初戀

槙野 シオ

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第三十五話 生酔い本性違わず

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「はう…ん…くみやまぁ…」
「おろしていい?」
「だめ…きもちいからこのままがいい…」

湊を抱えたまま寝室で立ち尽くし、耳元で漏れるエロい吐息に耐えてるんだがそろそろ限界です神さま。ベッドに転がしてあんあん鳴かせたい。むしろ悲鳴をあげさせたい。奥まで突き上げて意識飛ぶほどよがらせたい。逆に放置プレイに勤しんで泣かせるのもいいかもしれない。

湊の口に中指を入れると、熱い舌を絡めて吸い付いて来る。舌も口唇も柔らかいな……その指を湊の内側なかに挿れて寝室からリビングへと移動する。

「あっ…あ…あ、くみやま…ああ…っ…」
「おろしちゃダメだって言うから」
「んっ…あっ、あ…しんどうで…おくまではいっちゃう…あっ…ん…」
「気持ちイイの?」
「くみやまの…ゆび…きもちい…あっ…」

アルコールのせいだとわかっていても、いつもよりエロい湊に気持ちがたかぶる。はあ……オレもう耐えられる自信ないんだけど…

「湊、余計なことって何?」
「ん…あっ…くみやま…あっ…いままで…」
「うん」
「どうやって…あっ…ん…おんなのこ…よろこばせてたの?」
「…妬いてんの?」
「うん…あっ…あ、あ…ぼくのしらないくみやまが…あ…いるんだなって」
「そっか」

寝室に戻り湊をベッドに横たわらせると、「離れたくない」と首に回した腕に力を込める。

「女の子と同じように抱いてあげる」

湊の耳を噛みながら少し強めに吸うと、漏れていた吐息が湿った鳴き声に変わり、カラダが跳ねる。首筋に歯を立て噛んだ場所をめながら、硬く尖ったピンク色の乳首をつまんでその先端を擦る。

「ああ…あ…っ…あ…くみやま……イイ…」
「指で触るだけじゃ足りないんでしょ?」

もう片方の乳首を噛みながら吮めると、カラダを震わせながらとろけそうな鳴き声をあげる。ほんとに乳首弱いよな……まあ、湊が弱いのは乳首だけに限った話じゃないけど。どこを触っても敏感に反応するのは、果たして元来の体質なのか、カテキョの開発の賜物なのか…

「ぅぅぅ…おっぱい…きもちいよう……あ…あ、あ…」

いますぐ挿れたい…

はやる気持ちを抑えながら、湊の脚の間に手を伸ばし硬くなったモノを握った。同じように抱いてあげる、とは言ったもののコレはアレか、クリだと思えばいいのか。発生学的には同じものなわけだし。

酔ってても感覚鈍くなったりしないんだな…相変わらず愛液かってくらい先走り溢れさせちゃってまあ……先端から流れ落ちる体液を吮めながら、それを握ってる手をゆっくり動かした。

「はうぅぅ…くみやまぁ…」
「どこがスキか教えて?」
「…ん…くちのとこ…すって…」

…まさか答えてくれるとは思ってなかった……なんだよ、アルコールさまさまなのかよ…エロくて可愛いじゃねえか! 湊ってば鈴口がイイのか…憶えとこ。ガッツリ咥えてストロークする必要がなければ、どれだけでも可愛がってやれるよなあ。鈴口を吮めながら吸って、ついでに裏筋とエラの辺りも攻めてみた。

「はぁっ…あっ…んっ…くみ…や…まぁ…」
「ん、どう? イイとこ当たってる?」
「ふっ…あっ…そゆの…はじめて…あっ…」
「初めてなの?」
「はうぅ…おちんちん…とけちゃうよう…あっ…あ」

