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脱衣
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「で、俺はどうすればいいんだい?」
教師が挑発的に聞く。
「本当に、受けて下さるんですか?」
生徒が真意を問うように聞く。
二人とも微かに声が上ずっている。
美術室を緊張が包み始める。
「もちろんだ。一度した約束は守る」
教師はきっぱり言った。
「一度した約束は守る・・・ですか・・・」
生徒の声には、懐疑が混っている。
憲司は、それを、教師が本当に脱ぐのか疑っているのだと解釈した。
「君達の役に立つのなら、俺の体を使ってくれ。これでも生徒のことを一番に考えているんだ」
憲司は熱っぽく言った。
ナンパの時に使い慣れた情熱的な声。
対し、美影の声には若干の冷たさが混る。
「それじゃ、先生、控え室にガウンが用意してあります。準備をお願いできますか?」
隅の扉を指さす。
控え室に通じているのだろう。
一瞬、憲司は虚を突かれた。
彼としては、生徒達の前で脱ぐつもりだったのである。
一枚、一枚、ゆっくりとした動作で脱いでいき、鍛えられた体が徐々に露出していくごとに、少年の目に浮かんで行く憧憬の色、高まっていく欲情の色、それを確認し、相手を焦らすのが好きだった。
今日も、そうするつもりだった。
少年達に、大人の雄の体というものを見せつけてやるつもりだった。
拍子抜けだ。
が、一方で安堵感もあった。
自分でも信じられないが、雰囲気に飲まれていたのだ。
自分を取り囲む生徒達の視線に圧されていた。
若者に対する時は、常にリードし、アドバンテージをとっていた憲司にしては珍しいことだった。
だが、控え室で着替えれば、その間にペースを取り戻せる。
憲司は、あくまで平常心を装いながら控え室に入った。
画材の匂いが鼻につく。
茶色と白のチェックのガウンがテーブルに置かれていた。
これを纏うのか・・・
すぐに脱ぎ捨てることになるのだが・・・
憲司は、一人、脱ぎ始める。
拍子抜けした感じだ。
ジャケット、Yシャツ、靴を脱ぎ、ベルトに手をかけ、ニヤッと笑った。
いいことを考えた。
なにも、あっさり裸を見せる必要は無い・・・
扉が開く。
生徒達の視線が集まる。
憲司は、ガウンを乱れなくきっちりと着ていた。
そのため、胸元は微かに見えるだけだ。
その分、ガウンの裾から伸びる臑毛の生えた足の男臭さが生々しく際立っている。
ゆっくりと台に向かう。
王者の貫禄だ。
自分の魅力を知り尽くしている者だけが出せる風格。
その後ろ姿を見た生徒の目付きが変わる。
ガウン越しにぷっくらと形よく盛り上がった尻に驚いたのだ。
よく鍛えられた下半身だということが判る。
普段の教壇の上、凡庸とした憲司からは想像出来ない魅力を醸し出している。
台の上、教師が生徒の方を向く。
無言のままガウンの紐に手を掛ける。
そして、一気にガウンを脱ぎ捨てた。
おぉ・・・
声にならない、どよめきが生徒の間から起こる。
見事な長身。
長い手足。
鍛えられた、針金を寄り合わせたような筋肉で覆われている。
強靭・・・そんな言葉がぴったりな体。
体脂肪率は間違いなく一桁台だろう。
教師はモデルのようにポーズをとる。
さりげなく、だが、効果的に。
教師は全裸ではなかった。
上下にインナーを身に付けている。
上は、Yシャツから透けるのを気にしてか、白だ。
フロントとサイドで生地が違う。
前後は厚手だ。
伸縮が良いのだろう、体にぴったりとくっついている。
両サイドは粗いメッシュだ。
いや、網と言って良い。
さりげなく、両手を腰に当てているため、微かに見える腋の下の茂みが白いインナーの生地越しに際立っている。
そして下半身は、黒地に前面のみ真紅。
見事に股間を強調したデザインのローライズ。
憲司の重量感ある中身も、そのデザインの意匠に見事に応えている。
上と下のインナーの透き間から覗くよく焼けた肌。
美しい漆黒の陰毛も、下から上へ間隔を狭めながら茂っている。
昨夜、時間をかけて手入れした甲斐はある。
背後、生徒からは見えないが、健司のシェイプアップされた尻の双丘の谷間、ほぼ上半分が、熟したての果実のように瑞々しく覗いている。
生徒達の目が熱を帯びて行くのが判る。
中の一人、美影だけは冷たさを増していた。
憲司はのんきに美少年特有のライバル心と考えていた。
今までも、憲司の容姿にライバル心を剥き出しにした美少年達がいた。
そういうのに限って、落した後は貪欲に燃えるのだ。
ゾクゾクした衝動のような奮えが体の芯に戻ってきた。
教師は生徒を見回す。
勝ち誇ったように・・・
「すぐに、素っ裸になるのも恥ずかしいからな」
そう言い、シャツに手を掛けゆっくりと脱ぐ。
腹筋がボコボコに割れた腹、意外に厚い胸、黒くなまめかしい乳輪、ふっさりと茂った腋、盛り上がった肩・・・
シャツを脱ぎ捨てた憲司は、再び生徒達に挑発的な目を向ける。
残りは一枚。
生徒達は食い入るように見ている。
ゾクリッ
大きな奮えが、憲司の体の内を駆け上がる。
未知の快感・・・
そして、最後の一枚を脱ごうとした時・・・
立て続けに未知の快感が健司の体の内を駆け抜け・・・
男根が意志のある生き物のように頭をもたげ始めた。
えっ?
