44 / 71
第十二話 侵入と決闘
③
しおりを挟む
(……最初からわかっていた……)
(誰よりも悔しい思いをしているのは……野郎だって……)
「ぐぁっ!」
モーガンに警棒で殴り飛ばされたギルは、床に倒れこんだ。
ギルはすぐに膝を立てて、口元から流れ出ている血を、シャツの袖で拭った。
モーガンは卑しい表情で言った。
「今までの恨みを……晴らしてやるよっ!」
ガンッ!
ギルは顔を蹴られ、後方に飛んだ。
「抵抗できない人間をいたぶるのは……いつだって最高だっ!ハァハハハハッ!」
モーガンは目を見開き笑っていた。
その光景をライディヌは、王座から満足げに見ていた。
「残念だったなギルよ……ドルは別の部屋に幽閉しておる。そしていつでも殺せるようにもしてある」
ギルは二人を睨み付けた。
「チッ……クズ供がぁ……」
ギルは顔中傷だらけで、頭や口から血を流しており、満身創痍な感じだ。
するとそんなギルを、モーガンは警棒で殴った。
「クズは貴様だろっ!」
ギルは仰向けに床に倒れ、モーガンはギルに警棒を構えて言った。
「出来の悪い弟が……いつも兄の足を引っ張り、さぞジルも迷惑してたろうよっ!」
ギルは仰向けのまま顔をしかめた。
モーガンは続けた。
「ダウンタウンの人間を救って、英雄気取りか?……そんなものは全て貴様の兄のおかげだっ!」
(わかってんよ……んなこたぁ……)
ギルは立ち上がった。
「立ち上がったところで……貴様は手も足も出せんっ!」
モーガンはギルの腹に前蹴りをくらわした。
「ぐおっ!」
(最初から知ってんだよ……そんな事は……)
ギルは壁に激突した。
(野郎が……悔しくて悔しくて……たまらなかったのも……)
ギルは体をプルプル震わせながら立ち上がった。
(ライフシティーの人間を……全て救いてぇのも……)
モーガンは再び起き上がったギルに言った。
「起き上がるだけ無駄だというのに……愚かな奴だ」
ギルはモーガンを睨み付けた。
「へっ……テメェの攻撃なんざ、効かねぇよ……」
「減らず口を……まぁ、その方がなぶりがいがある……」
モーガンは再びギルに襲い掛かった。
ギルは構えた。
(俺にライフシティーで生きる道を与えていたのも……)
ギルの脳裏にはライフシティーでの日々が甦った。
それはダウンタウンの患者を、なんの隔てもなく診ている日々……。
患者を守るために治安隊を殴り飛ばしている日々……。
それを陰で見守るジルの姿も……。
(全部……野郎が俺にくれた……。だから……)
一方マッシュを倒したロックは、ロープでマッシュをぐるぐる巻きにしていた。
エリスはそれを呆れた様子で見ていた。
「そんなにぐるぐるにしなくても……」
ロックはロープでマッシュを縛り上げて、足を掛けた。
「気が付くと面倒だからな……これぐらい縛っとけば大丈夫だ」
「だからって……うん?」
エリスは壁の一部に違和感を感じた。
眉間にシワを寄せて壁を凝視するエリスに、ロックは言った。
「どうしたエリス?さっさと……」
「ロック……あれは?」
エリスが指さす壁をロックは見た。そこにはロックが、マッシュを吹っ飛ばし、壁にぶつけた時に出来たのだろうか……壁が少しずれており、その隙間から通路が見えた。
ロックはその壁の隙間を覗きこんだ。
「隠し通路か?」
「怪しげな雰囲気だよね……」
エリスもロックの肩越しから、隙間を覗いている。
ロックは隙間に手を掛けて力を入れた。すると壁は簡単にスライドし、そこに通路が現れた。
通路の両サイドには、等間隔でランプが付いており、灰色の通路を薄気味悪く照らしている。
エリスはその薄気味悪さに少し怯んだ。
「怪しいし……ちょっと怖いかも……」
「行ってみっか……」
そう言うと、ロックは通路を進み出した。
「ちょっ……待ってよぉ……」
