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町田議員のリフレッシュタイム
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河村はカーテンの閉められた窓辺のリクライニングチェアに座り、スマホでお笑い番組を見ていた。
ゴソッと音がする。
ベッドに目をやるとブランケットがゴソゴソ動き、眠そうな顔の町田が頭を出す。
「今、何時だ?」
声がしゃがれているのは寝起きのせいだけではないだろう。
昨日一晩、歓喜の大声をあげ続けたのだから。
「間も無く昼ですよ」
河村が答える。
そして、カーテンを開けると眩しい日差しが部屋に差し込んだ。
「そうか、、、職務の方は?」
「ちゃんとキャンセルと詫びの連絡をいれておきました。今日は夕方までゆっくりしてください」
身体をベッドから起こしかけ、ウッと町田は顔をしかめる。
「まだ起きずに腹這いになってください。薬を塗ってマッサージをします」
町田の顔が赤らむ。
確かに夕べはやりすぎた、、、いや、やられ過ぎた。
おとなしく河村の言葉に従い、ベッドの上で腹這いになる。
なだらかな背中からふっくらと盛り上がる尻、それに続く長い脚。
美しい寝姿だ。
河村はお絞りを手に取ると優しく町田の尻の辺りを拭く。
そして、指に軟膏をたっぷりと取り町田の秘孔を中心に塗り始める。
ウッ!
町田が顔をしかめる。
傷ついた敏感な箇所に触れたのだろう。
浜田と河村の二本の逸物を咥えこんだのだ。
傷ついていないわけがない。
河村は丁寧に優しく指を動かし、薬を塗り込んでいく。
「浜田くんはもう帰ったのか?」
「ええ。あれでも学生ですからね。来生先生と一緒に登校していきましたよ」
「そうか、、、」
町田はそれ以上は聞かなかった。
河村はホッとする。
その時の様子、、、
“おら、男ならちゃんと朝飯食えよ、授業があるんだろ?”
“情けねえな、服くらいさっさと着ろよっ!”
“まだ、腰が抜けてるのか?ったく、手がかかる教師だぜっ!”
言葉は荒々しかったが、ちゃんと朝食を取るように促し、服を着るのを手伝い、そして、ふらつく青年教師の身体を支えて部屋を出ていった。
あれも愛情表現の一つの形か、、、
河村は思う。
「そうだ、梶山さんからのメールは来ていたか?」
河村は苦笑しながら答える。
「ちゃんと返信をしておきました。アポを調整してます」
「あぁ、有り難う」
「せっかくのリフレッシュタイムなんですから、職務は忘れてのんびりしてください」
「わかった、、、」
そう言うと町田は目を閉じた。
河村の指は尻から太股に移り、強張った筋肉を解していく。
丁寧なマッサージだ。
しばらくすると規則正しい寝息が聞こえてきた。
町田が眠ったようだ。
夕方までは時間がある。
今夜の予定は地元の有力不動産会社と建築会社の社長達との会食だ。
この予定はずらせなかった。
年下の町田に、ヘコヘコと心ないお世辞を並べ立てるだろう。
影で町田が失脚した時のために対立候補にもすり寄っていることは知っている。
恐らく座に華を加えるためにという理由で若い娘達も同席し、町田に秋波を送るだろう。
町田は彼らに対し、ニコニコと微笑み、爽やかな態度で接しなくてはならない。
茶番とは解っていても。
しばらくはゆっくりとしていて欲しい。
滅多にないリフレッシュタイムだから。
これが貴公子議員と呼ばれる町田のストレス解消法なのだから。
河村は、ストレスが少しでも減るようにマッサージを続けた。
(了)
*最後までお読みくださり有り難うございました。
『聖職より堕ちた教師』に登場させる予定だった町田と河村の背景を考えるうちに話が膨らみ、ライトノベル風にと書き始めました。
“内容”にも記載しましたが、本編の『聖職~』の展開の都合上、町田・河村のエピソードを入れると話が散漫になってしまうため、こちらに話全体を移したところ、後半、ハードになってしまいました。
