DARK V.I.P ROOM~聖職より堕ちた体育教師純一(初期試作バージョン)

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PART 10

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普段は生徒達で煩いのに、部活が休止されている今、部室棟はシンとしていた。

純一の革靴の足音がコツコツと響く。

暗い廊下を進み、時代を感じられる石造りの階段を降りる。

運動部の部室に特有の染み付いた汗臭さが匂ってくる。

人によっては毛嫌いする匂いだが、サッカー一筋で生きてきた純一には馴染みの心地よささえ感じる匂いだ。

階段を降りるにつれ、薄暗さが増すのも気にならない。

これからのサッカー部のミーティングに心が逸るばかりだ。

地下一階の一番奥のサッカー部の部室に向けて足が早まる。

時代遅れの重いドアを開ける。

「待たせたな」

中で待っていた三人の生徒に告げる。

部長の水島、副部長の日高と榎だ。

水島は見るからにサッカー少年。

キリッと太い眉が印象的だ。

日高は細身の長身で、モデルにスカウトされたこともあるらしい。

愛嬌のあるイケメンだ。

榎は古風なイケメンというよりハンサムという表現が似合う色男だ。

がっしりした筋肉はサッカー以外にジムでの筋トレに励んでいる結果のようだ。

中央のテーブルの回りに立つ三人が、快活に声をかけてきた教師を一瞥する。

3人が無表情であることに純一は気づかず、部室に入る。

あれ?

いつもはない3脚にセッティングされたカメラが設置されている。

そして、練習試合の後に動きをチェックするために借りる校内備品のプロジェクターも。

練習風景を見ながらミーティングをするつもりなのか。

やる気があるんだな、、、

純一は素直に喜ぶ。

部屋に入り、普段、顧問が立つ奥へと進む。

ガシャンッ

純一の後方で重い扉が閉まる音が重く響く。

榎がスッと閉まった扉の方に移動する。

純一は気も留めずに進む。

「先生、プロジェクターを見ながら話したいんで、こっちでもイいっすか?」

軽い口調で日高が言い、手前のパイプ椅子をガシャンと音を立て引き出す。

そのパイプ椅子が音を立てたのと同時に、榎が後ろ手でそっと部室の扉のシリンダー錠を閉めるカシャッという音が響いたことに、純一は気付かない。

純一は引かれた椅子に腰かける。

プロジェクターの正面だ。

生徒が両側に座る。

水島が切り出す。

「先生、今日、来ていただいたのは、今のサッカー部の問題を話しおうと思ったんです」

堅苦しく切り出す。

純一は真剣な表情になって聞いている。

可愛がっているサッカー部員の言葉をしっかりと受け止めるためだ。

「最近のサッカー部の出席率が下がっているのも先生はお気づきですよね」

確かに、その通りだ。

純一も気にかかっていた。

同じ悩みを部長、副部長も抱えていることが嬉しかった。

「練習がキツいのか、何か、他に理由があるのか、理由があるなら、その膿を出さなきゃいけない、、、」

膿を出すという過激な表現に純一は驚く。

自分が知らない、膿と表現しなければならないような問題があるのか?

純一は疑問に思う。

「まずは、先生に見てもらいたい映像があるんです。よろしいですか?」

「ああ、頼む。見せてくれ」

日高と榎が動き、明かりを消し、天窓のシェードを降ろした。

急に部屋が暗くなる。

水島がプロジェクターを操作し、スクリーンに待機画面が投影される。

その投影の明かりと共に、照らされた四人の顔が浮かび上がる。

水島が操作をするとスクリーンの映像が切り替わった。

おや?

純一が怪訝そうな表情を浮かべる。

練習か試合の風景が映されると思っていたが校内の風景だ。

スマホで撮ったのだろう画面がぶれているが校内の廊下なのは間違いない。

そんな純一の顔を三人の生徒がジッと見つめている。

え?

画面のブレがおさまり、遠く廊下を歩く3人の男の後ろ姿にピントが合う。

廊下を行く3人とスマホの距離は離れていたが、この後ろ姿は見間違えようがない。

それは、、、

スラッとしたジャージの後ろ姿は、間違えなく自分だ。

ジャージのデザインは純一が愛用しているものだ。

見間違えようがない。

そして、両側にピタッとついている制服の後ろ姿は、浜田と菊池、、、

その姿を見つける度に怯え、姿を隠す自分だから間違えるはずがない。

な、なんだ、、、この映像はなんなんだ、、、?

純一の頭が冷たく痺れだし、頬が痙攣し始める。

ま、まさか、、、まさか、、、、、

混乱が純一を襲う。

3人は廊下を進む。

そして、急に右に曲がり姿が消える。

画面が進むスピードが早くなる。

撮影者が足早に三人の後を追っているのだろう。

そして現れたのは、実験室、視聴覚室、音楽室などが入る専門棟と呼ばれる校舎の教員用便所の扉。

“3人で連れションか?”

“なんで、わざわざ専門棟までくるんだ?”

