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悩み多き教師
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会議は順調に終わった。
フゥッ
来生は心の中でホッとする。
ようやく終わった。
重い緊張が解けた気がする。
まぁ、来生の抱える悩みが解決したわけではないのだか。
「来生先生、お疲れ様っ」
そう言って校長が手を差し出してきた。
来生も手を伸ばし握手をする。
「見事な受け答えで、私も鼻が高い」
現場で働く教師の現状・希望としての質疑もうまく答えることが出来たと思う。
「校長先生や町田先生のフォローのお陰ですよ」
意地悪な質問が出席者から出て一瞬戸惑った時、校長と町田が助け船を出して来生のペースに戻してくれたのだ。
「町田先生、ナイスフォローでしたな。やはり、若い者通し気が合うんでしょうな。あと、途中、ちょっと顔色が悪かったみたいですが、大丈夫でしたか?」
「ええ、自分の出番が終わって、緊張が途切れて一瞬、疲れてしまいました、、、」
「なら、良かった。では、私は、局長達との予定がありますんで、お先に」
そう言い残し、校長は去っていった。
来生は真っ直ぐな性格だ。
嘘をつくことになれていない。
いや、嘘をつくことなど大嫌いといって良い。
だから、今、校長についてしまった嘘が、澱のように心を沈める。
緊張が途切れたのではない、会議中、昨今の不祥事事例で生徒と関係を持った教師の話が紹介されたのだ。
・・・そりゃ、鬼畜ですな、、、
・・・全く教師という聖職についている自覚がないんでしょうか
・・・理性に欠けているんですな
他校の女性校長の“そう言う性欲過多の教師は、去勢でもしたほうが世のためよっ”という言葉に、どっと会場が湧いた。
“性欲過多の教師は去勢”
“鬼畜”
“自覚がない”
“理性に欠ける”
心が切り裂かれるようで、平静を保つのに必死だった。
その一瞬を校長に見抜かれたようだ。
その話題の時に校長は発言した。
「我が校は男子校、生徒も教師も職員も、みんな男子なので、華がない分、そう言った心配はしなくて済むんですが、生徒に手を出す教師など噴飯ものですな。あってはならん」
ズキンと胸に突き刺さった。
どうすれば良いんだ。
来生は一人になり頭をかきむしりたかった。
俺は好きでやっているんじゃないのに!、、、いや、好きであいつらに近付いていってるのか?、、、俺はどうしてしまったんだ。
“卒業するまでこの関係は止めよう”
何度、口にしたか、、、
その後、責めを受け、そして、身体を開いてしまう、、、
これで終りにするという固い決心を持っていたはずなのに、、、
喘ぎ、身悶え、“好き、、、好き、、、愛している、、、”と口走ってしまう弱い自分。
“気持ちいい、、、いいっ、、、あぁぁっ、、、”
関係を止めようと言った口なのに、ほんのしばらくの後に、同じ口で辺りを憚らないような大声のよがり声を上げてしまう。
抑えられないのだ。
来生の肉体、煩悩は、生徒達の愛撫を喜んでいる。
全身を貫く快感に我慢できず淫らな言葉を口走ってしまう。
我慢しているのだ、我慢しているのだが、身体を襲う快感に脳ミソが痺れ、理性が失われ、我慢すればする程、一度口にしてしまうと迸るようによがり声と共に、みっともない恥ずかしい言葉が口から出てしまう。
最低だ。
近くに人気があるところでは必死でよがり声を抑えるが、そもそも人に聞かれるような場所でよがり声を上げるような行為を行うこと自体、自分がおかしいと思う。
“いきたい、、、たのむっ、、、堪らない、、、もう我慢できない、、、おねがいだっ、、、もう、いかせてくれぇぇぇっ、、、出させてくれぇぇぇっ、、、”
