溺愛されてる貴族令嬢は、小さな竜人を義弟(おとうと)にしました。

竜ヶ崎彰

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1章 姉弟になるまで

7.あなたは何者なの?

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 巨獣による騒動から数時間が経った頃、時間は夜を迎えていた。
 リタは先ほどのティオの力を目にして疑問を抱いていた。
 まさにそれは、とはかけ離れた力であった事、そして普通の子供では全くあり得ないと言っていい程に炎を吐いた事。
 彼女の中ではティオに対する謎が深まっていた。
 そして、それほどまでに力を使い果たしたかの如く倒れたティオはまたも、リタのベッドで寝込んでいた。

(ティオ…あなたは一体…もしかして、人間じゃないの…人間じゃないとしたら、もしかして…)

 疑問を心で口ずさんでいたリタはただひたすらティオが目覚めるのを待っていて、そしてティオは再び目を覚ました。

「あれ?僕、どうして…」
「あ!ティオ!よかった!!心配したんだよ…」
「あ、そうだ…僕確かさっき…大きな怪物に…」

 先ほど巨獣と戦っていた事を思い出して我に戻ったティオ。

「あ!そうだ!!あのリス達は!?」
「それなら大丈夫!さっき、お医者さんに診てもらったら、"命に別状はない"って…」
「そうなの?良かった~…」
「…」

 ーーティオが目覚める2時間前、リタは先程のティオの事を家族に打ち明けていた。それを聞いた両親や兄姉達は驚きを隠せなかった。

『ティオが巨獣を手で止めたって!!??』
『しかも、火を吹いただぁ…』

 父親、ユーリが『信じられない』という顔でリタの言葉を聞きすぐには鵜呑みにすることはなかったが、ただ1人、サイガだけは疑問に感じていた。
 と思ったからである。

『リタ、こうなれば直接あの子に聞くしかないよ…"ティオがなのか"…をね…』
『え…?』

 サイガの真剣な顔に動揺したリタ…そして…

『これは僕の憶測だけど…もしかしてティオって、"亜獣人あじゅうじん"じゃないのかな?』
『亜獣人…?』

 ーーそして時は戻って現在…
 リタは内心緊張していた…
 先ほどサイガから言われ、"ティオの正体が『亜獣人』ではないか"という質問をする事に対して、彼がどのような答えを返してくるのか…。

「ねえティオ…あなたは、何者なの?」
「え?何者って…?」
「もしかして…『亜獣人』…なの…?」
「・・・・・」

 思い切って質問をしたリタ…
 しかし、ティオはリタのそんな質問を聞いて汗を出してしまう…

「・・・・・」

 黙り込んでしまったティオであったが、ついてに口を開いた…。

「ごめん…黙っていて…」
「え…?」
「実は僕は…"亜獣人"…竜の…亜獣人…"竜人リューマン"なの…!」
「え……!!!???」

 ティオは重々しい感じでついに自身の事を話しだした。
 そしてリタもまた、驚いて声が出せなかった…。

 一体、『竜人リューマン』とは、『亜獣人』とは何なのか…?
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