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前編 第三章「動き出す歯車」
兵士団の帰還1
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フィリップ・アルヴェーンとカイヤ・ニッカは兵士団員である。
それぞれフィリップが団長、カイヤが副団長を任されている。
現在、その二人が兵士団員を引き連れて帰還したのだ。あのワガママなライニールによって、長期の遠征を命じられていたあの二人が。
フィリップは口うるさい男で、ライニール現国王に関していい印象を抱いていなかった。
元々国の中でも、裏組織と繋がっているという噂もあったことと、普段からのワガママ具合は誰が見ても好ましくない。
守らねばならない国を離れ、自分の好きなように観光している。
国の資金が無くなったと思えば、ライニールの浪費のせいだったりと散々だ。
「はぁ……」
「団長、何回目ですか」
今回の遠征は、遠方の村落にて生き残りが居ないかを探ってこい、とのことだった。
あの戦争や魔族の襲撃でほとんどの国民が死んだというのは、誰もが知っている事実。
今更僻地を見て回っても、焼け野原の村や崩れ落ちた集落しか見当たらない。
ライニールが煩わしいフィリップを遠ざけるための言い訳にすぎないが、一応は国王の元にいる兵士団。断れるはずがない。
「そりゃため息も出るだろう。またあの王の顔を見なければならないんだぞ。どうせまた遠征を任されるんだろうさ」
「そうでしょうけど。とりあえず言われた村の周辺は見てきましたし、報告はしないと」
報告もさることながら、連れてきている兵士団員も疲労しきっていた。
長いこと野宿が続いていて、団員からも苦情が上がっていた。任務故に仕方のないことだったが、元はと言えば国王とフィリップの確執が生んだ遠征だ。
ここらで折れて帰還する他無かった。
フィリップはアベスカ――アリ=マイアでも珍しい100レベル手前の兵士だ。
貴重な戦力の一つであり、アベスカの兵士団をまとめ上げる団長である。
動きやすいように短く切り揃えた金髪と、ありふれた茶色の瞳。
その纏う鎧は、本来であればライニール国王が身につけるべき国宝だったのだが、あのミーハーというべき国王はそれを拒んだ。
どうにも彼にとってはアベスカの歴史よりも、他国で流行している衣服のほうが好ましいのだ。
そんなこんなで指折りの熟練者であるフィリップは、国から装備を賜っている。
もちろん国宝に相応しい力を有しているし、ライニールに噛み付くこと以外は部下から慕われている。
そしてそれを補佐しているのが、カイヤである。
グレーの長い髪の毛を、一本でまとめている。
その黒い瞳は、よく〝死んだ魚の眼をしている〟と噂されるのが彼だ。剣の筋は誰もが認めているが、その死んだ目といい態度の悪さといい、よく思われないことが多い。
とは言え彼も90レベル手前の実力を誇っている。
勇者などの例外を差し置けば、相当な腕の立つ兵士なのだ。
「何ヶ月ぶりですかね。あの城門を見るのは……」
「もう勘弁してくれ。しばらく休めるよう、俺もライニールに楯突かないようにするから……って、ん?」
彼らは城門にいる人間に目を留めた。
出るときと変わらず衛兵が立っているが、それと会話をしているのは見たこともない人間――否、ホムンクルス。
魔王戦争や魔物・魔族との戦いを、何度も重ねてきたフィリップとカイヤには、ハッキリと人間ではなくホムンクルスであると見分けられた。
フィリップとカイヤは、剣を引き抜くと急いで隊列から飛び出た。
「お前達はそのまま前進しろ! 俺達がやられるようなら、追撃を!」
「了解です、団長!」
ホムンクルスは衛兵に何かを渡している最中だった。バスケットに入れられた――食べ物のように見える。
だが魔族のことだ。衛兵を騙して、毒でも仕込んでいるのかもしれない。
フィリップとカイヤはそう思った。
フィリップはホムンクルスの元へ辿り着くと、迷いなく切りつけた。その剣さばきは大したもので、一瞬でホムンクルスの活動を停止させた。
カイヤは衛兵を守るように動いて、ホムンクルスの動向を探っている。
ホムンクルスは切られたまま反撃などもなく、そのまま地面へとバッタリ倒れ込んだ。
城門に、シンとした空気が流れる。
「そいつはホムンクルスだぞ!? 気付かなかったのか!?」
