DARK V.I.P ROOM~聖職より堕ちた体育教師純一(初期試作バージョン)

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PART2

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最初は中学の時だった。

初々しい少年だった純一。

思春期だ。

その頃から、すらりとしたスポーツ体型であったが、まだ幼い柔らかさも併せ持っていた。

サッカーに打ち込む毎日。

帰宅時間は遅かった。

だが、その日は期末試験だった。

試験は早く終わる。

部活もない。

その日、家には来客があると告げられていた。

来客が居るとどうしても話声で勉強に集中できない。

そこで、途中駅の図書館に行くことにした。

駅を降り、図書館への道を進む純一。

そして、図書館の隣の公園の前、目にした光景に心臓がバクンと高鳴り、全身に衝撃が走った気がした。

それは、ありふれた光景だった。

マンションの工事現場。

ちょうど休憩時間だったのか、二人の若い作業員が上半身裸になり、溢れる汗をぬぐっていた。

ブットイ腕。

厚い胸。

引き締まった腰。

日に焼けた肌。

その褐色の肌よりも濃い色の乳輪。

初めて間近に見る鍛えられた大人の男のムッとくるような上半身の裸体。

二人ともに髭を生やしていた。

一人は厚い胸板に、剛毛を生やしている。

荒々しい雰囲気の男二人。

目が離せなかった。

その二人が自分を見て、強引に腕をつかみ、工事現場の物陰に引き摺り込んだら…

訳もなくそんな妄想が湧き始めた。

そして、気づくと純一の若い分身は怒張していた。

ハッと気づき、鞄で前を隠す。

やがて、年配の作業員に呼ばれ、二人は立ち去った。

だが、二人のワイルドな体は純一の脳裏に刻み付けられた。

その男臭い二人が、純一に近づいてきて、逃げようとする純一を無理やり物陰に連れ込み荒々しく抱きしめる…

それを考えると、純一は体の芯から震え、頭はくらくらし、股間の高まりは抑えられなかった。

意思でコントロールしようとしても、別の生き物のように言うことを聞かない。

それどころかジリジリとした焦燥感のような不思議な衝動が、さらに股間から突き上げてくる。

もう堪らなかった。

純一は、図書館脇の公園の古びた公衆便所に飛び込み、ズボンを降ろし、股間をこすりあげた。

ボリュームはあるがまだ、若く新鮮な逸物を、荒々しく扱う。

マスタベーションの知識は級友たちから仕入れていた。

性的にストイックだった純一は、自分はそんなふしだらなことは絶対しないと心に誓っていた。

しかも、厳格な両親から禁忌と教えられてきた同性を対象にそんなことをするのは、もってのほかだ。

だが、工事現場で見た男臭い二人の姿は、純一の理性のタガを飛ばした。

自分から男を愛することはタブーだ…だが、無理矢理に手籠めにされたら?

自分の意志でなく、強要されたら?

