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戦国時代編
一章 EX② 花純編 13話 卑弥呼
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「きゃあああ!なっなに?どこから入ったの!」
「五月蝿いです、惚けても無駄ですよ……卑弥呼さん」
「っ!なっなにを言ってるの私は須田 美羽よ!」
「いってぇぇ……何すんだよ!クロノス!」
「ちょっと黙ってて下さい変態浮気男」
「誰が変態だ、浮気男って何のことだ?俺は花純だけだ!!」
「自分の今の状況見てから言ってください、普通の女子高生にほぼ全裸のオヤジ姿……普通は逮捕ですよ?知らないの?」
普通の女子高生はドロップキックしねぇんだよ!!
「って何で俺裸なんだ?」
「記憶が戻ったのね……」
「へ?あんた誰?……確か…美羽が家に来て…あれ?あれ?」
ツヨシの目の前に居た女は一度でも見れば絶対に忘れるなんてあり得ない
それ程の美女なのに誰なのか分からない事に慌てて記憶を探すがやはり思い出せない
「この人に騙されてたんですよ、ツヨシさんは」
「騙されてた……俺が?…」
「もう良いですから、卑弥呼さん、貴女は居るべき場所に戻って貰います」
「嫌よ!!戻ったって利用されて死ぬだけ!私だって…私だって普通に生きたいの!!」
「無理です残念ながら、そう言うのは来世でお願いします」
卑弥呼の悲痛な叫びを食い気味で冷たく返すと
卑弥呼に手を向けて光り出す
「ちょっと待てよクロノス」
「ツヨシさん貴方まさか……自分を騙したこの女に情でも沸いたんですか?」
こんな冷たい顔をするクロノスを見たのは初めてだった
「まぁ……可哀想だと思うよ、この人もどっかの歴史の姫なんだろ?」
少なくとも俺に接する彼女は言葉通りに普通の女性だった
「同情してる場合じゃないでしょうっ!彼女はこの時代の人じゃない!!戻すしかないんですよ!!!花純さんだって今も1人でずっと待ってるんですよ!!!」
「花純を見つけたのか!直ぐにでも迎えに行くよ!!教えてくれ!何処にいる?!」
「だからそしたら入れ替わった彼女を戻すしかないって言ってるんです!!」
「うぅぅ…嫌よ…1人は嫌なのよ……」
「それなら……歴史を修正すれば良いだろ?」
「「…は?」」
修羅場な空気にツヨシの一言により、流れが変わる
「俺がタイムトラベルして、別の誰かに乗り移って、彼女の伴侶になれば満足するんじゃ無いのか?俺はそうやって歴史を修正してきたんだろ?」
「・・・・確かに」
クロノスは落ち着いて考え始める
涙目の卑弥呼は俺が何を言ってるのか分からない
ここから先の話しは人間の理解の範疇を超えたパラレルワールドだ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
クロノスは状況を可能な範囲で説明を始める
ツヨシがタイムトラベルで巴御前の時代に飛んだ時
花純がツヨシと精神的、肉体的な繋がりによる影響を受けて時の狭間に吹き飛ばされた
本来ならば卑弥呼が行う筈だった妖術を花純が代行(花純の意図では無いが)した事により、
時の修正力が卑弥呼ではなく花純を選んでしまった
同じ時代に2人の卑弥呼が存在する筈もなく、花純の代わりとなって卑弥呼が現代へと入れ替わるが、
ツヨシの時の修正力に対する耐性が影響し、卑弥呼は花純として存在する事をツヨシによって拒否されてしまう
慌てた卑弥呼はツヨシの意識下に合わせて幻術をかけ美羽となる
本物の美羽は会社で倒れたツヨシの代わりでてんてこまいだ