「そんな事知ってますよ、団長! というか、何してるんですか!」
「はぁ!?」
衛兵を諭そうと叫ぶフィリップだったが、返ってきた言葉に驚いた。
そして驚くのはそれだけではない。衛兵達の続けた言葉に、呆気にとられる。
「治してもらうのも、タダじゃないんですよ!」
「そうっすよ! この前……酔っ払いの騒ぎに巻き込まれたホムンクルスの医療費、一体いくらしたと思ってんスか!!」
「はぁ?! 何言って……」
ホムンクルスの医療費。フィリップからすれば、異常な言葉だ。
人ならざるものであるホムンクルス。それを治療するために、金銭のやり取りが発生する。
通例であれば倒すべき忌まわしき存在のはずなのに、この衛兵はそれを治すなどと言っているのだ。
フィリップとカイヤの頭上には、ハテナが浮かぶ。
「あ! 団長達は知らないんだっけ!」
「……あ、そっか」
「??」
勝手に解決し始める衛兵達に会話を置いていかれ、困惑を極めている。
衛兵の一人はフィリップに敬礼すると、改めて話した。
「フィリップ団長、カイヤ副団長。まずは城におられるパラケルスス様とルーシー様に、会って頂きます。この子の件もあるので、ご案内します」
「? あ、あぁ」
衛兵に連れられ、二人は城下町に入った。
連れていた団員達には「報告はこちらでするので、休んでほしい」と伝えて解散した。
衛兵についているのは、フィリップとカイヤだけだ。
そしてその衛兵は、先程フィリップが切りつけたホムンクルスを抱きかかえている。
「……? なんだ、おかしい」
「やはり団長も気付かれましたか」
「あぁ、ニッカもか……」
二人が気付いたのは、街の人々の表情だった。
誰もが明るく笑顔になっている。フィリップらを見て、手を振ったり声を掛けたりしてきている。
フィリップも驚きながらそれに応えているが、如何せん納得がいかない。
「俺達が出る前は、みな絶望の淵にいたというのに」
「それか憎悪にまみれていましたね」
「あの愚かな王が……改革でも行ったのか……?」
「それは有り得ないと、散々言ってきたのは団長ですよね」
「そうだったな」
「――おぉ! 団長殿!」
そう声を掛けてきたのは、フィリップがよく世話になっている食堂の店主。
先の戦争にて、大切な家族を亡くされていた一人だ。愛する妻と共に食堂を経営していたというのに、その女性は今もうこの世にはいない。
戦後に店を訪れても、営業していないことが多々あった。
営業したところで味の偏りが激しく、その理由を知っている国民達は誰も文句を言うことが無かった。
「!」
「よくぞ帰られました!」
「あ、あぁ……」
「長い遠征でしたな。お疲れでしょう」
「そうだな……」
「後で是非、我が食堂にお立ち寄りください。料理を振る舞います」
だからフィリップはその発言に驚愕したのだ。
ある日は「妻を思い出すから」と店を開けることを、酷く恐れていたこともあった彼だというのに、嬉々として言うのだから。
まるで――そう、あの戦争が起こる前の彼を見ているかのようだった。
妻も生きていて、常連や様々な人間で賑わう店を回しているときのように。
「もう、あなたってば。団長さんが困ってるでしょ。これからライニール国王に会いに行くのだから、邪魔しないであげて頂戴」
「おぉ、そうだったな。ルーシー様とパラケルスス様に、宜しくお伝えください」
「なっ……」
男の後ろから出てきたのは、フィリップの記憶通りの女。
戦争で死んだはずの女性、食堂の看板でもあった彼の妻だった。
――死者が生き返るはずもない。
そういった魔術も伝説上存在するとは聞いたこともあるが、少なくとも技術力のないこのアベスカでは実現不可能だ。
だからこの目の前にいる女がどうしてこれほどまでに、男の妻に似ているのか。
言動も見た目も、小さな癖、仕草。男を見つめる瞳。雰囲気まで、全てが記憶のまま。
店に行って、「いつものね」と言ってくれたあのときを思い出すようだ。
「お、おい、お前の妻は――」
「フィリップ団長」
「!!」
「その件を含めて、城で全てをお話しますので。今は何も言わないでください」
「……っ」
――お前の妻は、死んだんじゃないのか。
そう言いかけたフィリップに口を挟むのは衛兵だ。
余計な事を言うな、と言う意味を含んだ瞳には流石に気付く。
城へ到着するまでに何度も何度も不思議な光景を見てきた。言うならば〝死んだはずの……〟という人間が、何人も見かけられたのだ。
