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PART 9
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夏の強い日差しが降り注ぐグラウンド。
青年体育教師来生純一が足早に横切っていく。
普段のラフなジャージ姿ではなく薄手のサマースーツを身に付けている。
下校中の生徒は、その爽やかで颯爽とした姿に見とれる。
青年教師の凛々しい姿が眩しい。
放課後は部活で賑わっているグラウンドだが、今日は学年末試験期間中であるため、誰も居ない。
試験の間は部活は中止になっている。
体育の授業もなく、体育科の教師は試験監督に駆り出されるため、この間の純一はスーツ姿で通す。
体育科の教師の中には、試験期間中でも楽なジャージ姿で通すものもいるが、生真面目な純一は、キチンとスーツ姿を守っている。
今朝、登校すると、サッカー部の主将の水島が純一を待っていた。
「早くからどうしたんだ?」
純一は、水島の姿に驚いて聞いた。
「試験勉強は大丈夫か?」
進学熱の強いこの学校では、試験期間中、生徒は試験勉強に専念する。
朝のこの時間は、ノートの見直しや、付焼刃の暗記に励んでいるはずだ。
「直前になって、ジタバタするのは性に合わないんですよ」
水島がこたえる。
「それより先生、今日の午後にお時間をいただきたいんですが大丈夫ですか?」
「あぁ。大丈夫だ。今日の午後は特に予定は入っていない」
「良かった。サッカー部のことで相談をしたいことがあるんです」
その言葉に純一の顔がパッと明るくなる。
サッカー部。
彼が天塩にかけて育てている大事な存在。
そのサッカー部の主将が、試験期間という大事なときだというのに、部のことを考えてくれている。
水島の言葉が、純一には心から嬉しかった。
主将の水島も、一時期反抗的になっていたが、最近は自覚したのか熱心さを取り戻している。
試験の少し前にも、部員の結束を固めたいと必勝祈願のお守りを部員全員分を用意してきた。
“来生先生も、俺たちの仲間なんだから、このお守りをつけてくださいね”
そう言いながら、純一の鞄の持ち手にその可愛いお守りを付けてくれた。
“大事にしてくださいね”
“あぁ、もちろんだ”
純一は心底、喜んだ。
今も登校時に手にした鞄の側面でそのお守りが揺れている。
水島の顔を愛おしそうに見ながら純一は言った。
「分かった。午後に相談室を予約しておくか、、、」
「いえ、副部長の二人も一緒に相談したいんで部室でも良いですか?身体の動きも見てほしいから広い方が良いと思うんです」
「分かった。部室だな。しかし、試験勉強は大丈夫か?試験期間後でも、俺は時間を作るが」
体育科の教師は、試験中は比較的、時間に余裕がある。
そんな自分を気遣ってくれているかと思ったのだ。
「試験の最終日にサッカー部のミーティングをする予定で、その前に方針を固めたいんです。最近、部活への出席率も落ちているから、やり方を考えようと思って、試験中先生と相談をしたいんです」
その前向きの言葉に純一の顔が輝き、にっこりと笑う。
男らしく、爽やかな笑みだ。
「分かった。時間はどうする?」
「試験は12時に終わるから、食事を取ったあと、1時からではどうですか?」
「了解した」
試験は午前中で終わる。
だから午後はフリーだ。
純一は言われた時間に間に合うように、グラウンドを歩いていく。
向かっているのは、校舎とグラウンドを挟んで反対側にある部室棟。
新校舎の落成と共に使わなくなった古い校舎の教室に仕切りの壁を設置し、生徒の使う部室を複数設置している。
新築の現代的で明るい新校舎とは対照的に、年季を感じさせる剥き出しのコンクリートの武骨な建物だ。
教室を2つから4つに仕切り、部の規模に応じて部屋があてがわれる。
サッカー部の部室は地下にある。
