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神界転生
蒼霊先生の性教育
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侍女の選別試験中に瑞雲宮の主人にさらわれた。初めて男神に躰を預け 激しく翻弄され、身体のあちこちにその余韻が記されている。
目覚めると そこは瑞雲宮の主人の寝殿の寝床だった。寝床は大理石と翡翠の石造りで 継ぎ目はやはり金の細かい細工金物が使われて、四方の角には大理石の柱が建ちそこから煌びやかな天蓋がゆらゆらと隙間からの風に揺らめいている。
あまりに眩しくて眼を細めながら 蒼霊を探すが 既に寝殿には居ない様子だった。
鈴兎は急に心細くなり 絹の掛け布団をグッと顔の近く迄引き寄せ 改めて寝殿の中を見渡した。
『殿下は 何処に行かれたの? この宮も何も知らないまま…いきなり…あの…ような…』
思い出すだけで 恥ずかしく カーッと血流の流れが早まり乳白色に近いもっちりとした鈴兎の皮膚は見る見る桃色に染まる。
ダメッ 夜伽の事 思い出すだけで 心(しん)が飛び出してきそう…
鈴…忘れて 忘れる… たった一夜限り…これからは侍女としてしっかり働かなくては… ダメッ
掛け布団を頭からすっぽり被り ぶつぶつ独り言を言いながら気持ちを落ち着かせていると…
ヒャッ!
『小糸 何をぶつぶつ唱えていた?』
鳳凰が換羽期に抜け落とした羽毛だけを拾い集め絹の掛け布団に仕立て上げた寝具にくるまっている鈴兎からその掛け布団を剥ぎ取って、
心衣(薄い胸当て)と腰巻き姿の鈴兎を ニヤつきながら見た。
『で! 殿下ぁ お戯れを!』
躰を隠せ無いので 咄嗟に両手で顔を覆う鈴兎に
『何をもって 戯れと申すのだ? 私は至って真面目に私の妻の身体を眺めているのだよ…』
『…おやめください 恥ずかしすぎます…』
また再び 乳白色の皮膚がほのかに赤く染まっていく。
『恥ずかしいのは 昨夜のお前の乱れ様よ…それはそれは男心をくすぐるさまだった…ほれ 思い出すだけで 我が剣が鋭く持ち上がってきたぞ!』
蒼霊が羽織っている白妙の絹の衣の丁度臀部の反対側が布を張ったように軽々と衣を持ち上げている。
何の事を言っているのか理解できない鈴兎は
『殿下 お布団を返してくださいっ 寒う御座います。』
初めてと言っていい 主人への要求だった。
『うむ 、返す代わりに私の剣を鞘に納めよ』
蒼霊は鈴兎に掛け布団を返した。
『かしこまりました。』
掛け布団を身体に纏わせて その隙間から両手を差し出した。
『 何の真似だ? 手を差し出されても私の剣は収まらぬ』
鈴兎が座る寝台の前に立ち 頭を垂れてうやうやしく 剣を受け取ろうとする 姿が 滑稽で 蒼霊もケタケタと笑いだす。
『殿下っ 何がおかしくてお笑いになられるのですか?早く剣をお渡し下さい』
鈴兎は、侍女長に指導されたとおりに、頭を垂れて 直接蒼霊の顔を見ないようにしつつ上目遣いに視線を向けた。
ギャッ!
