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序~伝統と妬みを抱えた者達と闘志に燃える若者と
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伝統・・・それは長い時間をかけて培われてきたもの。
例えそこに弊害、矛盾、悪習と呼ばれたものが混じろうと、それが伝統の中で産み出され、慣習として脈々と受け継がれてきたものであれば、新参者が軽々しく変えることは出来ない。
しかし、実直で正義感溢れるゆえに、その弊害、矛盾、特に悪習を正そうとする新参者は現れる。
改革者だ。
その改革を目指す新参者は、伝統に縛られ、苦しみながらも、反抗できない平凡な者達から英雄視される。
理不尽を正してくれる救世主と。
が、伝統は、そんな救世の英雄など許しておくわけがない。
その考え、その行為は、伝統に対する反逆でしかない。
長く培われ、それ故、それに対する盲信者を多く持つ伝統は、そのような英雄を、生け贄と見定め、惨めな道化に陥れることで、さらに強固になろうとする。
これは、一人の伝統に挑もうとした若き純朴な青年の残酷物語、、、
*
深夜、その広めの部屋には押し殺した熱気に満ちていた。
J大学体育会合宿所。
その中のコーチに与えられた広めの一室。
そこでは、薄いライトに照らされ異様な光景が繰り広げられていた。
汗に濡れた筋肉の発達した体で、四つん這いとなり、発達した背中の筋肉をくねらせる若者。
付き出された尻は、ガタイのでかい年長らしい男に抱えられている。
男の腰が力強く前後に動く。
若者の頭は、ソファに尊大に腰かけた三十過ぎの苦み走った男の股間に埋められている。
尊大に腰掛ける男は、毛深く、荒削りの彫刻を思わせる鎧のような筋肉に覆われた頑丈な体格。
毛深い凶器のようだ。
黒々と生えた胸毛の中、ぽっちりとした乳首が卑猥だ。
「高梨・・・いいか、分っているな・・・・」
尻を掘っている男が言う。
「ふ・・・ふぁい・・・」
肉棒を加えながら若者が答える。
グチュッという粘着質の音が響く。
「首尾良くやれば、お前は、二回生のリーダーだ」
「ぐ、、、ぐわんぶぁりまふ、、、」
整った顔の口をすぼめ、肉棒を頬張りながら答える。
三十過ぎの男が、無言で高梨と呼ばれた若者の頭を無造作につかみ、己の肉棒を口から抜く。
そして立ち上がると、絡み合う二人の若者の後ろに回る。
暗黙の了解のように、高梨は、上半身をペタリと床につけ、鍛えられた背を反らせ、尻を突き上げる。
そして、もう一人は体を前に倒し、足を広げて立ち、尻を突き出す。
三十過ぎの男は、テラテラと光る逸物を突き出された尻に突っ込む。
頑丈な身体の3人が腰部分で連結する。
「高城、、、今回は悟られるなよ、、ご褒美が欲しければな、、、次の対抗戦を逃せば、お前に機会はなくなる、、、それまでにはヤツを陥れろ、、、あの調子にのった阿保を、、、」
「お…大石コーチ、分っています・・・それまでに、、、必ず、、、ヤツを、、、ヒーローとか呼ばれて調子に乗っているあの野郎を、、、堕としてみせます、、、」
吐息が増していく・・・
そして数日が経つ。
*
爽やかな風が吹く。
春が近い陽気の中、まだ幼さの残る凛々しい顔に軽い緊張を浮かべ、その青年は、総合体育館へと向かう道を歩んでいた。
太くきりっとした眉、意志の強さを感じさせる切れ長の目、すっと通った鼻、そして180センチを超えるスラリとした長身は、一目で鍛えられていると判る。
広い肩だ。
厚手のブレザーとシャツを纏っていても、グッと張り上げた胸、キュッと締まった腹部の存在感を隠せはしない。
