18 / 24
神界転生
新婚旅行〜季節外れの蟠桃会
しおりを挟む
晩秋と言うのに そこは一面色とりどりの草花と、湖の湖面は蓮の葉と花で覆われていた。むせかえるような甘い花の香り、そして何本もの蟠桃の木。 桃花は満開なのに其の実をつける不思議な桃
しかし実は三千年に一度か六千年に一度きり実るはずが 何故か今年は春と秋の二度実るという、不思議な年でもあった。
崑崙山の頂きのそこは、陰の気を主宰し、三界十方の全ての仙女を統べる西王母の居住の場である。
南斗星君一行は 星君 蒼霊 青牙 畢方 白澤 鈴兎と続いて瑶池の辺りに降り立った。
空には 鳳凰 孔雀 三青鳥が飛び交い 東から白龍が湧き上がる雲の様に舞い上がると スルスルと南斗星君一行に近づき 一瞬で人形となり降り立った。
『これはっ、、 四太子殿下‥』
蒼霊以下全員が、手のひらをうちに向けて胸の前で重ね頭を軽く垂れた。鈴兎もそれに倣って頭を深く垂れた。
四太子殿下‥天君の四男で立太子されている。
『堅苦しい挨拶は、父君の前だけに、南斗星君。
蒼霊殿下‥此度は側室をお迎えなさると‥蒼霊殿下も南斗星君同様女神からの絶大な人気、花婿候補筆頭のお二人‥天界の女子達が我先にお二人方との縁組を天君に申し立てていますのに、
そのお一方 蒼霊殿下‥のお気に召した女子にもお会いしたくて、父君にお願いして代参いたしました。』
純白の薄衣を色衣を中に挟んで4枚重ね若い太子らしく爽やかな碧瑠璃の帯を几帳面に真正面できっちり結び羽織りは同じく碧瑠璃の総絹で瑶池の色とりどりの草花の中で冴え渡った。
東王父が好む帝王色の紫を避けながら碧海を思わせる色を選ぶあたり若年とは言えさすがといわざるおえない心配りだった。
『四太子殿下‥こそ、彼方此方から縁組の申し出が引も切らさずと、月下老人が申しておりましたよ。』
南斗星君の機転で 蒼霊の思いびとの話題を四太子殿下の縁組の話題にすり替えた。
『それは‥月下老人も大袈裟に言っているのです。』
御歳9万歳を迎えたばかりの青年皇太子は、おおいに照れた。
四太子殿下が南斗星君とやり取りしている間に、蒼霊は 青牙に目配せした。
‥まさか四太子殿下までご招待されるとは、これはうかうか素の鈴兎では まずいな‥
青牙は鈴兎とその場を静かに離れた。
瑶池のあらゆる宮殿に招待客の休息所が、用意されていた。
青牙は南斗星君御一同と記された宮殿に入り急ぎ侍女達に
『これに用意した召物をこの方が、より美しく見映えよくなる様に召し替えしておくれ 髪も結い直し、これ この髪飾りで艶やかに、頼む』
美しい天界の男神から頼まれれば、侍女達は我先にと各々が腕を競うように鈴兎を飾り立てる。
西王母の元にいる侍女達は 美に強い執着のある主人に仕えているだけあると青牙は確信していた。同腹の姉皇女が鈴兎と同じ3万年歳の頃天宮に、上がる時の晴れ着を仙術で取り寄せた。
髪飾りは 青牙の好み‥見立てた物を用意した。
『小糸様‥この方々は、選りすぐりの美に詳しい仙女の方々、どうか安心めさらてこの方々にお任せください。後程、蒼霊殿下にお迎え頂きます様青牙が取り計らいまする。』
鈴兎に拒む選択などない事を、鈴兎自身がわかっていた。
‥殿下に恥ずかしい思いはさせられない‥
絶対‥ボロを出さないように‥演じるっ!
