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第二章
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しおりを挟むエレン、リヒャルト、ウィルフレッド
ノエル、リリー、ルークの順の組み合わせでソファに座りお茶とクッキーを食べる六人。
「そういえば娼館の時よく食べさせ合ってましたよね。あの時は目隠しだったからどの味が好きか分からなかったけど、リリーは何味が好きですか?」
「クッキーは全部好き。チョコはダークが好き」
「あ、それじゃあこれはどうですか?ちょっと溶けてるけどたぶんダークかな?」
ひとつのチョコをリリーの口へ運んだノエル。リリーは口の中で溶けたチョコの程よい苦さと甘さにうっとりと目を閉じた。
「おいしい。まだある?」
「今のが最後のひとつみたいです」
「そう・・・」
まだ食べたかったリリーはしゅんと落ち込み美味しかったチョコが付いたノエルの指を舐めた。
チロチロ チュウチュウと名残惜しそうに自分の指を味わうリリーに対しノエルは顔を赤くさせながらも耐えた。
リリーの行動にギョッとしたルークがリリーからノエルの手を離し、ノエルの指を布で拭いた後リリーの口周りを拭いた。
「はしたない事をするな!貴様は犬か。また買えばいいだろう」
怒られた子犬のようにしゅんとしてしまったリリー。
「ルークはいつも怒ってる。そんなに嫌い?」
「・・・だから、前も言ったが嫌いじゃない」
人との距離感をもっとわかってほしいと言葉を続けようとしたが次のリリーの発言に石像化してしまう。
「それなら私とえっちできる?」
「「「・・・・・・はあ?」」」
何を聞くのかぶっ飛んだリリーの思考回路に追いつけない騎士達。
「・・・やっぱり胸がないから?」
コツンとテーブルに額をくっつけて落ち込んでしまった。ルークは勢いよくリリーと仲間達を交互に見て慌て出した。
「ま、まだ何も言っていない。なぜ落ち込む。どうしてそんな話になった?」
思った事を全部口に出したルーク。
リリーはテーブルに額を付けたままムッとしていた。
実はリリーには一つだけずっと抱いていた悩みがある。
それは、誰も最後までリリーとしてくれない事。
仲間の影達は近いとこまでいくのに最後までしてくれない。リリーもいい加減大人だ。興味が凄くある。キスから前戯までされるのに最後までしてくれないのは胸が小さいからか、自分に魅力が無さすぎるのかを気にしていた。
「おっぱい欲しい・・・スイカサイズくらい」
珍しく酷く落ち込むリリーを見て慌てているのは彼女の左右に居るルークとノエル。
「ま、待て。落ち着け。貴様にスイカサイズは似合わない」
「似合わないは言っちゃダメです!胸の大きさを気にする男はそれまでですよ。今度ダークチョコいっぱい買ってくるから落ち込まないで」
リリーの背中を撫で慰める二人。
対して向かいに座る三人はプルプルと体を震わせて笑いを堪えていた。
「ねぇ、めちゃくちゃ面白いんだけど。リリーが落ち込む内容って結局胸なの?」
「スイカサイズのリリーを想像したらお腹痛いよ」
「やめろ。笑わせるな」
それにノエルとルークのフォローはなんだ。
笑いを誘ってるとしか思えない。
顔を上げたリリーはキッと五人を睨んだ。
「なら触ってみて?物足りなさを実感すればいい」
「「ッーー!?!?」」
「「「ちょっと待った!」」」
返事も聞かずにリリーはノエルとルークの手を掴み、直に触れさせようと彼らの手ごと服の中に入れたではないか。向かいに座っていた三人は慌てて止めようと立ち上がった。
コンッ コンッ ガチャッ
「リリー来たわよー!今日もエレンは・・・居るわね。あら?貴方達もいるなんて今日は大人数ねぇ~。シャワー借りるわよ」
突然ティアラが現れ颯爽とシャワー室に入って行った。小嵐が過ぎ去った後のようにシンとしてしまった六人だったが、そっとリリーが掴んでいたノエルとルークの手を自分の胸に当て、彼らの手の上に自分の手を重ねて胸を直に揉ませた。
「「ッーー!?!?」」
「どう?やっぱり物足りないでしょ?・・・ルーク手冷たい。寒いの?」
「ひ、冷え症だから・・・」
ノエルの手は温かいのにルークの手が冷たいと心配し見上げたリリー。もやはルークとノエルの手を暖めようと揉む手を止めない。
すると、ゴゴゴゴゴと氷山の一角が崩れ落ちたかのような音と共に怖い顔をしたエレンが立ち上がりリリーを見下ろした。
「リリー、悪い子はお仕置きだよ?」
先程まで強制的に胸を揉んでいた手を小さく上げ、赤くなってしまった顔を俯かせているノエルとルーク。
そんな二人の間でエレンにより罪人のように両手をタオルで縛られたリリーは一文口を結び納得のしていない表情で座っていた。
「スッキリしたわー!・・・どんな状況?」
風呂から出たティアラはこの状況を目にし首を傾げた。だかそんなティアラの姿を見てギョッと驚愕したエレン以外の騎士達。
ティアラは妖艶なボディをタオル一枚巻いただけの姿で現れ堂々と椅子に座った。慣れたエレンは気にしていないが他の騎士達は視線のやり場に困っている。
「リリー朗報よ!例の男まだリリーのこと諦めてなかったの!」
例の男?はて。一体誰だ?