出来れば、町田・河村コンビの話は書き続けたいと思っておりますので、アップした際にはよろしくお願いいたします。
ゴソッと音がする。
ベッドに目をやるとブランケットがゴソゴソ動き、眠そうな顔の町田が頭を出す。
「今、何時だ?」
声がしゃがれているのは寝起きのせいだけではないだろう。
昨日一晩、歓喜の大声をあげ続けたのだから。
「間も無く昼ですよ」
河村が答える。
そして、カーテンを開けると眩しい日差しが部屋に差し込んだ。
「そうか、、、職務の方は?」
「ちゃんとキャンセルと詫びの連絡をいれておきました。今日は夕方までゆっくりしてください」
身体をベッドから起こしかけ、ウッと町田は顔をしかめる。
「まだ起きずに腹這いになってください。薬を塗ってマッサージをします」
町田の顔が赤らむ。
確かに夕べはやりすぎた、、、いや、やられ過ぎた。
おとなしく河村の言葉に従い、ベッドの上で腹這いになる。
なだらかな背中からふっくらと盛り上がる尻、それに続く長い脚。
美しい寝姿だ。
河村はお絞りを手に取ると優しく町田の尻の辺りを拭く。
そして、指に軟膏をたっぷりと取り町田の秘孔を中心に塗り始める。
ウッ!
町田が顔をしかめる。
傷ついた敏感な箇所に触れたのだろう。
浜田と河村の二本の逸物を咥えこんだのだ。
傷ついていないわけがない。
河村は丁寧に優しく指を動かし、薬を塗り込んでいく。
「浜田くんはもう帰ったのか?」
「ええ。あれでも学生ですからね。来生先生と一緒に登校していきましたよ」
「そうか、、、」
町田はそれ以上は聞かなかった。
河村はホッとする。
その時の様子、、、
“おら、男ならちゃんと朝飯食えよ、授業があるんだろ?”
“情けねえな、服くらいさっさと着ろよっ!”
“まだ、腰が抜けてるのか?ったく、手がかかる教師だぜっ!”
言葉は荒々しかったが、ちゃんと朝食を取るように促し、服を着るのを手伝い、そして、ふらつく青年教師の身体を支えて部屋を出ていった。
あれも愛情表現の一つの形か、、、
河村は思う。
「そうだ、梶山さんからのメールは来ていたか?」
河村は苦笑しながら答える。
「ちゃんと返信をしておきました。アポを調整してます」
「あぁ、有り難う」
「せっかくのリフレッシュタイムなんですから、職務は忘れてのんびりしてください」
「わかった、、、」
そう言うと町田は目を閉じた。
河村の指は尻から太股に移り、強張った筋肉を解していく。
丁寧なマッサージだ。
しばらくすると規則正しい寝息が聞こえてきた。
町田が眠ったようだ。
夕方までは時間がある。
今夜の予定は地元の有力不動産会社と建築会社の社長達との会食だ。
この予定はずらせなかった。
年下の町田に、ヘコヘコと心ないお世辞を並べ立てるだろう。
影で町田が失脚した時のために対立候補にもすり寄っていることは知っている。
恐らく座に華を加えるためにという理由で若い娘達も同席し、町田に秋波を送るだろう。
町田は彼らに対し、ニコニコと微笑み、爽やかな態度で接しなくてはならない。
茶番とは解っていても。
しばらくはゆっくりとしていて欲しい。
滅多にないリフレッシュタイムだから。
これが貴公子議員と呼ばれる町田のストレス解消法なのだから。
河村は、ストレスが少しでも減るようにマッサージを続けた。
(了)
*最後までお読みくださり有り難うございました。
『聖職より堕ちた教師』に登場させる予定だった町田と河村の背景を考えるうちに話が膨らみ、ライトノベル風にと書き始めました。
“内容”にも記載しましたが、本編の『聖職~』の展開の都合上、町田・河村のエピソードを入れると話が散漫になってしまうため、こちらに話全体を移したところ、後半、ハードになってしまいました。
出来れば、町田・河村コンビの話は書き続けたいと思っておりますので、アップした際にはよろしくお願いいたします。
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