泡が筋肉質の身体に広がる。

どんな成分なのか、その泡はオイルのような半透明で肌の表面でテカり、筋肉の凹凸が平常時よりもいっそう強調される。

身体を洗う都度、その石鹸の布から良い香りがたつ。

その香りを楽しむため、雄一の身体をするての速度が遅くなる。

洗い場に風呂用の椅子はない。

立って洗うか床に座って洗うかだ。

雄一は上半身を立ったまま洗い、太ももから下を洗うときになり、腰を降ろし床に尻を着けた。

尻は床にペタンとつけ、両足はおっぴらき、内股、脹脛から爪先までを洗う。

そのため、鏡からは大股を恥ずかしげもなく開いた雄一の鍛えられた姿を正面にとらえることが出きる。

鍛えられた長い足、そしてその中心に位置し存在を誇示している雄一の男自身。

丸見えだ。

たっぷりとしたボリュームの逸物。

ーキレイな肌色のチンポコだな。亀頭なんか桜色に近い。それにしてもデカい。

ーこの男が童貞ということは調べ済みです。この上物が無垢な状態で残っているのは奇跡に近いでしょう。

ー自分で弄ったりしないのかな。

ー自慰行為はほとんどしてないようですな。ま、この身体で自慰行為をするなというのも無理な話でしょうが。けれど、そんなに頻繁にはやっていないようです。練習に励み、疲れて寝るストイックな毎日送っていたと報告があります。

-最高の“ニエ”じゃないかっ。

ーええ。鍛えられた筋肉に覆われた純潔の身体。高潔な精神。“ニエ”へと追い込むには充分な逸材ですな。

ーあのでかくてぶっといチンポコが立ったところ早く見たいな。

ーまぁ、急がず確実に参りましょう。仕損じることがないよう。時がくれば見飽きるほど見ることになりましょうから。ククッ。

洗い終えた雄一は立ち上がり、木の手桶にお湯を汲む。

その鍛えられた身体にお湯をかける。

泡が洗い流されていく。

洗い立ての上気した肌。

洗い残しや流し残しがないかを鏡を使ってチェックし始めた。

覗かれているとも知らず。

普段は洗い残しなどさほど気にしないが、今日はこれから新しい職場に向かうのでいつもより念入りに身体チェックをする。

脇の下、髪、首筋、内股、そして己の分身と玉袋を持ち上げその裏側。

続いて背中。。。

本人は気付いてないが、鏡に向かい己の鍛えられた身体を余すところなく誇示している状態だ。

謂わば鍛えられた筋肉と恵まれた肢体のプレゼン。

鏡の前、洗い残しのチェックし終わると雄一は、両手を挙げ伸びをした。

全身の筋肉がくっきりと浮かびあがる。

そして、爽やかな表情で風呂場から脱衣場に向かった。

その爽やかな男らしい肉厚の後ろ姿をネットリとした視線が追いかけていることは知らない。





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