花純の代わりになれない卑弥呼は美羽と入れ替わりそのまま既成事実を作って何とかしてしまおうと雑に考えて居たらしい
ここで問題だ、花純は既に卑弥呼として歴史として存在している
同時に2人の卑弥呼は存在できない
花純が歴史を飛んだ事実は変えられない、時を飛ぶのはそれだけの力が動く、
無理やり止めれは宇宙が吹っ飛ぶそうだ
だから、花純はただ花純として弥生時代に飛び、
卑弥呼は卑弥呼として、弥生時代に存在する事が必要だそうだ
卑弥呼が卑弥呼として存在する為に、俺は再びタイムトラベルとして
花純がくる少し前に飛び、そこで卑弥呼の伴侶となる
その後花純を迎えに行く
それがクロノスの出した今回の時の修正だ
花純を今すぐにでも迎えに行きたいが、俺はそれを選ぶ事にした
目の前の悲壮な運命に泣きじゃくるの彼女に力になれる事があるなら、
寝取ってばかりのタイムトラベルにも少しは意義を見いだせるってもんだ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「分かった……それで誰に飛ぶんだ?」
「女王卑弥呼となっても側に支えて不振がられない人物は1人しかいない……
弟のいかずちのみことがみ、要するに建御雷神よ」
「俺、神様になるの?」
「そんなわけ無いでしょう…ただの人です」
「えぇ?わたしタケミカヅチと結ばれるの?弟なのに…困るわ…」
……全然困ってない様子だ
「じゃ、始めましょうか」
相手は卑弥呼
時代は弥生時代、花純さんが来る前
着地点は建御雷神
目的は、卑弥呼を伴侶にする事
「じゃあ、行ってらっしゃーい!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ツヨシが消え残される2人
「はぁ……行っちゃった……」
「…なんで残念そうなんですか?」
残された刹那の時の中で卑弥呼が溜息をつく
「初めて人を好きになれたのよ?奪えるもんなら奪う、それが私達の時代なの」
「全然分かりません…出合って間もないんでしょう?」
「何でかなぁ?ツヨシの意識と一緒に感じ取った後、もう一つの感情に充てられたのかしら?
美羽って人だっけ?お嫁さんの振りして連絡した時に物凄い感情が流れて来たわ」
「そうですか…」
のほほんと答える卑弥呼とは対照的にクロノスの顔は重い
「あら?……上手くいった……みたい…ありがとね…ク…ノ……」
そして身体が霞みのように消えていく卑弥呼は最後まで笑顔で手を振りながら消えて行った
ツヨシが消えてほんの数瞬のやり取りの後
再びツヨシは現代へと戻ってきた
若干顔を赤くして惚けている
「お疲れ様です、ツヨシさん」
「うわっ!クロノス!」
「何を驚いているんです?、何かやましい事でもあったんですか?」
いやいや、それが目的だったのに聞くんじゃねーよ
とは言えないツヨシは
「まぁ……いつも通りだけど戻りたてで、クロノスが居るのも珍しいから驚いたんだよ」
「そうですか、とりあえず明日までに、こことか家とか片付けた方が良いんじゃないです?」
「え?」
クロノスにぶっ飛ばされ、ひっくり返ったベッド
慣れない料理にメチャクチャにされたキッチン
全て現代の美羽の家だった、いつの間にかクロノスは消え、
1人残されたツヨシは
まじかよ…………
肩を落として美羽の家を1人で片付けたツヨシは家に帰ると
美羽の家の比じゃ無い程に全てがひっくり返っていて…
諦めたツヨシは大人の力(業者)を使って家を片付けた
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「はい!クロノスちゃんでーす!」
「クロノス!早く!早く!」
「だっかっらっだきつくっなああああ!」
