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第四話 旅立ちと挨拶
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ミドの造船所では、ジンが造船所を後にしようとしていた。
「それではよろしく頼むぞ……ミド……」
「はっ、はい……うっ、師匠……」
ミドはジンとの別れに、今にも泣き出しそうだ。
「情けない顔をするな。お前はもう一人前だ……」
ミドの脳裏には、ジンとのこれまでの日々が、走馬灯のようによぎっていく。
戦後行く宛のないミドを、ジンが雇ってくれた事……。
ジンが軍を辞めた時に、立ち上げた研究所での想い出……。
そして、ジンの研究所を離れ、一人で修行の日々を送っていた事など……数えればきりがない。
ジンは涙を流すミドに察して、軽く微笑んだ。
「私は……世界の未だ見ぬ知識を、吸収して帰ってくる」
ジンはミドの肩を叩いた。
「だからミド……お前は、私の知識を受け入れるだけの……技術屋になれ。また一緒にやろう……」
ミドは涙を流し、下を向いたまま言った。
「……はい……」
ジンはミドの造船所を後にし、飛空挺が停泊している海岸へ向かった。
海岸に到着すると、ロックとエリスがすでに待っていた。
ジンは言った。
「挨拶は……済んだのか?」
ロックが言った。
「ああ……お互いにな……」
エリスが言った。
「とうとう出発だねっ!でもその前に……」
ロックが言った。
「その前に……何だよ?」
「この船の名前がいるんじゃない?」
ジンは目を丸くした。
「確かにそうだな……」
ロックはニヤリとした。
「そういう事なら俺に任せな……。そうだな……『ロックの空飛ぶ方舟』ってのは、どうだ?」
ロックのネーミングセンスに、エリスとジンは顔をひきつらせた。
エリスは顔をひきつらせたまま言った。
「何?そのセンス……信じらんない……」
するとジンが得意気に言った。
「では、こういうのはどうだ?『RX2015ジン専用エアシップ』……」
ロックはすかさず突っ込んだ。
「長ぇよっ!」
するとエリスが言った。
「『ウィング』……」
ロックとジンは目を丸くした。
エリスは言った。
「わたし達を運んでくれる翼……。単純だけどね……」
ロックとジンは互いに見合わせたが、ロックは軽く笑った。
「へっ……いいんじゃねぇの?」
ジンも軽く笑った。
「フッ……そうだな……。シンプルでいいな……」
ロックは二人に言った。
「じゃあ、乗り込みますかっ!俺達の飛空挺……『ウィング』にっ!」
……ウィング操縦室……
飛空挺ウィングに乗り込んだ一行は、ジンの説明を聞いていた。
「この船は最新型のセキュリティ装置が付いている」
ジンの言葉に、ロックとエリスは目を丸くした。二人とも機械に弱いようだ。
ジンは二人を察して言った。
「つまり私達三人にしか、この船を動かせないように出来るのだ」
ロックとエリスは目を見合わせた。
ロックは興奮気味に言った。
「すっげぇーじゃねぇのっ!つまり盗まれる心配がねぇって事だろっ?」
ジンは頷いた。
「そうだ……。そのためにこれからある事をする」
「あること?……何それ?」
少し身構えたエリスに、ジンは軽く笑った。
「フッ……簡単な事だ。そう身構えるな……」
ジンはそう言うと、操縦席の中央のタッチパネルを操作した。
「これから私達の『掌紋』を、船に登録する」
エリスは目を丸くした。
「掌紋?」
ロックが言った。
「手の指紋みたいなもんだ……」
ジンが言った。
「つまり私達の掌紋を、認識しないと……この船は飛ばない……」
エリスは感心した様子で言った。
「確かに最新型ね……」
タッチパネルの操作を終えたジンは、二人に言った。
「よし……二人とも、ここに手を当てろ……」
二人はジンに言われるまま、掌をタッチパネルに当てた。
すると画面に『登録完了』の文字が出てきた。
ジンが最後に掌を当て、登録を済ますと、二人に言った。
「これで私達以外は、誰もこの船を動かせない……。次に行くぞ、ついてこい……」
二人はジンに言われるまま、後をついて行った。
操縦室を出て通路を進んでいくと、通路に扉が適当な間隔で現れた。グレーを基調とした鉄の壁は、いかにも船の通路といった感じだ。
ジンはその一つを開けた。
「それぞれの寝室になっている……もちろんバス、トイレ完備だ」
二人は部屋を覗いてみた。寝室はそれなりに広く、ベットやテーブル、それに……。
「『映像オーブ』じゃねぇかっ!」
興奮気味にロックが言った『映像オーブ』とは、直径40㎝程の透明な球で、専用の台に置くと映像が映し出される、通信機器だ。
ジンは得意気に言った。
「もちろん各寝室に設置してある」
「すっごぉいっ!……高級ホテルみたいっ!」
エリスも興奮気味に喜んでいる。
ジンは満足そうに言った。
「これで快適な空の旅に出れる……」
「あとは、お金があったら言う事ないんだけど……」
