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Side Episode 01 グレンの大冒険
第16話(謎の襲撃者)
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すぐにオサムネやコジューローを中心とした親衛隊と警備隊を村に配備し、神隠しの現場を押さえようとした俺たちだったが、その作戦が完全に裏目に出てしまう事となる。
城の周りを手薄にしてでも各村の神隠しの原因を掴むために隊を分散させ、その報告を待つ体制にした。そして1日も経たない内に俺の元に岩山を守っていた警備隊が駆け込んでくる。
「グレン陛下っ!!巨大な生き物が現れました!!」
血相を変えて報告する警備隊員。親衛隊と警備隊が残っていれば迎撃体制が取れていたが、ほとんどを外側の村に配置してしまったため、ここには碌な戦力が残っていない。
「ちっ!仕方ない、我が出る!!」
「貴方、本当に気を付けて……なんだかとても悪い予感がするの」
「大丈夫だ。今までどんな難敵も退けてきたんだ。今回も同じだ」
引き留めようとするフランを振り切り、俺は住居を飛び出す。
「な、なんだ?あれは……」
住居から出てすぐに巨大な生き物が目に入る。まるで熊のような大きさで、頭以外は毛で覆われていない生き物が、草を細かく編んだものを投擲し、跳びネズミを捕獲していっている。
「ふ、ふざけるなっ!!」
俺はそう言いながら四つん這いになって岩山を駆け下りる。俺の中の危機管理能力があいつらはヤバいと警鐘を鳴らし続ける。
「アイツらヤバいか……だがっ!!」
襲撃に狼狽え、捕らえられ、叫んだり泣いたりしている仲間たち。仲間の幸せを奪わせはしない!!俺のその昂ぶりに身体が反応し、金色の光を纏う。
「烈光螺旋撃!!」
俺は光を帯びた回転突撃を放つ。通常の跳びネズミでは引きちぎれそうもない草を細かく編んだものを、容易に切り裂く。
切り裂かれた穴から、仲間が我先にと逃げ出す。
「○×△◇っ!!!」
巨大な生き物が、俺の姿を見て大声を上げて手にした草を細かく編んだものを投擲する。俺がそんな低俗なモノなんぞで捕らえられるものか!!
「烈光螺旋撃!!」
再度、光の回転突撃を放ち、草を細かく編んだものをぶった切り、巨大な生き物の足を強打する。
「△○×◇っ!!!」
巨大な生き物が、当たったところを押さえて跳ね上がる。一応ダメージは入ったようたが、それだけで倒せるほど甘くはないようだ。
「○◇×△○△◇っ!!!」
巨大な生き物が声を上げると、別の所で俺たちを捕らえようとしていた仲間の1体が加わる。
「▲◆●■▼!!!」
新しい仲間が、巨大な木の棒を俺に向け叫ぶと、木の棒の先端から目にも止まらない速さの風の刃が飛来する。
「何とぉっ!!」
俺は咄嗟に体を捻り、風の刃を避ける。だがあまりに早いそれは、俺の体毛数本を断ち切り、宙に舞わせる。
そして俺は警戒を高めたまま2体の巨大な生き物を凝視していると、2体は何か言い争いをし始めたようだ。俺から意識が逸れているので、これ幸いと、俺は身体を縮めて力を溜める。
「烈光螺旋撃!!!」
そして言い争いそして油断している生き物の1体の顎に向かって、体を捻りながらの回転突撃を放つ。
ドゴォッ!!
俺の一撃は寸分違わず木の棒を持った生き物の顎を打ち上げると、どさりと大きな音を立てて、そのまま後ろに倒れる。
「よし、これで1体……あと何体いるんだ?」
俺は耳を立てて周辺の音を拾おうとする。この岩山地帯でまだ悲鳴や鳴き声が他の場所から聞こえてくる。という事は、この巨大な生き物の仲間はまだいそうだ。
「×○◇△っ!!!」
目の前の巨大な生き物が、おそらく怒りの表情を浮かべて、耳障りな音を立てながら腰から鋭い金属の棒を抜くと、俺に向かって振り降ろしてくる。
俺はそれをステップして避けると、がら空きになった胴に向けて烈光螺旋撃をぶちかます。
ボグゥッ!!
硬いものを叩いたような音がして、俺の頭に激痛が走る。俺はその痛みに頭を押さえて転げ回ってしまうが、巨大な生き物も同様だったようで、腹を押さえて苦しそうに呻く。どうやら痛み分けの様だ。
「◇×○△◇△○×っ!!!」
巨大な生き物が痛そうにしながら、癇に障るような大声を上げる。今度は大きな湾曲した木の枝に糸を張ったものを持っている生き物と、巨大な金属の塊を持っている生き物の2体が目に映る。せっかく1体を倒したのに、2体増えて3体になってしまった。
「○×●■◇」
巨大な金属の塊を持っている生き物が、俺の姿を見て大声を上げながら手にした草を細かく編んだものを投擲するが、俺はそんなものなんかで捕らえられるわけがない。後ろに大きく飛び跳ねてソレを回避する。
大きな湾曲した木の枝を持った生き物が、巨大な金属の塊を持っている生き物と鋭い金属の棒を持っている生き物に何やら指示を出す。
指示を受けた2体は俺の方に振り向くと、巨大な金属の塊と鋭い金属の棒が振り上げられる。
それからは地獄のような怒涛の攻撃だった。そもそもこの岩山地帯はあまり広くなく、巨大な生き物がいるだけで、空いた空間は半分程度になる。逃げ場が少ないにもかかわらず2体の巨大な生き物が金属の塊と鋭い金属を交互に振り降ろしてくるので、俺は逃げ場を探しながら必死に避けなければならない。こりゃ呪怨の時よりヤバい。
必死になって避け続けているが、次第に逃げ場が少なくなり、岩山の壁に追い詰められていき、もうこの場所しか逃げ場がないと思いながら何とか2体の攻撃を躱す。
ヒュンッ!!
それを見越したように、ステップで攻撃を躱して着地した瞬間の、無防備な状態となった俺に向かって、細い木の棒が飛来する。
「グレン様っ!!」
声が聞こえるのと同時に俺の身体に衝撃が走り吹き飛ばされる。
城の周りを手薄にしてでも各村の神隠しの原因を掴むために隊を分散させ、その報告を待つ体制にした。そして1日も経たない内に俺の元に岩山を守っていた警備隊が駆け込んでくる。
「グレン陛下っ!!巨大な生き物が現れました!!」
血相を変えて報告する警備隊員。親衛隊と警備隊が残っていれば迎撃体制が取れていたが、ほとんどを外側の村に配置してしまったため、ここには碌な戦力が残っていない。
「ちっ!仕方ない、我が出る!!」
「貴方、本当に気を付けて……なんだかとても悪い予感がするの」
「大丈夫だ。今までどんな難敵も退けてきたんだ。今回も同じだ」
引き留めようとするフランを振り切り、俺は住居を飛び出す。
「な、なんだ?あれは……」
住居から出てすぐに巨大な生き物が目に入る。まるで熊のような大きさで、頭以外は毛で覆われていない生き物が、草を細かく編んだものを投擲し、跳びネズミを捕獲していっている。
「ふ、ふざけるなっ!!」
俺はそう言いながら四つん這いになって岩山を駆け下りる。俺の中の危機管理能力があいつらはヤバいと警鐘を鳴らし続ける。
「アイツらヤバいか……だがっ!!」
襲撃に狼狽え、捕らえられ、叫んだり泣いたりしている仲間たち。仲間の幸せを奪わせはしない!!俺のその昂ぶりに身体が反応し、金色の光を纏う。
「烈光螺旋撃!!」
俺は光を帯びた回転突撃を放つ。通常の跳びネズミでは引きちぎれそうもない草を細かく編んだものを、容易に切り裂く。
切り裂かれた穴から、仲間が我先にと逃げ出す。
「○×△◇っ!!!」
巨大な生き物が、俺の姿を見て大声を上げて手にした草を細かく編んだものを投擲する。俺がそんな低俗なモノなんぞで捕らえられるものか!!