そのまま鈴口と裏筋を攻めてると、湊の硬いモノが更に大きくなって脈を打つ。

「くみやま…イっちゃう…イく…」
「それはダメ」
「や…おちんちんイっちゃう…やめちゃダメ…」

仰向けになってる湊の腰を持ち上げ会陰部分を強めに吮めると、湊の脚がビクンと跳ねる。イく直前で縮こまった袋ごとタマを口の中で転がす。更に湊の脚がビクビクと跳ね上がる。

「くみや…あっ…それ…あ、あ、あ…なにそれ…あ」
「いい感じ? それとも全然よくない?」
「あ…わかんな…あっ…ん…やじゃない…あっ…」

開発されてないとこ見ぃつけた…

会陰から後ろの穴に舌をずらし、クルクル円を描くように吮めると、湊の鳴き声が一層エロっぽ…色っぽくなる。ピンク色の可愛い見た目とは裏腹に、はしたなくヒク付いてることに下腹が疼く。

「んん…っ…くみや…」
「ダメ? 恥ずかしい?」
「やわらかくして…あっ…ん…はやく…ほし…」

神さま!? 日本には八百万やおよろずの神々がいるっていうけど、オレはいま酒の神にお礼を言えばいいのか!? それとも "二型アルデヒド脱水素酵素が不活性の神" にお礼を!? そんな神がいるかどうか知らんが。

「はぁ…っ…くみやま…した…きもちい…とけちゃう…」
「そんなおまえを見てるとオレが溶けそうだよ」
「した…あつい…ほしくてヒクヒクする…ああ、あ…あ」

ブチ挿れたい…いますぐ湊のイイとこゴリゴリ削りたい……でもとりあえず同じように抱くって言った手前、それなりのことはしておこう。こういうところは真面目だな、と自分でも思う。

可愛くてはしたない穴を吮めながら、限界まで硬く膨張したモノをしごくと、湊は目の周りを赤くして涙を滲ませる。閉じる暇もなく鳴き続ける口の端からよだれが垂れると、湊の卑猥さや淫乱さが増したように感じてたまらなくなる。

「あっ…あっ、あっ、でちゃう…くみやま…も…でちゃう」

持ち上げた腰を戻し、イきそうになってる湊を咥えて手を動かしていると、湊がオレの髪を優しく掴みながらカラダを震わせた。

「あぁ…っ…くみやま…あっ…くちのなか…でちゃう」
「うん、出して」
「んっ…あっ…とけそう…おちんちんイっちゃう…あっ」

カラダを仰け反らせながらイった湊は荒い呼吸をしばらく繰り返し、重いカラダを支えるようにして上体を起こした。

「イっちゃった…」
「や、女の子と同じようにって話だから本番はこれからだけど」
「…そうなの?」
「うん、オレまだイってないし」

ふふっと笑いながら湊はオレをベッドに押し倒し、スウェットとボクサーパンツを剥ぎ取ると、オレのカラダにまたがった。えっと湊さん、そっち側を向いてまたがっちゃうとアレですけど……湊はそっとカラダを倒し、オレの愚息を咥え……

湊のエロい尻が目の前にあるんですけど!? これってあれですよね、四十八手でいうところの二つ巴ってヤツですよね!? もっと平たく言うならシックスナイ…オレはいま何の神に感謝すればいいんだ!?

湊の尻たぶを手のひらで抱えながら、可愛くてはしたないピンク色の穴に舌をねじ込むと、ビクンとカラダが跳ねると同時に萎えたはずの湊のナニが硬度を増して首をもたげる。その先端から透明な体液が細い糸を引きながら垂れると、そのエロさに胸が高鳴る。

「ふうぅぅ…くみやまぁ…も、ほしいよう…」
「んー? 何をどうすればいいの?」

つい意地の悪い訊き方をしてしまうのは癖みたいなもんだけど、その時ばかりは言わなきゃよかったと悔やんだ。

湊はオレの上からおりて横に寝転がると、仰向けになり両脚を広げて腰を浮かせた。それから自分の指でピンク色の穴を押し開き、「ここ…くみやまがほしくてヒクヒクする……おちんちんでうめて…」と吐息混じりに囁いた。