筒抜けの鈴兎の決心にやや安堵して青牙は南斗一行に合流した。
‥‥兄上‥後ほど小糸をお迎えに行ってください‥
多分御満足いただけるかと‥
青牙‥すまぬな、助かった‥
『何? 南斗星君‥若作りの趣味⁉︎』
‥ゲッ! 北斗くん‥‥何でお前がぁ居るんだよ
『おや、北斗星君‥‥司命星君も』
南斗星君は 表情には全く表さず、飄々とした態度をとった。
『これは、ついつい 御三方の会話に立ち入ってしまった‥無作法をお許し下さい。此度は 北極大帝より 蒼霊殿下にお祝いのお届け物を預かってまいりました。大帝は最近体調芳しくなく、西王母のご招待にお応えできかねるとお返事され、この私が代参いたしました次第‥この度は 誠にお慶び申し上げまする。』
『これは、遠路はるばる北斗星君にお運びいただき、大帝には何とぞよろしくお伝えください。本来ならば、改めて我が宮にて ご報告申し上げなくてはいけないところ、ご縁あって西王母様が先だって祝ってやろうと仰せくださり、そのご厚誼にあずかりました。』
『いやぁ、私が蒼霊殿下にお会いするのはかれこれ2、3万年ぶりではございませんか? いやはや御立派になられましたな。』
『はい たしか、立太子の礼のおり お忙しいなかご参列いただきました。』
‥‥たぬきオヤジめ‥司命と口裏合わせて 私の修練の運命簿の書き換えに加勢しただろう?
‥‥え~そんなカラクリがあったのか?兄上っ‥
‥司命は私が 彼奴の運命簿の筋書きを外しても私の元神に反動が無いのが許せないらしい‥
‥何故 兄上には反動が来ないのですか?
‥その話しはまた後だ
宴の席に招待された神仙 地仙などが 指定された席に既に着席し お互いの親交、旧交をあたためていた。
‥四太子殿下 湘緋娘娘 お出ましぃ~
西王母は別格として 高位の皇子皇女から上座に座していく。
次に北極大帝の代参北斗星君 碧霞元君 その次が蒼霊君 側室小糸
南斗星君 西王母の娘瑶姫 そして青牙‥と下座に続いていく。
この場でも司命星君は下座になる。
その顔には 気に食わぬ‥と眉間に縦皺がよる。
最後に主宰の西王母がこれみよがしの煌びやかな衣装を纏いお出ましになった。
~この度は 皆 遠路はるばるよう参られました‥‥‥
蒼霊は、西王母の長ったらしい宴の趣旨の説明をところどころ聴き流しながら、休息所へ迎えに行った時の鈴兎の見違えるほどの変わり様を 思い出してはニヤついていた。
孫にも衣装とはまさにこの事‥
小糸の美点ときたら きめ細かいモチ肌ぐらいだろ~と見た目は諦めていた。
それがどうだ! 姉上が天宮の宴に初めて父君と招かれた時に召された衣装‥あれがまさか小糸の色白の肌にこれほど似合うとは‥青牙‥め‥伊達に女子遊びに耽っているわけでもなかったと言う事か‥
ヒトであった時は、美点など何一つ無かった女子‥
顔は十人並み‥天界の美形揃いの仙女の中に混じるとその不細工さがかえって目立つほどだと蒼霊は思っていた。
それが蒼霊君にとっては 人時代のイトに自分を完全に持ち物扱いされたことで眠っていたマゾヒズムを呼び起こされた。生まれて初めて女子に執着する事を覚え、この女子をめちゃくちゃに汚す事で自分のマゾヒズムを否定する事ばかりを考えて過ごした修練の20年(神様時間は2年)だったはずが 最後の最後に完全否定され、思いを遂げられず、執着を引きずったまま天界に戻ってきた。