部員のロッカーを壁際に設置しなくてはならないため、運動部の部室は窓のない地下室が優先的にあてがわれていた。
地下とはいっても壁の上部には明かり取りの窓があり決して暗いというわけではない。
そして、用具を片付ける場所が必要であるため、地下の運動部用の部室は広めに作られている。
純一は古びた銅製の観音扉の前に立つ。
まるで牢獄のような厳めしい造り。
この扉の施錠はいまだに錠前で行われており、セキュリティ万全な新校舎とは雲泥の差だ。
この古びた部室棟を嫌っているものは多い。
教師ですらさっさと建替えすればいいのにとの意見が大勢だ。
使い勝手が悪い上に、陰鬱で重苦しいと言うのである。
だが、今の純一の心は逸っていた。
校舎の薄暗い玄関、冷たい石造りの廊下にも気分を殺がれることがない。
早く大切なサッカー部の部員達と、部活のことについて話し合いたい。
部員達の健気な顔を見て癒されたい。
心からの想い。
今の純一の心の支えであるサッカー部とその部員達。
サッカー部のことを考えている時だけが、心の癒しなのだ。
酔っていたとはいえ、不覚にも聖職である教師が足を踏み入れるには不適切な場所に赴き、そして、まさかの教え子達に出くわし、凌辱されたあの夜から、純一の悔恨は続いている。
度々の呼び出し。
どんなに嘆願しようと素っ裸に剥かれ、全身をいたぶられる。
そして、恥ずかしいことに、自身も反応し、肉体の快楽を拒めず、身を捩り、ついさっきまでの“止めてくれ”と嘆願した同じ口で、“お願いだからイカせてくれ”と真逆の嘆願を口にする。
思い出しただけで心が切り裂かれる。
呼び出しだけでなく、校舎内で不意に襲われることもある。
純一が一人になった瞬間を突いて。
体育倉庫、、、
放課後の相談室、、、
トイレで待ち伏せされ、個室に連れ込まれ、口で奉仕を強要されたこともある。
締めた個室の扉の向こうで、後から用を足しに入ってきた者の足音、話し声に怯えながら、早く生徒を満足させようと必死で生徒の若いサオを吸い、舌を動かした。
それが生徒達を喜ばせたようで、トイレで待つだけではなく、わざわざ教員室や体育教官室に現れ、親しげに“先生、連れションしようぜ、、、”などと言ってくるまでになっている。
純一の青ざめた顔など気づかず、周囲の教師達は、問題生徒が純一にだけ心を開いていると勘違いし、“こりゃ、浜田くんと菊池くんの面倒は来生先生にお願いすれば大丈夫だな、、、”などと言う。
二人の担任などは問題生徒を押し付ける相手が出来たと喜んでいるようだ。
生徒達の狙いは授業を間近に控える教師をトイレに連れ込み、ズボンと下着を無理に降ろし、むき出しになった下半身を弄り、勃起させた揚げ句、授業が間も無く始まると告げる予鈴のチャイムがなると、放出させぬまま放り出すことだ。
純一は、ジャージあるいはサッカーパンツを引き上げ、授業が行われるグラウンド、体育館、教室まで急ぐ間に、股間の逸物の猛りを鎮めなければならない。
必死だ。
若く、健康な身体にはキツい行いだ。
そして、そんな時には、普段は授業はほとんどサボっているというのに、必ず生徒達も出席し、ニヤニヤと股間の膨らみを隠そうとする教師を見つめるのだ。
さらに、授業の試技にかこつけ、敏感な部分を触られることもある。
孤高を気取る3年の浜田、菊池はニヤニヤするだけだが、お調子者で通っている栗山など、“すっげー、やっぱり大人のチンチンってでかいっ!”などと言い純一の股間をガシッと掴むだけでなく、同級生達に“触ってみろよ、スゲぇぜっ!”と煽ったりする。
“やめろ、、、やめるんだ、、、授業中だ、、、”
顔を羞恥で真っ赤にし、必死に延びてくる生徒達の手を払う純一の姿を、校庭の隅で授業をサボっている浜田と菊池が笑いながら見、スマホでムービーを取る。
後で素っ裸に剥いた純一に、それを見せて嘲り、罵ろうというのだろう。
だから、純一は、学校内では一人になることを必死で避けた。
トイレに行くことさえ、怖かった。