あまりに惨(むご)たらしい醜いものを見た衝撃に鈴兎は背後に転がり込んだ。
『殿下ぁ! 何っ何やら薄気味悪い亀の頭の様なものが! 殿下ああー様子を伺ってますぅ!』
転がったまま 再び掛け布団を頭からすっぽり被り
『殿下ぁ そ、それを 退治してっ ください 目の無い …化け物が!』
『小糸、恐るに足らぬ 私が許すゆえ 私の顔を見てみよ 』
『殿下……もう化け物はいませんか? 私のような小仙が 尊き男神さまを見て、天罰が降りませぬか?』
『私が見よ と命じておるのだ。夫君の命に従うのが妻と言うものだ…』
『つ、妻と申されましても…婚約も交わしてはおりませぬ…昨夜の事は殿下のお戯れと…』
『えーえいっ 面倒な女子(おなご)だ よいから頭を上げて私の、顔形を見よっ』
…昨夜は有無も言わさぬ速さにて押し倒されてあのような恥ずかしい事になってしまい…殿下のお顔すらまともに見ていなかった…
鈴兎は瞼をこれでもかと力を入れて閉じると 思い切って先程から声が聞こえてくる方を予想して頭を上げた。
『瞼を開け…』
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*˚✧₊⁎⁎⁺˳✧༚˚✧₊⁎˳✧༚*・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*˚✧₊⁎⁺˳✧༚˚✧₊⁎⁎⁺˳✧༚*・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*˚✧₊⁎⁎⁺˳✧༚˚✧₊⁎⁎⁺˳✧༚˚✧₊⁎⁎⁺˳✧༚˚✧₊⁎⁎⁺˳✧༚*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
ゆっくりと瞼を開ければ神々しい黄金の西日が寝殿の窓や入り口の巧妙な透かし彫りの材を透して四方八方に光の帯びを伸ばし蒼霊の背後を照らし、眩しすぎて 顔を確かめることがままならない。
『殿下ぁ 眩しくて 眼を開けていられません 』
蒼霊は …やれやれ手間のかかる女子よ…と思いつつも寝殿の隙間という隙間を閉めて寝殿全体が 小仙の眼にも鮮やかに見ることができるように仙術で光の調整をした。
『よいぞ 眼を開けてみよ』
鈴兎が見た蒼霊は、
漆黒の長い髪 あおすいた白い肌に ひと筆で半円を描いたような鮮やかな黒眉 その下の眼は やや釣り上がってはいるが楕円形の眼球
青緑色の虹彩の真ん中に黒い瞳が丸く大きく輝いている。
真っ直ぐに通った鼻筋。肌の白さと対比するような鮮やかな赤い唇。その唇は薄く口角が引き締まり薄っすらと笑みをたたえているようにも見えた。
こんな美しい神様がいらっしゃるとは…天界がどういう場所なのか…今更恐れ慄く鈴兎だった。
そしてその立ち姿も 見事な肉体を薄い絹の下着が透かして見せ
昨日はあの逞しい胸に抱かれた……
そのまま視線を下ろし 腹部辺りで黒々として縮た体毛が逆三角形の形に生え揃いその下で 鈴兎は見る見る顔から血の気がサーと引いていくのを感じた。
嘘だ…何という事!
この美しい完璧な神の躰の1箇所に その美しさを台無しにしてしまう程の醜い突起物が 鈴兎の視界を遮った。
『で、殿下…居ました 先程の禍々しい モノ… 殿下のお腹の下から 伸びて……』
蒼霊は 手のひらを額につけて…どうしようもない…
冷ややかに苦笑した。
『小糸… お前にこの世の陰陽を教えてやろう…』
蒼霊は寝台に上がると鈴兎の横に腰を下ろして座った。長い脚は片膝を立てて脇息代わりに腕を乗せ空いた右腕を鈴兎の背中にまわしながら語り始めた。
この世界は全て陰陽五行で成り立っているのだ
例えば、太陽が昇ると月は隠れる。太陽が隠れると月が我らの足元を照らしてくれよう…
二つは対を成して成り立っておる。
『…対?』
蒼霊は懐に引き寄せた 鈴兎の髪を撫でながらさらに物語っていく。
『そうだ…』
水は何を生み出すか考えてみよ?
う~ん…花を咲かせます。
そう、水は草木を育むな…火はどうやって発す?
え~とぉ…薪を燃やして発しまする。
その通りだ… 薪が燃え尽きた後は?
灰になってしまって、畑に撒きました。
わからぬか?水と木 木と火 火と土 …其々お互いが必要なのだ…
『二つは生み出す間柄なのですね!』
『まぁ そんなものだ…その関係は陽とする』
『では…陰は?』
『うむ、水と火では…どうだ?』
『火は消えますっ!水は火を消しますっ』
『そうだ、お互いを消してしまう関係が陰と考えよ、しかし、はじめに話した太陽と月…太陽は大地を照らし様々なものを産み育てる。月は暗闇を、照らすが生む事も育てることもできない…が我らにとっては双方が、必要なのだ…生まれれば 必ず死ぬ…』
『神は死なないのでは?』
『神もまた死ぬ 長生きなだけで 必ず寿命は尽きて混沌に帰す。お前は私が〝剣〟を納めよと命じたのを覚えておるか?』
『あ、はい でも…』鈴兎は黙って 醜い亀を思い出す。
『私が、剣と比喩したものは これだ』
蒼霊は着物の裾をめくり 自らの股間にある美しいとは決して言えぬ代物を 手にのせて 鈴兎に見せた。
『ヒャ…そっ それは…』
『お前が 醜い化け物と言った 代物だ…』
蒼霊は愉快げに鈴兎を見つめる。
『そっ それは…そのぉ まさか殿下のお持ち物とは…』
鈴兎は恥ずかしくなって俯いた。
『お前にも お前が見たら卒倒するかもしれぬ醜いモノがあるぞ』
『殿下…には、申し訳ございませんが…私は元々美しく生まれたわけでは御座いませぬが、自分の躰とは長年の付き合いで、卒倒する程の醜いモノは躰のどこを探してみてもございませぬ…』
『そうか…まぁよい ならば私の醜い化け物がなぜ剣と比喩するのか 今から教えてやろう』
そう言うと 蒼霊は鈴兎を抱いていた腕を鈴兎から離すと 〝下がって見ておれ〟 と言った。
鈴兎が蒼霊から少し離れたら 蒼霊は股間にあるその畏れ多いモノを掴むとゆっくりと上下に扱き始めた。
『で、殿下ぁ…何を?』
やがてそのものは まるで息を吹き込まれた筒袋のように形を成して天に向かって起き上がり始めた。
『殿下ぁ それは、そっそれ…』
…まるで四神玄武さま…?
いちいち驚きの言葉を発する鈴兎を無視して 蒼霊はふぅーと大きく息を吐いて、
『どうだ これが私の 〝醜い剣だ〟この剣を納める鞘こそがお前なのだ』
鞘? え~どういう事?
『殿下ぁ 私に そのように鋭く怒張した…つ、つるぎ…を納める鞘を、どうお造り申し上げれば よろしいのか…分かりません…』
ここへきて 鈴兎はわなわなと震えながら恐れ慄いたのか 泣き出す寸前といった表情に
…鈍い、鈍すぎて話しにならん…
さて それならば…
蒼霊は 股間の事はさて置き
『おいで…小糸…』
これでもかと言うほど優しく甘い声色で鈴兎に対して懐を拡げた。
両腕拡げて 来い と言う蒼霊の懐にそろそろとにじり寄ると
蒼霊はその長い腕と胡座を組んだ両脚を使い 鈴兎を抱いて拘束した。
『殿下…な、何を?』
『今から 陽である私の剣を 陰であるお前の鞘に納める。全て私に任せておけばよい。』
『殿下ぁ…怖いのは 嫌ですぅうっ…うっ…グゥ』
『泣くでない、まだ何もしておらぬ…怖くば眼を閉じ 耳を塞げっ』
ドックン◦◦◦ドックン◦◦◦◦ドックン◦◦
鈴兎は自分の心臓の鼓動が怖い怖いと響いているように感じる。
頑なに恐れて泣く鈴兎の頭を撫でながら、艶やかな髪に唇を落とし若い仙女の体からかおる睡蓮のような甘い匂いを胸いっぱいに嗅いだ。
口づけをしながら 『小糸…お前は天界に来るまでは何処にいた?…お前の躰からは何とも言えぬ甘い香りが醸され 心地よい…』
…えっ 私の匂い…?
『それが あまり覚えていないのです。気がついたら山深く巨大な湖の辺りで 南斗星君にお仕えしている地仙様のお身の回りのお世話を致しておりました。』
鈴兎には幼き頃の記憶が無い…当然だ、私が命じて過去を忘れさせたのだから…。
ふむ…直ぐに来たのでは無かったか…南斗星君…か
『小糸…南斗星君に眼通りした事はあるか?』
『いえ…一度もございません。地仙様が 星君はそれはそれは眩きばかりの美しく若い男神で 周りには数知れずの女神 仙女がはべっている。お前も星君に眼通りすれば たちどころに 侍女になりたいと願うだろうが 星君は女子には興味がない。お前はゆくゆくは天宮の神々のどなたかに侍女として召し抱えてもらうが幸せ と、そのように申しておりました。』
『なるほど…それで 私に見初められた…と言う事だな、』
鈴兎は見初められたと言われ 急に気恥ずかしい気持ちになって両手で顔を隠した。
司命め…いつの間 そのような筋書きを挿入したのだ…
しかも 南斗星君!
やはり司命は私に何やら恨みか嫉みがあるやもしれぬな…
南斗! あのなまくら女ったらしが 地仙の下働き女すら知らぬはずあるまい…
次の神君会議で 何やら仕掛けて来そうよな…
蒼霊の青緑色の虹彩の真ん中の瞳孔が意地悪くキュと縦一文字に収縮した。
懐に鈴兎を抱きながら 真っ赤な唇が少し開くと長い舌がにゅっと出てペロリと唇をひと舐めした。
蒼霊の懐の鈴兎はスヤスヤと寝入ってしまい、
流石 睡蓮…
肌の温もりを独り占めしたかのように蒼霊の懐でスヤスヤと眠る鈴兎の安らかな寝顔も睡蓮の甘い香りも、数万年生きてきた年月を一掃する程の癒しだった。
摩訶不思議な事もあるものよ…
私より美しい女子(おなご)ならば興味も湧こうが…そのような者、生を受けて十数万年出会ったためしがない。常に碁打ちの相手は青牙か伽羅…それが まさか
修練の為に降りた人間界で 出会った女子に執着するとは、
寝顔が特別妖艶と言うわけでもなく、頭も悪い。
色情の劫とは、誠に厄介なもの…私にとってもっとも容易く乗り越えられる劫のはずだったが…
『今宵は 小糸睡蓮の香りを肴に添い寝で我慢するとしようか…』
目覚めると そこは瑞雲宮の主人の寝殿の寝床だった。寝床は大理石と翡翠の石造りで 継ぎ目はやはり金の細かい細工金物が使われて、四方の角には大理石の柱が建ちそこから煌びやかな天蓋がゆらゆらと隙間からの風に揺らめいている。
あまりに眩しくて眼を細めながら 蒼霊を探すが 既に寝殿には居ない様子だった。
鈴兎は急に心細くなり 絹の掛け布団をグッと顔の近く迄引き寄せ 改めて寝殿の中を見渡した。
『殿下は 何処に行かれたの? この宮も何も知らないまま…いきなり…あの…ような…』
思い出すだけで 恥ずかしく カーッと血流の流れが早まり乳白色に近いもっちりとした鈴兎の皮膚は見る見る桃色に染まる。
ダメッ 夜伽の事 思い出すだけで 心(しん)が飛び出してきそう…
鈴…忘れて 忘れる… たった一夜限り…これからは侍女としてしっかり働かなくては… ダメッ
掛け布団を頭からすっぽり被り ぶつぶつ独り言を言いながら気持ちを落ち着かせていると…
ヒャッ!