あの老人も、あの少年も、あれも、これも……。
困惑しすぎたフィリップもカイヤも、城に辿り着くまでだんまりであった。
それぞれフィリップが団長、カイヤが副団長を任されている。
現在、その二人が兵士団員を引き連れて帰還したのだ。あのワガママなライニールによって、長期の遠征を命じられていたあの二人が。
フィリップは口うるさい男で、ライニール現国王に関していい印象を抱いていなかった。
元々国の中でも、裏組織と繋がっているという噂もあったことと、普段からのワガママ具合は誰が見ても好ましくない。
守らねばならない国を離れ、自分の好きなように観光している。
国の資金が無くなったと思えば、ライニールの浪費のせいだったりと散々だ。
「はぁ……」
「団長、何回目ですか」
今回の遠征は、遠方の村落にて生き残りが居ないかを探ってこい、とのことだった。
あの戦争や魔族の襲撃でほとんどの国民が死んだというのは、誰もが知っている事実。
今更僻地を見て回っても、焼け野原の村や崩れ落ちた集落しか見当たらない。
ライニールが煩わしいフィリップを遠ざけるための言い訳にすぎないが、一応は国王の元にいる兵士団。断れるはずがない。
「そりゃため息も出るだろう。またあの王の顔を見なければならないんだぞ。どうせまた遠征を任されるんだろうさ」
「そうでしょうけど。とりあえず言われた村の周辺は見てきましたし、報告はしないと」
報告もさることながら、連れてきている兵士団員も疲労しきっていた。
長いこと野宿が続いていて、団員からも苦情が上がっていた。任務故に仕方のないことだったが、元はと言えば国王とフィリップの確執が生んだ遠征だ。
ここらで折れて帰還する他無かった。
フィリップはアベスカ――アリ=マイアでも珍しい100レベル手前の兵士だ。
貴重な戦力の一つであり、アベスカの兵士団をまとめ上げる団長である。
動きやすいように短く切り揃えた金髪と、ありふれた茶色の瞳。
その纏う鎧は、本来であればライニール国王が身につけるべき国宝だったのだが、あのミーハーというべき国王はそれを拒んだ。
どうにも彼にとってはアベスカの歴史よりも、他国で流行している衣服のほうが好ましいのだ。
そんなこんなで指折りの熟練者であるフィリップは、国から装備を賜っている。
もちろん国宝に相応しい力を有しているし、ライニールに噛み付くこと以外は部下から慕われている。
そしてそれを補佐しているのが、カイヤである。
グレーの長い髪の毛を、一本でまとめている。
その黒い瞳は、よく〝死んだ魚の眼をしている〟と噂されるのが彼だ。剣の筋は誰もが認めているが、その死んだ目といい態度の悪さといい、よく思われないことが多い。
とは言え彼も90レベル手前の実力を誇っている。
勇者などの例外を差し置けば、相当な腕の立つ兵士なのだ。
「何ヶ月ぶりですかね。あの城門を見るのは……」
「もう勘弁してくれ。しばらく休めるよう、俺もライニールに楯突かないようにするから……って、ん?」
彼らは城門にいる人間に目を留めた。
出るときと変わらず衛兵が立っているが、それと会話をしているのは見たこともない人間――否、ホムンクルス。
魔王戦争や魔物・魔族との戦いを、何度も重ねてきたフィリップとカイヤには、ハッキリと人間ではなくホムンクルスであると見分けられた。
フィリップとカイヤは、剣を引き抜くと急いで隊列から飛び出た。
「お前達はそのまま前進しろ! 俺達がやられるようなら、追撃を!」
「了解です、団長!」
ホムンクルスは衛兵に何かを渡している最中だった。バスケットに入れられた――食べ物のように見える。
だが魔族のことだ。衛兵を騙して、毒でも仕込んでいるのかもしれない。
フィリップとカイヤはそう思った。
フィリップはホムンクルスの元へ辿り着くと、迷いなく切りつけた。その剣さばきは大したもので、一瞬でホムンクルスの活動を停止させた。
カイヤは衛兵を守るように動いて、ホムンクルスの動向を探っている。
ホムンクルスは切られたまま反撃などもなく、そのまま地面へとバッタリ倒れ込んだ。
城門に、シンとした空気が流れる。
「そいつはホムンクルスだぞ!? 気付かなかったのか!?」
「そんな事知ってますよ、団長! というか、何してるんですか!」
「はぁ!?」
衛兵を諭そうと叫ぶフィリップだったが、返ってきた言葉に驚いた。
そして驚くのはそれだけではない。衛兵達の続けた言葉に、呆気にとられる。