周囲を伺い、こそこそしなければならなかった。
それでもこの間の土曜の放課後のように、隙を突いて生徒は現れる。
だから、グラウンドを横切る時も足早になってしまう。
だが、長身で体育教師らしく鍛えられた肉体を持つ純一が足早に歩く姿は、事情を知らないものからは、やる気に満ち、颯爽としたものと映った。
生徒達は気まぐれだ。
1日に何度も襲ってくることもあれば、数日間、放っておかれることもある。
気が休まらない。
では、学校から帰り、呼び出しを受けぬまま迎えた夜は安心できるかと言えばそうではない。
一度肉体に与えられる快楽の悦びを知ってしまった下半身は、精子が溜まってくると放出したがる。
が、自身のおっ立った逸物を見ると生徒に凌辱された自分の情けない姿を思い出し、自慰行為をすることが出来ない。
だから、下半身は熱く疼き、頭は後悔と自己嫌悪で引き裂かれ、蛇の生殺しのような夜が続く。
そして、股間が重く溜まった状態で生徒の急襲を受けると、呆気なく堕ちて、身体を開いてしまう。
そして、自己嫌悪が増す。
そんな純一にとって、唯一の安心し、集中できる時間が、週三回のサッカー部の部活だった。
可愛い生徒達に囲まれ、大好きなサッカーを通じ絆を深め、そして、思い切り身体を動かすことが出来る。
唯一の心を発散させることが出来る時間。
試験期間中は部活が休みのため、残念に思っていたが、水島がサッカー部のことで相談に来てくれた。
試験勉強よりも、サッカー部の活動を優先させてくれている。
水島がそこまでサッカー部のことを考えてくれていることが嬉しかった。
だから、“俺も教師として自覚を持ち、生徒に接しないと、、、”と、純一は、心の中で誓っていた。
次に浜田達に呼び出された時は、心を強く持ち、キッパリとこの関係はやめると宣言しよう。
心から話し合おう。
彼らも分かってくれると信じて。
もし、スマホの画像やムービーをばら蒔くと脅されたら、、、
その時は甘んじて受けよう。
辞表を書いて、生徒と関係を持った罪を償おう。
そう、純一は、心に誓い、石造りの廊下を進み、地下への階段を降りていった。
青年体育教師来生純一が足早に横切っていく。
普段のラフなジャージ姿ではなく薄手のサマースーツを身に付けている。
下校中の生徒は、その爽やかで颯爽とした姿に見とれる。
青年教師の凛々しい姿が眩しい。
放課後は部活で賑わっているグラウンドだが、今日は学年末試験期間中であるため、誰も居ない。
試験の間は部活は中止になっている。
体育の授業もなく、体育科の教師は試験監督に駆り出されるため、この間の純一はスーツ姿で通す。
体育科の教師の中には、試験期間中でも楽なジャージ姿で通すものもいるが、生真面目な純一は、キチンとスーツ姿を守っている。
今朝、登校すると、サッカー部の主将の水島が純一を待っていた。
「早くからどうしたんだ?」
純一は、水島の姿に驚いて聞いた。
「試験勉強は大丈夫か?」
進学熱の強いこの学校では、試験期間中、生徒は試験勉強に専念する。
朝のこの時間は、ノートの見直しや、付焼刃の暗記に励んでいるはずだ。
「直前になって、ジタバタするのは性に合わないんですよ」
水島がこたえる。
「それより先生、今日の午後にお時間をいただきたいんですが大丈夫ですか?」
「あぁ。大丈夫だ。今日の午後は特に予定は入っていない」
「良かった。サッカー部のことで相談をしたいことがあるんです」
その言葉に純一の顔がパッと明るくなる。
サッカー部。
彼が天塩にかけて育てている大事な存在。
そのサッカー部の主将が、試験期間という大事なときだというのに、部のことを考えてくれている。
水島の言葉が、純一には心から嬉しかった。
主将の水島も、一時期反抗的になっていたが、最近は自覚したのか熱心さを取り戻している。
試験の少し前にも、部員の結束を固めたいと必勝祈願のお守りを部員全員分を用意してきた。
“来生先生も、俺たちの仲間なんだから、このお守りをつけてくださいね”
