【R-18】異世界で開拓?

甘い肉

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二章:領土拡張編

40話:再びダンジョンへ

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竜宮島からタイラントへと戻った早希とメリウスは戦艦が地球の物では無い事をカイに説明した

恐らく異世界の生物で一番長生きしてそうなリディアでさえ、生まれる前からあったと言う戦艦について

何か知ってるとしたらアイツしか思い浮かばない

カイは塔に入っていく



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
塔12階 コネクトルーム

「アンリエール居るか?入るぞ?」

「あら?随分と久しぶりですね?スタンピードの準備は順調ですか?」

本当にこちらが必要な時はちゃんと居るんだな…

「その筈だったが、一つ問題が起きたんだ・・・」

「彼の事なら仕方ありませんよ、アレは別の役目があったんでしょう」

「何でもお見通しなんだな・・・」

「見守るのも仕事ですからねぇ」

クスクスと微笑むアンリエールは何処か儚気だ

「それで?あの船を見つけた分けですね?」

「あぁ確かに神は必要な物を用意してくれた見たいだが動かし方が分からないんだ」

「ある筈ですよ、貴方にはそれが用意できる筈です」

「俺に用意できる物・・・もう少し分かりやすく頼むよ、そんなに賢い分けじゃないんだ・・・」

「うふふっどうしましょうか?そうですねぇ貴方が困った時、辛い時、何時も側に居たのは誰ですか?誰を思い出しますか?」

「俺が困った時…辛い時…側にいた人…」

……思い当たるのはチュラ美?…人じゃないが

「ふふっ正解です、その人が活躍した場所に求める物が有りますよ、うふふ」
少しだけ機嫌が良いアンリエールが更にヒントをくれた

「チュラ美が活躍した場所か…分かった、早速行ってくるよ……なぁ?聞いて良いか?」

「はい?何ですか?」
ティーの香りを楽しみ口をつけるアンリエール

「チュラ美って擬人化出来ないのかな?アイツだけ子供作れないの可哀想で・・・」

ぶふぉー!

「わわったしがそんな事知る分けないでしょ!何聞いてんですか?!さっさと行きなさい!!」

「そっか・・アンリエールなら知ってるかもと思ったんだ、悪かったな…じゃあ行ってくるよ、いつもありがとう」

「・・・」
手をヒラヒラさせて返事をするアンリエールは少しだけ頬が赤くなってた



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ログハウス

リビングルームに戻った俺はまずチュラ美を探した

「おーいチュラ美~?」

チュラッチュラ~♡

ドアが開けられて呼び声に反応して顔を出すチュラ美は
今日も機嫌が良さそうだ
スルスルとソファを登り、頬にシュルシュルと舌を伸ばしてくる

「良い子だチュラ美、よしダンジョンに行くぞ!」

「あら?私たちは置いてきぼり?」

いつものメンバーが拗ねるように声を掛けてきた
エリスとアリアとマイアだ

「まさか!一緒に行こう、ダンジョンに用がある」

「ダンジョンに?」

俺にしか用意出来ない物
チュラ美が活躍した場所

ダンジョンマスターなのは俺だ、
他に無いだろう

神が用意したと思われる船に
神が用意したと思われるダンジョンコア

アイツなら何か知っている筈だ

4人と1匹は再びダンジョンへと入る事になった



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ダンジョン

以前の落下式は取り払われていた
地上の魔物達を瀕死にして片っ端からダンジョンに食わせたおかげで
かなり成長している

50階層まで増えていて
10階層までが初心者向けになっている
腕のある冒険者にもマスターはカイという事を伝えており
コアを破壊する事は禁止してある為
優良ダンジョンとして日々成長を繰り返していた

「あっ領主さま達こんにちわあ~」

街で普通の住民が冒険者を目指す時、
このダンジョンで最低10層を攻略してからクエストを受注出来るようにしていた

殆ど狩り尽くしたとはいえ他の土地や砂漠を超えるような魔物と出くわした時、対応出来なければ即、死に繋がるからだ

ダンジョンでは絶対に人間を殺すなと厳命してあるので
こんな風に普通の人も遊びに来る

エリアによって回復や治療の素材を群生させてる為だ

ダンジョンポイントは1日の滞在時間でも稼げる
入る人数が多い程ポイントの割合が高くなるらしい

「あんまり遅くまで居るなよ?夜になる前には都市に戻るんだぞ?」

「ちゃんとチャイムで教えてくれるから大丈夫ですよー」

都市に戻る時間を考慮して放送するようにしておいた


勿論10層目指す冒険者は帰らない事もあるが、明るいうちに安全に都市に戻るには必要な事だ



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
10階層~

ここから先は難易度が上がる
階層毎にモンスターの種類も変わってくる
中堅以降の冒険者達がレベルアップに利用している
武器と防具はレンタルしており買うよりは大分安い
使った装備は元の場所に戻さないとフロアの扉は開かない用になっていて
無くなると勝手に補充されるようにもなっていた