純一の意識の奥底で、自覚はなく、そんな思考が芽生えた瞬間だった。

そして、性欲という己の意志と無関係に暴れまくる生き物との戦いが始まった瞬間でもあった。

絶頂はすぐにやってきた。

トイレットペーパーに手を伸ばす暇もなく、大量のものが迸り、公衆便所の壁をベチャッと汚し、床に滴った。

だが、人並み以上に健康な肉体に宿る若い性欲がそれだけで満足するわけがない。

股間の肉棒は衰えることを知らず、それを握りしめた純一の手の動きも止まらない。

二度目…三度目…

純一の初々しいピンク色の鈴口から迸る液体は、公衆便所の壁を床を汚し続けた。

腰が抜けるようだった。

それ以来、純一は街で荒々しそうな自分を抑え込むことが可能そうな筋骨たくましい男を見ると目で追うようになった。

路上でたむろする男臭いヤンキー達を見ると輪姦される自分を想像するのが抑えられなかった。

もともと純一は長身で爽やかな男前である。

ヒネクレ者の反感を買いやすい。

ヤンキーの中には、露骨にガンを飛ばしてくるものもいる。

その鋭く凶暴な視線を感じながら、純一はゾクゾクとし、人前だといくら考えても、分身が頭をもたげ始めるのを止められなかった。

そして、近くの公衆便所に駆け込むまで、狂おしい時間を過ごすのだった。

 ある時、映画館の前で友達とばったり会い、驚かれたことがある。

その映画館で上映されていたのは、さわやかさの象徴ともいえるストイックなスポーツマンの純一のイメージに合わない古い極道映画だったからだ。

「チケットをただでもらったんだよ…」

 頬を不自然に紅潮させながら純一は、友達に言った。

そうなんだ…友達はあっさり納得し去っていった。

もちろん嘘だった。

荒々しい極道物…

純一は、時に上半身を脱ぎ、彫り物で威嚇する登場人物たち、とくに悪役をを見ながら、理不尽に翻弄される自分を映画館の客席で想像していたのだ。

そして、映画館のトイレの個室に飛び込む。

 そのあとの強烈なマスタベーションの後、深い自己嫌悪に陥り、二度とこういう真似はすまいと心に誓うのだが、数か月もたつとじりじりと体の中を這う炎を抑え込むことができなくなる。

同世代の若者にしたら回数は圧倒的に少なかったが、抑え込んだその分一回、一回の快感は強烈で、誰かに強制的に肉体関係を強いられるという妄想は深く心に沁みついていった。

 そんな自分を恥じ、溢れる肉体的な力をサッカーに打ち込み、元からの才能もあったのだろう、彼は若き選手として頭角を現し、大きな大会にも選抜されるようになった。

 だが、有名になることは彼の本意ではなかった。

 人に注視されること、ファン達に追い回されること…

自分が隠している秘密がいつばれるか冷や冷やすることばかりだった。

 そして、多くのチームからのスカウトを蹴って、彼は大学に進学し、教職課程をとった。

 彼は、学校が好きだった。

 教師や友達に恵まれた。

 だから、イジメや校内暴力のニュースに触れると心が痛んだ。

 自分が悩んでる子供たちの力になれないか真剣に悩んだ。

 そして、教師の道を選んだのだ。

 夢はかなった。

 やる気満々の新米教師は学園の人気者になった。

 
だが、性癖というものはそんなに変わるものではない。

教壇に立っていても、荒々しさを纏った札付きの生徒を見て、妄想が頭をもたげることがあった。

純一のストイックで生真面目な性格上、生徒をオカズにすることは出来ず、もちろん、学校の便所に飛び込むこともなかったが…

成長し、さらに教師になってからは、純一は少年期以上に厳しく自分を律した。

聖職である教壇の上に立っているときはもちろん、顧問であるサッカー部の生徒たちを指導している時も、全身全霊で打ち込んだ。

立派な教師になろうと心に誓い、それを実行しようとしていた。

その分若く勢力に溢れた純一の下半身は生物的な意味でも、精神的な意味でも重く溜まっていることを、本人は全く自覚していなかった。

 そして、三年目の初夏、その運命の夜は、やってきた。

ストイックで己を律することを信念にしていた彼の油断をついて…

 

その日は、創立記念日の前日、教師同士の飲み会が恒例になっている日だった。

翌日は創立記念日で休み。

教師も羽を伸ばせる日だった。

一度家に帰った純一は、失礼でない程度のスラックスと白いYシャツに着替え、店に向かった。

純一は、飲み会が好きではなかった。

彼女はどうだ?とか、夜の営みは最近いつやった?といったプライベートにずかずかと這入って来るデリカシーのない会話や、下品な下ネタなど、付き合っているだけで苦痛だった。

