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五章 探し求める少女
ミーナとの再会
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翌日……、私は目を覚まして壁にかかってある時計で時間を確認すると、朝の8時くらいとなっていた。
どうやら馬車での移動は思ったよりも疲れるようで、少し寝すぎてしまったらしい……。
私は部屋着のまま、ザクスの部屋へと訪れてみる。
ドアをノックしても出てくる気配はなかったので、どこかへと出かけているのかもしれない。
もしかしたら冒険者ギルドへと行っているのかな……?
私は部屋着を着替えると、宿屋を出て冒険者ギルドへと向かうことにした。
◆◆◆
冒険者ギルドへとたどり着くと、直ぐにザクスの姿は見つかった。
数人の女性冒険者や女性のホールスタッフと何か楽しそうに話をしているようだ。
遠目で見てもザクスの顔立ちは整っており、平たく言えばイケメンに属する顔だとは思う。
そのため、女性から人気があるのだろうという事は想像に固くない……。
しかし、女性達と仲良く話をしているザクスを見ると、なぜだか少しばかりムッとしてしまう私がいる。
昨日の夜にはポカポカしていた気持ちがトゲトゲしたものに変わっていく……ような気がする。
女の子に囲まれてデレデレしているザクスになぜか腹が立ってくる……!
なぜこんな気持になるのか分からないけど、きっと自分の仲間が他のパーティへと引き込まれたら困るから……、という理由だろうと自分の中で結論付ける事にして、私は拗ねるようにザクスと離れた席へと座ると食事を注文する事にした。
「あれ……?カナ……?」
食事をしていると、後ろから不意に声をかけられた。
後ろを振り向くと、そこにはミーナの姿があった。
「カナ久しぶりだね~!装備変わってたから最初誰かわからなかったよ!元気してた?バッシュは?」
ミーナは私の姿そう言って私の直ぐ側へとやって来た。
彼女もまた元気そうで何よりだ。
「ミーナ、久しぶり~!私は元気だよ!ここには昨日来たんだ」
私は笑顔を浮かべながらミーナと軽くハグをすると、挨拶はそこそこに、バッシュとはムイスで別れたこと、ここへと着た目的をミーナへと伝える。
「そうなんだ、バッシュとはランザのほうで別れたんだね……。それにしてもジァイアントスライムの核……?もしかしてこれのことかな……?」
ミーナは、ポーチから小さな玉を取り出す。
それはビー玉みたいな大きさをした玉で、青く透き通っていた。
「それがジァイアントスライムの核……?」
「う~ん……、どうなんだろうね~……。確かにジァイアントスライムを倒した後に見つけたから拾っていたんだけど……、これがジァイアントスライムの核かと聞かれるとボクも分からないかな……。」
私はミーナからそのビー玉みたいなものを受け取ると、プニプニした感触で少しヒンヤリとしたしていた。
「ミーナ、もしよかったらこれ私に譲って欲しいんだけど……。もちろんタダでとは言わない」
「そうだね……、ならボクのお願いを聞いてくれたらいいよ!」
「ミーナのお願い……?」
「ボクとまた戦ってよ……!そしたらそれあげるよ……!」
ええーー……っ!?
なんでディンさんと言い、ミーナと言いこうも血の気が多いんだろう?
でも、あれを貰うには戦うしか無いようだ……。
「分かった……!」
私はミーナの挑戦を受けることにした!
一応ザクスにも伝えておいたほうがいいかな……?
そう思いザクスの方を見るが、未だ女の子達との話に盛り上がっているようだが……。
「ザクス、ちょっと近くの森に行ってくるね」
「ん……?どうしたんだ……?」
ザクスへと話しかけると、彼の周りにいた女性達の視線が一斉に私へと向けられる。
その視線はあまり歓迎されている感じではないようだ……。
「ミーナと模擬戦をしに……」
「ミーナ……?」
ザクスは私の隣りにいたミーナへと目をやる。
なんとなくだが……私とミーナの胸を見比べられたような気がする……。
「始めまして、ボクがミーナだよ。えっと……、君は……?」
「俺の名はザクスだ。今はカナとパーティを組んでいる。よろしくな、ミーナ」
「こちらこそよろしくね、ザクス」
ザクスとミーナは笑顔で握手を交わす。
ミーナは本当に直ぐに人と仲良くなれるな……。
これこそが彼女の一番の長所だと言ってもいいかもしれない。
「それはそうと、模擬戦をするなら俺も立ち会おう。」
「いいの……?」
「勿論だ」
「ありがとう、ザクス」
「それじゃあ、二人共行くよ!」
「まって、ミーナ……。その前に私まだご飯食べてない……」
「……相変わらず色気より食い気の女だな」
ほっとけ……!
