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1章 姉弟になるまで
9.ずっと一緒だよ!
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ーーアスタルト邸
ティオを家に居させる為に両親と話を付ける決心をしたリタ。
サティを味方に付けた事で少しだが、希望を抱き両親、そして兄達の待つ部屋へと向かった…。
しかし、どういうわけなのか両親も険しい表情をしていて『リタに話がある』と言ってきたのだった。
「それでリタ、お前の話はなんだ?まずは、リタの話から聞こう…」
「え?あ、はい!」
ここからが本題だった…
リタは真剣な眼差しを向けて父親に話した。
「ティオを家に居させてください!」
「…?」
「私、やっぱりティオと離れたくありません!!この子は、ティオはここに来る前に酷い事をされていたらしいのです!」
「酷い事?」
「はい、実は僕は"亜獣人"で、"竜人"なんです…」
「竜人だって!!??」
両親やユーリは、当然驚くこととなった。まさかリタが連れてきたのが"亜獣人"で、最強種族とも言われる"竜人"であったから、仕方ないとも言える。
「ティオは私が守ります!ですからティオをここに居させてください!」
「私からもお願いします!どうかこの子を!」
「…分かった…それなら話は早いな…」
「え…?」
必死な想いで父親に伝えたリタとサティ。しかし、その父親は真剣な表情で意外な返答をしてきた。
「実はな、その子を…ティオを家に養子として迎えようと思うんだ」
「え??!!」
父親の返答…それは"ティオをアスタルト家の養子に迎える"という事だった。
「養子・・・っというのは・・・?」
「言った通りだ…ティオを家の…家族の一員として迎えると言う事だ…つまりリタ、お前の義弟になるって事だ」
「…それって、つまり、ティオは孤児院には…」
「そんなものは白紙撤回!連れて行かなくてもいい!」
「でも、どうして…?」
「竜人だと分かった以上、他に何をしでかすか分からない…」
「・・・・・」
「だから、監視下として家で引き取る事にした」
意外な父親の返答にびっくりしたリタとティオであったが、それは2人にとってはある意味を示してもいた。
「や…やったあああああああああああああああああああああ!!ティオ!私達これからもずっと一緒に居られるって事だよ!!」
「ずっと一緒に?」
「うん!私、ティオのお姉ちゃんだよ!!ティオのお姉ちゃんになったんだよ!!」
「お姉ちゃん…お姉ちゃん!!」
「そう!お姉ちゃん!!」
「やった!わぁ~い!!お姉ちゃんだ~!!」
監視下と響きは悪いように思えるが、事実上としてリタとティオは義姉弟としてこれからも共に暮らせる事となり、2人は大いに喜んだ。そんな中、サイガが2人話しかけてきてある提案を伝えた。
「それからティオ、1つ僕からいいかな?」
「なに?」
「もしよければだけど、ティオ…リタの使い魔にならないか?」
「「使い…魔?」」
サイガから提案された「使い魔」…それは、亜獣人と人間の間での主従関係を意味していた。
ーー『使い魔』
魔力を持った動物が人間と契約して結ぶ主従関係。
結ぶ事で双方の魔力を互いに振り分ける事が出来、それにより魔力量の変化が起きる。人間社会にとっても仕事や生活でも役立ち使い魔の存在は必要な物でもあった。そして関係を結ぶのは亜獣人でも例外ではなく、亜獣人と人間との間に主従関係を持つ事も可能である。
その提案を聞いたティオは複雑な表情を浮かべるがリタもそれは同じだった。
「今後の事を考えていつかリタに使い魔を勧めようかと思っていたんだけど、もしかしたら、君が適任かもしれない…リタの義弟にして使い魔、悪くないと思うんだけど…?」
「僕が、使い魔…」
「リタにとっても悪い話じゃないと思うよ、2人一緒に暮らせて魔力量の問題も解決、一石二鳥じゃないか!」
「使い魔」の事に関しては悪い気はしないと思うリタであるが、半分はまだ結果を出す事は出来なかった。だが、今後ティオと過ごす事を考える事で使い魔として迎えるべきである事を考えたが、それでもやはり答えは出なかった。
「もちろん、決めるのは2人だけど、どうする?」
「お兄様…私…」
「僕、なります!」
「え?」
なんと、悩んでいるリタとは裏腹にティオは即決でリタの使い魔になる事を承諾した。森で巨獣相手にした時にリタを悲しませてしまった事がよっぽど悲しかったのが罪悪感として心に残っていたからであった。
「あの時、僕は怖かった…でもリタさんが泣いちゃうのはもっと怖い…さっきリタさんは『僕を守る』って言ってくれたけど…守るのは僕のやる事なんだって思えてきた…だから僕、リタさんの使い魔になりたいです!」
「ティオ…」
ティオの言葉にリタの決心は決まった…。
ーー協会
ここは、アスタルト領の街にある教会。新生児の魔力を図るだけでなく使い魔契約の仲介も行っており、ここで契約を交わして街の役所に届け出を出す事で正式に使い魔として認められる。
「ではこれより、契約の儀を行います」
牧師が書いた魔法陣の中にリタとティオが立っていた。そして、リタとティオは互いに向けて伸ばすようにして右手を伸ばし、契約の儀を行った。
