【R-18」渡る異世界はエロばかり(ワタエロ)

第五話：召喚

「初めまして、ではないですが、、私があなた達を召喚したユーリです、、
伝承に従って何故あなた達を召喚したのか？
何故あなた達が必要だったのか、
あなた達にどんな力が与えられたのか、
説明させていただきます。」


　テーブルに腰掛けた四人に囲まれる様に視線を受けながら、先ほどのメイドの方をチラリと見ると、おかしな様子は既に消えていた、

(相変わらず、気配は全く感じさせないけど、、、いるんでしょ？)

　召喚された時は巫女？の様な服装ではなく、殆ど肌の露出が無いローブと魔術師風の衣装に身を包んだユーリは静かに語り始める


「私たちの世界では、種族による境界は有りません、人間も魔物も獣人もエルフもドワーフも等しくそれぞれの思想に基づいた集団が有るだけです。ただ、その思想はやはり種族によってある程度の偏りがあるのも事実です。

人間族は農耕や富を貯める事を好み
魔族は戦い、血を好み
獣人族は、狩や自然を好み
ドワーフは物を作ったり、希少品を集め
エルフは長い時の中で、自然の中で暮らす

そして私たち人間族には、他の種族と比べて戦闘に秀でた者が圧倒的に少ないのです。
この地に神が舞い降り数百年、、私たち人間の種族が、神の加護、神の恩寵を得る事が出来たのは、今回の様に、召喚が成功した場合に限られています、

、、神の加護や恩寵について、、話しは既に聞いたと思いますが、、、」

ひと息ついたユーリがナツメに視線を向けると


「あぁ、話してある」


　神様だとか、加護や恩寵、話しの大きさに戸惑うミユが恐る恐る手を上げつぶやくように、発言した。、、黙っていろと言われたタツヤは一言も話していない


「その、、私たちに何か特別な力があるとは思えないんですが、、」

「まだ力の使い方がわからないだけですよ、その為に紋章の付与を行いました」

「紋章の付与、、ですか？」

「はい、あなた達が召喚されてこちらの世界に来た時、光に包まれたのは紋章の付与ができた印です」

「紋章、、どこ？」

「ぼ、ぼぼ僕はここに、」


　恐る恐る、ミユの顔色を伺いながら、右手の甲を見せると、剣と盾が合わさったアザのような刻印が刻まれていた

「わたしには無いわよ？え？何処？」

「心配しなくても、身体の何処かにはあるはずですよ、、一応確認は必要ですので、、、こちらに、、えぇと、タツヤ様はそちらでしばらくお待ちいただいてよろしいですか？」

「あ、、、はははいっ」


　ユーリが立ち上がると、それに合わせて、ナツメ、アヤメも立ち上がり、ミユを含めた四人が部屋を出ていき、メイドの二人と居心地の悪そうなタツヤだけが部屋に残った



ミユの部屋
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
　部屋の入り口に待機していた初老の執事の案内で、ミユの為に用意された部屋に入ると其処には、

　12畳程のスペースがあり、ベッド、クローゼット、本棚、机、一人がけのソファが、テーブルを挟んで二つ、いわゆる必要最低限の物は揃っている状態だった

「ベッドは良い物を選んである、この世界での伝承を記した本や、我が領地の簡単な地図、それに通貨の単位など、ある程度知って置いた方が良い知識は全て用意して置いたから、後で見ておくと良い、その他必要な物は好みもあるだろうから、揃えていくと良い」

「、、、、、、」

　ナツメが部屋の説明をし、アヤメがニコニコとそれに頷く


「それでは紋章の確認もありますし、、その格好は目立ちすぎるので、こちらのクローゼットの服にお着替えください」


　ベッドの少し脇に設置された、大きめのクローゼットから、薄い桃色を基調としたワンピースのようなデザインの服を取り出して、服を脱ぐように促すユーリ


「えと、、着替えた方が良いんですか？」

「召喚者は、大きな力を持ちますので、多少は狙われやすい立場とも言えます。紋章を確認しないと分かりませんが、戦闘に特化してなければ、目立ちにくい方が良いでしょう」

「、、、これ、目立ちませんか？」


手渡された服は中々のデザインだ


「可愛いくて目立つのは問題ないだろう？」

「はい、問題ありません♪」

「、、、、、♪」


3人の言葉に、はぁぁぁ、とため息をついて、服を脱ぎ始めるミユだった、、、


「ふむふむ、ミユの紋章はこんな所にあったんだなぁ♪」


　当然の様に、ミユと一緒に、部屋に入っていたソウイチは、女たちしか知らないミユに刻まれた刻印の場所を確認していた

タツヤの刻印は剣と盾だったが、ミユの刻印は木槌と瓶だった


「ミユさんは明らかに生産に特化してるようですね」

「それって、、どうなんですか？」


　てっきり魔法に特化してると思っていたミユは落胆を隠せず聞いてみたが、ユーリも一緒にいたナツメもアヤメもそんな雰囲気は微塵もなかった。


「どんな刻印であっても、その力の影響は計り知れませんから安心して下さい、詳しい話は主賓室に戻ってからにしませんか？」

「そうだな、あまり待たせるのも可哀想だ、続きは戻ってからにしよう」

「、、、、、」

「は、はぁ、、」


　3人の様子にハズレじゃないのかと、少し安堵しながらも、ラノベやゲームをしないミユには生産系という言葉にいまいちピンと来ない、自分がどんな物を作るべきか考えていた



主賓室
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「お待たせした、ミユの紋章についても確認することが出来たよ」

「、、、、、」


ナツメもアヤメも上機嫌な顔をして戻ってきたため、少しホッとするタツヤだが

「生産てなによ？何作れば良いのよ？とりあえず替えの服は必要よね？あ、後ドライヤーに櫛、クリームはこの世界もあるのかしら？シャンプーは？リンスは？ボディソープは？いやいやいや、そもそもこの世界に無いものも作れるの？てか何のための生産なの？ナツメもアヤメ、、は喋ってないけど、ユーリもすっかり安心してるけど、そんな簡単な物なの？そもそも私があの時手を繋いでいたのはソウイチなのに、なんで隣にいるのがタツヤなの？本当意味わからない」

(あ、、ヤバいキレる寸前だ)

　ナツメ、アヤメ、ユーリの後ろから暗いオーラを纏ってブツブツ呟くユミの様子に、更に怯えるタツヤだった


「それでは、紋章について説明させていただきますね」


　再び主賓室のソファに落ち着いたナツメ達とミユ達に、新しいティーが用意されたのを確認し、ユーリが再び話し始めた


「まず、私たち魔術師はこの世界の「オド」という力を流用して魔術を使います」

「「オド？」」

「はい、この「オド」というのは、力の元のような物で、様々な形に代わります。私たちが使えば魔術、魔族が使えば魔法、剣士が使えば剣術、獣人が使えば体術、それぞれの種族がそのオドを利用して、戦闘であったり、生活に必要な道具であったり、鑑定であったり自分にあった紋章を生まれた時から得るのです」

「つまり、紋章じたいは、この世界の誰でも持ってるという事だ」

「、、、、、、」

「それじゃぁ、、、やっぱり、、生産なんて大した事ないんじゃ、、」


　気を落とすミユに、ユーリが笑顔を向ける


「紋章というのは、その本人の才能、努力によって成長します、例えば、、、アヤメ様の剣士としての腕前はこの世界でも10本の指に入ります」


　ミユとタツヤが驚いてアヤメを見ると、恥ずかしそうに顔を少しうつむけるアヤメ


「ですがその力は赤子の頃からというわけではありません、勿論これまで修練を重ねて続けた事もありますが、才能による所も大きいです」

「、、、つまり？」

「つまり、この世界に召喚されたあなた達はその才能の部分が突出してるんですよ」


　密かに見えない位置でタツヤが拳を握り、ミユはまだ納得いかない様子だった


「この世界にはオド、という力の元が沢山あって、その力は紋章によって発現する、その効果は人によって大きく変わって、、私たちにはそれが沢山扱える、、もしそうだとして、そのオドっていうのは、無くなったりしないの？」

「無くなりませんよ？」


　地球で言うなら、それは温暖化みたいな事になったりしないんだろうか？ふとそんな風に思ってしまったミユはなんとなく聞いてみるとアッサリと否定された


「オドは確かに力の源ですが形を変えて発現してもまた元の形に戻ります、故に無くなったりはしないんですよ」

「なるほど、、」

(って事は、俺にもどっかに紋章ついてるって事だよな？どこにあるんだ？)


　自分の身体をあちこち見回すソウイチだが、背中に刻印されているソウイチの紋章を見つけらるる存在はいるのだろうか？