私は食事を済ませると、ザクス立ち会いのもと、ミーナと再び戦うためリーツェの近くの森へと向かったのだった。
どうやら馬車での移動は思ったよりも疲れるようで、少し寝すぎてしまったらしい……。
私は部屋着のまま、ザクスの部屋へと訪れてみる。
ドアをノックしても出てくる気配はなかったので、どこかへと出かけているのかもしれない。
もしかしたら冒険者ギルドへと行っているのかな……?
私は部屋着を着替えると、宿屋を出て冒険者ギルドへと向かうことにした。
◆◆◆
冒険者ギルドへとたどり着くと、直ぐにザクスの姿は見つかった。
数人の女性冒険者や女性のホールスタッフと何か楽しそうに話をしているようだ。
遠目で見てもザクスの顔立ちは整っており、平たく言えばイケメンに属する顔だとは思う。
そのため、女性から人気があるのだろうという事は想像に固くない……。
しかし、女性達と仲良く話をしているザクスを見ると、なぜだか少しばかりムッとしてしまう私がいる。
昨日の夜にはポカポカしていた気持ちがトゲトゲしたものに変わっていく……ような気がする。
女の子に囲まれてデレデレしているザクスになぜか腹が立ってくる……!
なぜこんな気持になるのか分からないけど、きっと自分の仲間が他のパーティへと引き込まれたら困るから……、という理由だろうと自分の中で結論付ける事にして、私は拗ねるようにザクスと離れた席へと座ると食事を注文する事にした。
「あれ……?カナ……?」
食事をしていると、後ろから不意に声をかけられた。
後ろを振り向くと、そこにはミーナの姿があった。
「カナ久しぶりだね~!装備変わってたから最初誰かわからなかったよ!元気してた?バッシュは?」
ミーナは私の姿そう言って私の直ぐ側へとやって来た。
彼女もまた元気そうで何よりだ。
「ミーナ、久しぶり~!私は元気だよ!ここには昨日来たんだ」
私は笑顔を浮かべながらミーナと軽くハグをすると、挨拶はそこそこに、バッシュとはムイスで別れたこと、ここへと着た目的をミーナへと伝える。
「そうなんだ、バッシュとはランザのほうで別れたんだね……。それにしてもジァイアントスライムの核……?もしかしてこれのことかな……?」
ミーナは、ポーチから小さな玉を取り出す。
それはビー玉みたいな大きさをした玉で、青く透き通っていた。
「それがジァイアントスライムの核……?」
「う~ん……、どうなんだろうね~……。確かにジァイアントスライムを倒した後に見つけたから拾っていたんだけど……、これがジァイアントスライムの核かと聞かれるとボクも分からないかな……。」
私はミーナからそのビー玉みたいなものを受け取ると、プニプニした感触で少しヒンヤリとしたしていた。
「ミーナ、もしよかったらこれ私に譲って欲しいんだけど……。もちろんタダでとは言わない」
「そうだね……、ならボクのお願いを聞いてくれたらいいよ!」
「ミーナのお願い……?」
「ボクとまた戦ってよ……!そしたらそれあげるよ……!」
ええーー……っ!?
なんでディンさんと言い、ミーナと言いこうも血の気が多いんだろう?
でも、あれを貰うには戦うしか無いようだ……。
「分かった……!」
私はミーナの挑戦を受けることにした!
一応ザクスにも伝えておいたほうがいいかな……?
そう思いザクスの方を見るが、未だ女の子達との話に盛り上がっているようだが……。
「ザクス、ちょっと近くの森に行ってくるね」
「ん……?どうしたんだ……?」
ザクスへと話しかけると、彼の周りにいた女性達の視線が一斉に私へと向けられる。
その視線はあまり歓迎されている感じではないようだ……。
「ミーナと模擬戦をしに……」
「ミーナ……?」
ザクスは私の隣りにいたミーナへと目をやる。
なんとなくだが……私とミーナの胸を見比べられたような気がする……。
「始めまして、ボクがミーナだよ。えっと……、君は……?」
「俺の名はザクスだ。今はカナとパーティを組んでいる。よろしくな、ミーナ」
「こちらこそよろしくね、ザクス」
ザクスとミーナは笑顔で握手を交わす。
ミーナは本当に直ぐに人と仲良くなれるな……。
これこそが彼女の一番の長所だと言ってもいいかもしれない。
「それはそうと、模擬戦をするなら俺も立ち会おう。」
「いいの……?」
「勿論だ」
「ありがとう、ザクス」
「それじゃあ、二人共行くよ!」
「まって、ミーナ……。その前に私まだご飯食べてない……」
「……相変わらず色気より食い気の女だな」
ほっとけ……!
私は食事を済ませると、ザクス立ち会いのもと、ミーナと再び戦うためリーツェの近くの森へと向かったのだった。
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