「秘密の毒林檎」

C.B

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 黒塗りの特殊車両より出遅れた刑事たちが乗る車に、緊急要請の連絡が入ってきた。
『こちら本部です。大原さんいますかー?』
 かわいい婦警からだった。
「ほぃほぃー大原は後部座席でスポーツ新聞のエロ小説読んでて手が離せないから、私、稲葉があなたの想いにお答えしまーっす。デートの予約しか受けつけておりませんが~ どうぞ~」
「アホ 何言ってやがる」
 運転してる大原は、稲葉に中指を突き立てた。
『稲葉さん! ふざけてる場合じゃないです! あのですね、大至急病院に引き返してください!』
「なんだー? こっちは、発砲立て篭もり事件の容疑者を移送中で、これから取りし調べの鬼退治なんだよ。なんで戻らなきゃいけないの? 恵美ちゃんオーバー」
『警察病院でとんでない事件が発生しましたー 前代未聞ですぅ』
「あん? その犯人たちならすでに、とっ捕まえて機動部隊たちが厳重に確保してるから。心配いらないよ。とりあえず記者会見の準備でもしてれば? アイラビューOK?」
『違います! 違います! 巨大な林檎が病院を襲ってるんです!』
「ん? 俺のこと好き過ぎて知恵熱でも出た? チュッ チュッ」
 レシーバーにキスをする稲葉だった。
『馬鹿者! ほんとの事件だ! このうすらトンカチ!』
「ブッ(うすらトンカチって言葉、最後に聞いたのいつだったっけかな) ワハ」
 大原が吹き出し、ハンドルをバンバン叩いて笑うのをこらえていた。
「わわわわわ 署長!」

秘密毒75-1
 レシーバー先の声は、婦警から野太いおっさん声に変わり、稲葉は冷や汗をかき、シートの中でこけていた。
『さっさと戻らんかー その目で確認して来い!』
 それっきり、連絡は途絶えてしまった。
「焦った~ しかしー私らいつから、人間以外を相手にするようになったんですかね~? 八百屋のおっさんに任せたほうがよくないすかー。巨大果物の逆襲だそうです… ブツブツブツ」
「命令とあらばどこへでもー行くしかないだろ。前の後藤さんに受け渡しよろしくって伝えといて」
「不承ながら了解!」
 稲葉は、通話装置のチャンネルを変え、同じ道のずっと先を走っているだろう、車両へ連絡を入れた。ふてくされ気味の刑事は、ありのままを伝えると車はUターンし、”まともな”刑事たちは夜の闇に消えて行った。



 特殊機動部隊員たちがにじり寄って来た。
「お前らぁ」
 木村は思わず、腰に手を当てたが、空のホルスターに指がかすってしまった。
「木村って言ったけか? まさか、これ探してるのか? 反抗的になるよりさっきの続きといこうぜぇ~ お前がら一番モヤモヤしてんじゃねぇの~ 手伝えよぉ。じゃないと殺しちゃうよん。俺らが、おまわりなんかの歯の立つ相手じゃないって百も承知だろう? うひょひょひょひょ」
 延岡が木村の拳銃を、証拠物件用のビニール袋から取り出すと、彼の頭に狙いを定めた。木村は脂汗を滲ませ、背中で怯える鞠絵を守ろうと、男を睨み続けた。
「でも…めんどくせーから死ね!」
 引き金が引かれた!