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
15階層

「バネッサ!フォローするね!」

「お願いラビー!」

「あれは……ダンジョン攻略の時の…2人じゃないかしら?」
2人のコンビを組んだ女冒険者が魔物と戦っていた

1人が前衛で魔物2匹相手に立ち回り、もう1人が補助魔法とデパフスキルで戦っていた

ラビーの幻術が一匹に決まると何も無い空間に攻撃を始め

バネッサが残りの一匹の攻撃を掻い潜り横薙ぎでショートソードを払う

んめぇぇぇ!!
ヤギのようなツノをもった魔物が叫び声を上げて粒子となり

幻術から解けた魔物が怒ってバネッサに向かって突進する

「危ない!シールドバリア!」

カイのとは違う普通のバリアがバネッサを包み一撃で壊れるが、危なげなく危険を回避する

「ありがとう!ラビ!はああ!二連斬!」

ヒュンヒュンとショートソードの剣撃がもう一体の魔物の両手を落とし
戦えなくなった魔物が崩れ落ちて消えていく


「やったあ♪もうこの階層も大丈夫みたいだね♪」

「2人とも随分強くなったね、もう立派な上級者だ」

喜ぶ2人に声をかける

「「カイ様!」」

驚く2人に女達も声をかける

「私たちも居るよー」
「本当に2人とも強くなりましたね」
「息ピッタリだったもんね」
チュッチュラー♪

エリス、アリア、マイア、チュラ美の順で話かけていった

「俺たちはコアルームに行く途中なんだけど、良かったら途中まで一緒にいかないか?」

「本当ですか?!そろそろ次の階に挑戦してみようと思ったんで助かりますー♡」

2人はタカシと関係があったと聞いた事あるんだが
実際の所はどうなんだろうな?