……秒でイくっつの…


「湊…もうイきそ…」
「あっ…あ…はぁ…まだダメ…」
「湊がエロ過ぎてもう無理…」
「あぅ…そこ…こすられるの、きもちい…あ…」
「ここ? イイの?」
「んっ…あ、あ、あ…くみやまので…もっとグリグリして……あっ…」
「あ、も無理…ごめ…っ…」




終わったあと、いつもなら隣で寝てる湊が今日は甘えてオレに抱き着いて来る。酔うとここまで違うもんなのか…いつも酔っててくれてもいいな、これ…きっと酔いが醒めたら全部覚えてないパターンなんだろうな。

「湊、セックス好き?」
「ふぅ…くみやまとするのがスキ…」
「どうされるのが一番好き?」
「…うしろ、なめられながら、おちんちんこすられるの」
「吮められるの、好きなんだ?」
「ん、スキ…くみやまのおっきいので、なかグリグリされるのもスキ」
「……湊が可愛過ぎてツライ」
「おっぱい、きゅってかまれるのもスキ」
「永遠に酔っててくれないか」


***


……いつの間に寝てしまったんだっけ…なんかいろいろ考え過ぎて……ビール飲んだところまでは覚えてるんだけどな…久御山、ベッドまで運んでくれたのか…

「…おはよ」
「あ、うん…おはよう」
「湊、ちょー可愛かったよ…」
「……可愛かった?」
「うん…思い出したら勃つくらい」
「それ単なる朝勃ちだろ…」
「その分を差し引いても勃つくらい」
「差し引かなくていいから」
「録画しておけばよかった…」
「犯罪者染みたこと言うのやめろ」
「やっぱり酔いが醒めると全部忘れちゃうんだ」
「忘れちゃうっていうか、憶えてないっていうか…」
「そっか…あんなにすごかったのに…」
「…すごかったって…どう…」
「え…オレの口からは言えない…」
「そんなに!?」

久御山が言えないようなことって一体!? 僕は何をやらかしたんだ!? 聞いたほうがいいのか聞かないほうがいいのか、聞きたいような聞きたくないような……いや、僕自身はまったく憶えてないんだから、何を言われても知らないって突っぱねればいい。だって憶えてないんだからしょうがない。

「…シャワーしてくる」
「もっかいしよ?」
「朝だよ?」
「うん、湊から誘って?」
「は? なんで?」
「昨日の誘い方が最高にエロくてキュンキュンしたから」
「お…憶えてないから…」
「再現してやろうか」
「えっ…」

バサッと掛布団を剥いで久御山の裸体はだかあらわになると、胸の奥がギュッと音を立てるのと同時に、腰の辺りがザワ付いて脚の間が疼く。あれ、これって欲情してるってことじゃないのかな……仰向けの久御山が両脚を開き、腰を浮かせたところであまりのエロさに耐え切れず、掛布団でそれを隠した。

「あれ、再現しなくていいの?」
「いい、しなくていい!」
「自分の指でピンク色の穴広げてさあ」
「わあああああ!」
「"ここ、久御山が欲しくてヒクヒクする" って」
「わあああああ!! もうやめて、もう無理!!」
「"おちんちんで埋めて" ってエロい顔で」
「ぎゃあああ!! ごめんなさい、許して、やめて!!」
「湊はさ」
「……なに!?」
「酔ってないとき、そういう風に思ってないの?」
「え…」
「思ってるけど恥ずかしくて言えないだけ? どっち?」
「……おも…思って…る…のかな…」
「言ってくれたほうがオレ喜ぶのに」
「だって…恥ずかしいだろ…」
「… "後ろ、吮められながら、おちんちん擦られるの好き" っておねだりして?」
「やめろ!!!!! バカ!!!!! 愧死きしするだろ!!!!!」