今 西王母の宴で 用意された蒼霊の席の右側で蒼霊に隠れるように座している小糸(イト)は美しく見栄え良い姿に変わっていた。
『今年は、この数十万年で初めて秋にも蟠桃が実りました。皆の前の蟠桃は秋に採れたものです。遠慮なくご賞味ください。そして本日の宴を催すきっかけを私にくれた猫族蒼霊殿下に盃を掲げ、側室を迎えられたことで 猫族の盤石な繁栄が訪れんことを祈って 』
それぞれの座席の前後左右の招待客同士が盃をお互いに掲げて蟠桃を熟成させた桃酔芳酒を酌み交わした。
神仙は既に不老不死に近い生命を宿しているが 地仙は我先に不老不死の妙薬となる蟠桃をほうばり桃酔芳酒を飲んだ。
『蒼霊殿下‥其方の妻を私に紹介してはくれぬか?』
‥‥ほら来た‥
南斗一行は、一斉に緊張した。
『金母娘娘、これに控えているのが我が妻、鈴兎で御座います。海渡山の地仙周徳の元で修行していた小仙にて、現在は私と契りを交わし地仙となりました。』
鈴兎はその場で叩頭した。
『南斗星君と並び称される見目麗しき蒼霊殿下、お二人には女子との浮いた噂も無いという摩訶不思議な繋がりも本日ここに蒼霊殿下のご婚約をもって殿下が健全な男神であることを公に御示しされました。私が証人となりましょう』
『金母娘娘(ニャンニャン:高貴な后)畏れ多いお申し出、有り難くお受けいたします。』
蒼霊も叩頭している鈴兎の横で同様に西王母に向かって叩頭した。
『二人とも 立つがよい そしてここに集いし神々に二人の麗しい姿を見せるが良い』
西王母の指図に従い 蒼霊は鈴兎の手をとりながら二人で立ち上がり神々に対して お辞儀をした。
それから席に座すなり、
『ところで 蒼霊殿下、ちとお尋ねしたい事があるのですが‥』
‥はいはい、
『どのような事でもお尋ねください、金母娘娘』
『噂では、貴方は二年ほど人間界へ修練で降りていたとか』
『二年間 人間界で劫を超克する為の修練に降りていましたが、何か?』
‥‥司命か?
『聴くところによると、其方は色情煩悩を超克しに参ったのだったか?』
‥西王母に関係ねぇだろ?
『さようで御座いますが‥』
蒼霊は、眉一つ動かす事なく飄々と答えた。
『それで 劫は克服したのか?』
いよいよ核心か? 何を企んでいる‥
『いえ‥それが誠にもって我が身の至らぬ結果となりまして、修為を得ずに天界に戻ってきた次第‥』
『ほう‥何やら其方程の者が乗り越えられぬ試練に遭ったという事なのだな?』
西王母の表情が緩む。
‥‥
『まさに! 稀にみる試練また試練の連続! これこそ司命星君の真骨頂っ 私がまだまだ未熟者である事を思い知りました』
‥さあ 司命‥引きずり出してやったぞ
『なるほど、司命の巧みな筋書きによると?』
西王母の視線が桃酔芳酒でほろ酔い気分で瑶姫と楽しげに会話している司命星君に注がれる。
西王母と蒼霊が話している間 女子に興味を示さなかった猫族太子が選んだ地仙がどのような女子なのか招かれた地仙 女神達の注目は鈴兎と蒼霊に注がれる。
蒼霊が西王母と何を話しているのか‥神々の気になるところだった。
結局のところ人間の煩悩を超越するほどの修練を重ねて仙神になったところで死の心配が無い平和な長い時間の退屈を紛らわすのは神々のゴシップ、スキャンダルと言う事で人と変わらないようだった。