「すまん……焦ってつい……」
「全く、本当に、全くなんですから」
なんだかよく分からないテンションのクロノスだ
じゃあ、今回の相手は花純さん
時代は弥生時代
着地点は向こうの時代の誰か
目標は……その……つながったまま……24時間を超える事
「つながったまま?なんの事だ?」
「だから!!……わかるでしょ!」
「はぁ?わかんねぇよ?大事な事なんだからちゃんと説明しろ!」
大真面目に聞いてくるツヨシが本気に憎らしくなってくるクロノス
「せっせっ……」
「せっせっ?」
「あああ!もう!セックスしながら24時間超えろって言ってんのよ!この変態!さっさと行けえ!!」
クロノスにまた殴られ、俺は再び暗闇の世界へと堕ちていった
~~~~タイムトラベルスタート:残り24時間~~~~
「ここが弥生時代……」
俺は弥生時代の家の中に居た
家の中は、思ったより広い、地面を丸く平面に掘り返し、鞣した革が人が寝られる程度に敷き詰められ、そこに何人かが眠っていた女達と子供達だ
三人の女と5人の子供がすやすやと寝息をたてている
俺は乗り移った男の記憶を遡ると、全員嫁でその子供達だった
最初は驚いたがどうやらこれがこの時代の普通らしい
そして男の記憶の中に花純はいない、まだ会ってもいないという事だ
「花純を探さないと!」
寝ている家人達を起こさないように気をつけながら外に出ると夜だった
灯り一つない深夜なのに、月明かりで縦穴式の藁葺きの屋根が蒼白くライトアップされているみたいに綺麗で、夜空を見上げるとプラネタリウムの中に居るかのような星々が世界を包んでいる
一つ一つの星がやけに大きくて…煌く星の世界に迷い込んだような景色に魅入られるながら
俺は集落群を歩き回る
辺りは静まりかえってる、今が何時なのかまるで分からないがきっと深夜なんだろう
こんな時間に誰かいるのか?
答えは直ぐに分かった
集落の少し外、丘の外れで俺と同じように空を見上げて惚けている
見覚えのある…忘れる筈が無い女性……俺がここに来た目的だ
俺は走り寄って花純に声をかけた
「花純!」
俺の声に気がついて振り向くが酷く怯えて
「え?……あっ貴方だれなの?!何で私の名前知ってるの?!」
・・・・・・あっ俺いまツヨシじゃねぇ!
目の前に消えてしまった花純が居る、今すぐに抱きしめたい、二度離したくない、
だけど目の前花純は突然こんな場所に連れてこられて、
真夜中に知らない奴に声をかけられ恐怖に震えている
俺も混乱してきた…なんて説明すれば良いんだ?
タイムトラベルした
中身はツヨシだ
明日の夜セックスしてたら現代に帰れる
どれも……阿保な子だとしか思って貰えそうにない
「カスミとよく似ている……俺はツヨシという…お前もカスミと言うのか?」
俺は誤魔化す事にした…これしか思い浮かばない
「え?ツヨシ?どう言う事?」
少し距離お置いて大地に腰掛ける
「ここは伊都国の村の一つだ、俺は長を努めているんだ、カスミというのは…戦いで生き別れになった妻の名前だ」
「伊都国………縦穴式の家……弥生時代って言うのここは?」
流石だ、情報をきちんと整理し始める
「ここは獣もでる……嫁に世話をさせるから、俺の家に来ないか?」
「けっ獣が?……貴方の家、何処?」
獣と聞いて不安な顔になるがそれでも冷静さを失わない
「真ん中の一番デカイのだ、長だと言ったろ」
「わっ分かったわ…私…人妻ですからね!変なことしたら許さないから!!」
「そうか、俺にも居るよ……とても大事な人だ…」
「そう、大事にしてるのね、ごめんね、ちょっと疑っちゃって」
「良いさ、さぁ行こう」
複雑だ…俺の為に貞操を守る花純と