エリスも慌ててロックの後を追った。
通路を進むとすぐに突き当たり、そこに扉が現れた。
扉は施錠おり、壁に専用の鍵が吊るされていた。
ロックはその鍵で扉の施錠を解除した。
「なんの部屋だろう……」
そう言ったエリスの表情は、緊張感があり険しかった。
ロックはゆっくりと扉を押して、中を覗いた。
すると部屋の奥には誰かが椅子に座っており、その人物はロックの方を見ている。
「誰だ?」
声はか細く元気がまるでなかったが……その容姿に、ロックは目を見開いた。
ロマンスグレーの白髪頭を、綺麗に真ん中で分けた老人だったが……その姿には面影があった。
「似てる……」
エリスも目を見開いてそう言うように、その老人はジルとギルによく似ていた。
ロックは言った。
「ドル・マグワイアか?」
老人はロックをギロリと睨んだ。
「いかにも……。誰だ……お主らは?」
「俺達は……アンタの息子の知り合いだよ」
ドルは目を見開いた。
「なんじゃとっ?ジルとギルはっ!?……町は?」
ロックは呆れた様子で言った。
「親子揃って同じ質問かよ……」
ロックの代わりに、エリスがドルに対して、これまでの経緯を説明した。
エリスから事の顛末を聞いたドルの表情は何処か儚げだった。
「そうか息子達と、住人が……。そうか……」
ロックがドルに言った。
「アンタの息子は、ケリつけるために立ち上がったぜ……」
ドルは儚げな表情で言った。
「十年前の法律改変で……ジルは最後まで反対していた……医療は平等であるべきと、我が一族の家訓を貫こうと……。しかし私がそれを曲げさせた。一族を守るために……」
ドルは目を伏せた。
「私がライディヌと刺し違えて……息子達に道筋を与えてやるべきだったのだ……」
項垂れているドルに、ロックは言った。
「あの時こうすりゃ良かった、ああすりゃ良かったなんて……人なら大なり小なりあんだろ?……でもよぉ……」
ロックはドルの腕を持って立ち上がらせた。
「それが例え失敗だったとしても、そん時は良かれと思ってやったんだ。だから今をどうすか考えるべきだろ?」
腕を引かれたドルはロックを見た。
ロックは微笑した。
「今度こそ……息子達を……この町の為に出来ることをやりな……」
「私の出来ることを……そうか……そうだな」
立ち上がったドルの表情は、何かを決心した感じを漂わせていた。
王室では壮絶な光景があった。
モーガンは表情をひきつらせ、ライディヌは王座に座り固唾を飲んでいる。
「へっ……もっ……もう……終めぇか?」
顔や腕から血を流し、着ているシャツもボロボロになったギルは、ユラユラと立っている。
目蓋を腫らし、いつもは整った髪もボサボサだ。
そうまでして立ち上がるギルに対して、先程まで余裕の表情をしていたモーガンも、さすがにたじろいている。
「なっ……何なんだ……貴様は?」
腫れぼった目でギルはモーガンを睨んでいる。
モーガンの警棒を持つ手は震えていた。
(死に損ないだぞ……何故だ?……何故、私が震えているっ!?)
ギルはモーガンに言った。
「も……もうすぐ……く……来る……」
「貴様っ!何をっ……!?……」
その時王室の扉が開いた。
モーガンとライディヌの目は見開き、その先にはロックが立っていた。
ロックはギルの様子に微笑した。
「テメェ……今にも死にそうじゃねぇか……」
満身創痍のギルはロックに悪態ついた。
「へっ……い……言ってろ……。ダァホが……」
モーガンはロックの登場に戸惑いを見せた。
(青白い頭……侵入者か?……しかし、奴がここに居るという事は……)
ライディヌは目を見開いたまま呟いた。
「マッ……マッシュがやられたのかっ!?」
ライディヌの言葉にモーガンは更に焦った。
(あのマッシュがやられたっ!?……しかしっ!)