鈴兎の世話をする筈の青牙は碧霞元君の席に招かれ酌の相手をさせられている。南斗星君は相変わらず仙女に取り囲まれている。
蒼霊は、イライラし始めていた。
‥役立たずどもめ
『蒼霊殿下‥修為を半分もあの女子に分け与えたとか、』
蒼霊のイライラを知ってか知らずか西王母は質問の手を緩めそうに無い。
『娘娘(ニャンニャン)また、よくご存知で、確かに妻に迎える為には小仙以上でなければ 天界の掟に背く事になりますので‥鈴兎は苗字さえ無い 下賎な生まれ‥』
『殿下‥やはり色情煩悩の劫による執着がそうさせたのですね?』
『いかにも、こればかりは天の御心と受け入れ此度何の取り柄も無い小仙を娶り愛し抜くことで 色情煩悩の劫を超克できるものと悟った次第。』
蒼霊は堂々と嘘偽りなく西王母の質問に答えた。
‥相変わらずの切れ者よ、たしかに殿下には似つかわしく無い粗末な女子(おなご)‥蒼霊の修為がなければ今頃はどこぞ天界の片隅でゴミのように扱われていたであろう‥そんなモノに執着するとは、天も酷なこと‥
『殿下‥相変わらず潔く清々しいご返答‥私が知りたかった事の一つは納得いたしました。殿下には結婚の祝いとして、こちらの不老不死の妙薬を進ぜよう。殿下が服用されれば失った修為は全て回復しますよ。』
西王母が一つは納得した‥?例の幼男子への執着の口封じは?
『金母娘娘、有り難くお受けする。』
西王母はもう一つの質問をする事なく、
『新妻が不安そうな顔をしていますよ、お戻りなさい‥』
西王母の質問が済んだと思うと
『蒼霊殿下‥お待ちを‥』
呼び止めたのは 湘緋皇女だった。
『こ、これは 湘緋娘娘 ご挨拶が遅れました。』
蒼霊は掌を胸の前で重ね 頭を垂れた。
『あー良いのです。殿下‥一言お礼を申し上げたかったの‥』
湘緋は今の天君の第三者皇女でその母は四太子殿下と同じ皇后だった。その為 後宮の中では 天后 に次いで身分が高かった。
年齢は五万歳で未だ幼さの残る女神だった。
『はて、私‥覚えがございませんが‥』
蒼霊は 皇女に礼を述べられる事をした記憶が無かった。
『その、殿下がお留守なのに、父上にお願いして殿下のご忠臣を私に頂いた事です‥』
湘緋は急に顔を赤らめ恥ずかしげに身を僅かにくねらせた。
『ああ、その事でしたらお気になさらず、あのようなガサツ者でよろしければ‥何なりと御使い下さい。』
‥‥おいおい 伽羅めっ 皇女がお前にぞっこんじゃないかっ!
『とんでも御座いません、伽羅は勇猛果敢でそれでいて賢く、また見目麗しく 後宮の女子達からも羨ましく思われています。後宮では猫の姿を通してくれ、私が後宮から今日の様に出掛ける時は護衛として付き添ってくれています。絵物語でしか拝見したことのない尊神様が 殿下のご先祖様を特に愛されていたお気持ち 私も同じ思いです』
『誠に有難いお言葉、蒼霊 痛み入ります。というと本日は伽羅も来ているのですか?』
『はいっ、控えの間で待たせております。』
嬉しそうにはにかむ美しい皇女だった。
『湘緋‥其方の従者は蒼霊殿下の御配下の者だったの?』
‥見目麗しいに反応したか‥西王母‥
『はい! 曽祖母様 それはそれは美しき獣で湘緋は片時も手離せませんのっ 』
『これっ はしたない 場をわきまえなさい』
西王母は四太子殿下や湘緋皇女にとっては曽祖母にあたる。
『ごめんなさい‥』
『ところで その‥者‥連れて参っているのだな?』
