彼女がやってたのBLゲームでした

ゅーな

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攻略37

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カチカチと秒針の音が孤独な部屋に響く。

その音が嫌に耳につくほど俺は神経質になっていた。

時刻は午前0時半。

もう日付は変わり俺は陽成の帰りを待っている。

(日付が変わる前にはって言ってたのに……もう30分すぎてる…)

いや、動揺してはならない。

大体陽成ときっちり0時前に帰ってくるとか約束をしたわけでもないんだし……そう思い深くため息…否、深呼吸をした。

(もしかしたら酔いつぶれて寝てしまったとか……)

頭に浮かんだその考えに、心配して椅子にかけたコートを手に取ろうとする。

「いや待て電話しよう。」

もしも二次会で場所を移動していたら行くだけ無駄足だ。

独り言として言葉にすることである程度冷静になった。

机の上にある自分のスマートフォンを手に取ると陽成に電話をかけた。


コールが1回、2回…と過ぎていくがどうしても出て欲しくてコールが止んでしまうまで電話を切ろうとは思わなかった。

何度目かに一定に鳴っていたコールが突然プツリと切れる。

「………」

通話口からは何も聞こえ無かったが画面を確認すると通話中となっていた。

「もしもし…陽成?俺、黒瀬だけど。」

何気に初めての陽成との通話であり柄にもなく緊張してしまう。

緊張をまぎらわそうと眼鏡をかけ直した。

「……黒瀬………」




「お前、誰?」


考える前に言葉が口をついて出ていた。

(陽成の声じゃない)

陽成よりも少しだけ低く若い声色に俺は固まった。

「あははっそういうこと!」

突如通話主の声は楽しげな笑い声に変わる。

「なんだ?おい。お前誰だよ。陽成は?陽成はそのにいるのか?」

「よーせーなら一緒だよ~二次会なの!邪魔しないでよねっ黒瀬先輩」

二次会と楽しそうに言ってはいるが通話口からは相手の楽しげな声色以外に聞こえるものは無く明らかに静かな、人気の少ない場所にいるのがわかった。

「お前っふざけてんじゃねぇぞ!今どこにいるか教えろ!」

言ったところで相手は教えてくれるはずもない。

「やーだ。大丈夫だよ~長くても3日後早く飽きたら早目に返してあげるから。じゃ~ね~」

一方的にそう言われて通話が切れる。

あとは何度かけ直しても電源が切れているようで繋がらなかった。


ふつふつと怒りが沸いてくるのを感じた。




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