そして、プリンと盛り上がった尻。
股間の前部も生地がはち切れんばかりに盛り上がる。
青年が履いているのはスーツ専門の量販店の吊しのボトム。
日々、過酷なトレーニングによって鍛えられ、厚みを増していく尻から大腿部にかけての筋肉、そして、元よりボリュームのある股間。
買って数ヵ月も経たないが、もうボトムの腰の部分はパンパンで、長く鍛えられた足が歩道を踏みしめる度、腰から大腿にかけての筋肉が動き、ボトムの生地を苛めているようだった。
だが、服のサイズには無頓着に青年は歩く。
一歩一歩、しっかりと踏みしめるように。
藤原大輔。
J大学三回生、世界的な大会にも参加し、知る人ぞ知る学生スイマーである。
青年期に差し掛かった若者のみが持つ清々しさと力強さが混在するアンバランスな雰囲気。
恵まれた体躯のみではなく、真面目で男らしい性格で人望も集めている。
若さの象徴であるかのようなその姿は、衆目を集めるのに十分であった。
しかし、彼は道行く人の視線を意に介していなかった。
己を鍛えることに専念した者特有のストイックさから、自分自身の外見が如何に人にアピールするか無頓着だったこともある。
しかし、今日は周囲に注意が向かない大きな理由があった。
これから行われる試合。
ライバル校との一戦。
その競技へ向けて闘争心を奮い立たせている。
それは、戦前からの歴史を誇る伝統的な対抗戦。
非公式の試合であり、タイムは記録に残らない。
だが、それ故に、学校同士のプライド、そして、自分自身のプライドがかかった重要な試合。
これからの自身の叩き出すタイム、その勝敗は今回だけのものではなく、これまでの長い歴史のページに加えられ、これからの歴史と共に残っていく。
負けられない、、、
かつては、褌姿で行われていたという。
流石に時代遅れということもあり、今は競パンで行われている。
水球選手はもちろんであるが、競泳選手もまた、昔ながらの大学のロゴが付いた競パンで競技に臨む。
今は新素材の体を覆うスパッツ型が主流であるが、素材の良し悪しではなく技量で勝負すべきとの、至極まともな長老OB達の意見で、両校とも同じ素材の競パンで競う。
タイムが重視される公式戦ではない伝統を重んじる一戦の良さでもあった。
十数年前には夏に行われていたが、公式戦との兼ねあいもあり、卒業式も近付く時期に、最上級生の卒業と合わせ行われるようになっていた。
それは新主将を始めとする両校の新たな体制の御披露目も兼ねている。
新主将には大輔が就任することになっていた。
新主将としても、絶対に負けることは出来ない。
いや、絶対に負けるもんかっ!
そう心に誓っている。
今日の為、これまで以上に、必死でトレーニングに打ち込んだ。
闘志が彼を奮い立たせ、今日の試合のことしか考えられない状態にしているのだ。
新主将に選ばれたというプレッシャーもある。
そして、その新主将としての第一歩がお披露目も兼ねるこの対抗戦だ。
大輔は、主将になりやりたいことがあった。
閉鎖的、封建的な部の体質を開放的に変えたい。
その為には、俺が実績を出さなければ、、、
皆が認める実績を出さなければ、周囲はついてこない。
言葉だけでは周囲は納得しない。
だから、やってやるっ!
体育館の大きな建物をキッと見据える。
俺の事を英雄と呼び、慕ってくれる後輩たちのためにもやらなくちゃいけないっ!
新主将として、先輩方に認めてもらい、そして、これからトップとして指導することになる後輩達にも手本となるような泳ぎを見せてやるっ。
そして、新入生が怯えることなどない開かれた体育会に変えていくんだっ!