「烈光螺旋撃!!」
再度、光の回転突撃を放ち、草を細かく編んだものをぶった切り、巨大な生き物の足を強打する。
「△○×◇っ!!!」
巨大な生き物が、当たったところを押さえて跳ね上がる。一応ダメージは入ったようたが、それだけで倒せるほど甘くはないようだ。
「○◇×△○△◇っ!!!」
巨大な生き物が声を上げると、別の所で俺たちを捕らえようとしていた仲間の1体が加わる。
「▲◆●■▼!!!」
新しい仲間が、巨大な木の棒を俺に向け叫ぶと、木の棒の先端から目にも止まらない速さの風の刃が飛来する。
「何とぉっ!!」
俺は咄嗟に体を捻り、風の刃を避ける。だがあまりに早いそれは、俺の体毛数本を断ち切り、宙に舞わせる。
そして俺は警戒を高めたまま2体の巨大な生き物を凝視していると、2体は何か言い争いをし始めたようだ。俺から意識が逸れているので、これ幸いと、俺は身体を縮めて力を溜める。
「烈光螺旋撃!!!」
そして言い争いそして油断している生き物の1体の顎に向かって、体を捻りながらの回転突撃を放つ。
ドゴォッ!!
俺の一撃は寸分違わず木の棒を持った生き物の顎を打ち上げると、どさりと大きな音を立てて、そのまま後ろに倒れる。
「よし、これで1体……あと何体いるんだ?」
俺は耳を立てて周辺の音を拾おうとする。この岩山地帯でまだ悲鳴や鳴き声が他の場所から聞こえてくる。という事は、この巨大な生き物の仲間はまだいそうだ。
「×○◇△っ!!!」
目の前の巨大な生き物が、おそらく怒りの表情を浮かべて、耳障りな音を立てながら腰から鋭い金属の棒を抜くと、俺に向かって振り降ろしてくる。
俺はそれをステップして避けると、がら空きになった胴に向けて烈光螺旋撃をぶちかます。
ボグゥッ!!
硬いものを叩いたような音がして、俺の頭に激痛が走る。俺はその痛みに頭を押さえて転げ回ってしまうが、巨大な生き物も同様だったようで、腹を押さえて苦しそうに呻く。どうやら痛み分けの様だ。
「◇×○△◇△○×っ!!!」
巨大な生き物が痛そうにしながら、癇に障るような大声を上げる。今度は大きな湾曲した木の枝に糸を張ったものを持っている生き物と、巨大な金属の塊を持っている生き物の2体が目に映る。せっかく1体を倒したのに、2体増えて3体になってしまった。
「○×●■◇」
巨大な金属の塊を持っている生き物が、俺の姿を見て大声を上げながら手にした草を細かく編んだものを投擲するが、俺はそんなものなんかで捕らえられるわけがない。後ろに大きく飛び跳ねてソレを回避する。
大きな湾曲した木の枝を持った生き物が、巨大な金属の塊を持っている生き物と鋭い金属の棒を持っている生き物に何やら指示を出す。
指示を受けた2体は俺の方に振り向くと、巨大な金属の塊と鋭い金属の棒が振り上げられる。
それからは地獄のような怒涛の攻撃だった。そもそもこの岩山地帯はあまり広くなく、巨大な生き物がいるだけで、空いた空間は半分程度になる。逃げ場が少ないにもかかわらず2体の巨大な生き物が金属の塊と鋭い金属を交互に振り降ろしてくるので、俺は逃げ場を探しながら必死に避けなければならない。こりゃ呪怨の時よりヤバい。
必死になって避け続けているが、次第に逃げ場が少なくなり、岩山の壁に追い詰められていき、もうこの場所しか逃げ場がないと思いながら何とか2体の攻撃を躱す。
ヒュンッ!!
それを見越したように、ステップで攻撃を躱して着地した瞬間の、無防備な状態となった俺に向かって、細い木の棒が飛来する。
「グレン様っ!!」
声が聞こえるのと同時に俺の身体に衝撃が走り吹き飛ばされる。
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