そう言いながら、純一の鞄の持ち手にその可愛いお守りを付けてくれた。
“大事にしてくださいね”
“あぁ、もちろんだ”
純一は心底、喜んだ。
今も登校時に手にした鞄の側面でそのお守りが揺れている。
水島の顔を愛おしそうに見ながら純一は言った。
「分かった。午後に相談室を予約しておくか、、、」
「いえ、副部長の二人も一緒に相談したいんで部室でも良いですか?身体の動きも見てほしいから広い方が良いと思うんです」
「分かった。部室だな。しかし、試験勉強は大丈夫か?試験期間後でも、俺は時間を作るが」
体育科の教師は、試験中は比較的、時間に余裕がある。
そんな自分を気遣ってくれているかと思ったのだ。
「試験の最終日にサッカー部のミーティングをする予定で、その前に方針を固めたいんです。最近、部活への出席率も落ちているから、やり方を考えようと思って、試験中先生と相談をしたいんです」
その前向きの言葉に純一の顔が輝き、にっこりと笑う。
男らしく、爽やかな笑みだ。
「分かった。時間はどうする?」
「試験は12時に終わるから、食事を取ったあと、1時からではどうですか?」
「了解した」
試験は午前中で終わる。
だから午後はフリーだ。
純一は言われた時間に間に合うように、グラウンドを歩いていく。
向かっているのは、校舎とグラウンドを挟んで反対側にある部室棟。
新校舎の落成と共に使わなくなった古い校舎の教室に仕切りの壁を設置し、生徒の使う部室を複数設置している。
新築の現代的で明るい新校舎とは対照的に、年季を感じさせる剥き出しのコンクリートの武骨な建物だ。
教室を2つから4つに仕切り、部の規模に応じて部屋があてがわれる。
サッカー部の部室は地下にある。
部員のロッカーを壁際に設置しなくてはならないため、運動部の部室は窓のない地下室が優先的にあてがわれていた。
地下とはいっても壁の上部には明かり取りの窓があり決して暗いというわけではない。
そして、用具を片付ける場所が必要であるため、地下の運動部用の部室は広めに作られている。
純一は古びた銅製の観音扉の前に立つ。
まるで牢獄のような厳めしい造り。
この扉の施錠はいまだに錠前で行われており、セキュリティ万全な新校舎とは雲泥の差だ。
この古びた部室棟を嫌っているものは多い。
教師ですらさっさと建替えすればいいのにとの意見が大勢だ。
使い勝手が悪い上に、陰鬱で重苦しいと言うのである。
だが、今の純一の心は逸っていた。
校舎の薄暗い玄関、冷たい石造りの廊下にも気分を殺がれることがない。
早く大切なサッカー部の部員達と、部活のことについて話し合いたい。
部員達の健気な顔を見て癒されたい。
心からの想い。
今の純一の心の支えであるサッカー部とその部員達。
サッカー部のことを考えている時だけが、心の癒しなのだ。
酔っていたとはいえ、不覚にも聖職である教師が足を踏み入れるには不適切な場所に赴き、そして、まさかの教え子達に出くわし、凌辱されたあの夜から、純一の悔恨は続いている。
度々の呼び出し。
どんなに嘆願しようと素っ裸に剥かれ、全身をいたぶられる。
そして、恥ずかしいことに、自身も反応し、肉体の快楽を拒めず、身を捩り、ついさっきまでの“止めてくれ”と嘆願した同じ口で、“お願いだからイカせてくれ”と真逆の嘆願を口にする。
思い出しただけで心が切り裂かれる。
呼び出しだけでなく、校舎内で不意に襲われることもある。
純一が一人になった瞬間を突いて。
体育倉庫、、、
放課後の相談室、、、
トイレで待ち伏せされ、個室に連れ込まれ、口で奉仕を強要されたこともある。
締めた個室の扉の向こうで、後から用を足しに入ってきた者の足音、話し声に怯えながら、早く生徒を満足させようと必死で生徒の若いサオを吸い、舌を動かした。
それが生徒達を喜ばせたようで、トイレで待つだけではなく、わざわざ教員室や体育教官室に現れ、親しげに“先生、連れションしようぜ、、、”などと言ってくるまでになっている。