気付いた時にはもう遅かった。
憲司は勢いよく最後の一枚を脱ぎ捨てていた。
股間は憲司の意志に反し、膨張を続ける。
もっとも、ここで恥ずかしがる憲司ではなかった。
何故、勃起し出したのか自分自身でも解らなかった。
が、自慢のモノを生徒に誇示することにてらいはなかった。
長く、それこそ威嚇するコブラのようなモノが生徒の前に露になる。
憲司は、すっと姿勢よく立ち、言った。
「ポーズはこれでいいか?格好良く描いてくれよ」
下手に勃起したことの言い訳をすると格好悪く見えるということは判っていた。
「それでは、先生、そのポーズでお願いします」
挑むように美影が言った。
教師は、一歩も引かずニヤリと笑って応えた。
さらさらとしばらく絵筆の音だけが響いた。
憲司は、戸惑っていた。
何故か、勃起が静まらない。
それどころか、身の内に生まれた不思議な快感も納まるどころか、もどかしいほどに高まっている。
体を動かさず一定のポーズをとり続けるのが辛い・・・
動かないことが、その快感の激しさを増しているのは明らかだった。
「ねぇ、先生」
さりげない風で美影が言った。
「なんだ?」
微かに上ずった声で憲司は応えた。
「ずっとポーズを取ってるだけじゃ、先生も退屈だろうからちょっとした遊びをしませんか?」
「あ、あぁ、いいが・・・」
戸惑いつつ憲司は答えた。
「なら、裁判ごっこなんてどうです?」
「?」
憲司が怪訝な表情をする。
美影はニヤリと笑い言った。
「裁判官は俺達」
憲司の眉が顰められる。
美影は立ち上がり、教師を指さした。
「被告は高沢憲司っ!お前だよっ!」
教師が挑発的に聞く。
「本当に、受けて下さるんですか?」
生徒が真意を問うように聞く。
二人とも微かに声が上ずっている。
美術室を緊張が包み始める。
「もちろんだ。一度した約束は守る」
教師はきっぱり言った。
「一度した約束は守る・・・ですか・・・」
生徒の声には、懐疑が混っている。
憲司は、それを、教師が本当に脱ぐのか疑っているのだと解釈した。
「君達の役に立つのなら、俺の体を使ってくれ。これでも生徒のことを一番に考えているんだ」
憲司は熱っぽく言った。
ナンパの時に使い慣れた情熱的な声。
対し、美影の声には若干の冷たさが混る。
「それじゃ、先生、控え室にガウンが用意してあります。準備をお願いできますか?」
隅の扉を指さす。
控え室に通じているのだろう。
一瞬、憲司は虚を突かれた。
彼としては、生徒達の前で脱ぐつもりだったのである。
一枚、一枚、ゆっくりとした動作で脱いでいき、鍛えられた体が徐々に露出していくごとに、少年の目に浮かんで行く憧憬の色、高まっていく欲情の色、それを確認し、相手を焦らすのが好きだった。
今日も、そうするつもりだった。
少年達に、大人の雄の体というものを見せつけてやるつもりだった。
拍子抜けだ。
が、一方で安堵感もあった。
自分でも信じられないが、雰囲気に飲まれていたのだ。
自分を取り囲む生徒達の視線に圧されていた。
若者に対する時は、常にリードし、アドバンテージをとっていた憲司にしては珍しいことだった。
だが、控え室で着替えれば、その間にペースを取り戻せる。
憲司は、あくまで平常心を装いながら控え室に入った。
画材の匂いが鼻につく。
茶色と白のチェックのガウンがテーブルに置かれていた。
これを纏うのか・・・
すぐに脱ぎ捨てることになるのだが・・・
憲司は、一人、脱ぎ始める。
拍子抜けした感じだ。
ジャケット、Yシャツ、靴を脱ぎ、ベルトに手をかけ、ニヤッと笑った。
いいことを考えた。
なにも、あっさり裸を見せる必要は無い・・・
扉が開く。
生徒達の視線が集まる。
憲司は、ガウンを乱れなくきっちりと着ていた。
そのため、胸元は微かに見えるだけだ。
その分、ガウンの裾から伸びる臑毛の生えた足の男臭さが生々しく際立っている。
ゆっくりと台に向かう。
王者の貫禄だ。
自分の魅力を知り尽くしている者だけが出せる風格。
その後ろ姿を見た生徒の目付きが変わる。
ガウン越しにぷっくらと形よく盛り上がった尻に驚いたのだ。
よく鍛えられた下半身だということが判る。
普段の教壇の上、凡庸とした憲司からは想像出来ない魅力を醸し出している。