何言ってんだよ酔った僕……もう絶対飲酒だけはしないでおこう……あ、でも将来仕事での付き合いとかで飲めたほうがいいのかな。仕事での酒の席で痴態を晒すとか最悪だよな…いやいや、お酒は二十歳になってから。二十歳になったら考えよう…

「ねえ、湊」
「うん」
「後ろ吮めながらおちんちん擦ってもいい?」
「…っ、ダメに決まってるだろ!」
「申し訳ない? 恥ずかしい? それとも純粋にイヤ?」
「イヤ…じゃない…けど恥ずかしいし申し訳ないからダメ」
「そっか、じゃあ湊がしてみてよ」
「はい? 何を?」
「オレの後ろ吮めながら、おちんちん擦って」

久御山にそう言われた瞬間、僕の海綿体は全身の血液が流れ込んだかのように膨張し、胸の奥が震えて身体が熱くなった。うつ伏せになり膝を立てて尻を突き出す久御山の姿に、僕の鼓動は爆速する。久御山がエロ過ぎる…

半勃ちのモノを手のひらで包み、剥き出しのきれいな穴を口唇で塞ぎ舌でなでると、久御山の腰と手のひらの中のモノがビクンと跳ねる。半勃ちだったモノは膨張して硬くなり、動かす手にぬるぬると体液が絡み付く。舌先でヒダをひとつひとつ確かめるように吮めていると、久御山の脚が時々震える。

「あっ…はっ…はぁっ……あ…っ…」

久御山の漏らす声に背筋がゾクゾクする…普段聞くことのない鳴き声に僕の身体が溶けそうになる。エロい格好で、エロいことされて、エロい声で久御山が鳴く。僕の手の中で好きにされてるなんて、誰が想像するだろう…

「ん…ん、あっ…はぁっ…みなと……アツい…あっ…」
「痛くない? もう少し舌入れても平気?」
「ん…だいじょう…ぶ…あっ…んん…」

舌先をねじ込むと久御山の腰がビクッと跳ね上がる。ねじ込んだまま舌を回してると、右手で握っている硬いモノがいやらしくよだれを垂らす。欲しくて堪らなくなってる久御山を見て、僕も欲しくて堪らなくなる……もっと卑猥な声で鳴かせて、もっと淫らな姿でイかせたい…

「みな…あっ…イきそ…あ…んっ……ん」
「このままイくとベッド汚しちゃうね」

久御山を仰向けに寝かせ、イきたくてビクビク脈打つモノを咥えると、口の中で硬いモノが更に大きくなる。さっきまで舌先をねじ込んでいた場所に中指を挿れ内壁をそっと擦ると、久御山は僕の頭を優しく押さえながら卑猥な鳴き声をあげた。

「痛くない?」
「はあっ…ん……あ…あ、あ…あんん…っ…はっ…う…」
「いいね、その声……ゾクゾクする…」
「あっ…あ…イく…あっ…んん…イ…く…」




「…おまえね…癖になったらどーすんだよ…」
「や、久御山がエロくて止まらなくて…」
「……湊が恥ずかしいって言う気持ち、少しわかった気する」
「え、そう? そうなの?」
「制御できなくてわけわからんくなってるの、見られるのは恥ずい…」
「僕は挿れたい気持ちが少しわかったかなあ…」
「挿れたくなった?」
「うん、久御山をよがり狂わせて絶叫させたい」
「……あ、うん…そのうち…」
「え、挿れてみる? って言ってたのに?」
「…指一本でいっぱいいっぱいなのに、それは無理…かな…」

冗談のつもりだったけど、久御山が本気で怯えてて笑いが込み上げた。ほら、やっぱり勝ち組じゃないじゃん、と言うと「いずれ勝ち組にしてやるよ」と引き気味に久御山が答えた。

久御山のことを好きになった僕は、世界の誰より勝ち組だと思うよ。言わないけどね。
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