モーガンは焦った表情のまま叫んだ。
「相当の手練れのようだが……こっちには切り札があるっ!」
ロックは親指を立てて、自分の背後を指した。
「切り札って……これのことかい?」
ロックの背後から、エリスに支えられたドルが現れた。
ドルの登場に、モーガンとライディヌは絶句し、ギルは口を開いて惚けている。
ロックはギルに言った。
「代わってやろうか?死に損ない……」
ギルはニヤリとした。
「へっ……ふざけろ……」
ギルはモーガンを睨み付け、ギルに睨み付けられたモーガンはギルにいきり立った。
「死に損ないがぁっ!止めを刺してやるっ!」
ギルはフラフラしながらモーガンとの距離を縮める。
「し……死に損ないでも……テメェぐらいはぶっ倒せるぜ……。わ……忘れたのか?」
ギルは拳に力をこめた。
「俺は……アデル十傑『ウォン・リー』の……弟子だぜ……」
ロックは呟いた。
「ヤッパそうか……あの間合いの詰め方……」
ロックの脳裏には、ギルに胸ぐらを掴まれた時の光景が甦った。
ギルは距離を詰めながら、モーガンを睨み付けた。
「覚悟しやがれ……モーガン……」
(誰よりも悔しい思いをしているのは……野郎だって……)
「ぐぁっ!」
モーガンに警棒で殴り飛ばされたギルは、床に倒れこんだ。
ギルはすぐに膝を立てて、口元から流れ出ている血を、シャツの袖で拭った。
モーガンは卑しい表情で言った。
「今までの恨みを……晴らしてやるよっ!」
ガンッ!
ギルは顔を蹴られ、後方に飛んだ。
「抵抗できない人間をいたぶるのは……いつだって最高だっ!ハァハハハハッ!」
モーガンは目を見開き笑っていた。
その光景をライディヌは、王座から満足げに見ていた。
「残念だったなギルよ……ドルは別の部屋に幽閉しておる。そしていつでも殺せるようにもしてある」
ギルは二人を睨み付けた。
「チッ……クズ供がぁ……」
ギルは顔中傷だらけで、頭や口から血を流しており、満身創痍な感じだ。
するとそんなギルを、モーガンは警棒で殴った。
「クズは貴様だろっ!」
ギルは仰向けに床に倒れ、モーガンはギルに警棒を構えて言った。
「出来の悪い弟が……いつも兄の足を引っ張り、さぞジルも迷惑してたろうよっ!」
ギルは仰向けのまま顔をしかめた。
モーガンは続けた。
「ダウンタウンの人間を救って、英雄気取りか?……そんなものは全て貴様の兄のおかげだっ!」
(わかってんよ……んなこたぁ……)
ギルは立ち上がった。
「立ち上がったところで……貴様は手も足も出せんっ!」
モーガンはギルの腹に前蹴りをくらわした。
「ぐおっ!」
(最初から知ってんだよ……そんな事は……)
ギルは壁に激突した。
(野郎が……悔しくて悔しくて……たまらなかったのも……)
ギルは体をプルプル震わせながら立ち上がった。
(ライフシティーの人間を……全て救いてぇのも……)
モーガンは再び起き上がったギルに言った。
「起き上がるだけ無駄だというのに……愚かな奴だ」
ギルはモーガンを睨み付けた。
「へっ……テメェの攻撃なんざ、効かねぇよ……」
「減らず口を……まぁ、その方がなぶりがいがある……」
モーガンは再びギルに襲い掛かった。
ギルは構えた。
(俺にライフシティーで生きる道を与えていたのも……)
ギルの脳裏にはライフシティーでの日々が甦った。
それはダウンタウンの患者を、なんの隔てもなく診ている日々……。
患者を守るために治安隊を殴り飛ばしている日々……。
それを陰で見守るジルの姿も……。
(全部……野郎が俺にくれた……。だから……)
一方マッシュを倒したロックは、ロープでマッシュをぐるぐる巻きにしていた。
エリスはそれを呆れた様子で見ていた。
「そんなにぐるぐるにしなくても……」
ロックはロープでマッシュを縛り上げて、足を掛けた。
「気が付くと面倒だからな……これぐらい縛っとけば大丈夫だ」
「だからって……うん?」
エリスは壁の一部に違和感を感じた。