自分の口から発された嘆願の言葉を思い出す。
ダメだ、こんなことはもう止めよう、教師と生徒がこんなのことはしちゃいけない、これはダメなことなんだ、わかってくれ、俺は教師で、お前達は生徒だ、、、と、行為の最中に口にした。
そして、全力で彼らの手を振りほどき、3人と距離をおき、対峙した。
「なに、チンポコおっ勃てて、体裁ぶってんだよ、最低の野郎だな、、、」
「そうだ。俺は、最低の教師だ。最低の人間だ。でも、こんなことはやっちゃいけないんだ。例え最低でも俺は教師だ。お前達は生徒だ。だから、だから、、、、君たちが卒業するまで、こんなことはやっちゃいけないんだ」
必死で言った。
罵られることは覚悟の上だ。
それだけのことを自分はやってしまったんだ。
それは、耐えよう。
そう思っていた。
だが、生徒達は一枚上手だった。
「しかたないな」
浜田が言った。
まさか受け入れられるとは思わなかった。
それは、教師である自分を律する理性としては喜びであったが、肉欲を喜ぶ煩悩には拍子抜け、期待外れでもあった。
だが、生徒達は受け入れてくれるようだ。
良かった。
あとは、浜田の卒業まで煩悩を律すれば良い。
来生の理性は単純にそう考えた。
「でも、俺たちは生徒なんだから、キスギセンセイには、先生として普通に接して良いんだろ。」
生徒が言う。
「もちろんだ」
来生は真摯に答える。
来生は真っ直ぐな性格だ。
目の前の人間の言葉は、裏を読まずそのまま受け取ってしまう。
「俺のことを好きだって言ってくれるのは信じて良いんだろ」
「俺を信じてくれ。だから、卒業するまで我慢しよう。卒業したらその時は、、、」
俺を好きにしてくれ、、、とは口に出来なかった。
「俺は、先生のことを信じてるぜ。決して生徒に嘘をつかないと、、、」
「もちろんだ。俺は、嘘はつかない」
来生は心から言った。
背後で素っ裸でタブレットを操作していた高2の生徒が顔を上げて言う。
「見つけた」
そして、タブレットを大柄で筋肉がふてぶてしい生徒に渡した。
タブレットを見てニヤッと笑う。
そして、画面を来生に突き付ける。
来生は戸惑った。
それは、生徒達に配布される校内報、それもバックナンバー。
生徒がゆっくりタブレットの画面をスライドし、ページを進める。
そして、出した画面には大学を卒業したての若々しく初々しい来生の写真が載っていた。
それは、新任教師紹介のインタビュー記事。
え?
なぜ、彼らはこんな以前のものを出してきたのだろう、、、
意地の悪い笑顔を浮かべたまま生徒は、タブレットの画面を自分の方に向け、その文字を読み出す。
「なになに、、、、最後に来生先生から生徒に向けてメッセージを、、、ほうほう、、、で、来生先生のメッセージは?と、、、僕は常に生徒の皆さんと同じ目線に立って、一緒に歩んでいきたいです。お互いに対等の立場で、切磋琢磨しましょう。コミュニケーション、スキンシップを大切にしたいと思います。僕は生徒の皆と裸の付き合いをしたい。何でも本音でぶつかり合いましょう、、、」
教師になり、希望とやる気に溢れていた頃の言葉。
青臭いと思うが、本音で言った言葉だった。
なにを、、、この生徒達はなにを言いたいんだ、、、
来生は怯える。
「裸の付き合いをしたい、、、なら、裸の付き合いで良いじゃないか。別に止める必要はないだろ」
生徒達は文字通り裸だ。
そして、自分も裸体を晒している。
「そ、そう言うことじゃないんだ、違うんだ、、、」
「じゃ、来生先生は、学園だよりで、嘘を平気でついたってことですかね」
「ち、ちがう、、、」
1人が来生の後ろに回り、尻をガスっと掴む。
「スキンシップは大切にしなきゃいけないってのは言葉だけか?それとも、自分のお気に入りのサッカー部とはするけど、俺達とは出来ないってのか?」
来生の顔がふるふると震える。
生徒の言葉は横暴だ。
だが、スキンシップを大事にしたいと自分が言ったのは事実だ。
毅然とした態度で答えなければと思うが、言葉か浮かんでこない。
「生徒を差別するって、最低だよ」
ニコッと笑いながら1人だけ下級生の生徒が言う。
そして、近づき来生の厚い胸板を撫で、そして頬から顎、首筋にかけて唇を這わせる。
「純一、生徒と裸の付き合いをするって言ったのはお前だぜ」
来生は首を振り、言葉を絞り出す。
「裸の付き合いと言っても、性行為はダメだ。やっちゃいけないんだ」
「だからさ、性行為じゃなきゃ良いんだろ、、、」
「お前、サッカー部員に鍛えて足がしっかりしてきたなと、太ももを触ってたよな、、、」
そう言いつつ、太股をさわさわと触る。
もちろん、尻の辺り、玉袋ギリギリまでの皮膚も触る。
「そ、そんな意味で言ったんじゃない」
「そんな意味?ワケわからない。俺達もそんな意味じゃなく、先生と裸の付き合いで、コミュニケーションとスキンシップを図ってるんだぜ?親愛の表現だ。だから、嫌がらずに付き合ってくれよ、対等な立場で、、、」
過去のインタビュー記事の来生の発言を逆手にとり、生徒達は来生の身体をさわさわと微妙なタッチで撫で上げる。
「そりゃ、性行為はいけないが、親愛の触れ合いなら良いだろ」
「え?先生、親愛のハグを性行為って言うの、、、」
「自分から好きなときに生徒にスキンシップをとって、生徒からのスキンシップは性行為だからダメってのは教師の横暴じゃねぇか?」
そう言いながら来生の肌を触り続ける。
「だめだ、だめだ、、、」
そう言う来生の顎を生徒の力強い手が掴む。
「さんざん俺たちに、奉仕させておいて、まさか、飽きたから関係を止めようってか見損なったぜ」
「違うんだ、そんなことはない。卒業まで、卒業式まで清い関係でいよう」
「だから、お前がチンポコおっ立てて、精液ぶちまけるから性行為になるんだろ。普通にふれあうならいいじゃないか」
彼らは来生の敏感な部分を知り尽くしていた。
毅然と関係を卒業式までやめようと言ったはずが、生徒の指、唇、押し付けられた肌の感触により来生の内部のマグマは沸騰し始める。
さらにその内の1人が毛筆を取り出し、来生の特に敏感部分、剥き出しの亀頭をさわさわと撫で始めた。
「先生、習字の稽古をさせて、、、」
「バカ、やめろ、、、」
その来生の背後から格闘技に長けた生徒が羽交い締めをかけてくる。
羽交い締め、、、
好きで堪らない生徒の身体が背中に密着している。
さらに、来生の尻の辺りには、その熱くたぎった肉棒が押し付けられる。
来生は腰が砕けそうになる。
それでも踠こうとすると、長身のボクシングをやっている生徒が、顎を掴み、来生の抵抗心を奪う。
ここで抵抗すれば、鼻フック、あるいは、髪の毛を掴み上げられるか、脇の下の、あるいは股間の毛を引き抜かれる。
陰毛を生徒の手でむしり取られるのは、痛みと同時にどうしようもない屈辱もかんじる。
同時に、敏感な場所への強い刺激に興奮も感じてしまう自分が情けない。
習字の練習を先生に手伝ってもらってるだけだもんね、、、これは性行為じゃないよね、、、
そう言いながら鈴口から溢れる我慢汁を筆に含ませ、雁首を、薄桃色の果実のような亀頭をさわさわなぞる。
気が狂うような微妙な責めに焦らされ、オウオウと雄叫びのような喘ぎ声を上げ続けた挙げ句、耐えられなくなった来生は叫んでしまった。
“いきたい、、、たのむっ、、、堪らない、、、もう我慢できない、、、おねがいだっ、、、もう、いかせてくれぇっ、、、出させてくれぇぇぇっ、、、わ、わかった、、、お、おれがわるかった、、、も、もう教師ぶって関係を止めようって言わない、、、あ、あやまる、、、だから、だから、、、ふぉっ、、、、あ、あぁ、、、い、いい、、、もう、で、でちゃう、、、で、でる、、、ださせて、、、もうくるいそうだぁ、、、あ、あぁぉぅ、、、”
と。
ぶちまけるように精液を放出し、がっくりと腰が抜けて崩れ落ちそうになる来生の身体を抱え、耳元で生徒が言った。
「自分だけ良い気持ちをして関係を止めようなんてもう言うなよ、、、」
気がふれるような絶頂を迎え白目を剥きかけた来生は半分薄れかけた意識の中で、わかった、も、もう言わない、、、二度と言わない、、、と呟くように言ってしまった。
俺は、最低だ。
来生の苦悩は深まるばかりだ。
もし、自分自身の煩悩を捨て去り、ほんの数ヶ月前の教壇に立つことに、生徒の前に立つことに誇りを持っていた自分に戻れるなら、去勢も厭わない。
どうにかあの頃にもどりたい、、、
考え込んでいると背後から声をかけられた。
「来生先生」
ハッと振り向くと、河村だった。
「こちらへ」
そう言えば、町田議員が、会議後に話そうと言っていた。
「いや、先生もお忙しいと思いますから、私は、ご遠慮したいと思います」
一刻も早く1人になりたかった来生は言った。
「いえいえ、町田のワガママですから聞いてやってください。町田も同じ年代の人とゆっくり話す機会が出来て嬉しいです。実は、局長からも誘われていたんですが、別件があると断りましたので、軽く相手をしてやってください」
そう言われると、来生も断りにくい。
元々、人付き合いがよく、体育会出身で年上の誘いは断らないのが礼儀の考えが染み込んでいる。
断れなかった。
「ご案内します」
そう言う河村のあとについていく。
フゥッ
来生は心の中でホッとする。
ようやく終わった。
重い緊張が解けた気がする。
まぁ、来生の抱える悩みが解決したわけではないのだか。
「来生先生、お疲れ様っ」
そう言って校長が手を差し出してきた。
来生も手を伸ばし握手をする。
「見事な受け答えで、私も鼻が高い」
現場で働く教師の現状・希望としての質疑もうまく答えることが出来たと思う。
「校長先生や町田先生のフォローのお陰ですよ」
意地悪な質問が出席者から出て一瞬戸惑った時、校長と町田が助け船を出して来生のペースに戻してくれたのだ。
「町田先生、ナイスフォローでしたな。やはり、若い者通し気が合うんでしょうな。あと、途中、ちょっと顔色が悪かったみたいですが、大丈夫でしたか?」
「ええ、自分の出番が終わって、緊張が途切れて一瞬、疲れてしまいました、、、」
「なら、良かった。では、私は、局長達との予定がありますんで、お先に」
そう言い残し、校長は去っていった。
来生は真っ直ぐな性格だ。
嘘をつくことになれていない。
いや、嘘をつくことなど大嫌いといって良い。
だから、今、校長についてしまった嘘が、澱のように心を沈める。
緊張が途切れたのではない、会議中、昨今の不祥事事例で生徒と関係を持った教師の話が紹介されたのだ。
・・・そりゃ、鬼畜ですな、、、
・・・全く教師という聖職についている自覚がないんでしょうか
・・・理性に欠けているんですな
他校の女性校長の“そう言う性欲過多の教師は、去勢でもしたほうが世のためよっ”という言葉に、どっと会場が湧いた。
“性欲過多の教師は去勢”
“鬼畜”
“自覚がない”
“理性に欠ける”
心が切り裂かれるようで、平静を保つのに必死だった。
その一瞬を校長に見抜かれたようだ。
その話題の時に校長は発言した。
「我が校は男子校、生徒も教師も職員も、みんな男子なので、華がない分、そう言った心配はしなくて済むんですが、生徒に手を出す教師など噴飯ものですな。あってはならん」
ズキンと胸に突き刺さった。
どうすれば良いんだ。
来生は一人になり頭をかきむしりたかった。
俺は好きでやっているんじゃないのに!、、、いや、好きであいつらに近付いていってるのか?、、、俺はどうしてしまったんだ。
“卒業するまでこの関係は止めよう”
何度、口にしたか、、、
その後、責めを受け、そして、身体を開いてしまう、、、
これで終りにするという固い決心を持っていたはずなのに、、、
喘ぎ、身悶え、“好き、、、好き、、、愛している、、、”と口走ってしまう弱い自分。
“気持ちいい、、、いいっ、、、あぁぁっ、、、”
関係を止めようと言った口なのに、ほんのしばらくの後に、同じ口で辺りを憚らないような大声のよがり声を上げてしまう。
抑えられないのだ。
来生の肉体、煩悩は、生徒達の愛撫を喜んでいる。
全身を貫く快感に我慢できず淫らな言葉を口走ってしまう。
我慢しているのだ、我慢しているのだが、身体を襲う快感に脳ミソが痺れ、理性が失われ、我慢すればする程、一度口にしてしまうと迸るようによがり声と共に、みっともない恥ずかしい言葉が口から出てしまう。
最低だ。
近くに人気があるところでは必死でよがり声を抑えるが、そもそも人に聞かれるような場所でよがり声を上げるような行為を行うこと自体、自分がおかしいと思う。
“いきたい、、、たのむっ、、、堪らない、、、もう我慢できない、、、おねがいだっ、、、もう、いかせてくれぇぇぇっ、、、出させてくれぇぇぇっ、、、”
自分の口から発された嘆願の言葉を思い出す。
ダメだ、こんなことはもう止めよう、教師と生徒がこんなのことはしちゃいけない、これはダメなことなんだ、わかってくれ、俺は教師で、お前達は生徒だ、、、と、行為の最中に口にした。
そして、全力で彼らの手を振りほどき、3人と距離をおき、対峙した。
「なに、チンポコおっ勃てて、体裁ぶってんだよ、最低の野郎だな、、、」
「そうだ。俺は、最低の教師だ。最低の人間だ。でも、こんなことはやっちゃいけないんだ。例え最低でも俺は教師だ。お前達は生徒だ。だから、だから、、、、君たちが卒業するまで、こんなことはやっちゃいけないんだ」
必死で言った。
罵られることは覚悟の上だ。
それだけのことを自分はやってしまったんだ。
それは、耐えよう。
そう思っていた。
だが、生徒達は一枚上手だった。
「しかたないな」
浜田が言った。
まさか受け入れられるとは思わなかった。
それは、教師である自分を律する理性としては喜びであったが、肉欲を喜ぶ煩悩には拍子抜け、期待外れでもあった。
だが、生徒達は受け入れてくれるようだ。
良かった。
あとは、浜田の卒業まで煩悩を律すれば良い。
来生の理性は単純にそう考えた。
「でも、俺たちは生徒なんだから、キスギセンセイには、先生として普通に接して良いんだろ。」
生徒が言う。
「もちろんだ」
来生は真摯に答える。
来生は真っ直ぐな性格だ。
目の前の人間の言葉は、裏を読まずそのまま受け取ってしまう。
「俺のことを好きだって言ってくれるのは信じて良いんだろ」
「俺を信じてくれ。だから、卒業するまで我慢しよう。卒業したらその時は、、、」
俺を好きにしてくれ、、、とは口に出来なかった。
「俺は、先生のことを信じてるぜ。決して生徒に嘘をつかないと、、、」
「もちろんだ。俺は、嘘はつかない」
来生は心から言った。
背後で素っ裸でタブレットを操作していた高2の生徒が顔を上げて言う。
「見つけた」
そして、タブレットを大柄で筋肉がふてぶてしい生徒に渡した。
タブレットを見てニヤッと笑う。
そして、画面を来生に突き付ける。
来生は戸惑った。
それは、生徒達に配布される校内報、それもバックナンバー。
生徒がゆっくりタブレットの画面をスライドし、ページを進める。
そして、出した画面には大学を卒業したての若々しく初々しい来生の写真が載っていた。
それは、新任教師紹介のインタビュー記事。
え?
なぜ、彼らはこんな以前のものを出してきたのだろう、、、
意地の悪い笑顔を浮かべたまま生徒は、タブレットの画面を自分の方に向け、その文字を読み出す。
「なになに、、、、最後に来生先生から生徒に向けてメッセージを、、、ほうほう、、、で、来生先生のメッセージは?と、、、僕は常に生徒の皆さんと同じ目線に立って、一緒に歩んでいきたいです。お互いに対等の立場で、切磋琢磨しましょう。コミュニケーション、スキンシップを大切にしたいと思います。僕は生徒の皆と裸の付き合いをしたい。何でも本音でぶつかり合いましょう、、、」
教師になり、希望とやる気に溢れていた頃の言葉。
青臭いと思うが、本音で言った言葉だった。
なにを、、、この生徒達はなにを言いたいんだ、、、
来生は怯える。
「裸の付き合いをしたい、、、なら、裸の付き合いで良いじゃないか。別に止める必要はないだろ」
生徒達は文字通り裸だ。
そして、自分も裸体を晒している。
「そ、そう言うことじゃないんだ、違うんだ、、、」
「じゃ、来生先生は、学園だよりで、嘘を平気でついたってことですかね」
「ち、ちがう、、、」
1人が来生の後ろに回り、尻をガスっと掴む。
「スキンシップは大切にしなきゃいけないってのは言葉だけか?それとも、自分のお気に入りのサッカー部とはするけど、俺達とは出来ないってのか?」
来生の顔がふるふると震える。
生徒の言葉は横暴だ。
だが、スキンシップを大事にしたいと自分が言ったのは事実だ。
毅然とした態度で答えなければと思うが、言葉か浮かんでこない。
「生徒を差別するって、最低だよ」
ニコッと笑いながら1人だけ下級生の生徒が言う。
そして、近づき来生の厚い胸板を撫で、そして頬から顎、首筋にかけて唇を這わせる。
「純一、生徒と裸の付き合いをするって言ったのはお前だぜ」
来生は首を振り、言葉を絞り出す。
「裸の付き合いと言っても、性行為はダメだ。やっちゃいけないんだ」
「だからさ、性行為じゃなきゃ良いんだろ、、、」
「お前、サッカー部員に鍛えて足がしっかりしてきたなと、太ももを触ってたよな、、、」
そう言いつつ、太股をさわさわと触る。
もちろん、尻の辺り、玉袋ギリギリまでの皮膚も触る。
「そ、そんな意味で言ったんじゃない」
「そんな意味?ワケわからない。俺達もそんな意味じゃなく、先生と裸の付き合いで、コミュニケーションとスキンシップを図ってるんだぜ?親愛の表現だ。だから、嫌がらずに付き合ってくれよ、対等な立場で、、、」
過去のインタビュー記事の来生の発言を逆手にとり、生徒達は来生の身体をさわさわと微妙なタッチで撫で上げる。
「そりゃ、性行為はいけないが、親愛の触れ合いなら良いだろ」
「え?先生、親愛のハグを性行為って言うの、、、」
「自分から好きなときに生徒にスキンシップをとって、生徒からのスキンシップは性行為だからダメってのは教師の横暴じゃねぇか?」
そう言いながら来生の肌を触り続ける。
「だめだ、だめだ、、、」
そう言う来生の顎を生徒の力強い手が掴む。
「さんざん俺たちに、奉仕させておいて、まさか、飽きたから関係を止めようってか見損なったぜ」
「違うんだ、そんなことはない。卒業まで、卒業式まで清い関係でいよう」
「だから、お前がチンポコおっ立てて、精液ぶちまけるから性行為になるんだろ。普通にふれあうならいいじゃないか」
彼らは来生の敏感な部分を知り尽くしていた。