台の上、教師が生徒の方を向く。
無言のままガウンの紐に手を掛ける。
そして、一気にガウンを脱ぎ捨てた。
おぉ・・・
声にならない、どよめきが生徒の間から起こる。
見事な長身。
長い手足。
鍛えられた、針金を寄り合わせたような筋肉で覆われている。
強靭・・・そんな言葉がぴったりな体。
体脂肪率は間違いなく一桁台だろう。
教師はモデルのようにポーズをとる。
さりげなく、だが、効果的に。
教師は全裸ではなかった。
上下にインナーを身に付けている。
上は、Yシャツから透けるのを気にしてか、白だ。
フロントとサイドで生地が違う。
前後は厚手だ。
伸縮が良いのだろう、体にぴったりとくっついている。
両サイドは粗いメッシュだ。
いや、網と言って良い。
さりげなく、両手を腰に当てているため、微かに見える腋の下の茂みが白いインナーの生地越しに際立っている。
そして下半身は、黒地に前面のみ真紅。
見事に股間を強調したデザインのローライズ。
憲司の重量感ある中身も、そのデザインの意匠に見事に応えている。
上と下のインナーの透き間から覗くよく焼けた肌。
美しい漆黒の陰毛も、下から上へ間隔を狭めながら茂っている。
昨夜、時間をかけて手入れした甲斐はある。
背後、生徒からは見えないが、健司のシェイプアップされた尻の双丘の谷間、ほぼ上半分が、熟したての果実のように瑞々しく覗いている。
生徒達の目が熱を帯びて行くのが判る。
中の一人、美影だけは冷たさを増していた。
憲司はのんきに美少年特有のライバル心と考えていた。
今までも、憲司の容姿にライバル心を剥き出しにした美少年達がいた。
そういうのに限って、落した後は貪欲に燃えるのだ。
ゾクゾクした衝動のような奮えが体の芯に戻ってきた。
教師は生徒を見回す。
勝ち誇ったように・・・
「すぐに、素っ裸になるのも恥ずかしいからな」
そう言い、シャツに手を掛けゆっくりと脱ぐ。
腹筋がボコボコに割れた腹、意外に厚い胸、黒くなまめかしい乳輪、ふっさりと茂った腋、盛り上がった肩・・・
シャツを脱ぎ捨てた憲司は、再び生徒達に挑発的な目を向ける。
残りは一枚。
生徒達は食い入るように見ている。
ゾクリッ
大きな奮えが、憲司の体の内を駆け上がる。
未知の快感・・・
そして、最後の一枚を脱ごうとした時・・・
立て続けに未知の快感が健司の体の内を駆け抜け・・・
男根が意志のある生き物のように頭をもたげ始めた。
えっ?
気付いた時にはもう遅かった。
憲司は勢いよく最後の一枚を脱ぎ捨てていた。
股間は憲司の意志に反し、膨張を続ける。
もっとも、ここで恥ずかしがる憲司ではなかった。
何故、勃起し出したのか自分自身でも解らなかった。
が、自慢のモノを生徒に誇示することにてらいはなかった。
長く、それこそ威嚇するコブラのようなモノが生徒の前に露になる。
憲司は、すっと姿勢よく立ち、言った。
「ポーズはこれでいいか?格好良く描いてくれよ」
下手に勃起したことの言い訳をすると格好悪く見えるということは判っていた。
「それでは、先生、そのポーズでお願いします」
挑むように美影が言った。
教師は、一歩も引かずニヤリと笑って応えた。
さらさらとしばらく絵筆の音だけが響いた。
憲司は、戸惑っていた。
何故か、勃起が静まらない。
それどころか、身の内に生まれた不思議な快感も納まるどころか、もどかしいほどに高まっている。
体を動かさず一定のポーズをとり続けるのが辛い・・・
動かないことが、その快感の激しさを増しているのは明らかだった。
「ねぇ、先生」
さりげない風で美影が言った。
「なんだ?」
微かに上ずった声で憲司は応えた。
「ずっとポーズを取ってるだけじゃ、先生も退屈だろうからちょっとした遊びをしませんか?」
「あ、あぁ、いいが・・・」
戸惑いつつ憲司は答えた。
「なら、裁判ごっこなんてどうです?」
「?」
憲司が怪訝な表情をする。
美影はニヤリと笑い言った。
「裁判官は俺達」
憲司の眉が顰められる。
美影は立ち上がり、教師を指さした。
「被告は高沢憲司っ!お前だよっ!」
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