【R18】騎士たちの監視対象になりました

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早いものであれから一ヶ月程時間が経った。現在庭には怪我が治ったペガユニと、ライオンに翼が生えた一頭の生物が気持ちよさそうに横たわっていて、その他に何種類もの動物達が各自穏やかに過ごしている。日向ぼっこをしたり、じゃれあったり。

 どうして生き物が周りにいるのかって？
 
 ペガユニの看病をして一週間位経った頃、空から突然怪我をしたライオンが翼を広げながらやって来た時は度肝を抜かれた。もちろん彼の看病も始めた。だんだんとウサギやキツネ等、見慣れた動物達も怪我をしていないのに集まってきて、彼等はここに居座るようになったのだ。

 ペガユニをタロウ。
 翼の生えたライオンをジロウと名付けた。

 私の食生活はというと、動物達が果物や木の実を持って来てくれてそれを食べるというすごくファンタジーな生活をしている。どうやら私は動物に好かれるらしい。

 ログハウスには必要最低限な生活必需品が全て揃っていた。

 服は今着ている白いレースのワンピースと庭に干してある白いレースのワンピースのみで下着は三着セットだけである。だがワンピースは二着ともタロウ達の怪我の治療に使う為に破いたり、色々と加工を加えてしまった為それぞれ膝上丈の短さになり、一着はノースリーブ状態となっている。特に人に見られることは無いし、下着が隠れているので全く気にしない。もしこの世界に人間がいて私を見たら、何て貧相な人なんだと思われるくらいだろう。

 ちなみに救急箱を発見し中に包帯やら消毒液が入っていたのを見つけた時には既にタロウとジロウの怪我が治った後だった。

 リスがハーブを、熊がハチミツを持ってきてくれてハーブティーを作る。

 彼ら動物達は食材を運んで来ると、頬にキスをしろと言っているように顔を近づけてくる。最初は躊躇い、これであっているのか疑問に思いながら頬にキスをすると嬉しそうに体を揺らしながら離れていくから、きっとあっているのだろう。

「よし、タロウとジロウの毛繕いでもしますか」

 硬めのブラシを持ってタロウ達の傍へ行くと、待ってましたと言っているように頬擦りしてくれる。周りにいた動物達も撫でてほしそうに近づいてきた。その姿がすごく可愛い。

 彼ら動物達は独特の獣臭がなく、無臭だ。タロウとジロウにいたっては二頭ともお日様にあてられた布団の様ないい香りがする。彼らはすごく穏やかな性格をしている。そのおかげでとても充実したのほほん動物ライフを過ごすことが出来ている。

 こんなに天気が良くて気分が良い日は、つい歌を歌いたくなる。そうそう、歌を冒頭から歌うと不思議な事にカラオケ店で歌っている様に音楽やコーラスが耳に心地よく響いてるように聞こえる。ずっと聴いていた曲だから頭の中で流れるのは当たり前なのだろうけど歌うことが楽しくなる位の心地良さだ。これが鼻歌や途中からの歌い出しだと特に変化がないのが不思議だ。

 タロウにブラシをかけながら歌を歌う。

 〝傷つく為に生まれたんじゃない 大丈夫きっと全ては上手くいく〟

 そんな前向きに生きようという穏やかで明るい爽やかな曲だ。

 周りの動物達はまるでライブのお客さんの様に体を揺らしていて、アイドルになれたらこんな感じかなと気分が上がった。

 歌い終わりルンルン気分でジロウの毛繕いを始めようと体の向きを変える。

「ジロウ？どうしたの？」

 いつもならタロウの毛繕いを終える前に頭を擦りつけるジロウが顔だけを別の場所に向けて動こうとしない。

何かあるのかとその方向を見ると驚愕した。

そこには、馬に乗った三人の人間がいた。