しかも、純一は若く、凛々しく、スラックスの上からもそれと分かるボリュームを持っている。

そう言った話題を振られることが多かった。

だが、職場の人間関係を考えると嫌な顔もできない。

その日も調子を合わせて、純一は心底疲れた。

しかも、日本酒を飲まされ、純一にしてはかなり酔っていた。

同僚達ばかりでなく、店の女将まで純一によく酒を注いできた。

タクシーに乗り近くの繁華街に繰り出すという同僚たちのしつこい誘いを振り切り、純一は帰途に着いた。

どうせ二次会はキャバクラだろう、下手をするとその後に風俗が待っている。

行きたくもない。

純一は、みなと別れ駅の反対方向に向かいだした。

 無防備に歩く純一。

彼は、自分自身が持つ魅力に全くと言っていいほど無頓着だった。

行き違った酔客の目が自分の顔にとまったのも意に介さない。

そしてその目が股間に止まったのも。

通り過ぎた彼を振り返り、物欲しそうに酔客は見続ける。

彼の後姿…長身に幅広い肩、ベルトで締められた腰に続くシャツの上からでもわかる鍛えられたライン、そして、スラックスの生地も弾けんばかりの質感のある尻、太腿…

ファッションに興味がなかった純一に店員が勧めたスラックス。

サッカーで鍛えられた下半身を持つ純一には、既製品ならワンサイズ大きいものを勧めるのが店員のセオリーだったろう。

しかし、その店員は自分の審美眼に従った。

ワンサイズ上では、純一の美しい下半身のフォルムを活かさない。

そして、縫製のしっかりしているタイプを勧めた。

発達した太腿の筋肉、鍛えられてボリュームのある尻、それに密着するような生地。

試着室では、履き難かった。

だが、店員は、フィッティングルームのカーテンの向こうからそういうものだと説明した。

他人より大きい局部の盛り上がりのせいで、ジッパーを上げづらかったが、それは恥ずかしくて店員に言えなかった。

もちろん、そんなこと店員にはお見通しだったが。

店員は、言葉巧みに特別な社員割引にするから、またその店を利用してくれと言い、純一は安くなるし、面倒な服選びをその店員がやってくれるので、服はそのショップで常に買っていた。

その為、彼の着る服は彼の鍛えられた身体の美しさを際立たせる効果を持っていた。

道行く人が目を止めるのも当然だ。

だが、彼は自分の容姿が人目を引くということに関し、無自覚だった。

それが、教壇の上であっても、膨らんだ股間、そして、はち切れそうな尻を強調するスラックスが、、、鍛えられた上半身のトルソーをゆったりと強調するシャツが、、、生徒の目を眩しく射ていることなど考えもしなかった。

その無防備さが、ある意味、墓穴を掘ったともいえる。

彼の意に反してか、意を得てかは、まだ解らないが…

 警戒心のない純一は、徐々に人気のない方へ歩いていく。

彼の一人住まいのマンションは歩いて二・三十分の所にある。

タクシーに乗る距離でもなく、酔い覚ましにちょうど良い…

それは、自分に対する言い訳だったかもしれない。

 ちょうど四、五日前のことだ。

純一の住むマンションの前に一枚のハガキサイズのチラシらしきものが落ちていた。

それを見てギクリとした。

裸の筋骨たくましい男の股間をギリギリ隠した裸の画像がまず目に飛び込んできたのだ。

鍛えられ、濃い体毛に飾られた褐色の体。

純一はしばらく凝視した。

そして、ハッとし、周りを見回す。

通行人はいない。

衝動的にそのハガキ大のチラシを手に取り、スーツの内ポケットに入れ、足早にマンションに入る。

自分の部屋に飛び込むと、鍵を閉めるのももどかしく、そのチラシを取り出す。

そこには「逞しい男と男、秘密の出会いの場、オープン」と書かれていた。

オープンの日付は、数日後、、、

創立記念日の前日、飲み会の予定されている日だ。

よく見ると、くっきりと写った筋骨たくましい男の背景は、絡み合う男たちの姿が体型を変え、いくつもうっすらと写っていた。

地図も載っている。

ちょうど飲み会が予定されている店と純一のマンションを繋ぐ道の近くだ。

土地勘のある場所。

地図から行くと、神社の裏にある高い塀に行き当たる袋小路にその店の入口は面している。

朝や休日などのジョギングをする時にたまに通るあたりで、人通りは少ない辺りだということは知っている。

ムラムラと欲情に火が付く。

 ダメだ…ダメだ…行き当たりばったりで男とセックスするなんて、教師としてあるまじきことだ。

 不道徳だっ!