切れ長の男らしい目に闘志が燃える。
見事な体躯の周囲を熱いオーラが包んでいるようだ。
大きく息を吸う。
鍛えられた胸が膨れ上がる。
英雄は、一歩踏み出す。
伝統が爪を砥ぎ、涎を垂らし彼を待つ、その体育館に、、、
例えそこに弊害、矛盾、悪習と呼ばれたものが混じろうと、それが伝統の中で産み出され、慣習として脈々と受け継がれてきたものであれば、新参者が軽々しく変えることは出来ない。
しかし、実直で正義感溢れるゆえに、その弊害、矛盾、特に悪習を正そうとする新参者は現れる。
改革者だ。
その改革を目指す新参者は、伝統に縛られ、苦しみながらも、反抗できない平凡な者達から英雄視される。
理不尽を正してくれる救世主と。
が、伝統は、そんな救世の英雄など許しておくわけがない。
その考え、その行為は、伝統に対する反逆でしかない。
長く培われ、それ故、それに対する盲信者を多く持つ伝統は、そのような英雄を、生け贄と見定め、惨めな道化に陥れることで、さらに強固になろうとする。
これは、一人の伝統に挑もうとした若き純朴な青年の残酷物語、、、
*
深夜、その広めの部屋には押し殺した熱気に満ちていた。
J大学体育会合宿所。
その中のコーチに与えられた広めの一室。
そこでは、薄いライトに照らされ異様な光景が繰り広げられていた。
汗に濡れた筋肉の発達した体で、四つん這いとなり、発達した背中の筋肉をくねらせる若者。
付き出された尻は、ガタイのでかい年長らしい男に抱えられている。
男の腰が力強く前後に動く。
若者の頭は、ソファに尊大に腰かけた三十過ぎの苦み走った男の股間に埋められている。
尊大に腰掛ける男は、毛深く、荒削りの彫刻を思わせる鎧のような筋肉に覆われた頑丈な体格。
毛深い凶器のようだ。
黒々と生えた胸毛の中、ぽっちりとした乳首が卑猥だ。
「高梨・・・いいか、分っているな・・・・」
尻を掘っている男が言う。
「ふ・・・ふぁい・・・」
肉棒を加えながら若者が答える。
グチュッという粘着質の音が響く。
「首尾良くやれば、お前は、二回生のリーダーだ」
「ぐ、、、ぐわんぶぁりまふ、、、」
整った顔の口をすぼめ、肉棒を頬張りながら答える。
三十過ぎの男が、無言で高梨と呼ばれた若者の頭を無造作につかみ、己の肉棒を口から抜く。
そして立ち上がると、絡み合う二人の若者の後ろに回る。
暗黙の了解のように、高梨は、上半身をペタリと床につけ、鍛えられた背を反らせ、尻を突き上げる。
そして、もう一人は体を前に倒し、足を広げて立ち、尻を突き出す。
三十過ぎの男は、テラテラと光る逸物を突き出された尻に突っ込む。
頑丈な身体の3人が腰部分で連結する。
「高城、、、今回は悟られるなよ、、ご褒美が欲しければな、、、次の対抗戦を逃せば、お前に機会はなくなる、、、それまでにはヤツを陥れろ、、、あの調子にのった阿保を、、、」
「お…大石コーチ、分っています・・・それまでに、、、必ず、、、ヤツを、、、ヒーローとか呼ばれて調子に乗っているあの野郎を、、、堕としてみせます、、、」
吐息が増していく・・・
そして数日が経つ。
*
爽やかな風が吹く。
春が近い陽気の中、まだ幼さの残る凛々しい顔に軽い緊張を浮かべ、その青年は、総合体育館へと向かう道を歩んでいた。
太くきりっとした眉、意志の強さを感じさせる切れ長の目、すっと通った鼻、そして180センチを超えるスラリとした長身は、一目で鍛えられていると判る。
広い肩だ。
厚手のブレザーとシャツを纏っていても、グッと張り上げた胸、キュッと締まった腹部の存在感を隠せはしない。
そして、プリンと盛り上がった尻。
股間の前部も生地がはち切れんばかりに盛り上がる。
青年が履いているのはスーツ専門の量販店の吊しのボトム。