『小糸 何をぶつぶつ唱えていた?』
鳳凰が換羽期に抜け落とした羽毛だけを拾い集め絹の掛け布団に仕立て上げた寝具にくるまっている鈴兎からその掛け布団を剥ぎ取って、
心衣(薄い胸当て)と腰巻き姿の鈴兎を ニヤつきながら見た。
『で! 殿下ぁ お戯れを!』
躰を隠せ無いので 咄嗟に両手で顔を覆う鈴兎に
『何をもって 戯れと申すのだ? 私は至って真面目に私の妻の身体を眺めているのだよ…』
『…おやめください 恥ずかしすぎます…』
また再び 乳白色の皮膚がほのかに赤く染まっていく。
『恥ずかしいのは 昨夜のお前の乱れ様よ…それはそれは男心をくすぐるさまだった…ほれ 思い出すだけで 我が剣が鋭く持ち上がってきたぞ!』
蒼霊が羽織っている白妙の絹の衣の丁度臀部の反対側が布を張ったように軽々と衣を持ち上げている。
何の事を言っているのか理解できない鈴兎は
『殿下 お布団を返してくださいっ 寒う御座います。』
初めてと言っていい 主人への要求だった。
『うむ 、返す代わりに私の剣を鞘に納めよ』
蒼霊は鈴兎に掛け布団を返した。
『かしこまりました。』
掛け布団を身体に纏わせて その隙間から両手を差し出した。
『 何の真似だ? 手を差し出されても私の剣は収まらぬ』
鈴兎が座る寝台の前に立ち 頭を垂れてうやうやしく 剣を受け取ろうとする 姿が 滑稽で 蒼霊もケタケタと笑いだす。
『殿下っ 何がおかしくてお笑いになられるのですか?早く剣をお渡し下さい』
鈴兎は、侍女長に指導されたとおりに、頭を垂れて 直接蒼霊の顔を見ないようにしつつ上目遣いに視線を向けた。
ギャッ!
あまりに惨(むご)たらしい醜いものを見た衝撃に鈴兎は背後に転がり込んだ。
『殿下ぁ! 何っ何やら薄気味悪い亀の頭の様なものが! 殿下ああー様子を伺ってますぅ!』
転がったまま 再び掛け布団を頭からすっぽり被り
『殿下ぁ そ、それを 退治してっ ください 目の無い …化け物が!』
『小糸、恐るに足らぬ 私が許すゆえ 私の顔を見てみよ 』
『殿下……もう化け物はいませんか? 私のような小仙が 尊き男神さまを見て、天罰が降りませぬか?』
『私が見よ と命じておるのだ。夫君の命に従うのが妻と言うものだ…』
『つ、妻と申されましても…婚約も交わしてはおりませぬ…昨夜の事は殿下のお戯れと…』
『えーえいっ 面倒な女子(おなご)だ よいから頭を上げて私の、顔形を見よっ』
…昨夜は有無も言わさぬ速さにて押し倒されてあのような恥ずかしい事になってしまい…殿下のお顔すらまともに見ていなかった…
鈴兎は瞼をこれでもかと力を入れて閉じると 思い切って先程から声が聞こえてくる方を予想して頭を上げた。
『瞼を開け…』
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ゆっくりと瞼を開ければ神々しい黄金の西日が寝殿の窓や入り口の巧妙な透かし彫りの材を透して四方八方に光の帯びを伸ばし蒼霊の背後を照らし、眩しすぎて 顔を確かめることがままならない。
『殿下ぁ 眩しくて 眼を開けていられません 』
蒼霊は …やれやれ手間のかかる女子よ…と思いつつも寝殿の隙間という隙間を閉めて寝殿全体が 小仙の眼にも鮮やかに見ることができるように仙術で光の調整をした。
『よいぞ 眼を開けてみよ』
鈴兎が見た蒼霊は、
漆黒の長い髪 あおすいた白い肌に ひと筆で半円を描いたような鮮やかな黒眉 その下の眼は やや釣り上がってはいるが楕円形の眼球
青緑色の虹彩の真ん中に黒い瞳が丸く大きく輝いている。
真っ直ぐに通った鼻筋。肌の白さと対比するような鮮やかな赤い唇。その唇は薄く口角が引き締まり薄っすらと笑みをたたえているようにも見えた。
こんな美しい神様がいらっしゃるとは…天界がどういう場所なのか…今更恐れ慄く鈴兎だった。
そしてその立ち姿も 見事な肉体を薄い絹の下着が透かして見せ
昨日はあの逞しい胸に抱かれた……
そのまま視線を下ろし 腹部辺りで黒々として縮た体毛が逆三角形の形に生え揃いその下で 鈴兎は見る見る顔から血の気がサーと引いていくのを感じた。
嘘だ…何という事!
この美しい完璧な神の躰の1箇所に その美しさを台無しにしてしまう程の醜い突起物が 鈴兎の視界を遮った。
『で、殿下…居ました 先程の禍々しい モノ… 殿下のお腹の下から 伸びて……』
蒼霊は 手のひらを額につけて…どうしようもない…
冷ややかに苦笑した。
『小糸… お前にこの世の陰陽を教えてやろう…』
蒼霊は寝台に上がると鈴兎の横に腰を下ろして座った。長い脚は片膝を立てて脇息代わりに腕を乗せ空いた右腕を鈴兎の背中にまわしながら語り始めた。
この世界は全て陰陽五行で成り立っているのだ
例えば、太陽が昇ると月は隠れる。太陽が隠れると月が我らの足元を照らしてくれよう…
二つは対を成して成り立っておる。
『…対?』
蒼霊は懐に引き寄せた 鈴兎の髪を撫でながらさらに物語っていく。
『そうだ…』
水は何を生み出すか考えてみよ?
う~ん…花を咲かせます。
そう、水は草木を育むな…火はどうやって発す?
え~とぉ…薪を燃やして発しまする。
その通りだ… 薪が燃え尽きた後は?
灰になってしまって、畑に撒きました。
わからぬか?水と木 木と火 火と土 …其々お互いが必要なのだ…
『二つは生み出す間柄なのですね!』
『まぁ そんなものだ…その関係は陽とする』
『では…陰は?』
『うむ、水と火では…どうだ?』
『火は消えますっ!水は火を消しますっ』
『そうだ、お互いを消してしまう関係が陰と考えよ、しかし、はじめに話した太陽と月…太陽は大地を照らし様々なものを産み育てる。月は暗闇を、照らすが生む事も育てることもできない…が我らにとっては双方が、必要なのだ…生まれれば 必ず死ぬ…』
『神は死なないのでは?』
『神もまた死ぬ 長生きなだけで 必ず寿命は尽きて混沌に帰す。お前は私が〝剣〟を納めよと命じたのを覚えておるか?』
『あ、はい でも…』鈴兎は黙って 醜い亀を思い出す。
『私が、剣と比喩したものは これだ』
蒼霊は着物の裾をめくり 自らの股間にある美しいとは決して言えぬ代物を 手にのせて 鈴兎に見せた。
『ヒャ…そっ それは…』
『お前が 醜い化け物と言った 代物だ…』
蒼霊は愉快げに鈴兎を見つめる。
『そっ それは…そのぉ まさか殿下のお持ち物とは…』
鈴兎は恥ずかしくなって俯いた。
『お前にも お前が見たら卒倒するかもしれぬ醜いモノがあるぞ』
『殿下…には、申し訳ございませんが…私は元々美しく生まれたわけでは御座いませぬが、自分の躰とは長年の付き合いで、卒倒する程の醜いモノは躰のどこを探してみてもございませぬ…』
『そうか…まぁよい ならば私の醜い化け物がなぜ剣と比喩するのか 今から教えてやろう』
そう言うと 蒼霊は鈴兎を抱いていた腕を鈴兎から離すと 〝下がって見ておれ〟 と言った。
鈴兎が蒼霊から少し離れたら 蒼霊は股間にあるその畏れ多いモノを掴むとゆっくりと上下に扱き始めた。
『で、殿下ぁ…何を?』
やがてそのものは まるで息を吹き込まれた筒袋のように形を成して天に向かって起き上がり始めた。
『殿下ぁ それは、そっそれ…』
…まるで四神玄武さま…?
いちいち驚きの言葉を発する鈴兎を無視して 蒼霊はふぅーと大きく息を吐いて、
『どうだ これが私の 〝醜い剣だ〟この剣を納める鞘こそがお前なのだ』
鞘? え~どういう事?