純一の青ざめた顔など気づかず、周囲の教師達は、問題生徒が純一にだけ心を開いていると勘違いし、“こりゃ、浜田くんと菊池くんの面倒は来生先生にお願いすれば大丈夫だな、、、”などと言う。
二人の担任などは問題生徒を押し付ける相手が出来たと喜んでいるようだ。
生徒達の狙いは授業を間近に控える教師をトイレに連れ込み、ズボンと下着を無理に降ろし、むき出しになった下半身を弄り、勃起させた揚げ句、授業が間も無く始まると告げる予鈴のチャイムがなると、放出させぬまま放り出すことだ。
純一は、ジャージあるいはサッカーパンツを引き上げ、授業が行われるグラウンド、体育館、教室まで急ぐ間に、股間の逸物の猛りを鎮めなければならない。
必死だ。
若く、健康な身体にはキツい行いだ。
そして、そんな時には、普段は授業はほとんどサボっているというのに、必ず生徒達も出席し、ニヤニヤと股間の膨らみを隠そうとする教師を見つめるのだ。
さらに、授業の試技にかこつけ、敏感な部分を触られることもある。
孤高を気取る3年の浜田、菊池はニヤニヤするだけだが、お調子者で通っている栗山など、“すっげー、やっぱり大人のチンチンってでかいっ!”などと言い純一の股間をガシッと掴むだけでなく、同級生達に“触ってみろよ、スゲぇぜっ!”と煽ったりする。
“やめろ、、、やめるんだ、、、授業中だ、、、”
顔を羞恥で真っ赤にし、必死に延びてくる生徒達の手を払う純一の姿を、校庭の隅で授業をサボっている浜田と菊池が笑いながら見、スマホでムービーを取る。
後で素っ裸に剥いた純一に、それを見せて嘲り、罵ろうというのだろう。
だから、純一は、学校内では一人になることを必死で避けた。
トイレに行くことさえ、怖かった。
周囲を伺い、こそこそしなければならなかった。
それでもこの間の土曜の放課後のように、隙を突いて生徒は現れる。
だから、グラウンドを横切る時も足早になってしまう。
だが、長身で体育教師らしく鍛えられた肉体を持つ純一が足早に歩く姿は、事情を知らないものからは、やる気に満ち、颯爽としたものと映った。
生徒達は気まぐれだ。
1日に何度も襲ってくることもあれば、数日間、放っておかれることもある。
気が休まらない。
では、学校から帰り、呼び出しを受けぬまま迎えた夜は安心できるかと言えばそうではない。
一度肉体に与えられる快楽の悦びを知ってしまった下半身は、精子が溜まってくると放出したがる。
が、自身のおっ立った逸物を見ると生徒に凌辱された自分の情けない姿を思い出し、自慰行為をすることが出来ない。
だから、下半身は熱く疼き、頭は後悔と自己嫌悪で引き裂かれ、蛇の生殺しのような夜が続く。
そして、股間が重く溜まった状態で生徒の急襲を受けると、呆気なく堕ちて、身体を開いてしまう。
そして、自己嫌悪が増す。
そんな純一にとって、唯一の安心し、集中できる時間が、週三回のサッカー部の部活だった。
可愛い生徒達に囲まれ、大好きなサッカーを通じ絆を深め、そして、思い切り身体を動かすことが出来る。
唯一の心を発散させることが出来る時間。
試験期間中は部活が休みのため、残念に思っていたが、水島がサッカー部のことで相談に来てくれた。
試験勉強よりも、サッカー部の活動を優先させてくれている。
水島がそこまでサッカー部のことを考えてくれていることが嬉しかった。
だから、“俺も教師として自覚を持ち、生徒に接しないと、、、”と、純一は、心の中で誓っていた。
次に浜田達に呼び出された時は、心を強く持ち、キッパリとこの関係はやめると宣言しよう。
心から話し合おう。
彼らも分かってくれると信じて。
もし、スマホの画像やムービーをばら蒔くと脅されたら、、、
その時は甘んじて受けよう。
辞表を書いて、生徒と関係を持った罪を償おう。
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