日々、過酷なトレーニングによって鍛えられ、厚みを増していく尻から大腿部にかけての筋肉、そして、元よりボリュームのある股間。
買って数ヵ月も経たないが、もうボトムの腰の部分はパンパンで、長く鍛えられた足が歩道を踏みしめる度、腰から大腿にかけての筋肉が動き、ボトムの生地を苛めているようだった。
だが、服のサイズには無頓着に青年は歩く。
一歩一歩、しっかりと踏みしめるように。
藤原大輔。
J大学三回生、世界的な大会にも参加し、知る人ぞ知る学生スイマーである。
青年期に差し掛かった若者のみが持つ清々しさと力強さが混在するアンバランスな雰囲気。
恵まれた体躯のみではなく、真面目で男らしい性格で人望も集めている。
若さの象徴であるかのようなその姿は、衆目を集めるのに十分であった。
しかし、彼は道行く人の視線を意に介していなかった。
己を鍛えることに専念した者特有のストイックさから、自分自身の外見が如何に人にアピールするか無頓着だったこともある。
しかし、今日は周囲に注意が向かない大きな理由があった。
これから行われる試合。
ライバル校との一戦。
その競技へ向けて闘争心を奮い立たせている。
それは、戦前からの歴史を誇る伝統的な対抗戦。
非公式の試合であり、タイムは記録に残らない。
だが、それ故に、学校同士のプライド、そして、自分自身のプライドがかかった重要な試合。
これからの自身の叩き出すタイム、その勝敗は今回だけのものではなく、これまでの長い歴史のページに加えられ、これからの歴史と共に残っていく。
負けられない、、、
かつては、褌姿で行われていたという。
流石に時代遅れということもあり、今は競パンで行われている。
水球選手はもちろんであるが、競泳選手もまた、昔ながらの大学のロゴが付いた競パンで競技に臨む。
今は新素材の体を覆うスパッツ型が主流であるが、素材の良し悪しではなく技量で勝負すべきとの、至極まともな長老OB達の意見で、両校とも同じ素材の競パンで競う。
タイムが重視される公式戦ではない伝統を重んじる一戦の良さでもあった。
十数年前には夏に行われていたが、公式戦との兼ねあいもあり、卒業式も近付く時期に、最上級生の卒業と合わせ行われるようになっていた。
それは新主将を始めとする両校の新たな体制の御披露目も兼ねている。
新主将には大輔が就任することになっていた。
新主将としても、絶対に負けることは出来ない。
いや、絶対に負けるもんかっ!
そう心に誓っている。
今日の為、これまで以上に、必死でトレーニングに打ち込んだ。
闘志が彼を奮い立たせ、今日の試合のことしか考えられない状態にしているのだ。
新主将に選ばれたというプレッシャーもある。
そして、その新主将としての第一歩がお披露目も兼ねるこの対抗戦だ。
大輔は、主将になりやりたいことがあった。
閉鎖的、封建的な部の体質を開放的に変えたい。
その為には、俺が実績を出さなければ、、、
皆が認める実績を出さなければ、周囲はついてこない。
言葉だけでは周囲は納得しない。
だから、やってやるっ!
体育館の大きな建物をキッと見据える。
俺の事を英雄と呼び、慕ってくれる後輩たちのためにもやらなくちゃいけないっ!
新主将として、先輩方に認めてもらい、そして、これからトップとして指導することになる後輩達にも手本となるような泳ぎを見せてやるっ。
そして、新入生が怯えることなどない開かれた体育会に変えていくんだっ!
切れ長の男らしい目に闘志が燃える。
見事な体躯の周囲を熱いオーラが包んでいるようだ。
大きく息を吸う。
鍛えられた胸が膨れ上がる。
英雄は、一歩踏み出す。
伝統が爪を砥ぎ、涎を垂らし彼を待つ、その体育館に、、、
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