「治してもらうのも、タダじゃないんですよ!」
「そうっすよ! この前……酔っ払いの騒ぎに巻き込まれたホムンクルスの医療費、一体いくらしたと思ってんスか!!」
「はぁ?! 何言って……」
ホムンクルスの医療費。フィリップからすれば、異常な言葉だ。
人ならざるものであるホムンクルス。それを治療するために、金銭のやり取りが発生する。
通例であれば倒すべき忌まわしき存在のはずなのに、この衛兵はそれを治すなどと言っているのだ。
フィリップとカイヤの頭上には、ハテナが浮かぶ。
「あ! 団長達は知らないんだっけ!」
「……あ、そっか」
「??」
勝手に解決し始める衛兵達に会話を置いていかれ、困惑を極めている。
衛兵の一人はフィリップに敬礼すると、改めて話した。
「フィリップ団長、カイヤ副団長。まずは城におられるパラケルスス様とルーシー様に、会って頂きます。この子の件もあるので、ご案内します」
「? あ、あぁ」
衛兵に連れられ、二人は城下町に入った。
連れていた団員達には「報告はこちらでするので、休んでほしい」と伝えて解散した。
衛兵についているのは、フィリップとカイヤだけだ。
そしてその衛兵は、先程フィリップが切りつけたホムンクルスを抱きかかえている。
「……? なんだ、おかしい」
「やはり団長も気付かれましたか」
「あぁ、ニッカもか……」
二人が気付いたのは、街の人々の表情だった。
誰もが明るく笑顔になっている。フィリップらを見て、手を振ったり声を掛けたりしてきている。
フィリップも驚きながらそれに応えているが、如何せん納得がいかない。
「俺達が出る前は、みな絶望の淵にいたというのに」
「それか憎悪にまみれていましたね」
「あの愚かな王が……改革でも行ったのか……?」
「それは有り得ないと、散々言ってきたのは団長ですよね」
「そうだったな」
「――おぉ! 団長殿!」
そう声を掛けてきたのは、フィリップがよく世話になっている食堂の店主。
先の戦争にて、大切な家族を亡くされていた一人だ。愛する妻と共に食堂を経営していたというのに、その女性は今もうこの世にはいない。
戦後に店を訪れても、営業していないことが多々あった。
営業したところで味の偏りが激しく、その理由を知っている国民達は誰も文句を言うことが無かった。
「!」
「よくぞ帰られました!」
「あ、あぁ……」
「長い遠征でしたな。お疲れでしょう」
「そうだな……」
「後で是非、我が食堂にお立ち寄りください。料理を振る舞います」
だからフィリップはその発言に驚愕したのだ。
ある日は「妻を思い出すから」と店を開けることを、酷く恐れていたこともあった彼だというのに、嬉々として言うのだから。
まるで――そう、あの戦争が起こる前の彼を見ているかのようだった。
妻も生きていて、常連や様々な人間で賑わう店を回しているときのように。
「もう、あなたってば。団長さんが困ってるでしょ。これからライニール国王に会いに行くのだから、邪魔しないであげて頂戴」
「おぉ、そうだったな。ルーシー様とパラケルスス様に、宜しくお伝えください」
「なっ……」
男の後ろから出てきたのは、フィリップの記憶通りの女。
戦争で死んだはずの女性、食堂の看板でもあった彼の妻だった。
――死者が生き返るはずもない。
そういった魔術も伝説上存在するとは聞いたこともあるが、少なくとも技術力のないこのアベスカでは実現不可能だ。
だからこの目の前にいる女がどうしてこれほどまでに、男の妻に似ているのか。
言動も見た目も、小さな癖、仕草。男を見つめる瞳。雰囲気まで、全てが記憶のまま。
店に行って、「いつものね」と言ってくれたあのときを思い出すようだ。
「お、おい、お前の妻は――」
「フィリップ団長」
「!!」
「その件を含めて、城で全てをお話しますので。今は何も言わないでください」
「……っ」
――お前の妻は、死んだんじゃないのか。
そう言いかけたフィリップに口を挟むのは衛兵だ。
余計な事を言うな、と言う意味を含んだ瞳には流石に気付く。
城へ到着するまでに何度も何度も不思議な光景を見てきた。言うならば〝死んだはずの……〟という人間が、何人も見かけられたのだ。
あの老人も、あの少年も、あれも、これも……。
困惑しすぎたフィリップもカイヤも、城に辿り着くまでだんまりであった。
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