“ちょっと様子見てこいよ”

ヒソヒソ声がスピーカーから流れる。

そして画面の横から生徒が現れる。

榎がそっと扉を開け、中を覗く。

そして、驚いたように画面を振り向く。

“おい、個室トイレのドアが一個だけ閉まってて外には誰もいないぜ”

“へ?3人で個室にこもってんのか?”

“それ以外、他に行くとこないだろう”

“まじか?”

“行くか?”

“え?”

“ヤバくね?”

“でも、時間はないぜ”

“そうだな”

映像が大きくブレ出す。

ゴツッ

鈍い音がして映像が安定し、便所の扉が開かれる。

まずは床が映る。

そして、閉められた個室のドアがアップになり、画面は次第に上っていく。

そして、スピーカーからは小さく、でも確実にハァハァという洗い吐息が聞こえてくる。

先程のゴツッという音はスマホを自撮り棒に設置した時の音なのだろう。

スマホの画面はドンドン上がっていき、ドアの高さを越え、個室の中へと差し込まれる。

そこに映し出された光景、、、

スクリーンに大きく映し出されたのは、まずは3つの黒髪の頭。

一つは鍵を閉めた個室のドアにもたれ掛かっている。

一つは、横の壁にもたれ掛かっている。

その二つの頭は制服姿なので生徒ということが分かる。

そして、最後の頭は、便座に座っているのだろう、残りの二つの頭より下に位置し、一つだけ前後に動いている。

ジャージ姿だ。

扉の前の頭の下方からは濃い肉色の棒が突き出され、下方の頭が前後に動くのに合わせて見え隠れしている。

咥えているのだ。

そして、壁側に寄りかかった頭の下からも肉色の棒が突き出されている。

便座に座った者の片手がその肉棒を扱いている。

壁に持たれる者が座る者の頭をグイと掴み自分の方に向ける。

すると、その頭は逆らわずに、前の肉棒から口を離し、横の肉棒に口を突ける。

そして、前の肉棒を支えていた指をその肉棒に絡め扱き出す。

ドアの上から個室内を映すスマホに三人は気付かない。

秘密の快楽に耽っている。

ドアの上から撮っているため、個室内は斜め上方から映すことになり、下を向いている二人の生徒の顔はよく映っていないが、便器に座っている者の顔は動かす角度によってしっかりと映るタイミングがある。

その顔は見間違えようもなく純一だ。

男らしい眉をひそめ生徒の逸物を代わり代わりに咥え、指を這わせる。

しかも、時おり、髪を掴まれたり、頬をつねられたりしても抵抗をしない。

無心に生徒へ奉仕している。

純一の血の気は引き、頭は冷たく痺れ、目の前のスクリーンに映されている映像の内容が信じられない。

全身が震えている。

口がパクパクと小刻みに開閉している。

何か言いたいけれど何を言って良いのか分からないのだろう。

唐突に映像が個室の内部から外部に映り、個室の扉、床、そして、廊下への扉が開き、プチッと切れ、映像信号待ちの画面に変わる。

部室の明かりが点く。

榎が立ち上がり、スイッチをいれたのだ。

しかし、あまりのことに呆然とし、事態が把握できない純一は榎の動きに気がまわらず、突然の点いた蛍光灯の照明に軽くショックを受ける。

そして、辺りを見回し、水島、日高、榎が射すような目で自分を見ていることに気付く。

し、知られてしまった、、、

サッカー部の生徒に汚れた俺の姿を知られてしまった、、、、

純一の全身が震え出す。

顔面は蒼白だ。

男らしい顔が辛そうに歪んでいる。

「この画像を見た時、驚きましたよ。便所の扉越しにクチュクチュ、ピチャピチャ、ハァハァ聞こえてきましたけど、再生して確認したら、まさか、こんなトンでもないことを顧問のアンタが校内でやっているなんて、、、」

水島が落ち着いた声で冷静に言う。

顧問の教師に向かい“アンタ”と無礼に呼ぶ。

「顧問の教師が校内で平然と淫行をしている、、、アンタ、それで部員に部活に出席しろと偉そうに言えると思いますか?」

純一が全身を震わせながら、首を左右に振る。

「チ、、チガゥ、、、チ、チガウンダ、、、チガ、、、チ、、ガウ、、、」

声がか細く震え、言葉にうまくならない。

理不尽に脅され、強要されているんだ、、、そう説明したいが、言葉が出てこない。

今度は日高がスマホを机の上に置く。

「先生の声って、エロイよね、、、」

ニッコリ笑いながら言う。

ひ、日高は、何を言い出したんだ?