眉間にシワを寄せて壁を凝視するエリスに、ロックは言った。
「どうしたエリス?さっさと……」
「ロック……あれは?」
エリスが指さす壁をロックは見た。そこにはロックが、マッシュを吹っ飛ばし、壁にぶつけた時に出来たのだろうか……壁が少しずれており、その隙間から通路が見えた。
ロックはその壁の隙間を覗きこんだ。
「隠し通路か?」
「怪しげな雰囲気だよね……」
エリスもロックの肩越しから、隙間を覗いている。
ロックは隙間に手を掛けて力を入れた。すると壁は簡単にスライドし、そこに通路が現れた。
通路の両サイドには、等間隔でランプが付いており、灰色の通路を薄気味悪く照らしている。
エリスはその薄気味悪さに少し怯んだ。
「怪しいし……ちょっと怖いかも……」
「行ってみっか……」
そう言うと、ロックは通路を進み出した。
「ちょっ……待ってよぉ……」
エリスも慌ててロックの後を追った。
通路を進むとすぐに突き当たり、そこに扉が現れた。
扉は施錠おり、壁に専用の鍵が吊るされていた。
ロックはその鍵で扉の施錠を解除した。
「なんの部屋だろう……」
そう言ったエリスの表情は、緊張感があり険しかった。
ロックはゆっくりと扉を押して、中を覗いた。
すると部屋の奥には誰かが椅子に座っており、その人物はロックの方を見ている。
「誰だ?」
声はか細く元気がまるでなかったが……その容姿に、ロックは目を見開いた。
ロマンスグレーの白髪頭を、綺麗に真ん中で分けた老人だったが……その姿には面影があった。
「似てる……」
エリスも目を見開いてそう言うように、その老人はジルとギルによく似ていた。
ロックは言った。
「ドル・マグワイアか?」
老人はロックをギロリと睨んだ。
「いかにも……。誰だ……お主らは?」
「俺達は……アンタの息子の知り合いだよ」
ドルは目を見開いた。
「なんじゃとっ?ジルとギルはっ!?……町は?」
ロックは呆れた様子で言った。
「親子揃って同じ質問かよ……」
ロックの代わりに、エリスがドルに対して、これまでの経緯を説明した。
エリスから事の顛末を聞いたドルの表情は何処か儚げだった。
「そうか息子達と、住人が……。そうか……」
ロックがドルに言った。
「アンタの息子は、ケリつけるために立ち上がったぜ……」
ドルは儚げな表情で言った。
「十年前の法律改変で……ジルは最後まで反対していた……医療は平等であるべきと、我が一族の家訓を貫こうと……。しかし私がそれを曲げさせた。一族を守るために……」
ドルは目を伏せた。
「私がライディヌと刺し違えて……息子達に道筋を与えてやるべきだったのだ……」
項垂れているドルに、ロックは言った。
「あの時こうすりゃ良かった、ああすりゃ良かったなんて……人なら大なり小なりあんだろ?……でもよぉ……」
ロックはドルの腕を持って立ち上がらせた。
「それが例え失敗だったとしても、そん時は良かれと思ってやったんだ。だから今をどうすか考えるべきだろ?」
腕を引かれたドルはロックを見た。
ロックは微笑した。
「今度こそ……息子達を……この町の為に出来ることをやりな……」
「私の出来ることを……そうか……そうだな」
立ち上がったドルの表情は、何かを決心した感じを漂わせていた。
王室では壮絶な光景があった。
モーガンは表情をひきつらせ、ライディヌは王座に座り固唾を飲んでいる。
「へっ……もっ……もう……終めぇか?」
顔や腕から血を流し、着ているシャツもボロボロになったギルは、ユラユラと立っている。
目蓋を腫らし、いつもは整った髪もボサボサだ。
そうまでして立ち上がるギルに対して、先程まで余裕の表情をしていたモーガンも、さすがにたじろいている。
「なっ……何なんだ……貴様は?」
腫れぼった目でギルはモーガンを睨んでいる。
モーガンの警棒を持つ手は震えていた。
(死に損ないだぞ……何故だ?……何故、私が震えているっ!?)
