15禁 ラブコメ「猫がこっち見てる」

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19:感動のキス

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19:感動のキス!


 怒った勢いで劇場へ入りチケットを求められたことに気づかず、無視して入ろうとして止められてしまい慌てて、チケットを差し出した。すると、受付の男性がドア近くに居た。

「アイちゃん お仕事ー」

 と、同じくスーツ姿の女性を手招きして言った。


「こちらです」
 案内係は足元を小さなライトで照らしながら、真ん中の良い席に座らせてくれた。
「ん? 俺、芝居見に来たんじゃないんだ! シオンいます?」
「シー もう始まっています。そろそろ出てきますよ…」
『出てくるってステージにだろ? 仕方ない終わるまで寝て待つことにすっか… しかしー 良く見ると立派な劇場だ…』
 案内係のおねーさんを、引き止めようとしたが、劇場は満席に近く、タカオミが座った席だけちらほら空いていて、感じからしてプレミア席だと気づいた。


 ステージ上では二組の男女が、豪華な屋敷の居間で言い争っていて場面が変わり、一体の死体が転がっているシーンになった。
『見に来た訳じゃないぞ! 殺人事件の話しなのか? フンッ どーでもいい! シオン出てきたらブーイングしてやる! とりあえず寝てやろう! フンッ!!』


 眠ろうとしても、簡単に眠れるはずもなく、座り直したりでしばらく芝居を眺めた。
ずーっとずーっと死体は転がったままでお話しは進み、舞台だけが回転し変わっていった。そしてまた場面が変わった。


 赤黒いライトに包まれモクモクとスモークがたかれた広い空間。そして、心をかき乱すようなグロテスクな空。
『地獄?… まるで俺の心の中…』


ズガガガガガーーン ドドドドォーン
 雷鳴が轟き、それっぽい照明がチカチカ光っていた。 コックリし始めていたタカオミを眠りから覚ました。
『!! びっくりさせんなー… ぉ?』
 死体がやっと立ち上がったと思ったら、劇場の天井に仕掛けられたピアノ線で、客の背後上空から、もの凄い数の鳥を模した黒い紙が、グルグル回るスポットライトを浴び死体に群がっていった。
見えなくなった死体は、鳥たちを押しやり、宙高く舞い上がると、真っ黒の何かに変身していた。
『悪魔だったのか!? あ~っ! あいつ! シオンじゃん』
 タカオミが声を荒げようとすると、肩を叩かれた。
「おきゃくさーん お静かにー しかも、お芝居中に寝るのはすごい失礼ですよ?」
 と、いつのまにか座っていた隣の客に注意されてしまった…。
「す。すいません…」
「たまには芝居も良いでしょう? 生の演技と迫力と魂の息遣い」
「そ、そうですねーっ って。ぁ、あんた!」
 二人は小声で話していたが、隣の奴が誰だか分かり立ち上がろうとしたタカオミ。 
「シーーー」
「シーー」
「!!」
 いつのまにか埋まっていたプレミアシートの人たちに、睨まれたりで、注意され…タカオミは頭を下げ下げ謝りつつ、すごすごと座り直した。
舞台ではシオンの一人芝居が始まった。
「俺様は悪魔… 俺は人の心の闇を喰らうのが生きがいだ、奴らの顔を見たか? 俺の腹はどんどん膨れ上がっていったさ。だが! まだ食い足りん! くっくっくくっ…」
 そして、舞台は暗転し、美しい曲がかかり始め、明るくなるとシオンはまた、ただの死体に戻っていた…。


19-1




 大きなどん帳が降り芝居が終わった。

まだ暗いままの場内は静まり返っていて、まばらな拍手が起こると、あちこちから客たちが立ちはじめ惜しみない拍手をステージに贈った。

タカオミもその一人だった。

 幻想的な演出はアングラ劇を思わせ、素晴らしい舞台美術も彼の嗜好の壷にはまった。

営利目的の誘拐事件に巻き込まれ、生を絶たれてしまった男が亡霊のように現れては、当事者同士を争わせていったが、事件そのものを誘発させたのがシオンの役で、実は悪魔そのもの仕業というお芝居だった。


 劇場に明かりがつき、どん帳が上がると役を演じていた役者たちが勢揃いし、それぞれに役名を言い自己紹介が終わると全員でお辞儀した。すると、再び力強い拍手と歓声が湧きあがった。

「す、凄かった…です。感動しました! 俺、まともに芝居見たのって初めてかも… ありゃ」
 興奮しっぱなしのまま、隣に座っていた眼鏡男に話しかけたが、彼は既に居なかった。
『あの人あの図体で気配消すのうまいよなーー 超!能力としか言いようが無い… しっかし、すんごかったよぉー この感動が冷めないうちにぃー イリに電話だ』


 タカオミはエントランスホールに出て、流行る気持ちのまま待ち受け画像のイリにキスして携帯をかけた。

プルルルルルル

 発信音は鳴り続けた。
「ん?」
 もう一回かけてみた。
『え?』
 またかけたが出なかった。
「そっか! 学校だった~ ならばっと」
|とても素敵なお芝居を見ました。今度は君と見たいー
 ポチポチと指で文字を作りメールを送信した。
『うっしゃーー イリー イリー イリーちゃん。俺の天使! 一緒に見たかったよぉ~』
ルルル~ンっと小躍りしながら、自動販売機のジュースを買った。
ルンルンとジュースを飲み、携帯が反応するのを待った…。
ポタリ…
待合室のソファに座り、ジュースの最後の一滴を舌先に垂らした…。頭をボリボリかき、
『そうだプログラムとか売ってあるのかな?』
 早速売店へ向かった。


 芝居のプログラムを買い。過去の劇団のDVDやポスターなんぞを眺めながら、設立の古い由緒ある劇団だと知った。
『へぇーー シオンすげぇ~ こんな劇団の役者してたのか…しかも主役! 知ったらイリも驚くぞ~ まだ学校で携帯見れないんだろうな…だよな~ ハハハ』
 試しに、またかけてみた。
メールした。

かけてみた。

メールした。

何度か繰り返し、携帯を見つめたまま待ち続けた…。

もう、何回かけたか、何回メールしたか分からなくなっていた…。
『うわ! うわぁあああああああ~~ ダメだぇーー 出てくれなぃーー イリーー!』
 ボトボト汗が滲んでは落ち、眩暈がしはじめ、今にも倒れそうだ…。
そして、
「マ、マヨネーズーー」

 と、禁断の言葉を言い出してしまった…。
「あ。あのぉー 大丈夫?」
 タカオミのおかしな様子に声をかけてきた人がいた。

*アングラ=アンダーグラウンド


19-2


「あぁハイ。だ、だいじょうぶです~ハァハァ…」

 顔を上げると、さっき案内してくれたおねーさんだった。
「フラフラしてるみたいだけど、シオンには会えた?」
「いぇ お芝居見て凄くて感動しちゃって、腰が抜けたかもなので… 休んでました。ははは ふぅ~」
「プッ おもしろい子ね~ さすがあいつの知り合い。シオンたち打ち上げのパーティー会場に行ったみたいなのよねー どうしよう」
 親切な案内係りのおねーさんは時計をチラッと見た。
「あ。いぇ 今日はいいです、ちょっと大事な用あったの忘れちゃってて… ハァ~」
 用など無かった。
「名前は?」
 おねーさんが聞いた。
「ぁイリ…」
「えぇ~~ けっこー大胆?! アッハッハッハ 一目惚れしちゃたのかしら~ アハハハハ あなたアタシの壷。超!押したわ~ ヒーヒー」
「え? 俺、なんかおかしいこと言いました?(なんだこの人…)」
「やめてよもぅー あなたの名前聞いたのよ? あはははは ゼェーゼェー で、まだここに居たいですか?」
「ハイ! 大事な用が~ 人待ちしてるんです… (連絡待ってるだけだけど…)」
「困ったなぁー ほら…」
 おねーさんが辺りを見渡すと…劇場内の照明は最小で薄暗く、座席スペースへの扉も開け放たれ。中でお掃除おばちゃん二名がうざそうにタカオミを見ていた…。
「ゲゲッ もうそんな時間かぁー スイマセン! スイマセン じゃー俺これでー 出ますね~」
 タカオミは携帯を握りしめ、外へ飛び出して行った。
「あ。 ねぇ あなた名前はー?」
 気になったおねーさんは後を追い、劇場の入り口から声をかけた。
「絵描きですー シオンにはそう呼ばれてます」
 振り返りそう言うと、
「え? 絵描きさん? あぁー なんだー人待ちって、寺さんのことだった? 聞いてる聞いてる。ちょっと待って 待ってー」
 焦ったおねーさんは戻って来てと大きく手招きした。
「なんです?」

 タカオミが戻ると、今にも走り出しそうなトラックにおねーさんは走り寄っていた。
「寺さーん 寺さん。絵描きさん来た。来た。後に居るー」

「今頃来たのかょー!」

 運転席の男は怒っていた。

「ほら乗って、乗ってー 頑張ってねー絵描き君!」

 車の影から出てきたおねーさん。
「なんか勘違いしてません?」
 タカオミは、長い睫毛のおねーさんをまじまじと見ると、してる黒いチョーカーが似合ってるっなって思った。
「出ちまうとこだったぞぉー シオンから聞いてる。はよ乗れや! ここすぐ詰まるからよぉー まったくよぉー 近頃の若いもんはよぉー 早くしろー」

 助手席側には大きな荷物が置いてあったが、そこから無理に顔を出した寺というおっさん。仕方ないから後ろに乗れと親指で指図した。
「いや 絶対間違えてるってー」

 っと、タカオミは両手をばたつかせ訴えた。

ブブブーッー
クラクションまで鳴らされ急かされたが拒否し続けると、一通の細い路地。後から来た別の車にもクラクションを鳴らされ、大道具や小道具の乗った荷台に飛び乗ってしまった…。
「だから違いますってば~~!」
 聞いてもらえるよう大声を出したが、後続車にまたクラクションを鳴らされ、トラックは発進してしまった…。
「いってらっしゃーぃ気をつけてー また会えそうね。面白い絵描き君♪」
 笑顔のおねーさんは手を振り、劇場に戻って行った。

「お疲れ様でしたー またねーおばちゃん」

 おねーさんは、そう言ってその場からさっさと離れようとしたが、お掃除おばちゃんに腕をつかまれてしまった…。

「そう慌てなさんなってぇ~ とりあえずおつかれーさま~ でねアイちゃん。うちの息子との結婚! 考えてくれたかぃ? 役者とか不安な商売より。断然公務員! が良いと思うんだがね~ もっかい写真見る?」

 おばちゃんは、モップを置き財布から写真を取り出そうとしている。

「あぅ~… えー またその話しぃー? おばちゃんとは、ただの友達でいたいなぁー あははは でさー。みんなアタシのことアイって呼ぶけど、実はほらここよーく見て~」

 おばちゃんに見せる胸に付いたネームプレート。そこには”日向アイリ”と、書かれていた!
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