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 クルトがアルトを抱き締めて拘束している。逃げろと言われた。逃げようと立ち上がることは出来た。でもそこから体が動かない。
 アルトは抵抗することなく、悄然とした顔でコハルを見ている。その姿が心苦しい。

「クルト達はどうするの?」
「・・・もう二度とコハル前に現れない。約束する」

 クルトの真剣な表情から今逃げたら本当にもう会えない気がした。酷いことをされたのに、会えなくなるのは嫌だ。


結局、コハルは逃げなかった。

 彼等に近づき背中を向けているクルトを、虚ろ目をしているアルトごと抱き締めた。

 逃げろと言ったのに、どうしてだとクルトに叱責される。縋るように抱き締めて、震える声を出す。コハルは自分の気持ちに素直になる事に決めたのだ。

「二人に会えなくなるのは嫌・・・最後までしないって約束してくれたら、許すから。キスもしていいし、体も触っていいから・・お願い・・・二度と会わないなんて言わないで」

 普段なら絶対にしない発言と行動に自分でも信じられない。何がそうさせるのかもわからない。鼻の奥が痛くなって目頭が熱くなる。瞳に涙がたまることだけがわかる。それくらい二人に会えなくなるのが嫌だった。

 「逃げる機会を与えたのに・・・諦めようとしたのに・・狡いよ・・・コハル、悪い人だ」

 クルトは振り返りコハルを抱き締めた。強く、もう逃がさないと言う様に強く、優しく抱き締めてキスをした。絡みつく舌先に甘味を感じる。上顎も舐められ、全部食べられてしまいそうだ。クルトも上着を脱ぎ、地面に広げた。こうして少しでも汚れないように配慮してくれるところが好きだ。

 アルトと目が合うと、罰が悪そうな顔をして逸らされた。

「・・アルトは私のこと、どう思ってるの?」

 クルトは好きと言ってくれた。だからいいのだ。でもアルトは?好きじゃないのなら、触らないでほしい。気持ちの無い行為は嫌だ。

「おれ・・も・・・俺、コハルが好きだよ。俺も一目惚れだったんだ。酷いことしてごめん・・ごめんコハル・・・俺のこと嫌いにならないで」

 アルトが手を伸ばしてきたが、触れる前に止まってしまった。触れてはいけないと思ったのか、その手が力なく地面に落ちる。その手を拾い上げ、恋人同士のように指を絡めた。瞳を揺らしている彼の目をしっかりと見つめる。たしかにアルトに酷いことをされた。・・・かける言葉が見つからない。でも不思議と責める気にはなれなかった。

 いいよアルト、許してあげる。
 そんな気持ちを込めて微笑んだ。

 アルトは徐に近づき、コハルに口付ける。好きだと何度も囁かれ、首筋を舐められて喘ぎ声が漏れた。愛し合うように体を密着させていたら背後からクルトに体を持ち上げられ、彼の膝上に座らされた。

「俺の女だから」
「なっ違う、俺らの女だろ!」

 堪らなかった。クルトとキスをして、アルトに顎をとられ彼ともキスをして。奪い合うように求められるのが堪らなく興奮した。

 二人はコハルの綺麗な肌にキスマークをつける事に喜びを感じ、至る所に赤い蕾を咲かせた。「これは俺がつけた」「違う、俺だ」と言い争っているのも可愛く思えた。

 二人同時に胸を舐められた時も興奮した。同じ顔が胸を弄る。瞳の色だけ違う、綺麗な顔をした人が一生懸命胸の先を舐めて、吸って、時々こちらの様子を伺うように上目遣いをして。