少し咎めただけでも身をすくめる幼い孫娘にはこれ以上天界の掟を煩く言っても仕方がないと、西王母は孫娘の自慢の〝ペット〟を見たいとねだってみた。
‥チッ、またややこしい事、
『金母娘娘、湘緋娘娘 私はこれにて妻の隣に戻らせていただきます。』
これ以上蒼霊を引き止める訳にはいかないと西王母も湘緋も納得した。
しかし実は三千年に一度か六千年に一度きり実るはずが 何故か今年は春と秋の二度実るという、不思議な年でもあった。
崑崙山の頂きのそこは、陰の気を主宰し、三界十方の全ての仙女を統べる西王母の居住の場である。
南斗星君一行は 星君 蒼霊 青牙 畢方 白澤 鈴兎と続いて瑶池の辺りに降り立った。
空には 鳳凰 孔雀 三青鳥が飛び交い 東から白龍が湧き上がる雲の様に舞い上がると スルスルと南斗星君一行に近づき 一瞬で人形となり降り立った。
『これはっ、、 四太子殿下‥』
蒼霊以下全員が、手のひらをうちに向けて胸の前で重ね頭を軽く垂れた。鈴兎もそれに倣って頭を深く垂れた。
四太子殿下‥天君の四男で立太子されている。
『堅苦しい挨拶は、父君の前だけに、南斗星君。
蒼霊殿下‥此度は側室をお迎えなさると‥蒼霊殿下も南斗星君同様女神からの絶大な人気、花婿候補筆頭のお二人‥天界の女子達が我先にお二人方との縁組を天君に申し立てていますのに、
そのお一方 蒼霊殿下‥のお気に召した女子にもお会いしたくて、父君にお願いして代参いたしました。』
純白の薄衣を色衣を中に挟んで4枚重ね若い太子らしく爽やかな碧瑠璃の帯を几帳面に真正面できっちり結び羽織りは同じく碧瑠璃の総絹で瑶池の色とりどりの草花の中で冴え渡った。
東王父が好む帝王色の紫を避けながら碧海を思わせる色を選ぶあたり若年とは言えさすがといわざるおえない心配りだった。
『四太子殿下‥こそ、彼方此方から縁組の申し出が引も切らさずと、月下老人が申しておりましたよ。』
南斗星君の機転で 蒼霊の思いびとの話題を四太子殿下の縁組の話題にすり替えた。
『それは‥月下老人も大袈裟に言っているのです。』
御歳9万歳を迎えたばかりの青年皇太子は、おおいに照れた。
四太子殿下が南斗星君とやり取りしている間に、蒼霊は 青牙に目配せした。
‥まさか四太子殿下までご招待されるとは、これはうかうか素の鈴兎では まずいな‥
青牙は鈴兎とその場を静かに離れた。
瑶池のあらゆる宮殿に招待客の休息所が、用意されていた。
青牙は南斗星君御一同と記された宮殿に入り急ぎ侍女達に
『これに用意した召物をこの方が、より美しく見映えよくなる様に召し替えしておくれ 髪も結い直し、これ この髪飾りで艶やかに、頼む』
美しい天界の男神から頼まれれば、侍女達は我先にと各々が腕を競うように鈴兎を飾り立てる。
西王母の元にいる侍女達は 美に強い執着のある主人に仕えているだけあると青牙は確信していた。同腹の姉皇女が鈴兎と同じ3万年歳の頃天宮に、上がる時の晴れ着を仙術で取り寄せた。
髪飾りは 青牙の好み‥見立てた物を用意した。
『小糸様‥この方々は、選りすぐりの美に詳しい仙女の方々、どうか安心めさらてこの方々にお任せください。後程、蒼霊殿下にお迎え頂きます様青牙が取り計らいまする。』
鈴兎に拒む選択などない事を、鈴兎自身がわかっていた。
‥殿下に恥ずかしい思いはさせられない‥
絶対‥ボロを出さないように‥演じるっ!