エリスが心配そうに言うと、ロックがニヤリとした。
「それなんだけどよぉ……言い考えがある……」
「それではよろしく頼むぞ……ミド……」
「はっ、はい……うっ、師匠……」
ミドはジンとの別れに、今にも泣き出しそうだ。
「情けない顔をするな。お前はもう一人前だ……」
ミドの脳裏には、ジンとのこれまでの日々が、走馬灯のようによぎっていく。
戦後行く宛のないミドを、ジンが雇ってくれた事……。
ジンが軍を辞めた時に、立ち上げた研究所での想い出……。
そして、ジンの研究所を離れ、一人で修行の日々を送っていた事など……数えればきりがない。
ジンは涙を流すミドに察して、軽く微笑んだ。
「私は……世界の未だ見ぬ知識を、吸収して帰ってくる」
ジンはミドの肩を叩いた。
「だからミド……お前は、私の知識を受け入れるだけの……技術屋になれ。また一緒にやろう……」
ミドは涙を流し、下を向いたまま言った。
「……はい……」
ジンはミドの造船所を後にし、飛空挺が停泊している海岸へ向かった。
海岸に到着すると、ロックとエリスがすでに待っていた。
ジンは言った。
「挨拶は……済んだのか?」
ロックが言った。
「ああ……お互いにな……」
エリスが言った。
「とうとう出発だねっ!でもその前に……」
ロックが言った。
「その前に……何だよ?」
「この船の名前がいるんじゃない?」
ジンは目を丸くした。
「確かにそうだな……」
ロックはニヤリとした。
「そういう事なら俺に任せな……。そうだな……『ロックの空飛ぶ方舟』ってのは、どうだ?」
ロックのネーミングセンスに、エリスとジンは顔をひきつらせた。
エリスは顔をひきつらせたまま言った。
「何?そのセンス……信じらんない……」
するとジンが得意気に言った。
「では、こういうのはどうだ?『RX2015ジン専用エアシップ』……」
ロックはすかさず突っ込んだ。
「長ぇよっ!」
するとエリスが言った。
「『ウィング』……」
ロックとジンは目を丸くした。
エリスは言った。
「わたし達を運んでくれる翼……。単純だけどね……」
ロックとジンは互いに見合わせたが、ロックは軽く笑った。
「へっ……いいんじゃねぇの?」
ジンも軽く笑った。
「フッ……そうだな……。シンプルでいいな……」
ロックは二人に言った。
「じゃあ、乗り込みますかっ!俺達の飛空挺……『ウィング』にっ!」
……ウィング操縦室……
飛空挺ウィングに乗り込んだ一行は、ジンの説明を聞いていた。
「この船は最新型のセキュリティ装置が付いている」
ジンの言葉に、ロックとエリスは目を丸くした。二人とも機械に弱いようだ。
ジンは二人を察して言った。
「つまり私達三人にしか、この船を動かせないように出来るのだ」
ロックとエリスは目を見合わせた。
ロックは興奮気味に言った。
「すっげぇーじゃねぇのっ!つまり盗まれる心配がねぇって事だろっ?」
ジンは頷いた。
「そうだ……。そのためにこれからある事をする」
「あること?……何それ?」
少し身構えたエリスに、ジンは軽く笑った。
「フッ……簡単な事だ。そう身構えるな……」
ジンはそう言うと、操縦席の中央のタッチパネルを操作した。
「これから私達の『掌紋』を、船に登録する」
エリスは目を丸くした。
「掌紋?」
ロックが言った。
「手の指紋みたいなもんだ……」
ジンが言った。
「つまり私達の掌紋を、認識しないと……この船は飛ばない……」
エリスは感心した様子で言った。
「確かに最新型ね……」
タッチパネルの操作を終えたジンは、二人に言った。
「よし……二人とも、ここに手を当てろ……」
二人はジンに言われるまま、掌をタッチパネルに当てた。
すると画面に『登録完了』の文字が出てきた。
ジンが最後に掌を当て、登録を済ますと、二人に言った。
「これで私達以外は、誰もこの船を動かせない……。次に行くぞ、ついてこい……」
二人はジンに言われるまま、後をついて行った。
操縦室を出て通路を進んでいくと、通路に扉が適当な間隔で現れた。グレーを基調とした鉄の壁は、いかにも船の通路といった感じだ。
ジンはその一つを開けた。
「それぞれの寝室になっている……もちろんバス、トイレ完備だ」
二人は部屋を覗いてみた。寝室はそれなりに広く、ベットやテーブル、それに……。
「『映像オーブ』じゃねぇかっ!」
興奮気味にロックが言った『映像オーブ』とは、直径40㎝程の透明な球で、専用の台に置くと映像が映し出される、通信機器だ。
ジンは得意気に言った。
「もちろん各寝室に設置してある」
「すっごぉいっ!……高級ホテルみたいっ!」
エリスも興奮気味に喜んでいる。
ジンは満足そうに言った。
「これで快適な空の旅に出れる……」
「あとは、お金があったら言う事ないんだけど……」
エリスが心配そうに言うと、ロックがニヤリとした。
「それなんだけどよぉ……言い考えがある……」
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