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2章 貴族の生活
15.お勉強は楽しい!
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貴族の正装を受け取ったティオ。
そして今日からティオはお勉強をする事となった。
「お勉強?」
「うん、将来の為にお勉強しているの、家庭教師さんが来てくれるから学校に行ったりはしてないけどね…?」
「お勉強…」
ティオは浮かない表情をしていた。
「もしかしてティオって、お勉強とか苦手な方?」
「ううん、苦手って訳じゃない…ただ…」
「ただ?」
「前いた所で、実験の一種だとかで色々と勉強させられてたことがあったから…」
ティオはまたしてもかつてのトラウマ染みた事とを思い出していた。
「え!?もしかして、また嫌な事思い出しちゃった!?ごめん!」
「ううん!大丈夫、一応そのおかげである程度はわかるから…」
「なんかごめんね、でも、家庭教師の先生、"リーベル先生"は優しい人だから、怖がらなくて大丈夫だよ!」
安心しきった表情のティオであったが、そんな時にユーリとサティがやって来た。
「なんだ、ずいぶんと余裕じゃねえか?」
「あ、ユーリお兄様」
「おはようございます…」
「さっきお父様がティオの事をリーベル先生に話しておいたって言ってたわ…」
「え、先生もう来たの?」
そうリタが驚いていると、部屋にそのリーベル先生らしき男性がやってきた。
「おはようございますリタ様、そして…あなたがティオ様ですね、初めまして…私は"リーベル・モード"です、代々アスタルト家の御子息様方の家庭教師を担当しております」
"リーベル・モード"と名乗ったその男性は、50代半ば、あるいは後半ほどの見た目で眼鏡を掛けたいかにも先生と思える人物であった。
ティオは先ほどリタに言われた事を思い出して安心していた。
"優しい先生"、まさにその通りの人だったからであった。
「初めましてリーベル先生!ティオ・アスタルトです!よろしくお願いします!」
ティオが元気よく挨拶をした後で授業が始まった。
リーベルの授業は国語、数学、歴史などあらゆる科目をこなしていた。
ちょっと大変であったがティオは満足していた。
(お勉強楽しい!あそこにいた時は、頭の研究…とか言われてたけど…リーベル先生の授業は楽しい!)
そして時間が経ち、リーベルはある疑問を問いただした。
「ところで、1つお聞きしたい事があるのでございますが…ティオ様は確か竜人と、お父様からお聞きしておりますけど…」
「はい、それで私の使い魔でもあります」
「ええ、それで一度リタ様に魔法を1つ拝見させていただいてもよろしいですか?」
「え?魔法を?」
「はい、使い魔と契約を結んだ時に"魔力が平等になる"という事はご存知ですよね?」
「はい!」
リーベルの言いたい事はこうだった。
"魔力の高いティオを使い魔にしたリタの魔力量の再計測"
リーベルはリタの魔力量が元は少ない事を知っていたのだが、『使役した使い魔であるティオと契約を交わした事で魔力量に変化があるはず…』という考えから改めてリタの魔力量を確認する事にした。
「では手始めに、火を出す魔法をお願いします」
「はい」
リタは右手を開いた状態にして前方に伸ばし、呪文を口走った。
「…"火"!!」
ボオオオオオオオオオオ!!!!
なんと、リタの放った火の魔法が凄まじい火力を帯びて放出していた。
これにはリーベルだけでなく、ティオ、そして魔法を放った本人であるリタ自身も驚いていた。
「え!?な、なに!?なにこれ!?どういうこと!?」
「すご~い!!お姉ちゃんすごいよ!!」
(なにこれ?これが私の火の魔法?もしかして、ティオを使い魔にした影響なのかな?)
驚きのあまり身体が硬直してしまったリタ。
そしてリタと同じく身体が硬直してしまった者がいた。
その人物こそ、リーベルであった。
(やはりあの少年を使い魔として契約を結んだからなのか?リタ様の得意な魔法は治癒魔法…火の魔法は前にもやらせた事はあったが、せいぜいマッチの火程度の可愛らしい威力だった…もし今のがティオ様が関係しているとすれば…)
リーベルの疑惑は深まるばかりであり…それ故にリーベルは、ある事を思いつくのだった…。
そして今日からティオはお勉強をする事となった。
「お勉強?」
「うん、将来の為にお勉強しているの、家庭教師さんが来てくれるから学校に行ったりはしてないけどね…?」
「お勉強…」
ティオは浮かない表情をしていた。
「もしかしてティオって、お勉強とか苦手な方?」
「ううん、苦手って訳じゃない…ただ…」
「ただ?」
「前いた所で、実験の一種だとかで色々と勉強させられてたことがあったから…」
ティオはまたしてもかつてのトラウマ染みた事とを思い出していた。
「え!?もしかして、また嫌な事思い出しちゃった!?ごめん!」
「ううん!大丈夫、一応そのおかげである程度はわかるから…」
「なんかごめんね、でも、家庭教師の先生、"リーベル先生"は優しい人だから、怖がらなくて大丈夫だよ!」
安心しきった表情のティオであったが、そんな時にユーリとサティがやって来た。
「なんだ、ずいぶんと余裕じゃねえか?」
「あ、ユーリお兄様」
「おはようございます…」
「さっきお父様がティオの事をリーベル先生に話しておいたって言ってたわ…」
「え、先生もう来たの?」
そうリタが驚いていると、部屋にそのリーベル先生らしき男性がやってきた。
「おはようございますリタ様、そして…あなたがティオ様ですね、初めまして…私は"リーベル・モード"です、代々アスタルト家の御子息様方の家庭教師を担当しております」
"リーベル・モード"と名乗ったその男性は、50代半ば、あるいは後半ほどの見た目で眼鏡を掛けたいかにも先生と思える人物であった。
ティオは先ほどリタに言われた事を思い出して安心していた。
"優しい先生"、まさにその通りの人だったからであった。
「初めましてリーベル先生!ティオ・アスタルトです!よろしくお願いします!」
ティオが元気よく挨拶をした後で授業が始まった。
リーベルの授業は国語、数学、歴史などあらゆる科目をこなしていた。
ちょっと大変であったがティオは満足していた。
(お勉強楽しい!あそこにいた時は、頭の研究…とか言われてたけど…リーベル先生の授業は楽しい!)
そして時間が経ち、リーベルはある疑問を問いただした。
「ところで、1つお聞きしたい事があるのでございますが…ティオ様は確か竜人と、お父様からお聞きしておりますけど…」
「はい、それで私の使い魔でもあります」
「ええ、それで一度リタ様に魔法を1つ拝見させていただいてもよろしいですか?」
「え?魔法を?」
「はい、使い魔と契約を結んだ時に"魔力が平等になる"という事はご存知ですよね?」
「はい!」
リーベルの言いたい事はこうだった。
"魔力の高いティオを使い魔にしたリタの魔力量の再計測"
リーベルはリタの魔力量が元は少ない事を知っていたのだが、『使役した使い魔であるティオと契約を交わした事で魔力量に変化があるはず…』という考えから改めてリタの魔力量を確認する事にした。
「では手始めに、火を出す魔法をお願いします」
「はい」
リタは右手を開いた状態にして前方に伸ばし、呪文を口走った。
「…"火"!!」
ボオオオオオオオオオオ!!!!
なんと、リタの放った火の魔法が凄まじい火力を帯びて放出していた。
これにはリーベルだけでなく、ティオ、そして魔法を放った本人であるリタ自身も驚いていた。
「え!?な、なに!?なにこれ!?どういうこと!?」
「すご~い!!お姉ちゃんすごいよ!!」
(なにこれ?これが私の火の魔法?もしかして、ティオを使い魔にした影響なのかな?)
驚きのあまり身体が硬直してしまったリタ。
そしてリタと同じく身体が硬直してしまった者がいた。
その人物こそ、リーベルであった。
(やはりあの少年を使い魔として契約を結んだからなのか?リタ様の得意な魔法は治癒魔法…火の魔法は前にもやらせた事はあったが、せいぜいマッチの火程度の可愛らしい威力だった…もし今のがティオ様が関係しているとすれば…)
リーベルの疑惑は深まるばかりであり…それ故にリーベルは、ある事を思いつくのだった…。
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