筒抜けの鈴兎の決心にやや安堵して青牙は南斗一行に合流した。
‥‥兄上‥後ほど小糸をお迎えに行ってください‥
多分御満足いただけるかと‥
青牙‥すまぬな、助かった‥
『何? 南斗星君‥若作りの趣味⁉︎』
‥ゲッ! 北斗くん‥‥何でお前がぁ居るんだよ
『おや、北斗星君‥‥司命星君も』
南斗星君は 表情には全く表さず、飄々とした態度をとった。
『これは、ついつい 御三方の会話に立ち入ってしまった‥無作法をお許し下さい。此度は 北極大帝より 蒼霊殿下にお祝いのお届け物を預かってまいりました。大帝は最近体調芳しくなく、西王母のご招待にお応えできかねるとお返事され、この私が代参いたしました次第‥この度は 誠にお慶び申し上げまする。』
『これは、遠路はるばる北斗星君にお運びいただき、大帝には何とぞよろしくお伝えください。本来ならば、改めて我が宮にて ご報告申し上げなくてはいけないところ、ご縁あって西王母様が先だって祝ってやろうと仰せくださり、そのご厚誼にあずかりました。』
『いやぁ、私が蒼霊殿下にお会いするのはかれこれ2、3万年ぶりではございませんか? いやはや御立派になられましたな。』
『はい たしか、立太子の礼のおり お忙しいなかご参列いただきました。』
‥‥たぬきオヤジめ‥司命と口裏合わせて 私の修練の運命簿の書き換えに加勢しただろう?
‥‥え~そんなカラクリがあったのか?兄上っ‥
‥司命は私が 彼奴の運命簿の筋書きを外しても私の元神に反動が無いのが許せないらしい‥
‥何故 兄上には反動が来ないのですか?
‥その話しはまた後だ
宴の席に招待された神仙 地仙などが 指定された席に既に着席し お互いの親交、旧交をあたためていた。
‥四太子殿下 湘緋娘娘 お出ましぃ~
西王母は別格として 高位の皇子皇女から上座に座していく。
次に北極大帝の代参北斗星君 碧霞元君 その次が蒼霊君 側室小糸
南斗星君 西王母の娘瑶姫 そして青牙‥と下座に続いていく。
この場でも司命星君は下座になる。
その顔には 気に食わぬ‥と眉間に縦皺がよる。
最後に主宰の西王母がこれみよがしの煌びやかな衣装を纏いお出ましになった。
~この度は 皆 遠路はるばるよう参られました‥‥‥
蒼霊は、西王母の長ったらしい宴の趣旨の説明をところどころ聴き流しながら、休息所へ迎えに行った時の鈴兎の見違えるほどの変わり様を 思い出してはニヤついていた。
孫にも衣装とはまさにこの事‥
小糸の美点ときたら きめ細かいモチ肌ぐらいだろ~と見た目は諦めていた。
それがどうだ! 姉上が天宮の宴に初めて父君と招かれた時に召された衣装‥あれがまさか小糸の色白の肌にこれほど似合うとは‥青牙‥め‥伊達に女子遊びに耽っているわけでもなかったと言う事か‥
ヒトであった時は、美点など何一つ無かった女子‥
顔は十人並み‥天界の美形揃いの仙女の中に混じるとその不細工さがかえって目立つほどだと蒼霊は思っていた。
それが蒼霊君にとっては 人時代のイトに自分を完全に持ち物扱いされたことで眠っていたマゾヒズムを呼び起こされた。生まれて初めて女子に執着する事を覚え、この女子をめちゃくちゃに汚す事で自分のマゾヒズムを否定する事ばかりを考えて過ごした修練の20年(神様時間は2年)だったはずが 最後の最後に完全否定され、思いを遂げられず、執着を引きずったまま天界に戻ってきた。
今 西王母の宴で 用意された蒼霊の席の右側で蒼霊に隠れるように座している小糸(イト)は美しく見栄え良い姿に変わっていた。
『今年は、この数十万年で初めて秋にも蟠桃が実りました。皆の前の蟠桃は秋に採れたものです。遠慮なくご賞味ください。そして本日の宴を催すきっかけを私にくれた猫族蒼霊殿下に盃を掲げ、側室を迎えられたことで 猫族の盤石な繁栄が訪れんことを祈って 』
それぞれの座席の前後左右の招待客同士が盃をお互いに掲げて蟠桃を熟成させた桃酔芳酒を酌み交わした。
神仙は既に不老不死に近い生命を宿しているが 地仙は我先に不老不死の妙薬となる蟠桃をほうばり桃酔芳酒を飲んだ。