その笑顔が可愛いだけに、純一の不安は増す。

日高がスマホを操作すると、何かを録音したノイズが聞こえてくる。

最初はノイズだけ。

ピロピロピロ~ン

軽快なチャイムの音。

純一の血の気が更に引く。

聞きなれた音色。

純一のすむマンションの玄関チャイムだ。

足音が聞こえる。

そして、、、遠く聞こえる声。

「お、お前達、、、な、なんで、、、」

その声は純一のモノだ。

「家庭訪問だよ~ん」

スピーカー越しに聞こえる声は栗山の声だ。

「教師が生徒の家庭訪問をするなら、生徒が教師の家庭訪問をしたって良いよね~」

明るく楽しげな声。

「だめだ、、、帰ってくれ、、、」

その瞬間、ドスンと重い音がする。

玄関のドアが何かに打たれたのだ。

「さっさと開けろよ。でないと後悔するぜ、、、」

そして、また玄関ドアを何かで猛打する音が続く。

純一は、まざまざとその時を思い出す。

自宅に帰ってホッとした一時、生徒の訪問によって平穏が無惨に破られた日。

玄関のドアがドンドン叩かれる。

これ以上、音を立てられると近所の迷惑となる。

だから慌てて玄関の扉を開けに走ったのだ。

日高のスマホはその時に純一が立てたドタドタという足音をしっかりとらえていた。

そして、扉が開けられる音。

ガタガタという音と、バチッという破裂音、そして、ドスッと重い音がする。

続いて聞こえてきたのは、

“あぁ~~痛いっ、、、許して、許してください~うあぉ~~”

という悲鳴混じりの声。

その声はだんだん近づき大きくなっていく。

玄関のドアを開けた瞬間、頬を張られ、よろけて倒れたところを、髪をひっ掴まれそのまま部屋の中まで引き摺られたのだ。

“良い部屋じゃねえかよ”

“おら、純一、犬の癖に服を着てるんじゃねえよ”

“センセ、早くイカしたボディを見せてよ”

シュルシュル

衣擦れの音がする。

「おら、さっさと用意っ!」

厳しい声がする。

カタカタと引き出しを開けるような音が始まるとプチッと音がした。

言葉のない箇所を編集で飛ばしたのだろう。

“おらっ、四つん這いになれよっ!”

プチッ

“ほら、お尻を出して~、、、ケツ開いて~、ディルドで解してあげるよ~”

プチッ

“股開けッ、、、”

プチッ

“お~おお~~、あうっ、、、、うお~~”

そして聞こえる吠えるような声。

純一が発した喘ぎ声だ。

“おおっ~っ!オッ、オッ、オッ、オッ、オッ、、、、”

“いいか?純一?気持ちいいか?”

“き、きもちいぃ、、、気持ちいいぃです~~っ、、、あぉぉ~っ、ぉっ、、おおっ、、、おっ、、、”

生徒のストロークに合わせて、短い喘ぎ声をあげる自分の声。

初めて聞く自身のみっともない喘ぎ声に、純一の心は羞恥で切り裂かれる。

プチッ、、、

“あぁ、、、あぁぁあ~、、、、”

切な気な声。

先程の喘ぎとはまた異なる声色。

“どうした?純一、、、”

“あぁ、、、”

“なんだ?言ってみろ、、、”

“ぬ、、、抜かないで、、、”

“ん?まだ抜ききってないぜ、、、”

“もっと、、、突いてください、、、”

“しかたねぇな、、、”

“おおぉぉう、、、”

“ケッ、エロ教師がっ!”

声が変わる。

菊池だ。

“そりゃ、浜さんのはデカイから途中で抜かれると、生殺しみたいになっちゃうんだよ”

栗山の声。

“でも、教師が生徒にケツ掘ってくれなんて頼むか?”

“愛に年齢や立場は関係ないよ~”

純一の喘ぎ声は続いている。

「やめてくれ~、、、頼む、もう止めてくれ~~~っ、、、」

純一が叫び、日高のスマホに手を伸ばす。

日高はさっとスマホを持ち上げ、音声を止める。

「なんで、、、なんでお前達がこんな録音を持ってるんだぁ~~っ」

純一は半腰で立っている。

生徒達は座ったままだ。

「顧問の教師が、サッカー部に相応しい人間かどうか、確認する必要があるんで、調べたんすよ」

日高が言う。

「アンタに渡したお守りに録音機を仕込ませてもらいました。捨てられたらどうしようかと思ったけど、ちゃんと鞄に付けててくれてラッキーだった」

お守り、、、水島が部のために用意したお守り、、、

鞄に付けてもらったとき、本当に嬉しかった。

大切にした。

それが、、、それにまさかそんな細工が、、、

純一の脚がガタガタ震える。

「アンタには反省してもらう、、、」

水島が冷たく言う。

日高、榎の目が純一を射る。

「分かってるな、、、反省しろっ、、、」

反省、、、

単に反省するのではない。

この学校の運動部の伝統で、サボり、怠慢、ズルをした場合に、その生徒は“反省”として、壁際で直立し、他の部員から叱責を受ける伝統があった。

純一は、その集団リンチのような伝統が嫌いで、回りを囲んでの叱責は禁じた。

自分の“自分の誤っていたこと”、“なぜその過ちを犯したのか”、“これからどうするか”の三点を言わせるだけにしている。

その“反省”を生徒は教師に強要する。

映像、録音音声で混乱する純一は、どうしていいか分からない。

「さっさと潔く反省しろっ!」

水島がキツく言う。

潔く、、、

そうだ、、、潔くし、キチンと話さないと、、、生徒の誤解を解かないと、、、

純一は、ノロノロと立ち上がり、サッカー部部室の壁の前に直立する。































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