「16階層は……いやこの階層もそうなんだけど普通はフルパーティで来る所だけど、何で2人なんだ?」

「「それは……」」

ラビーとバネッサがお互いの顔を見てから順に説明してくれた

原因はタカシだった
2人はサーナよりもタカシと関係は薄いがそれでもギルドの中ではやはり特別扱いだった

そのタカシがタイラントを裏切って出奔したせいで村八分にされたそうだ

その為2人でパーティを組んで強くなって皆んなを見返してやろうとしたらしい

……俺にも原因があるなこれは…

「エリス、アリア、マイアにチュラ美、この2人が20階層を攻略するまでサポートしたい、良いかな?」

「勿論よ、全然問題無いわ」
「賛成です、私たちも応援したいです」
「夜も一緒が良いよ!おにぃちゃん♡」
チュララー♪

約1名何かおかしいが賛成してくれるみたいだ

こうしてバネッサとラビーの強化プログラム
ダンジョンブートキャンプが開始された



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
16階層

「フィールドで会う魔物と同じつもりで戦うんだ!
無理はしないで良いが、やる時はオーバーキルで構わない!余力を考えなくて良いから確実に仕留めろ!」

「「はい!!」」

狙いを定めたらそいつに集中させ先ずは勝たせる
そうすればレベルが上がる
次にじっくりと魔物の特性を覚えこみ倒させる

段々とレベルが上がりにくくなる頃には、的確な戦闘がこなせるようになる

一種類、一匹づつ戦わせ
他の魔物は俺たちが牽制する

ピンポンパンポーン
「良い子はダンジョンから退出しましょう~またのご利用をお待ちしています」
ピンポンパンポーン

「もうこんな時間か、今日は疲れたろ?タイラントに戻ろうか?」

「あの!私たち凄い強くなっててるのが分かって…もう少しお付き合いお願いできませんか?」

ヴァネッサが頭を下げるとラビーもお願いしてきた

「わっ私からもお願いします!ごっごめんどうで無ければですが……」

「面倒なんて思って無いけど・・分かった、付き合うけど俺たちの判断で中止する、そこは従ってくれよ?」

「「はい!ありがとうございます♡」」

2人とも凄く嬉しそうだ
まぁ強くなるには最高の環境を用意してるしな

(いやいや、それだけじゃ無いでしょあれは)
(間違いなく狙ってますよね)
(おにぃちゃんは口説くのが自然体過ぎてもう自覚無くなってるんだよ)
チュラ……

何か女達がボソボソと呟いてるが声が小さ過ぎてカイの耳には届かなかった



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
16階層キャンプ場

各エリアに備えられたセーフティゾーン
ここは都市に帰らない冒険者や帰れなくなった奴等の為に用意されてる、緊急用の通報システムもあるがそっちは有料になっている

普段から無理をさせないよう、安全マージンを意識させる為だ

「今日は本当に有り難う御座いました♡」
「やっぱり凄い強いんですね、前のダンジョンの時より凄くて憧れます♡」

俺はキャンプの中で2人の獣人に挟まれていた

「いや、2人も本当に強くなったよ、きっと才能があったんだろ?明日も早いから今日はもうゆっくり休んでよ」

「「はーい♡」」

2人をテントに帰して俺はエリス達の所に戻ると

「モテモテですねー領主様は」

拗ねていた

「臍を曲げるなよ・・・冒険者なんだから強いのに憧れるのは仕方ないよ」

「はいはい、強くて羨ましいです、じゃあ私達も朝早いんで先寝るね」

何でか今日は全く機嫌がなおらない…

仕方なく肩を落として1人でテントに戻って行くカイ

~~~~~~~~~~

(ちょっとやり過ぎたかしら?)
(あれくらいしないとあの2人に見向きしないですよ)
(流石に私達いたらやり辛いよねおにぃちゃんは)



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ラビーのテント

「ラビーちゃん!ちょっとおにぃちゃんのテントに行って貰える?」

「マイアさん?え?領主様のテントですか?」

「うん…その…分かるよね?……おにぃちゃんその気にさせて上げて?」

「・・・でも、どうして私なんかを?」

「今のギルドはサーナちゃん1人だけだからラビーちゃんやバネッサちゃんの助けが必要なの、今日2人を見て皆んなで話し合ったの、2人なら大丈夫だって…嫌なら無理にとは言わないけど……」

「やります!サーナちゃんの為にも、私達の為にも!」

「そう・・・良かった♡じゃあ頑張って♡」

マイアに説得されたラビーは意気揚々とテントを出た
元々領主であるカイに憧れもあったし
ツガイが消えたラビーにとって、
強い雄であるカイに魅せられていた
まさかフロンティアメンバーから背中を押されるとは思って居なかったが、チャンスがあるなら物にしない訳にいかない

「あのカイさん……」

「・・・」

返事がこないので不安になる……

バサっとテントが開けられた

「ん?ラビーじゃないか、どうかしたのか?、あっここは防音テントだから中から返事しても聞こえないんだよ」

「そうでしたか…あの……お話し良いですか?」

「あぁ良いよ、相談なら何でも乗るよ」

ニコっと笑顔で喜ぶカイ

いつも誰かと一緒にいるのが基本のカイは
1人でいるのが落ち着かなかったので来客に素直に喜こび外に出ようとする

「あっあの…出来れば中で、その話にくい事もあるんで……」

「え?あっそうなんだ……じゃあ良いよ、おいで」

一瞬、躊躇したがカイはサーナを招く事にした
躊躇したのは他の女達に怒られないか?って思ったからだが
ここで断わって恥をかかせる方がカイの信念に反すると思ったからだ

全て女達の予想通りの展開とはカイも思って居なかった


テントの中に入るとラビは所在なさげにちょこんと座る

「それで悩み事かな?」
どう見ても自分から切り出せそうにないラビーに話しかけるカイ

「悩み事……はい、その通りです!」

「タカシの件は聞いてるよ……一応は探してるんだけど……多分今は見つからないと思う…ゴメンな」

「タカシ?……あっいえ…タカシマスターは、じゃ無くてタカシの事はそんなに気にして無くてですね……」

「え?ツガイだったんじゃ無いのか?」

「違います!……一時的にそういう時も有りましたけどあの人はもう……人には目を向けなくなって居ましたから……」

サーナの時もそうだったが、カイは信じられなかった
目の前に居るラビーはうさ耳のバニーガールだ
同じ日本人…異世界関係なく魅了するには充分過ぎる

タカシに何が有ったのか掴みきれないカイは

「サーナの時もそうだったけど何であいつはモンスター娘ばっかりになったんだ?ラビーもメチャクチャ可愛いのに、どうも分かんないよ」


「かっ可愛いだなんてそんな♡……多分、子供だと思いますよ?」

「子供?私達獣人はツガイの子供を産む事で幸せが最高に達します、
タカシさんは…何故か人とは子供を作れませんでした」

確かに、一番付き合いが長い筈のサーナでさえ子供を作れなかった
だからモンスターに走ったのか…………
モンスターとなら沢山作れるから………………え?モンスターとなら子供を作れる?

ゾクリとした

タカシがモンスターと子供を沢山作る?
自分がとんでもないミスを犯した可能性、いや事実を見落として居た事に気が付いた

タカシにモンスター娘を渡した時に既に失敗だったんだ……
カイの脳裏で数万単位の魔物を従えるタカシが思い浮かぶ
それも全てがステータス10倍の恩恵を受けるという……

この世界に来て2回目の冷たい汗が流れる事を感じたカイに

「あっあのだからタカシはどうでも良くて…カイ様にカイ様にツガイをお願いしたいんです!!」


…………え?

全然違う事を考えていたカイは、とんでもない告白を女の子に言わせた事に驚いた

(情けない…こんな恥ずかしい事を女の子に言わせるなんて
相手が誰だろうが何人居ようが関係無いじゃないか!)

下を向いて震えるラビーの肩を抱きしめ
「ありがとうラビー…俺で良ければ喜んでツガイになる、ラビーも皆んなも全員俺が幸せにしてみせる、だから俺にも力を貸してくれ」


「はっはい!全力で応えますから!」
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