秘密毒76
ガッチャッ
「くっそー おまわりのは一発目が空! チッ」
 延岡は思わず、拳銃を見た。
「うぉおおおおおおおおお!」
 その瞬間。木村は、”まとも”な人間では無くなってしまった延岡に体当たりし、振り向きざまに叫んだ。
「ドライバーはきっとまともだ! 気づかせるんだー!」
 床にへばり付くように、突っ伏した鞠絵と目が合った。
涙でぐちゃぐちゃな、憔悴しきった顔の彼女は呪文のような言葉を言い続けていた。
「だんなさま! だんなさま~ ご主人様~ あなたー あなたー 助けて! 助けて! 助けて!」
 息を飲んだ木村。
彼女は、気力を振り絞るように、自分に向かい手を差し伸べていたのだ。
ドンドンドン ドンドンドン
「止めろー! 車を止めろー!!」
 麗子が、恐怖で萎縮した身体を奮い起こし、座席と運転席を隔てている鉄製の障壁を叩き、叫んでいた。騒ぎに気づいたドライバーは、後部座席を監視するために付けられた小さな柵付の窓を覗き、必死の形相の麗子に顔色を変えた。
『隊長。何事ですか? 大丈夫ですか?』
 数秒の間。
『おい誰も居ないのか!』
 車内スピーカーから声が聞こえてきたが、後藤隊長に暴行を加え、気絶させた隊員たちが、その問いに応じる気配は無かった。ふいをつかれた延岡は、もんどりうって床に倒され、
「イッテー」
 狭い車内を転がり合い、なんとか抜け出すチャンスを作ろうとする木村に、容赦なく引き金が引かれた。

秘密毒76-1
ガッチャッ!
二発目も弾は発射されなかった。
「弾入って無いのかこれ? 使えねー! お前ら、手出すなよ! こいつは俺が処刑する! 血祭りだぜー ギャハハハハ」
 延岡が撃鉄を再度引き上げた時、それまで空だったシリンダーから、四発目の銃弾が装填された。通常、警官の持つ拳銃は、最大六発が撃てる、口径の小さな回転式拳銃。初めの一発目に弾丸を装填してはならないと定められ、はじめから五発しか装填されていない。鞠絵が撃ってしまった一発が消え、銃の安全性を考えた大原が、病室から拳銃を押収した際、シリンダーを空の弾奏の一発目に、固定させていたのを木村は見ていた。だから、賭けに出た。運転手がまだ何かに侵されていないなら突破口はあると考えた。だが、それは死を覚悟した命がけの賭けだった。

秘密毒77
 ふいをついた賭けは失敗に終わった。パンチの応酬を浴び、激痛の走る身体が言う事を利かなくなると、頭を膝で蹴リ上げられ、もうろうとする意識でよろめき、座席と座席の間に倒れこんでしまった。
「うぐぁ 彼女たちに手を出すなー」
 頭や口から血を滴らせ、それでも、立ち上がり両手を広げ彼女たちを守ろうとする男に、
「プーッ ヒーロー気取りかー 公僕ぅ~ 白馬に乗った王子様は、そして死んでしまいましたとさ。めでたし、めでたしだぜー」
 延岡は木村の拳銃を放り投げ、自分のオートマ拳銃を抜き、上部をスライドさせ、いきなり引き金を引いた。
「きゃーっ」
 すさまじい衝撃音と、瞬間的に車内を明るくした弾薬の炎。鞠絵は悲鳴を上げていた。殺傷能力の高い大型拳銃は、木村のとはまるで違う音を響かせ、鞠絵を守ろうとした男の体を貫き、噴き出した血は窓に飛び散り、鞠絵の顔にもかかっていた。
「とめろ! とめろぉ 早くぅううううー!」
 麗子の叫びは嗚咽に変わり、ドンッと障壁を叩いたまま、力を無くした様にずるずる床に滑り落ちていった。すると、また拳銃の大きな発砲音が響いた。
延岡が木村に向かい立て続けに数発撃ち込んだのだ。それとほぼ同時だった。
彼らの車両は急カーブを描き、どことも分からない深夜の山道。雑木林の開かれたスペースに砂ぼこりを上げ急停車した。
「うわぁああ バカヤロー」

秘密毒77-1
 体制を崩し、頭を打った延岡は怒り、前に居る隊員に、親指で自分の首をかき切るジェスチャーを見せた。すると、すぐさま二名がドアを開け外に出て行き、低い衝撃音に車体が揺れ、ドライバーの絶命するくぐもった声が聞こえた…。
「もう邪魔者は居ない…」
 隊員の誰かが呟いた。
「犯して、なぶり殺しだ… ヒヒ」
 狂った警官が舌舐めずりしていた。
「ゲヒヒヒ」
「ヒヒヒヒヒヒヒ」
 男たちは編み上げブーツ独特の音を響かせ、一斉に鞠絵たちに襲い掛かった。
「やめて! やめて!」
 麗子と鞠絵は、お互いをかばうように抱き合い、
「どうして、そんなことをするの! いい加減目を覚ましてー」
 言葉にならない上ずった声で、鞠絵が哀願すると、
「お前が悪いんだろう?」
「お前があんな物を産むのが悪いんだろう?」
「お前がはじめたんだろう?」
「お前が俺らをおかしくしてるんだぞ?」
「お前が俺らを獣にしたんだ?」
「欲しいくせに…」
「これを一番欲しがってるのは、お前だ!」
 自分の肉棒をしごきあげている男。
「しゃぶりたいくせに! ヒヒヒヒヒヒヒ」
「やりたいだけの淫乱メス豚!」
 男たちの目は、そう言っているように思え、
『だって、だって、あたしは。私は何も知らない! 分からない! なんで、こんなことができるようになったのか分からない。助けて! お願い!』
 鞠絵は麗子の身体にしがみついた。

秘密毒78
「犯してー 犯してー それ、ちょうだい! 早くぅー」
 京香だった。ずっと落ち込んだまま顔を伏せ、丸まっていた京香が、抱き合う二人をまたぎ、獣になってしまった男たちに向かい歩き始めていた。
「女医! やめろ 殺される!」
 麗子が引き止めようとしたが、京香はあそこを開くように手を当て、腰を突き出していた。
「ねぇ突っ込んで。硬いの突っ込んでよー いっぱい欲しいのぉー」
 隊員の誰かが持つ、ライフルの銃口があそこに突き立てられ、
「あぁああああああ」
 むせび泣くような喘ぐ声と、ベッチョベッチョベッチョと、あそこをかき回す音がしはじめると、男共が京香に群がっていき、床に押し倒されたのか、姿が見えなくなっていった。
「いゃーー 私は旦那様の物。きっと旦那様。ご主人様が助けに来てくれるの! あの人と以外なら死んでしまってかまわない!」
 精神が限界にきた鞠絵は、空いたままの昇降ドアに向かい走り出してしまった。
『ダメー』
 麗子の叫びは声にならなかった。
「うひょ そっちから飛び込んでくるなんて、なんて淫乱な姫様なんだ。お前は俺の物。ギャハハハハハハ」
 延岡に痛いほど腕をつかまれ、後部座席へ押し込まれたとたん、首を絞められ、無理やり唇を奪われると、ねじこまれた舌を噛み返した鞠絵だったが、
「おとなしくしろー! どっちみちお前は死ぬー 最期に良い夢見ろやー」
 血まみれの口で、ニヤニヤしたままの男に平手打ちを喰らい、メイド服の前を裂かれると、柔らかく盛り上がった部分を揉まれ、先端の敏感な部分をきつくねじ上げられると、スカートの中に無骨な手が滑り、下着を履いていない部分を直接いじられ始めた。

秘密毒78-1
 抵抗は無駄だった。
屈強で強靭な身体の男にまたがられ、助けを求めようにも、喉はカラカラで声が出せず、身体中から冷たい汗が滲み、涙の味を噛みしめるしかなかった。
ふぃに身体を持ち上げられ、四つんばいにさせられた鞠絵。後ろ頭からねじ伏せられ、横腹に強烈なパンチを喰らうと、強烈な痛みに、めまいがし、悲鳴を上げることもできず吐いてしまった。
「グッグェー」
 腰をぐいぐい押され、尻を突き上げさせられると、股を開かされた。
『イヤ イヤ イヤー』
 延岡は自分のあれを、割れ目に押し当て、何度も何度も、突っ込みはじめた。
「ふぅふぅ ハァハァ メス豚ぁーー!」
 業を煮やした延岡は、自分のピストルを鞠絵のあそこに突き立てた!
「濡らせ! 太ももまで垂れるくらいだ! 早くしろ!」
 そう、鞠絵のそこは濡れてなどいなかったのだ。乾いたあそこに、肉棒が入らないことに業を煮やし、金属の塊で局部の溝をビリビリと裂くようにねじ込んでいった。
『私はあの人の物。私はただ、あの人だけの所有物』
 繰り返し、繰り返し、そう念じながら、最後の最後まで心は抗っていた。
延岡は、
グチュ グチュ
と汚い音をたて口を動かし、汚い物にでも吐きかけるように、鞠絵のそこに、
ペッペッと吐きかけ、ローションがわりの唾で銃を動かしはじめた。滴り落ちる体液が、
グッチョ グッチョ チュプ ヌルグチュ ヌプ
中に流れ出すと、血まみれの口に指を含み唾液を絡ませ、ニヤニヤ笑いながら、もう一つの穴にもねじ込んだ。

秘密毒79
「これならどうだー? こっちの穴は? ヒヒヒヒヒ」
『あうぐぅ』
 後ろの穴は、前よりも簡単に開くことを知っている鞠絵は呻いた。
「怖いか? 怖いだろう? でも、感じろ! この恐怖を感じろ! 感じたまま狂わせてやる!」
 両方の穴を攻められイヤイヤと顔を振ると、車内ライトの届かない暗がりの先で、親友の麗子が抗いながらも、肉棒を咥えさせられ、背後からも犯されようとしているのを見てしまった…。そして、もう一人の女は、淫らな喘ぎ声を上げ続け、男たちの欲望に応えていた…。
『気が楽よね…
 愛なんかなくたって何かを突っ込まれれば感じてしまう…
 私の身体は、そういうふうにできている…
 あの人みたいになったほうが…
 幹広は私の何?
 彼は、私を愛していた?
 愛って何?
 されるがままのことを喜び、快楽に溺れることだけを願う私の、彼への愛は本物? 旦那様! 命令してください。
 あなたが望むことならなんでもできます!』
 指がまた深く差し込まれ、背後の開発されきった穴をえぐると、性欲に飢えている鞠絵の”女”を蝕みはじめた。
グチュウ グチュル グッチャ グッチョ ピッチュ
「あっ あん」
 もう、だめだった。意識が遠のきはじめ、過去の思い出が次々に蘇ってきた。
『大好きな幹広…』
『大大大好きな旦那様…』
『どうして林檎? なんで林檎…』
『あのおじさんの正体は何… 悪魔?』
『私は林檎を産む女…』
『どうして、私がこんな目に合う…』

秘密毒79-1
『プレイルームで見たバナナは何…』
『あの、新しく出てきたおばーさんは何者…』
『大好きなエルメスの乗馬鞭…』
『鋼鉄の処女…』
『可愛い麗子ちゃんが、スプーンを舐めている…』
『初めて学校でしたオナニー…』
『自殺した盗撮教師…』
『好きな彼に、どんどん快楽を開発される喜び…』
『おしっこの生暖かさ…』
『純白のウェディングドレス。下着は、彼のお気に入りの黒の拘束具…』
『私には道しるべが必要だと気づいたあの日… それを教えてくれたのが林檎の力?』
『何も分からないよぉ』
「あぁ!!」
 鞠絵は目を見開いた。無骨な金属の塊でかきまわされるあそこからグチャグチャと音が響き、彼女はついに濡らしてしまっていたのだ。
「あんあんあんあんあんあんあんあん」
 かたくなに守っていたものが消えかけ、誰とも分からない悪漢の”あれ”を欲しがり目を潤ませ、自らの意思で起き上がろうとした瞬間。バランスを崩し床に手を着いてしまった。
『痛い!?』
 彼女の細い指はしっかりとそれがなんなのか分かった。
「そうだ、それでいい。その方が楽だろう? 最後にきっちり昇天させてやるぞー 咥えろぉー!」
「私はマゾの奴隷。それを心から望み、そうされることを心待ちにしているただの牝豚。私はご主人様の物」
 延岡は大声でわめき鞠絵の顔を腰に押しつけ、彼女はその硬い物を強くつよく握り締めた。

秘密毒80~
 次話はいつ掲載できるか分かりません。いつか更新されるのをお待ちくださいね。作者
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