『蒼霊殿下‥其方の妻を私に紹介してはくれぬか?』
‥‥ほら来た‥
南斗一行は、一斉に緊張した。
『金母娘娘、これに控えているのが我が妻、鈴兎で御座います。海渡山の地仙周徳の元で修行していた小仙にて、現在は私と契りを交わし地仙となりました。』
鈴兎はその場で叩頭した。
『南斗星君と並び称される見目麗しき蒼霊殿下、お二人には女子との浮いた噂も無いという摩訶不思議な繋がりも本日ここに蒼霊殿下のご婚約をもって殿下が健全な男神であることを公に御示しされました。私が証人となりましょう』
『金母娘娘(ニャンニャン:高貴な后)畏れ多いお申し出、有り難くお受けいたします。』
蒼霊も叩頭している鈴兎の横で同様に西王母に向かって叩頭した。
『二人とも 立つがよい そしてここに集いし神々に二人の麗しい姿を見せるが良い』
西王母の指図に従い 蒼霊は鈴兎の手をとりながら二人で立ち上がり神々に対して お辞儀をした。
それから席に座すなり、
『ところで 蒼霊殿下、ちとお尋ねしたい事があるのですが‥』
‥はいはい、
『どのような事でもお尋ねください、金母娘娘』
『噂では、貴方は二年ほど人間界へ修練で降りていたとか』
『二年間 人間界で劫を超克する為の修練に降りていましたが、何か?』
‥‥司命か?
『聴くところによると、其方は色情煩悩を超克しに参ったのだったか?』
‥西王母に関係ねぇだろ?
『さようで御座いますが‥』
蒼霊は、眉一つ動かす事なく飄々と答えた。
『それで 劫は克服したのか?』
いよいよ核心か? 何を企んでいる‥
『いえ‥それが誠にもって我が身の至らぬ結果となりまして、修為を得ずに天界に戻ってきた次第‥』
『ほう‥何やら其方程の者が乗り越えられぬ試練に遭ったという事なのだな?』
西王母の表情が緩む。
‥‥
『まさに! 稀にみる試練また試練の連続! これこそ司命星君の真骨頂っ 私がまだまだ未熟者である事を思い知りました』
‥さあ 司命‥引きずり出してやったぞ
『なるほど、司命の巧みな筋書きによると?』
西王母の視線が桃酔芳酒でほろ酔い気分で瑶姫と楽しげに会話している司命星君に注がれる。
西王母と蒼霊が話している間 女子に興味を示さなかった猫族太子が選んだ地仙がどのような女子なのか招かれた地仙 女神達の注目は鈴兎と蒼霊に注がれる。
蒼霊が西王母と何を話しているのか‥神々の気になるところだった。
結局のところ人間の煩悩を超越するほどの修練を重ねて仙神になったところで死の心配が無い平和な長い時間の退屈を紛らわすのは神々のゴシップ、スキャンダルと言う事で人と変わらないようだった。
鈴兎の世話をする筈の青牙は碧霞元君の席に招かれ酌の相手をさせられている。南斗星君は相変わらず仙女に取り囲まれている。
蒼霊は、イライラし始めていた。
‥役立たずどもめ
『蒼霊殿下‥修為を半分もあの女子に分け与えたとか、』
蒼霊のイライラを知ってか知らずか西王母は質問の手を緩めそうに無い。
『娘娘(ニャンニャン)また、よくご存知で、確かに妻に迎える為には小仙以上でなければ 天界の掟に背く事になりますので‥鈴兎は苗字さえ無い 下賎な生まれ‥』
『殿下‥やはり色情煩悩の劫による執着がそうさせたのですね?』
『いかにも、こればかりは天の御心と受け入れ此度何の取り柄も無い小仙を娶り愛し抜くことで 色情煩悩の劫を超克できるものと悟った次第。』
蒼霊は堂々と嘘偽りなく西王母の質問に答えた。
‥相変わらずの切れ者よ、たしかに殿下には似つかわしく無い粗末な女子(おなご)‥蒼霊の修為がなければ今頃はどこぞ天界の片隅でゴミのように扱われていたであろう‥そんなモノに執着するとは、天も酷なこと‥
『殿下‥相変わらず潔く清々しいご返答‥私が知りたかった事の一つは納得いたしました。殿下には結婚の祝いとして、こちらの不老不死の妙薬を進ぜよう。殿下が服用されれば失った修為は全て回復しますよ。』
西王母が一つは納得した‥?例の幼男子への執着の口封じは?