『殿下ぁ 私に そのように鋭く怒張した…つ、つるぎ…を納める鞘を、どうお造り申し上げれば よろしいのか…分かりません…』
ここへきて 鈴兎はわなわなと震えながら恐れ慄いたのか 泣き出す寸前といった表情に
…鈍い、鈍すぎて話しにならん…
さて それならば…
蒼霊は 股間の事はさて置き
『おいで…小糸…』
これでもかと言うほど優しく甘い声色で鈴兎に対して懐を拡げた。
両腕拡げて 来い と言う蒼霊の懐にそろそろとにじり寄ると
蒼霊はその長い腕と胡座を組んだ両脚を使い 鈴兎を抱いて拘束した。
『殿下…な、何を?』
『今から 陽である私の剣を 陰であるお前の鞘に納める。全て私に任せておけばよい。』
『殿下ぁ…怖いのは 嫌ですぅうっ…うっ…グゥ』
『泣くでない、まだ何もしておらぬ…怖くば眼を閉じ 耳を塞げっ』
ドックン◦◦◦ドックン◦◦◦◦ドックン◦◦
鈴兎は自分の心臓の鼓動が怖い怖いと響いているように感じる。
頑なに恐れて泣く鈴兎の頭を撫でながら、艶やかな髪に唇を落とし若い仙女の体からかおる睡蓮のような甘い匂いを胸いっぱいに嗅いだ。
口づけをしながら 『小糸…お前は天界に来るまでは何処にいた?…お前の躰からは何とも言えぬ甘い香りが醸され 心地よい…』
…えっ 私の匂い…?
『それが あまり覚えていないのです。気がついたら山深く巨大な湖の辺りで 南斗星君にお仕えしている地仙様のお身の回りのお世話を致しておりました。』
鈴兎には幼き頃の記憶が無い…当然だ、私が命じて過去を忘れさせたのだから…。
ふむ…直ぐに来たのでは無かったか…南斗星君…か
『小糸…南斗星君に眼通りした事はあるか?』
『いえ…一度もございません。地仙様が 星君はそれはそれは眩きばかりの美しく若い男神で 周りには数知れずの女神 仙女がはべっている。お前も星君に眼通りすれば たちどころに 侍女になりたいと願うだろうが 星君は女子には興味がない。お前はゆくゆくは天宮の神々のどなたかに侍女として召し抱えてもらうが幸せ と、そのように申しておりました。』
『なるほど…それで 私に見初められた…と言う事だな、』
鈴兎は見初められたと言われ 急に気恥ずかしい気持ちになって両手で顔を隠した。
司命め…いつの間 そのような筋書きを挿入したのだ…
しかも 南斗星君!
やはり司命は私に何やら恨みか嫉みがあるやもしれぬな…
南斗! あのなまくら女ったらしが 地仙の下働き女すら知らぬはずあるまい…
次の神君会議で 何やら仕掛けて来そうよな…
蒼霊の青緑色の虹彩の真ん中の瞳孔が意地悪くキュと縦一文字に収縮した。
懐に鈴兎を抱きながら 真っ赤な唇が少し開くと長い舌がにゅっと出てペロリと唇をひと舐めした。
蒼霊の懐の鈴兎はスヤスヤと寝入ってしまい、
流石 睡蓮…
肌の温もりを独り占めしたかのように蒼霊の懐でスヤスヤと眠る鈴兎の安らかな寝顔も睡蓮の甘い香りも、数万年生きてきた年月を一掃する程の癒しだった。
摩訶不思議な事もあるものよ…
私より美しい女子(おなご)ならば興味も湧こうが…そのような者、生を受けて十数万年出会ったためしがない。常に碁打ちの相手は青牙か伽羅…それが まさか
修練の為に降りた人間界で 出会った女子に執着するとは、
寝顔が特別妖艶と言うわけでもなく、頭も悪い。
色情の劫とは、誠に厄介なもの…私にとってもっとも容易く乗り越えられる劫のはずだったが…
『今宵は 小糸睡蓮の香りを肴に添い寝で我慢するとしようか…』
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そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
転生してテイマーになった僕の異世界冒険譚
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※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
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