聖域で狩られた教師 和彦の場合

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幕開け

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和彦は顔から火が出るような思いで立っていた。

ふしぎな光景ともいえる。

体育館の隅の体育倉庫の扉の脇、筋骨たくましい若武者のような男が、上半身裸となり、体操用具の踏み板を下半身を隠すように立ち、微動だにしない。

顔は紅潮している。

凛々しい顔に似合わぬ怯えたような、困惑した視線がキョロキョロと泳いでいる。

自分は、生徒達にどう見えているのだろう。

恥ずかしい、、、

完全にジャージがテントを張った状態になってしまっている。

不自然に見えないだろうか。

いつもは生徒達と一瞬でも長く交流したいと思っているのに、今日は、早く体育館から出て、自分を一人にして欲しいと願う。

ああ、、、なんで、俺は勃起しているんだ、、、

挨拶をして体育館を出ていく生徒達、、、

午後の授業の合間なので休憩時間は短い。

そのため、生徒達は体育館にとどまることなく出ていく。

最後の数名を見送り、和彦は、広い体育館に一人となった。

和彦は足早に体育倉庫に入り、倉庫の扉を閉める。

シンとした埃臭い体育倉庫。

踏み板の置場所に向かう。

股間が突っ張り歩きにくい。

無理だ、、、

和彦は、踏み板を横に起き、しゃがむ。

一人になった瞬間、気の緩みからか、急に股間の疼きが激しくなり、和彦の全身を貫く。

ど、どうしたんだ、、、俺は、、、

何かに欲情したわけではない。

聖域である学園で、劣情をもよおすようなことはしていない。

が、身体がカッカと火照っている。

股間は怒張し、しかも、和彦の望まぬ焦れるような快感、放出へのプレリュードともいえる焦燥感と衝動を下半身から脳髄へと伝え始めていた。

先程までは、朝立ちのように刺激もなくただ、力強く勃起していただけなのに、、、

若くて健康な肉体である。

精力も性欲も有り余っている。

和彦の鍛えられた胸筋の上にポチンと鎮座する乳首も硬く存在を示し始めている。

焦れる衝動が和彦の中を突き抜ける。

だ、出したい、、、、

弄りたい、、、

身体をくねらせたい衝動が強まる。

なぜ?

和彦は、頭を抱えたくなる。

俺は、職場である学校で何を考えている?

何をもよおしている?

べ、便所に飛び込むか、、、

自分自身に問う。

それで、お前は何をする気だ?

まさか、神聖なる教場で自慰行為に耽る気か?

おぞましい、、、

しかし、驕り昂る股間をおさめないことには教師としての威厳が保てない。

股間のうずきはこれまでに感じたことがないほど高まっている。

どうする?

あっ、足音。

どうしよう。

次のクラスが来たのか?

足音が近づいてくる。

焦った和彦は、立ち上がり、上半身裸のまま、脱ぎ捨てたスポーツシャツを股間に当てる。

ガラッ

スライド扉が開かれる。

和彦の顔が強張る。

入ってきたのは、まず粘着質な性格の学年主任、そして、校長だった。

「杉山先生、何をなさってるんですか」

呆れたような口調で学年主任が言う。

この口調の後に、ネチネチと説教が続くのが毎度だ。

「しかも、上半身裸とは、、、いやはや、若いとは言えたるんでる、、、立派な身体と言うのは認めますが、教師たるものそのような乱れた格好でいかがなものか?、、、あなたは身体を露出が好きなのですか?」

和彦は、項垂れている。

言い返すことは出来ない。

それよりも、股間の見事なテントがばれないかどうか心配だ。

手を前に組み、握ったシャツを足らして隠しているだけ。

そして、テントは鎮まるどころか、学年主任のネチネチした責める口調と共に和彦の中の甘いような苦痛のようや痺れるような衝動は高まっていく。

「まぁ、確かに見事に鍛えられた身体ですけどね、、、」

そう言うと、サディスティックな冷たい視線を浮かべた学年主任はピシッと指で和彦の乳首を弾いた。

和彦のコンプレックスともいえる感じやすい乳首。

ズキンと今まで感じたことのない快感が乳首から脳ミソに、そして股間に電流のように走る。

アッ、、、ヒャァッ、、、

甲高い声を和彦は上げ、思わず手で乳首辺りを防御してしまう。

股間が晒される。

「な、なんだね、君は、神聖な学校でっ!何を考えているんだねっ!」

学年主任の叱責。

でかく不自然に膨らむジャージの股間。

和彦は頭が真っ白になる。

急いで握ったシャツを股間に戻すが、もう遅い。

学年主任は和彦が握りしめたシャツを奪い取り、ホコリの溜まった床に投げ捨てる。

ァッ

急いで拾おうとする和彦の腕をグイッと白川が掴み、動きを止める。

和彦は手で股間を隠し、すがるように学年主任を見る。

和彦の立派にテントを張った股間を片手で隠せるはずがない。

怒りと獲物を見つけた喜びを交えたような視線が和彦を貫く。

「なんだ、その膨らみはっ!君は、ジャージに何かを隠しているのかね?」

そう言いながら、学年主任がいきなり和彦の股間に手をやり、ギュッといきり立った逸物を布越しに握る。

「や、止めてください、、、申し訳ありません、、、止めてください、、、


和彦は学年主任の腕に手を掛け、股間から引き離そうとする。

が、学年主任もガシッと股間を握っている。

「何を考えているんだっ!君はっ!ここは神聖な学校だぞっ!そ、それなのにっ!」

「申し訳ありません。す、すいません、、、」

和彦は何をどう言っていいか判らない。

ただ、謝るだけだ。

「学年主任、声を抑えてっ!生徒に聞こえます」

校長の静かな口調に、学年主任は渋々と和彦の股間から手を離す。

和彦を睨みながら。

確かに、生徒が次々と体育館に集まる気配がする。

次の体育の授業。

和彦が副担任を務める高2のクラスだ。

ど、どうしよう、、、

和彦は出来ることなら泣き出したかった。

同時に、先程、学年主任に強く握られた感触でさらに太さを増してしまった己の股間が情けなくもあった。

恥ずかしさと同時に快感も感じてしまった初めての状況。

爽やかなスポーツマンとして清々しく生きてきた真っ直ぐな心が、そして鍛えられた美しい身体が、美しく真っ直ぐで清々しい故に、徹底してなぶり尽くされる受難の日々が幕開けたことを、体育倉庫の中で困惑の表情を浮かべ、鍛えられた身体を縮めるようにしている和彦はまだ気付いていない。


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