『金母娘娘、有り難くお受けする。』
西王母はもう一つの質問をする事なく、
『新妻が不安そうな顔をしていますよ、お戻りなさい‥』
西王母の質問が済んだと思うと
『蒼霊殿下‥お待ちを‥』
呼び止めたのは 湘緋皇女だった。
『こ、これは 湘緋娘娘 ご挨拶が遅れました。』
蒼霊は掌を胸の前で重ね 頭を垂れた。
『あー良いのです。殿下‥一言お礼を申し上げたかったの‥』
湘緋は今の天君の第三者皇女でその母は四太子殿下と同じ皇后だった。その為 後宮の中では 天后 に次いで身分が高かった。
年齢は五万歳で未だ幼さの残る女神だった。
『はて、私‥覚えがございませんが‥』
蒼霊は 皇女に礼を述べられる事をした記憶が無かった。
『その、殿下がお留守なのに、父上にお願いして殿下のご忠臣を私に頂いた事です‥』
湘緋は急に顔を赤らめ恥ずかしげに身を僅かにくねらせた。
『ああ、その事でしたらお気になさらず、あのようなガサツ者でよろしければ‥何なりと御使い下さい。』
‥‥おいおい 伽羅めっ 皇女がお前にぞっこんじゃないかっ!
『とんでも御座いません、伽羅は勇猛果敢でそれでいて賢く、また見目麗しく 後宮の女子達からも羨ましく思われています。後宮では猫の姿を通してくれ、私が後宮から今日の様に出掛ける時は護衛として付き添ってくれています。絵物語でしか拝見したことのない尊神様が 殿下のご先祖様を特に愛されていたお気持ち 私も同じ思いです』
『誠に有難いお言葉、蒼霊 痛み入ります。というと本日は伽羅も来ているのですか?』
『はいっ、控えの間で待たせております。』
嬉しそうにはにかむ美しい皇女だった。
『湘緋‥其方の従者は蒼霊殿下の御配下の者だったの?』
‥見目麗しいに反応したか‥西王母‥
『はい! 曽祖母様 それはそれは美しき獣で湘緋は片時も手離せませんのっ 』
『これっ はしたない 場をわきまえなさい』
西王母は四太子殿下や湘緋皇女にとっては曽祖母にあたる。
『ごめんなさい‥』
『ところで その‥者‥連れて参っているのだな?』
少し咎めただけでも身をすくめる幼い孫娘にはこれ以上天界の掟を煩く言っても仕方がないと、西王母は孫娘の自慢の〝ペット〟を見たいとねだってみた。
‥チッ、またややこしい事、
『金母娘娘、湘緋娘娘 私はこれにて妻の隣に戻らせていただきます。』
これ以上蒼霊を引き止める訳にはいかないと西王母も湘緋も納得した。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
むらくも航
ファンタジー
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
☆10/25からは、毎日18時に更新予定!
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる