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第一章 裏切りと『力の試練』
第6話 〜因縁〜
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森の深層部に向かって歩いている途中、俺たちは綺麗な景色が見える場所にたどり着いた。
目の前にはキラキラと光る白い花が咲き広がっており、木々の影から差し込む光がその光景をより一層美しいものへと引き立てていた。
「綺麗だな」
絶景とも言えるその景色は神の庭と言われても疑わないほど、美しかった。
『本当に綺麗だね。何の花なんだろう?』
隣でサラが簡単の声をあげる。
「見てみるか。”鑑定”」
その神々しく輝く花に”鑑定”を使う。
するとさっきと同じように頭の中へ情報が流れ込んできた。
~~~~~~
神花
上級の薬草が周囲の魔力を吸い取り開花した花。
一般的に発生することはほとんどなく、森の深層やエルフの管理する森で採取される。
この花を使って、精錬したポーション(回復薬)は価値が高く、どんな怪我でも即座に治すことができる。
また怪我をしたとき、この花の蜜を吸えば、ある程度傷を回復することができる。
~~~~~~
俺はサラにスキル結果を伝える。
『うーん、綺麗だけど、レアな薬草だし、採取しておいたらいいんじゃないかな?』
「サラがそういうなら……」
手際良く神花を採取していく。
こんな時に、勇者パーティーで雑用をしていた頃の経験が生きるとはな。
自分が手際よく花の採取ができることを心底皮肉に思う。
それからある程度、神花の回収を終えて、ローブのポケットにつめた。
ポケットはパンパンだけど何とか入ったな。
そのことに安堵した直後、俺たちの周りに狼型の魔物が集まってきた。
姿を見れば一目瞭然、あの時俺を襲ってきた魔物だ。
『ライムくん、気づいている?』
「ああ、もちろん。囲まれているな」
目視するだけで、20匹以上いるのは分かった。
俺は即座にスキルを試すため狼型の魔物に鑑定を使う。
「”鑑定”」
~~~~~~
ブレイブ・ウルフ
固有スキル:なし
筋力:B 魔法耐性:C
魔力:D 物理耐性:C
瞬発力:A 体力:C
~~~~~~
頭に狼型の魔物の情報が流れ込んでくる。どうやらコイツの名前はブレイブ・ウルフというようだ。
”鑑定”によると、魔法耐性が低いようだったので、精霊魔法を唱える。
といっても、今の俺は武器も何もないため、精霊魔法を使うという選択肢以外なかったのだが。
「炎精霊魔法”炎獄”」
範囲攻撃の魔法で、辺り一帯が燃やし尽くされ、煙で覆われる。
これで全てのブレイブ・ウルフを倒せたはずなのに、なぜか俺の頭に、まだこいつらが生き残っているのではないかという不安がよぎった。
『ライムくん、避けて!』
突然サラが大声で叫んだ。
すると次の瞬間、一頭のブレイブ・ウルフが煙から飛び出し、爪で切りかかってきた。
俺はサラの声と咄嗟の判断でそれをかわしたが、無理矢理かわそうとしたためにバランスを崩し、その後の追撃を喰らってしまう。
しかし、体にはもちろんのこと、ローブにも傷がつくことはなかった。
それだけこのローブが丈夫で、物理攻撃耐性が高かったのだ。
サラの声がなければ危なかったな。
それにしてもおかしいな。”鑑定”によると、ブレイブ・ウルフは魔法耐性が低いはずだから、全員さっきの精霊魔法で倒せているはずなのに。
黒いローブがあの魔物の攻撃を食らっても傷すらつかないことにあきれつつ、まだ生きている目の前の狼に違和感を覚える。
これは何かあるな……
そう思い、俺は再度スキルを使った。
「”鑑定”」
~~~~~~
ブレイブ・ウルフ・ネオ
ブレイブウルフの特殊個体
固有スキル:気配感知
筋力:B 魔法耐性:A
魔力:C 物理耐性:C
瞬発力:A 体力:B
~~~~~~
さっきとステータスが全然違う!?
もしかして、さっきの群れのリーダーってこいつだったのか?それにこいつ、固有スキルを持っているな。
俺は”鑑定”の結果に驚きつつ、策を考える。
悩むことはない。魔法耐性が高いなら、それを上回る大きさの魔法を放てばいいんじゃないか。
まるで脳筋プレイのような考え方だ。
だが、今の俺にはこの方法でしかコイツに勝てる方法を思いつかなかった。
「炎精霊魔法”炎槍”」
そこで、俺はオークの時のように炎の槍を生成し、ブレイブ・ウルフ・ネオに投げつける。
炎の槍は、ブレイブ・ウルフ・ネオのお腹のあたりにめり込み、メキメキという音を立てて、爆発した。
そのまま、ブレイブ・ウルフ・ネオは倒れる。
なるほど、さすがに瞬発力がAあっても、”炎槍”は躱せないのか。
それにしても、”炎槍”はハイオークの時だと貫通していたのに、コイツの場合では腹にめり込むだけなんだな。
俺は、魔物がだんだんと強くなっていることに焦りを感じつつ、ブレイブ・ウルフ・ネオの死骸の前に立つ。
「”奪取”」
そして固有スキルを発動させた。
目の前にはキラキラと光る白い花が咲き広がっており、木々の影から差し込む光がその光景をより一層美しいものへと引き立てていた。
「綺麗だな」
絶景とも言えるその景色は神の庭と言われても疑わないほど、美しかった。
『本当に綺麗だね。何の花なんだろう?』
隣でサラが簡単の声をあげる。
「見てみるか。”鑑定”」
その神々しく輝く花に”鑑定”を使う。
するとさっきと同じように頭の中へ情報が流れ込んできた。
~~~~~~
神花
上級の薬草が周囲の魔力を吸い取り開花した花。
一般的に発生することはほとんどなく、森の深層やエルフの管理する森で採取される。
この花を使って、精錬したポーション(回復薬)は価値が高く、どんな怪我でも即座に治すことができる。
また怪我をしたとき、この花の蜜を吸えば、ある程度傷を回復することができる。
~~~~~~
俺はサラにスキル結果を伝える。
『うーん、綺麗だけど、レアな薬草だし、採取しておいたらいいんじゃないかな?』
「サラがそういうなら……」
手際良く神花を採取していく。
こんな時に、勇者パーティーで雑用をしていた頃の経験が生きるとはな。
自分が手際よく花の採取ができることを心底皮肉に思う。
それからある程度、神花の回収を終えて、ローブのポケットにつめた。
ポケットはパンパンだけど何とか入ったな。
そのことに安堵した直後、俺たちの周りに狼型の魔物が集まってきた。
姿を見れば一目瞭然、あの時俺を襲ってきた魔物だ。
『ライムくん、気づいている?』
「ああ、もちろん。囲まれているな」
目視するだけで、20匹以上いるのは分かった。
俺は即座にスキルを試すため狼型の魔物に鑑定を使う。
「”鑑定”」
~~~~~~
ブレイブ・ウルフ
固有スキル:なし
筋力:B 魔法耐性:C
魔力:D 物理耐性:C
瞬発力:A 体力:C
~~~~~~
頭に狼型の魔物の情報が流れ込んでくる。どうやらコイツの名前はブレイブ・ウルフというようだ。
”鑑定”によると、魔法耐性が低いようだったので、精霊魔法を唱える。
といっても、今の俺は武器も何もないため、精霊魔法を使うという選択肢以外なかったのだが。
「炎精霊魔法”炎獄”」
範囲攻撃の魔法で、辺り一帯が燃やし尽くされ、煙で覆われる。
これで全てのブレイブ・ウルフを倒せたはずなのに、なぜか俺の頭に、まだこいつらが生き残っているのではないかという不安がよぎった。
『ライムくん、避けて!』
突然サラが大声で叫んだ。
すると次の瞬間、一頭のブレイブ・ウルフが煙から飛び出し、爪で切りかかってきた。
俺はサラの声と咄嗟の判断でそれをかわしたが、無理矢理かわそうとしたためにバランスを崩し、その後の追撃を喰らってしまう。
しかし、体にはもちろんのこと、ローブにも傷がつくことはなかった。
それだけこのローブが丈夫で、物理攻撃耐性が高かったのだ。
サラの声がなければ危なかったな。
それにしてもおかしいな。”鑑定”によると、ブレイブ・ウルフは魔法耐性が低いはずだから、全員さっきの精霊魔法で倒せているはずなのに。
黒いローブがあの魔物の攻撃を食らっても傷すらつかないことにあきれつつ、まだ生きている目の前の狼に違和感を覚える。
これは何かあるな……
そう思い、俺は再度スキルを使った。
「”鑑定”」
~~~~~~
ブレイブ・ウルフ・ネオ
ブレイブウルフの特殊個体
固有スキル:気配感知
筋力:B 魔法耐性:A
魔力:C 物理耐性:C
瞬発力:A 体力:B
~~~~~~
さっきとステータスが全然違う!?
もしかして、さっきの群れのリーダーってこいつだったのか?それにこいつ、固有スキルを持っているな。
俺は”鑑定”の結果に驚きつつ、策を考える。
悩むことはない。魔法耐性が高いなら、それを上回る大きさの魔法を放てばいいんじゃないか。
まるで脳筋プレイのような考え方だ。
だが、今の俺にはこの方法でしかコイツに勝てる方法を思いつかなかった。
「炎精霊魔法”炎槍”」
そこで、俺はオークの時のように炎の槍を生成し、ブレイブ・ウルフ・ネオに投げつける。
炎の槍は、ブレイブ・ウルフ・ネオのお腹のあたりにめり込み、メキメキという音を立てて、爆発した。
そのまま、ブレイブ・ウルフ・ネオは倒れる。
なるほど、さすがに瞬発力がAあっても、”炎槍”は躱せないのか。
それにしても、”炎槍”はハイオークの時だと貫通していたのに、コイツの場合では腹にめり込むだけなんだな。
俺は、魔物がだんだんと強くなっていることに焦りを感じつつ、ブレイブ・ウルフ・ネオの死骸の前に立つ。
「”奪取”」
そして固有スキルを発動させた。
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