純一は自分に言い聞かせる。

純一は性に関して、中途半端な知識しか持っていなかった。

自分からそういった情報を遠ざけていたところもある。

そのため、セックスに対する考え方がいびつに歪んでしまっていたことを本人は気づいていなかった。

そのチラシは捨てることができず、机の奥に仕舞い込まれた。

が、その位置を記した地図、オープンの日付は脳裏に刻み込まれていた。

 
そして飲み会の夜がきた。

 日本酒の酔いが、純一の理性を緩くしていた。

チラシの絵柄が頭の中をグルグル回っている。

まっすぐ帰るんだ…まっすぐ…

チラシにあった地図。

しっかりと脳裏に焼き付いている。

その場所のある袋小路に繋がる曲がり道が近づいてくる。

何もその店に入るわけじゃない…酔い覚ましにちょっと遠回りをするだけだ…

純一は、フラフラとその地図の示していた方向に曲がる。

心臓がドキドキし始めたのは、酔いのせいだけではない。

神社の森のシルエットが近づいてくる。

袋小路はすぐだ。

純一の足が、速くなる。

自分でも、もう自分が何をしたいのかが解らない。

衝動で動いている。

袋小路をのぞき込む。

看板はない。

暗い小道。

ちょっとがっかりする。

道を通り過ぎる。

通行人はいない。

店がある気配はない。

 道を間違えたのか…

本当にその店はあるのか…

確認するくらいはいいだろう。

そう、袋小路にちょっと入るぐらいなら、何も悪いことじゃない。

奥まで行って引き返すだけだ。

何も大したことじゃない。

言い訳のように心の中で思う。

 そして、純一は袋小路に入った。

その中ほど、明かりのついていない建物の地下に下りる階段の踊り場にひっそりとブルーの看板がついていた。

チラシと同じロゴ…

ズキンッと胸に衝撃が走る。

ほんとにあった。

頭が混乱しだした。

チラシにオープンと書いてあった割には、看板が古びていることを疑問には思わない。

それより以前に、男と男の出会いの場という非日常的な空間のチラシが、住宅街の真ん中にある純一のマンションの前に落ちていたという不自然さにも気づいていなかった。

入るか、入らないか…

純一の頭の中で、その二択が渦を巻いていた。

長い躊躇いの後、結局彼は怖気づいた。

本人としては己を律したと思っていたが。

 ダメだ・・こんなことダメだ…

 踵を返し広い通りに出る。

 変なことを考えず、家へ帰るんだ。

 自分に言い聞かせる。

そして、街頭で明るくなっているところに来た時、いきなり後ろから腕をつかまれた。

振り返ると、純一より背が低いが体格のいいさわやかな顔立ちの若者が立っていた。

大きな澄んだ目で純一をじっと見ている。

髪は今風にセットされ、顎鬚がある。

肌は浅黒く焼けている。

純一は、体が動かなかった。

「ねえ。さっき、あの店の前にいたよね」

 純一は答えられない。

 「よかったら、一緒に行かない?一人で入るのも嫌だから一緒に行ってくれる人を探してたんだ、、、」

 腕の捕まれたところがジンジンしている。

いきなり若者はもう片方の手で純一の股間をつかんだ。

掴まれた瞬間、、

初めて他人の手で勃起した逸物を触られた純一の体に電流にも似た快感が走る。

意に反して、股間が急速に反応を始める。

 「すげぇ。デカイし、ビンビンじゃん。行こうっ」

 そういって若者は、純一の腕を引っ張った。

純一は抵抗しない。

純一の息は、荒くなっていた。

袋小路に戻り、地下への階段を降りる。

踊り場を回ると、鉄製の分厚いドアが無機質にあった。

若者は、片手で純一の腕を掴んだままその扉を開け、純一を引っ張り込む。

薄暗い店内。

カーテンが引かれた台がある。

横に、代金はお帰りの時に、と、書いてある。