ギルはモーガンに言った。
「も……もうすぐ……く……来る……」
「貴様っ!何をっ……!?……」
その時王室の扉が開いた。
モーガンとライディヌの目は見開き、その先にはロックが立っていた。
ロックはギルの様子に微笑した。
「テメェ……今にも死にそうじゃねぇか……」
満身創痍のギルはロックに悪態ついた。
「へっ……い……言ってろ……。ダァホが……」
モーガンはロックの登場に戸惑いを見せた。
(青白い頭……侵入者か?……しかし、奴がここに居るという事は……)
ライディヌは目を見開いたまま呟いた。
「マッ……マッシュがやられたのかっ!?」
ライディヌの言葉にモーガンは更に焦った。
(あのマッシュがやられたっ!?……しかしっ!)
モーガンは焦った表情のまま叫んだ。
「相当の手練れのようだが……こっちには切り札があるっ!」
ロックは親指を立てて、自分の背後を指した。
「切り札って……これのことかい?」
ロックの背後から、エリスに支えられたドルが現れた。
ドルの登場に、モーガンとライディヌは絶句し、ギルは口を開いて惚けている。
ロックはギルに言った。
「代わってやろうか?死に損ない……」
ギルはニヤリとした。
「へっ……ふざけろ……」
ギルはモーガンを睨み付け、ギルに睨み付けられたモーガンはギルにいきり立った。
「死に損ないがぁっ!止めを刺してやるっ!」
ギルはフラフラしながらモーガンとの距離を縮める。
「し……死に損ないでも……テメェぐらいはぶっ倒せるぜ……。わ……忘れたのか?」
ギルは拳に力をこめた。
「俺は……アデル十傑『ウォン・リー』の……弟子だぜ……」
ロックは呟いた。
「ヤッパそうか……あの間合いの詰め方……」
ロックの脳裏には、ギルに胸ぐらを掴まれた時の光景が甦った。
ギルは距離を詰めながら、モーガンを睨み付けた。
「覚悟しやがれ……モーガン……」
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
(完結)私の夫は死にました(全3話)
青空一夏
恋愛
夫が新しく始める事業の資金を借りに出かけた直後に行方不明となり、市井の治安が悪い裏通りで夫が乗っていた馬車が発見される。おびただしい血痕があり、盗賊に襲われたのだろうと判断された。1年後に失踪宣告がなされ死んだものと見なされたが、多数の債権者が押し寄せる。
私は莫大な借金を背負い、給料が高いガラス工房の仕事についた。それでも返し切れず夜中は定食屋で調理補助の仕事まで始める。半年後過労で倒れた私に従兄弟が手を差し伸べてくれた。
ところがある日、夫とそっくりな男を見かけてしまい・・・・・・
R15ざまぁ。因果応報。ゆるふわ設定ご都合主義です。全3話。お話しの長さに偏りがあるかもしれません。
ああ、もういらないのね
志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。
それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。
だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥
たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる