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裸祭の夜〜純一&和彦
純一 3
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「ま、まさか、その格好で外出するのか?」
戸惑いの表情を浮かべて純一が言う。
「当たり前だろ。今日は、祭りに参加しに来たんだぜ。これが正装だ。純一、素っ裸で突っ立ってないで、お前もさっさと着替えろ」
3人の生徒の前で全裸でいることに慣れ始めた教師の戸惑いの表情は続いている。
目の前の生徒、青年教師が心を鷲掴みにされ虜になっている“猛者”と渾名される浜田は、筋骨粒々とした身体に、キリリと締めた六尺褌と法被だけの姿で立っている。
雄臭くいなせな姿。
「先生、早く出掛けようよ。僕が絞めてあげる」
ニコニコと笑いながら、すでに六尺を絞め終えた栗山が布を手に近づいてきた。
そして、手際よく長身の丸裸の教師の肩に細長い布の片方をかけるともう片方は股間をくぐらせ、背後に回り、キュキュっと褌を締め上げていく。
「す、すまん、、、」
栗山が褌を締めてくれたことに驚き戸惑いながら、純一が言う。
純一の褌を締める栗山が菊池と意味ありげな視線を交わしたことには気付いていない。
浜田が純一に法被を渡す。
「下も履かせてくれないか?さすがに褌と法被だけじゃ、、、これじゃ財布や車の鍵も持てない」
法被を広げながら純一が言う。
「純一、気取るな。郷に入っては郷に従えだぜ」
浜田が言う。
「先生、お金は僕が持っていくよ」
栗山が首から下げた巾着を見せる。
「行き帰りは宿が送迎バスを出してくれるから、鍵は持っていかなくても大丈夫」
「さっさと行こうぜ、行きのバスの集合時間だ」
菊池が法被の袖に組んだ腕を入れ部屋を出ていく。
「行こっ、行こっ」
栗山も続く。
純一は法被の前を手で閉じ、目立たぬよう浜田の幅広の身体の後ろに隠れるように部屋を出た。
*
旅館の前には褌に法被姿の男達がたむろしていた。
祭り目当ての旅行客が多いことに純一は驚く。
裸祭りに参加しようとするだけあっていずれも立派な体格をしている。
中には股引き、半股引きを履いている者もいるが少数で、大半が褌姿だ。
やはり法被に褌がこれから参加する祭りの正装なのだろう。
純一は納得する。
値踏みするような視線が純一達一行に注がれる。
彼らは旅館前にたむろする男達の中でも際立って一目を引く風貌をしていた。
若い生徒三人、がっしりと一目で格闘技を極めているとわかる巌のような身体を持つ浜田、ボクサー特有の鋼を寄り合わせたようなスリムでストイックな身体を持つ菊池、器械体操とダンスで鍛えた盛り上がりしなやかな筋肉を持つ栗山。
少年と青年の間の危うい魅力を持つ生徒達。
そして、一人だけ年長のスラッとした長身に均整の取れた筋肉が覆う青年教師、純一。
4人の発するオーラは圧倒的で見つめられるに足るものがあった。
旅館の前には送迎バスが2台停まっている。
1台にはもう客が乗り込んでいる。
「あと、3人乗れます」
送迎バスの脇に立った旅館の職員声をかける。
喫煙所でタバコを吸っていたうちの3人が乗り込み、1台目は出発した。
「あとからいらっしゃったかたもお客様もいらっしゃるので繰り返し説明します。バスは2台でピストン輸送を行います。第3市営駐車場に当旅館専用の駐車場がありますので、間違えないようちゃんと場所を覚えて祭りに参加してください」
説明を聞き、4人はバスに乗り込む。
市街地までは通常なら15分程度、けれど、祭りの交通規制と人混みで30分ほどみてほしいと言われる。
「みなさんは珍宝様目当てですか?」
ち、ちんぽ、珍宝様?
純一は聞き間違えかと思い、驚く。
が、大声の運転手は確かに“ちんぽうさま”と発音している。
「珍宝様を手に入れるのはホンの数人なんでしょう」
運転手の直ぐ後ろに座った男が聞く。
「ええ。年によって違いますが、落とされるのは数本ですからね。でも、触れただけでもご利益が大きいと言いますから、お客さんも頑張ってください」
祭りで行われる神事の話のようだ。
純一は、浜田から旅行に出掛けるから用意しておけと言われただけなので、行き先や目的は把握していなかった。
どうやら、これから参加する祭りは、珍宝様というモノに関わっているようだ。
確かに、男根を御神体とする祭りも多いということは知っている。
「御神体、珍宝様が降臨するのは真夜中なんですよね」
「ええ。それは壮観ですよ。それから一晩中、町中、どんちゃん騒ぎですよ。もし、今から残ると決めてらっしゃる方は、そのボードのお名前を書いておいてください。珍宝様のお迎えはだいたい夜中の二時までには終わりますのでその時間までは送迎をいたしますが、その後は、ご連絡をいただいたら迎えに来ることになります」
送迎バスが市の中心部に近づくにつれ、法被姿のいなせな男達が増えていく。
*
「お、行こうぜっ!」
珍しくはしゃいだ様子で浜田か言い、真っ先にバスを降りる。
栗山、菊池が続く。
三人の生徒の後ろ姿を見送りながら、純一の心も浮き立つ。
戸惑いの表情を浮かべて純一が言う。
「当たり前だろ。今日は、祭りに参加しに来たんだぜ。これが正装だ。純一、素っ裸で突っ立ってないで、お前もさっさと着替えろ」
3人の生徒の前で全裸でいることに慣れ始めた教師の戸惑いの表情は続いている。
目の前の生徒、青年教師が心を鷲掴みにされ虜になっている“猛者”と渾名される浜田は、筋骨粒々とした身体に、キリリと締めた六尺褌と法被だけの姿で立っている。
雄臭くいなせな姿。
「先生、早く出掛けようよ。僕が絞めてあげる」
ニコニコと笑いながら、すでに六尺を絞め終えた栗山が布を手に近づいてきた。
そして、手際よく長身の丸裸の教師の肩に細長い布の片方をかけるともう片方は股間をくぐらせ、背後に回り、キュキュっと褌を締め上げていく。
「す、すまん、、、」
栗山が褌を締めてくれたことに驚き戸惑いながら、純一が言う。
純一の褌を締める栗山が菊池と意味ありげな視線を交わしたことには気付いていない。
浜田が純一に法被を渡す。
「下も履かせてくれないか?さすがに褌と法被だけじゃ、、、これじゃ財布や車の鍵も持てない」
法被を広げながら純一が言う。
「純一、気取るな。郷に入っては郷に従えだぜ」
浜田が言う。
「先生、お金は僕が持っていくよ」
栗山が首から下げた巾着を見せる。
「行き帰りは宿が送迎バスを出してくれるから、鍵は持っていかなくても大丈夫」
「さっさと行こうぜ、行きのバスの集合時間だ」
菊池が法被の袖に組んだ腕を入れ部屋を出ていく。
「行こっ、行こっ」
栗山も続く。
純一は法被の前を手で閉じ、目立たぬよう浜田の幅広の身体の後ろに隠れるように部屋を出た。
*
旅館の前には褌に法被姿の男達がたむろしていた。
祭り目当ての旅行客が多いことに純一は驚く。
裸祭りに参加しようとするだけあっていずれも立派な体格をしている。
中には股引き、半股引きを履いている者もいるが少数で、大半が褌姿だ。
やはり法被に褌がこれから参加する祭りの正装なのだろう。
純一は納得する。
値踏みするような視線が純一達一行に注がれる。
彼らは旅館前にたむろする男達の中でも際立って一目を引く風貌をしていた。
若い生徒三人、がっしりと一目で格闘技を極めているとわかる巌のような身体を持つ浜田、ボクサー特有の鋼を寄り合わせたようなスリムでストイックな身体を持つ菊池、器械体操とダンスで鍛えた盛り上がりしなやかな筋肉を持つ栗山。
少年と青年の間の危うい魅力を持つ生徒達。
そして、一人だけ年長のスラッとした長身に均整の取れた筋肉が覆う青年教師、純一。
4人の発するオーラは圧倒的で見つめられるに足るものがあった。
旅館の前には送迎バスが2台停まっている。
1台にはもう客が乗り込んでいる。
「あと、3人乗れます」
送迎バスの脇に立った旅館の職員声をかける。
喫煙所でタバコを吸っていたうちの3人が乗り込み、1台目は出発した。
「あとからいらっしゃったかたもお客様もいらっしゃるので繰り返し説明します。バスは2台でピストン輸送を行います。第3市営駐車場に当旅館専用の駐車場がありますので、間違えないようちゃんと場所を覚えて祭りに参加してください」
説明を聞き、4人はバスに乗り込む。
市街地までは通常なら15分程度、けれど、祭りの交通規制と人混みで30分ほどみてほしいと言われる。
「みなさんは珍宝様目当てですか?」
ち、ちんぽ、珍宝様?
純一は聞き間違えかと思い、驚く。
が、大声の運転手は確かに“ちんぽうさま”と発音している。
「珍宝様を手に入れるのはホンの数人なんでしょう」
運転手の直ぐ後ろに座った男が聞く。
「ええ。年によって違いますが、落とされるのは数本ですからね。でも、触れただけでもご利益が大きいと言いますから、お客さんも頑張ってください」
祭りで行われる神事の話のようだ。
純一は、浜田から旅行に出掛けるから用意しておけと言われただけなので、行き先や目的は把握していなかった。
どうやら、これから参加する祭りは、珍宝様というモノに関わっているようだ。
確かに、男根を御神体とする祭りも多いということは知っている。
「御神体、珍宝様が降臨するのは真夜中なんですよね」
「ええ。それは壮観ですよ。それから一晩中、町中、どんちゃん騒ぎですよ。もし、今から残ると決めてらっしゃる方は、そのボードのお名前を書いておいてください。珍宝様のお迎えはだいたい夜中の二時までには終わりますのでその時間までは送迎をいたしますが、その後は、ご連絡をいただいたら迎えに来ることになります」
送迎バスが市の中心部に近づくにつれ、法被姿のいなせな男達が増えていく。
*
「お、行こうぜっ!」
珍しくはしゃいだ様子で浜田か言い、真っ先にバスを降りる。
栗山、菊池が続く。
三人の生徒の後ろ姿を見送りながら、純一の心も浮き立つ。
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