首を傾げるリリーと騎士達。
「ほら、前言ってたリリーに猛アプローチしてた男!今日ショーンの店でたまたま会ったら食い気味にアンタのこと聞かれたわよ。し・か・も!その男と一緒にいた男もリリーを探してるっぽいのよね。モテ期きたわー!二人ともイケメンで極上の男よー!」
キャーと盛り上がるティアラ。
リリーは例の男を思い出すと瞳をキラキラさせた。
「化粧しなくちゃ。今から行けば会える?」
「んー、どうかしら。数時間前の話なのよね。私と一緒にいた男が嫉妬しちゃって直ぐに離れちゃったのよ」
「もう閉店だし今夜は無理じゃないかな。(行かせるわけないでしょ)」
しゅんと落ち込んだリリーに笑顔を向けたのはエレン。
「でもリリーが探してたこと話したら喜んでたから通い続ければいずれ会えるんじゃないかしら」
ティアラの言葉に分かりやすく喜んだリリーを見たエレンはティアラに向かって内心で舌打ちをした。
(余計な事言いやがって)
「私の話も聞いて~さっきまで男二人とヤってたんだけど最高だったのよー!サンドウィッチどんどんー!」
ブハッ
「うわっ汚っ!」
お茶を飲んでいたルークが勢いよくリヒャルトとウィルフレッドめがけ口に含んでいたお茶をかけた。ゴホゴホとむせたルーク。
リリーが首を傾げティアラを見上げた。
「サンドウィッチって食べ物の?」
「違うわよ。二穴同時挿入。前からどーん!後ろからどーん!」
ブハッ!
今度はノエルが盛大にお茶を吹いた。
吹きかけられたエレンは無言で顔を拭き、再度とばっちりを食らったリヒャルトが怒り出した。
「ちょっと二人ともわざとなの!?」
ぷりぷりと怒ったリヒャルトは勢いよくお茶を飲んだ。
「やってみたい」
ブフゥッ!!
リリーの発言により彼女の顔面に勢いよくお茶を吹いたリヒャルトは酷くむせた後立ち上がりリリーの顔を拭いた。
「リリーごめん!」
「大丈夫」
六人のやり取りが面白いのかティアラは止まることなく話し続けた。
「前から突かれる度に気持ちよくって、後ろから抜かれる度に気持ちよくて最高だったわ。それに相手の男二人ともMだから私の言う事何でも聞いてくれて、快楽で歪んだ顔が可愛すぎてきゅんきゅんしちゃった」
うっとりとした表情で先程までの情事を思い出すティアラ。リリーは素直に羨ましいと思った。だから最近会う頻度の多いエレンを見つめる。
「エレンしてくれる?」
「ぇ・・・・・・」
徐に顔が赤くなっていくエレン。そんな彼を見て想像でもしたのだろうかとティアラがニヤついた。
「リリー、二穴は二人いなきゃダメなのよ?その前に!アンタはさっさと処女散らしなさいよ」
「「「・・・・・・え?」」」
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