溺愛されてる貴族令嬢は、小さな竜人を義弟(おとうと)にしました。

竜ヶ崎彰

文字の大きさ
上 下
35 / 60
3章 魔法&剣術指導

34.試験の時のお楽しみという事で…

しおりを挟む
 いよいよ、ヴィンツェルト学院の入学試験の日がやってきた。

 リタとティオは当然緊張していた。

 だが、それと同時に自信にも満ちていた。
 最強の実力の冒険者に鍛えられたという事で、2人は不安よりも自信の方が大きく満ちていたからである。

「いよいよだな!」
「はい!」
「がんばってきなさい!」
「はい!!」

 ヴィスト、ピノンの2人に声援を貰ったリタとティオは威勢の良い返事をした。
 まさに自信の表れとも言える威勢であった。

 そして2人を乗せた馬車が動きだし、ついに出発した。


 馬車の中では精神を落ち着かせるために深呼吸をするリタとティオの姿があった。

 だがティオに至っては深呼吸と言うよりは、荒い呼吸であった。

「ほほ、本当に行くんだね…!?僕たち…学校の試験に…!?」
「ティオ、緊張しすぎ…私もしているけど…でもねティオ、お姉ちゃんたちは今まで今日の為に沢山勉強したでしょ!だから、試験に落ちた時の事は考えちゃダメだよ!」
「うん…」



 そして、そんな話をしている内に、試験会場へと馬車は到着した。

「受験者はこちらへ受付を済ませてくださ~い!」

 受付の女性の声を聞いてリタとティオはその場所へ向かい受付を済ませた。

 受付の際、使い魔の同伴の際にも受付にて申請が必要だが亜獣人を使い魔としている場合は、少し違った。

「あなたは亜獣人ですが、入学希望者でいいんですよね?」
「はい、入部希望のティオ・アスタルトです!」
「承知しました、リタ・アスタルトさんとティオ・アスタルトさんにはこちらを手首に付けてもらいます」

 受付嬢は2人にブレスレットを渡した。

 そのブレスレットは光を放っていた。

 受付嬢の説明によれば、そのブレスレットは試験を、今回の試験にとても必要な物であるらしい。
 ただし、それがいつ役立つかは、教えてくれなかった。

「いつ必要になるかは、試験の時のお楽しみという事で…」

 受付嬢がそう笑顔で言って、試験会場までの道のりを教えてくれたことで移動。

 いよいよ試験の始まりであった。

 最初の試験は筆記試験だった。

 リタとティオはリーベルの指導もあったため難なく突破できた。

 次の試験は馬車に乗って会場を移動するという物だった。

 しかし、2人と他の受験者達はまだ知らなかった…。

 この後、彼女達の身に何が起こると言う事を…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。

riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。 召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。 しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。 別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。 そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ? 最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる) ※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

処理中です...