毅然と関係を卒業式までやめようと言ったはずが、生徒の指、唇、押し付けられた肌の感触により来生の内部のマグマは沸騰し始める。
さらにその内の1人が毛筆を取り出し、来生の特に敏感部分、剥き出しの亀頭をさわさわと撫で始めた。
「先生、習字の稽古をさせて、、、」
「バカ、やめろ、、、」
その来生の背後から格闘技に長けた生徒が羽交い締めをかけてくる。
羽交い締め、、、
好きで堪らない生徒の身体が背中に密着している。
さらに、来生の尻の辺りには、その熱くたぎった肉棒が押し付けられる。
来生は腰が砕けそうになる。
それでも踠こうとすると、長身のボクシングをやっている生徒が、顎を掴み、来生の抵抗心を奪う。
ここで抵抗すれば、鼻フック、あるいは、髪の毛を掴み上げられるか、脇の下の、あるいは股間の毛を引き抜かれる。
陰毛を生徒の手でむしり取られるのは、痛みと同時にどうしようもない屈辱もかんじる。
同時に、敏感な場所への強い刺激に興奮も感じてしまう自分が情けない。
習字の練習を先生に手伝ってもらってるだけだもんね、、、これは性行為じゃないよね、、、
そう言いながら鈴口から溢れる我慢汁を筆に含ませ、雁首を、薄桃色の果実のような亀頭をさわさわなぞる。
気が狂うような微妙な責めに焦らされ、オウオウと雄叫びのような喘ぎ声を上げ続けた挙げ句、耐えられなくなった来生は叫んでしまった。
“いきたい、、、たのむっ、、、堪らない、、、もう我慢できない、、、おねがいだっ、、、もう、いかせてくれぇっ、、、出させてくれぇぇぇっ、、、わ、わかった、、、お、おれがわるかった、、、も、もう教師ぶって関係を止めようって言わない、、、あ、あやまる、、、だから、だから、、、ふぉっ、、、、あ、あぁ、、、い、いい、、、もう、で、でちゃう、、、で、でる、、、ださせて、、、もうくるいそうだぁ、、、あ、あぁぉぅ、、、”
と。
ぶちまけるように精液を放出し、がっくりと腰が抜けて崩れ落ちそうになる来生の身体を抱え、耳元で生徒が言った。
「自分だけ良い気持ちをして関係を止めようなんてもう言うなよ、、、」
気がふれるような絶頂を迎え白目を剥きかけた来生は半分薄れかけた意識の中で、わかった、も、もう言わない、、、二度と言わない、、、と呟くように言ってしまった。
俺は、最低だ。
来生の苦悩は深まるばかりだ。
もし、自分自身の煩悩を捨て去り、ほんの数ヶ月前の教壇に立つことに、生徒の前に立つことに誇りを持っていた自分に戻れるなら、去勢も厭わない。
どうにかあの頃にもどりたい、、、
考え込んでいると背後から声をかけられた。
「来生先生」
ハッと振り向くと、河村だった。
「こちらへ」
そう言えば、町田議員が、会議後に話そうと言っていた。
「いや、先生もお忙しいと思いますから、私は、ご遠慮したいと思います」
一刻も早く1人になりたかった来生は言った。
「いえいえ、町田のワガママですから聞いてやってください。町田も同じ年代の人とゆっくり話す機会が出来て嬉しいです。実は、局長からも誘われていたんですが、別件があると断りましたので、軽く相手をしてやってください」
そう言われると、来生も断りにくい。
元々、人付き合いがよく、体育会出身で年上の誘いは断らないのが礼儀の考えが染み込んでいる。
断れなかった。
「ご案内します」
そう言う河村のあとについていく。
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