魔法陣は光り出し、互いの右手の表面から空気の集合体のように魔力が形となって表れた。
数分後、すべての光は止み、晴れて2人は主人と使い魔としての契約を終えた。これにより、リタとティオは義姉弟にして主従と言った家族であり主人と使い魔という関係になったのだった。
ティオを家に居させる為に両親と話を付ける決心をしたリタ。
サティを味方に付けた事で少しだが、希望を抱き両親、そして兄達の待つ部屋へと向かった…。
しかし、どういうわけなのか両親も険しい表情をしていて『リタに話がある』と言ってきたのだった。
「それでリタ、お前の話はなんだ?まずは、リタの話から聞こう…」
「え?あ、はい!」
ここからが本題だった…
リタは真剣な眼差しを向けて父親に話した。
「ティオを家に居させてください!」
「…?」
「私、やっぱりティオと離れたくありません!!この子は、ティオはここに来る前に酷い事をされていたらしいのです!」
「酷い事?」
「はい、実は僕は"亜獣人"で、"竜人"なんです…」
「竜人だって!!??」
両親やユーリは、当然驚くこととなった。まさかリタが連れてきたのが"亜獣人"で、最強種族とも言われる"竜人"であったから、仕方ないとも言える。
「ティオは私が守ります!ですからティオをここに居させてください!」
「私からもお願いします!どうかこの子を!」
「…分かった…それなら話は早いな…」
「え…?」
必死な想いで父親に伝えたリタとサティ。しかし、その父親は真剣な表情で意外な返答をしてきた。
「実はな、その子を…ティオを家に養子として迎えようと思うんだ」
「え??!!」
父親の返答…それは"ティオをアスタルト家の養子に迎える"という事だった。
「養子・・・っというのは・・・?」
「言った通りだ…ティオを家の…家族の一員として迎えると言う事だ…つまりリタ、お前の義弟になるって事だ」
「…それって、つまり、ティオは孤児院には…」
「そんなものは白紙撤回!連れて行かなくてもいい!」
「でも、どうして…?」
「竜人だと分かった以上、他に何をしでかすか分からない…」
「・・・・・」
「だから、監視下として家で引き取る事にした」
意外な父親の返答にびっくりしたリタとティオであったが、それは2人にとってはある意味を示してもいた。
「や…やったあああああああああああああああああああああ!!ティオ!私達これからもずっと一緒に居られるって事だよ!!」
「ずっと一緒に?」
「うん!私、ティオのお姉ちゃんだよ!!ティオのお姉ちゃんになったんだよ!!」
「お姉ちゃん…お姉ちゃん!!」
「そう!お姉ちゃん!!」
「やった!わぁ~い!!お姉ちゃんだ~!!」
監視下と響きは悪いように思えるが、事実上としてリタとティオは義姉弟としてこれからも共に暮らせる事となり、2人は大いに喜んだ。そんな中、サイガが2人話しかけてきてある提案を伝えた。
「それからティオ、1つ僕からいいかな?」
「なに?」
「もしよければだけど、ティオ…リタの使い魔にならないか?」
「「使い…魔?」」
サイガから提案された「使い魔」…それは、亜獣人と人間の間での主従関係を意味していた。
ーー『使い魔』
魔力を持った動物が人間と契約して結ぶ主従関係。
結ぶ事で双方の魔力を互いに振り分ける事が出来、それにより魔力量の変化が起きる。人間社会にとっても仕事や生活でも役立ち使い魔の存在は必要な物でもあった。そして関係を結ぶのは亜獣人でも例外ではなく、亜獣人と人間との間に主従関係を持つ事も可能である。
その提案を聞いたティオは複雑な表情を浮かべるがリタもそれは同じだった。
「今後の事を考えていつかリタに使い魔を勧めようかと思っていたんだけど、もしかしたら、君が適任かもしれない…リタの義弟にして使い魔、悪くないと思うんだけど…?」
「僕が、使い魔…」
「リタにとっても悪い話じゃないと思うよ、2人一緒に暮らせて魔力量の問題も解決、一石二鳥じゃないか!」
「使い魔」の事に関しては悪い気はしないと思うリタであるが、半分はまだ結果を出す事は出来なかった。だが、今後ティオと過ごす事を考える事で使い魔として迎えるべきである事を考えたが、それでもやはり答えは出なかった。
「もちろん、決めるのは2人だけど、どうする?」
「お兄様…私…」
「僕、なります!」
「え?」
なんと、悩んでいるリタとは裏腹にティオは即決でリタの使い魔になる事を承諾した。森で巨獣相手にした時にリタを悲しませてしまった事がよっぽど悲しかったのが罪悪感として心に残っていたからであった。
「あの時、僕は怖かった…でもリタさんが泣いちゃうのはもっと怖い…さっきリタさんは『僕を守る』って言ってくれたけど…守るのは僕のやる事なんだって思えてきた…だから僕、リタさんの使い魔になりたいです!」
「ティオ…」
ティオの言葉にリタの決心は決まった…。
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魔法陣は光り出し、互いの右手の表面から空気の集合体のように魔力が形となって表れた。
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