「すごい、ひくひくして美味そうに食べてる」

 指を蜜壷に入れたクルトが実況を始めたので羞恥心に火がついた。

「ほら、出し入れするとねっとりと絡みついてるよ」
「・・ん・・言わないで・・・」

 胸をアルトに弄られ、蜜壷はクルト。二人一緒に弄られるなんて今まで経験がなく、上と下からの刺激が強すぎて気持ちが良すぎる。

「兄貴、手前と奥の上の方が気持ちいいって」
「・・・ここ?」
「んあっ・・そこ、ダメっ・・ああ、んんぁあああ!」

 器用に、的確に気持ちのいい所を狙われて陰核を弄られてもいないのに達した。でもクルトは不服そうな顔をしている。

「俺には潮をかけてくれないの?」

 悲しげな顔をしてそんな事を言われたものだから、凄く恥ずかしい。

もう出せないです。

 その後も二人に散々弄られて、何度も達した。薬の効果はとっくに切れていて、もう大丈夫だと言ったのになかなか終わらない。

 暫くしてやっと二人は満足したのか、服を着せようとしてくれる。コハルは息もとぎれとぎれだ。それでも彼等の手を自身の手で止めて見上げた。

「コハル?風邪を引くといけないから服を着ないと」

 優しく気遣うクルトの下腹部をまじまじと見た。膨れているズボンを・・・。
 コハルも男性経験はある。彼等の今の状況も理解出来る。最後までしないと約束を守ってくれているわけだしこのくらいは・・・。

 クルトのズボンに手をかけた。でも力が入らなくてベルトが上手く外れない。

「コハル!?何をしてる」
「・・・私ばっかだったから、お返ししようと思って」

 カチャカチャとベルトの金具の音が響く。ダメだ。やっぱり外せない。クルトを見上げると、焦っているのに期待しているような瞳をしていた。

「脱いで?」

 屈んだまま顔を傾けて言ったら、彼は赤くなった顔を手で覆っている。

「ほんとに・・してくれるの・・?」

 頷くと彼はベルトに手をかけズボンを脱ぎ、反り立つ陰茎を露にした。それが今まで見たことがないくらいの大きさで驚いた。外国の方と日本人の差なのか、あまりにも大きすぎて口に入れるのも大変そうだ。

 徐に陰茎を握り先端を舌先で舐めた。裏筋を舐めたり、咥えて前後に顔を動かす。クルトの体が反応し、身悶えする姿が可愛い。

実はこの行為、下手なのである。元彼にはもどかしいと怒られたことがある程だ。大丈夫だろうかと不安になり唇を陰茎に当てたまま見上げた。すると恥ずかしいのか気持ちがいいのか、蕩けた顔をしていた。それを見ることが出来て嬉しく思う。

「気持ちいい?」
「・・ああ。すごく、いい」

 その声がすごく良くて、もっと気持ちよくなってほしいと頑張って弄る。

 行為に夢中になっていたら何かが蜜壷に当てがわれた。ぎょっとして顔を振り向くとアルトが陰茎を蜜壷に当てている。

「あ、なんで・・最後まではしないって」
「・・しない。しないから、足で挟んで」

 アルトのクルトと同じくらい大きくて太い陰茎がコハルの陰核に当たりながら動く。最初はゆっくり、だんだん激しく。

「くっ・・コハル・・咥えたまま声出さないで・・」

 そう言われても、アルトのが陰核のいい位置に当たるから喘ぎ声が止められない。アルトの腰の動きが早くなりコハルは更に声を上げる。コハルの自身を挟む柔らかくて弾力のある腿やその喘ぎ声に興奮し刺激を受けたアルトは絶頂を迎えた。弛緩するのを待ち、彼等は交代をする。

 クルトはまだ達していない。
やっぱり、口でいかせることは出来ないのかと残念に思う。

 アルトの陰茎が目の前にきたのでそれを咥える。先程出したばかりなので少し臭いが強い。でも、まだまだ大きくて硬い。アルトのを咥えると彼は小さな喘ぎ声を出した。

「うわ・・兄貴これよく我慢してたな・・」
「・・・そんなに下手くそ?」
「違うよ。アンタが可愛すぎて・・どうにかなりそうってこと」

 嬉しくて顔に熱を感じる。頑張って弄ろうとしたらクルトが激しく腰を打ち付けてきて、いいとこに強い刺激が与えられる。今までずっと優しかったのにあまりに激しくて、男らしさを感じて堪らなかった。

 アルトにも気持ちよくなって欲しくて、頑張ろうとしてるのに上手く出来なくて、喘ぎ声だけが出てしまう。そんなコハルの頭をアルトは優しく撫で続けている。いつもは生意気で口も態度も悪いのに、こういう時だけ優しくするなんて、狡い。アルトの優しさを含んだ笑みを見ると、胸も、お腹もきゅうっと締め付けられる。クルトが達するまでの間、コハルはずっと快楽に襲われていた。


 私、この二人に溺れそうだ。

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