 「二人」

 若者がそう言うと、カーテンの下から数字のついたロッカーの鍵らしきものが二つ、出てきた。

純一の頭は冷たいんだか熱いんだかわからない混乱状態だった。

だが、もう、後に引けないのだけは解っていた。

 
暗く狭い廊下を進み、ロッカールームに入る。

二人は並んだロッカーの鍵を渡されていた。

純一に鍵を渡すと、若者は上半身から脱ぎだした。

躊躇いのない脱ぎっぷりだ。

鍛えられた体が露わになっていく。

純一は生唾を飲み込む。

その若者の肌から目が離せない。

 「脱がないの?」

 純一が答えに躊躇していると、

 「恥ずかしいなら、そこにバスタオルが置いてあるよ」

 と、指をさされた。

 純一はそこから、バスタオルを取ると、若者に背を向け脱ぎだした。

若者の肌の熱さを背中に感じながら、、、

ボタンを外すのももどかしくワイシャツを脱ぐ。

そして、タンクトップ。

鍛えられた上半身が露わになっていくとともに、純一の心が解放されて行く気がする。

背徳感と同時に解放感が生まれてくる。

靴を脱ぎ、ベルトを外し、バスタオルを巻き、スラックスとボクサーブリーフを一気に脱ぐ。

 「もしかして、お兄さん、こういうところ初めて?」

 純一は、後ろ向きのまま頷く。

そして、ふと、そのお兄さんという呼び方に違和感を抱く。

 まさか、未成年だったら…

 

「き、君、いくつだい?」

 上擦った声で聴く。

 「俺?もう21だよ。大学生」

 良かったと思い、脱いだ服をロッカーに突っ込み、若者のほうを向く。

そして、目を見開く。

完璧といっていいほど綺麗な鍛えられた体だった。

何らかのスポーツに打ち込んでいるのは間違いない。

凹凸のしっかりした裸体だった。

しかも、身体には金のネックレスを付けただけ。

勃起を隠そうともしていない。

純一はといえば、腰に巻いたバスタオルの生地を怒張したものが突き上げている、見方によってはみっともない姿だった。

 「お兄さん、カッコいい体…」

 若者が抱きついてくる。

その肌の感触にゾクっと体が震える。

コリコリとした筋肉が純一を興奮に駆り立てる。

若者が、純一のタオルを取る。

ハラリと落ちる。

純一の股間がむき出しになった。

「おっきい、、、」

そう言いつつ純一の肉棒を触る。

あっ、、、、!

ぞくぞくっと感じたことの無い快感が鍛えられた身体の芯を駆け上がり、純一は思わず短い声をあげてしまう。

 「何人も泣かせてきたんでしょ」

 純一は首を振り、答える。

 「まさか…」

 二人の荒い息が重なる。

 「初めてってわけじゃないでしょ…」

 羞恥心もありしばらく純一は答えられずにいた。

 「初めてなの?」

 純一は、コクリとうなずく。

 その瞬間、

 カシャッ、、、

 音が続く。

 カシャッカシャカシャカシャカシャッ、、、

連写。

 純一がぎょっとして振り向くと、そこにスマホをかざした大柄の若者が立っていた。

 しゃ、写真を撮られた…

 「賭けは俺の勝ちだな」

 ふてぶてしく笑いながら言う。

 抱きついていた若者が、純一から離れる。

 「まさか、こんないい男がこの年までチェリーだなんて思ってなかったもん」

 純一の頭は真っ白になった。

 「お、お前は、浜田…三年の浜田…」

 絞り出すように言う。

 学校一の札付きの問題児。

そして、教壇の上の純一の妄想を刺激した存在が目の前にいた。

 さらに後ろから一人のロンゲが現れる。

 「きっ、菊池か?」

 「よっ、淫行教師っ」

 菊池と呼ばれたロンゲが純一に言う。

 二人とも教え子だった。

それも素行の悪いことで問題視されていた二人。
 
純一の体がガタガタ震えだす。

 まさかっ!

 純一は、若者を振り返る。

 若者は、顎の付け鬚をはがしているところだった。

 「大人っぽく見えた?学校じゃ目立ってもしょうがないから髪は降ろしてるんだ。あと、授業中はメガネ。遊ぶ時だけコンタクト」

 面影が浮かび上がる。

 「2年の栗山かっ!」

 確か器械体操の選手だ。

直接教えてはいないが、その存在は覚えていた。

 純一はコトの大きさが解りはじめる。

 後ろを振り向くと、浜田と菊池も脱ぎ始めている。

 「ヒッ!」

 思わず悲鳴のような声が純一から漏れる。

 浜田の露わになりつつある体に恐れをなしたのだ。

 総合格闘技をやっていて、喧嘩では負けなしというだけあって、ノミで荒削りしたような筋の浮き上がった鍛え抜かれた凶器のような筋肉をしている。

 盛り上がった胸筋にもっさりと生えた胸毛が男臭さを増している。

 そして、ズボンを脱ぎ捨てると頭をもたげたコブラのように禍々しい印象のある黒光りするような逸物。

 使い込まれていることがわかる。

 尋常ではない大きさだ。

 「先生、栗山ばかり贔屓せず、俺たちとも楽しもうぜ。明日は休みだろ」

 「だ、ダメだ…せ…生徒となんて…俺は教師だ…」

 純一が首を振りながら言う。

 そして、バスタオルを拾い、前を隠した。

 その瞬間。

 バチンッ

浜田が純一を平手打ちにした。

 「体裁ぶってんじゃねぇよ、このエロ教師っ!たった今まで、生徒相手にビンビンに立った竿を晒してたじゃねぇか」

頬を張られた純一がよろける。

赤く跡が残っている。

浜田は、それでも純一が股間を隠しているバスタオルを無理やりにとる。

 「ヒャァッ!やめてくれ、頼むっ」

 純一は両手で股間を隠す。

 「証拠の写真はとってあんだよっ。お前が生徒とチンポおっ立てて抱き合ってるところのなっ」

 純一の顔が苦悶に歪む。

 床に崩れるように体が沈む。

 土下座だ。

 素っ裸で年下の生徒に土下座している。

 「頼む、やめてくれ、頼む」

 「お前もさっきまでやる気満々だったじゃねぇか。お前さえ大人しくしていれば、黙っていてやるよ。こんなところじゃツマンネェ。奥のビップルームに行くぞ」

 三人は、土下座をする純一の体を、無理矢理抱え上げ、奥のほうへ向かおうとした。

 素っ裸の生徒三人になすが儘にされながら、純一の股間は再び猛りだした。

 それを目ざとく見つけた菊池が言う。

 「こいつ、チンポ立たせてるぜっ」

 浜田が言う。

 「マジで変態教師だなっ」

 笑う三人に運ばれながら、純一の心は恥辱で切り裂かれそうになる。

 これが、純一の無理やり誰かにセックスを強要されたいという妄想が現実となり始めた瞬間であった。

しかも、その内の一人は、妄想の対象になった浜田である。

妄想では思いもしなかった恥辱にまみれた状況ではあったが…

「ぁっ…頼むっ…ダメだ…やめてくれっ…おっ、俺は教師だっ…生徒とは…生徒とはダメだ…勘弁して、、、カンベンしてくれぇぇ、、、、っ!」

必死の叫び。

 素っ裸で教師を囲む三人の生徒は、欲望にぎらついた顔を隠そうともしない。

 純一の悲痛な言葉も聞き入れるはずがない。

尻込みをする青年教師を裸の三人の少年が無理やり抱え、暗く細い廊下を進む。

 正面には深紅のカーテンとV.I.Pと文字が刻まれた金のプレートがはめられた重厚なドア。

VIPルームが近づいてくる。 

はなしてぇっ、、、カンベンしてくれぇっ、、、、い、いやだっ、、、ゆるしてぇっ、、、

野太く男らしい声の悲鳴が狭い廊下に響く。
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