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第8話 俺がそばにいてやる
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お母さんがお父さんと離婚して、1人の時間が増え始めた時の事だった。
小学校低学年の頃。
両親の離婚がきっかけで私は塞ぎ混むように友達と関わるのをやめて教室に1人でいるようになった。
正直つまんなかったけど、お父さんがいなくなった方がよっぽどつまんなかった。
多忙でもたまに両親と過ごす時間が私は大好きだった。
でも、もうそれも叶わなくなった。
私は学校でも家でもひとりぼっち…。
でも、それでも私には心の支えがあった。
それは"涼くん"だった。
隣の家に住む涼くんと遊ぶ時間があったから、学校から帰ったら私は真っ先に自宅じゃなくて涼くんの家に直行していた。
そんな風にしていたからなのか、私にとって天道家が第二の自宅になっていた。
涼くんはかっこよくて優しくて頼りになるお兄ちゃんみたいな人。
私はそんな涼くんの事が大好きだった。
でも、この頃は今とは違って"恋愛対象"とは違う"頼れるお兄ちゃん"としての好きだった。
あの日までは・・・。
◇
いつものように学校からの帰り道を歩いていた時だった。
通学路にある家の飼い犬の首輪が外れて私に襲い掛かろうとしていた事があった。
その犬は近所でも有名な猛犬で、いつも私は怯えて涼くんの傍にいたほどだった。
でも、その日は涼くんが用事があって早く帰っちゃって・・・。
「いやあ!」
完全に猛犬は私に噛みつこうとしていた。
身体が動かない・・・。
助けて・・・。
そして、ついに猛犬が私に噛みつこうとした。
「きゃああああああ!」
「やめろおおおおおおおおお!!」
「え!?りょ、涼くん!?」
猛犬は涼くんの腕に嚙みついていた。
噛みつかれた涼くんは力いっぱい猛犬を振り払って、猛犬は逃げて行った。
助かった・・・。でも、涼くんが!?
「ああこれ!?大丈夫だよ・・・でも病院に一応言っておかないとな・・・」
◇
病院からの帰り道。
涼くんの傷は軽傷だったようで、安心した。
怖い想いとした私は涼くんに助けられた。
私はすごく責任を感じた。
私の所為で涼くんが怪我をしたんだもんね・・・。
当然私が悪い・・・。
私は必死で涼くんに謝罪した。
でも・・・涼くんは・・・。
「何言ってんだよ」
「え?」
「俺がいなかったらルカが噛まれていたかもしれないんだぞ!逆に俺が噛まれたからルカが助かったんだ。そんなに深く考えるな!お父さんいなくなって、寂しいとは思うけど、俺が傍にいてあげるから、もう泣くな・・・」
「涼くん・・・」
この時の涼くんはまるでヒーローのように思えた。
この時から、私の中での涼くんが変わった。
私の涼くんにたいする好きが本当の恋としての好きだと自覚した。
「ありがとう涼くん!大好き!」
思わず抱き付いちゃった。
でも、この時私は決めた。
私の人生は・・・。
涼くんに捧げたい!
そう決めた。
涼くん・・・。
大好きだよ・・・。
小学校低学年の頃。
両親の離婚がきっかけで私は塞ぎ混むように友達と関わるのをやめて教室に1人でいるようになった。
正直つまんなかったけど、お父さんがいなくなった方がよっぽどつまんなかった。
多忙でもたまに両親と過ごす時間が私は大好きだった。
でも、もうそれも叶わなくなった。
私は学校でも家でもひとりぼっち…。
でも、それでも私には心の支えがあった。
それは"涼くん"だった。
隣の家に住む涼くんと遊ぶ時間があったから、学校から帰ったら私は真っ先に自宅じゃなくて涼くんの家に直行していた。
そんな風にしていたからなのか、私にとって天道家が第二の自宅になっていた。
涼くんはかっこよくて優しくて頼りになるお兄ちゃんみたいな人。
私はそんな涼くんの事が大好きだった。
でも、この頃は今とは違って"恋愛対象"とは違う"頼れるお兄ちゃん"としての好きだった。
あの日までは・・・。
◇
いつものように学校からの帰り道を歩いていた時だった。
通学路にある家の飼い犬の首輪が外れて私に襲い掛かろうとしていた事があった。
その犬は近所でも有名な猛犬で、いつも私は怯えて涼くんの傍にいたほどだった。
でも、その日は涼くんが用事があって早く帰っちゃって・・・。
「いやあ!」
完全に猛犬は私に噛みつこうとしていた。
身体が動かない・・・。
助けて・・・。
そして、ついに猛犬が私に噛みつこうとした。
「きゃああああああ!」
「やめろおおおおおおおおお!!」
「え!?りょ、涼くん!?」
猛犬は涼くんの腕に嚙みついていた。
噛みつかれた涼くんは力いっぱい猛犬を振り払って、猛犬は逃げて行った。
助かった・・・。でも、涼くんが!?
「ああこれ!?大丈夫だよ・・・でも病院に一応言っておかないとな・・・」
◇
病院からの帰り道。
涼くんの傷は軽傷だったようで、安心した。
怖い想いとした私は涼くんに助けられた。
私はすごく責任を感じた。
私の所為で涼くんが怪我をしたんだもんね・・・。
当然私が悪い・・・。
私は必死で涼くんに謝罪した。
でも・・・涼くんは・・・。
「何言ってんだよ」
「え?」
「俺がいなかったらルカが噛まれていたかもしれないんだぞ!逆に俺が噛まれたからルカが助かったんだ。そんなに深く考えるな!お父さんいなくなって、寂しいとは思うけど、俺が傍にいてあげるから、もう泣くな・・・」
「涼くん・・・」
この時の涼くんはまるでヒーローのように思えた。
この時から、私の中での涼くんが変わった。
私の涼くんにたいする好きが本当の恋としての好きだと自覚した。
「ありがとう涼くん!大好き!」
思わず抱き付いちゃった。
でも、この時私は決めた。
私の人生は・・・。
涼くんに捧げたい!
そう決めた。
涼くん・・・。
大好きだよ・・・。
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