花純を助ける為に、貞操を奪はないといけない俺
こんな凄い景色の中で夫婦が距離を取って歩くなんて……泣きたくなるよ、ホント
~~~~タイムトラベル:残り23時間~~~~
家の中
俺に続いて家に入るカスミは嫁が三人居る事にまず驚いた
「ちょっと!本当に大丈夫でしょうね?」
「心配するなよ、カスミに変な事はしない」
弥生時代の妻「……ツヨシ、何処か行ってたの?」
嫁の1人が話し声に目を覚ましたらしい
「起きたか、この子はカスミって言うんだ、面倒をみてやってくれ」
弥生時代の妻「あら4人目?」
「違います!私には旦那が居ます!」
「迷い人だよ、夜の外は危ないから連れて来たんだ」
弥生時代の妻「そうなの…それならこっちいらっしゃい、寒かったでしょ?」
カスミがこちらを見る
「俺はそっちだ、安心して寝てくれ」
「じゃあ…遠慮なく」
俺は花純と距離を置いて横になるとそれを見てから花純は嫁の方に向かって行った
はぁぁ……どうすんだこれ
悩みながら結局一睡も出来ずに朝を迎えてしまう
~~~~タイムトラベル:残り18時間~~~~
家族達は目を覚ますと来客に驚いたが、昨日の嫁の1人が説明してくれて
すんなりと受け入れてくれた
妻達と一緒に子供達の面倒を見てくれる花純をぼんやりと見ている
とても楽しそうだ、子供好きだもんな本当は…
戻ったらやっぱりもう1人作ろう
って…だからどうやって花純を説得するんだよ!!
弥生時代の妻「ツヨシ、何悩んでるの?」
家族達を見ながら悩んでいると昨日の夜に話した嫁が近づいてきた
「あ?いや、ちょっとな」
「凄い美人ね、嫁に入れないの?」
嫁だよ!とっくに嫁なんだよ!
「人妻だって言ってたろ?」
「欲しいなら取れば良いじゃない」
「えぇ?」
「変な人、皆んなそうだったじゃない、どうしたの?」
そうなの?…………ホントだ……
俺は記憶を掘り返した
3人の妻の内1人は幼馴染で無理やりだった
他の2人は他の集落との戦いで奪ってる
恐ろしい時代だな……
だけど花純にそんな事出来るわけ無い、今の俺は記憶の中の俺じゃないんだから……
襲うか口説くか説明するか
襲う、一番簡単だ今の俺にとっては…だけど一番したくない
口説く、どう見ても無理だ……朝から意図的に近づかないようにしてるの丸わかりだ、妻の1人が何か言ったか?
説明する、やっぱりこれしか無いな
俺は嫁に伝えて家に花純を連れてくるように頼んだ
~~~~タイムトラベル:残り16時間~~~~
「話しってなに?家の手伝いがあるんだけど」
明らかに昨日より警戒してる気がする……
「花純…俺はツヨシなんだ、お前の夫の」
「…なに言ってるの?全然違う人よ私の主人は」
「そうだな、見た目は違う、花純はタイムトラベルをしてここに来たんだ、俺は花純を迎えに来た、昨日いきなり説明しても受け入れられないと、そう思ったんだよ」
「タイムトラベル…嘘でしょ…」
信じてくれる……か?
「本当だよ!花純が戻れば君香も戻ってくる、俺と一緒に現代に戻ってくれ!」
「君香…大変!早く戻らないと……どうやって戻るの?」
「俺がタイムトラベルしてられるのは24時間だ、その時にセックスしてれば良い」
「…………………………馬鹿にして、結局私としたいだけなんでしょ!3人目の奥さんに聞いたわよ!酷い事したって!」
「え?ちっちがうよ!それは俺じゃない!俺はお前の夫だ他に妻は居ない!」
「だから全然違うって言ってるじゃない!!」
花純は家を飛び出して行った
「かっ花純!待て!」
森の方へ駆けて行く花純を必死で追いかけるが
弥生時代の、俺は身体がそこまで大きくない
どんどん離される
ここで見失ったら二度と会えない気がする、
森の中は昼間でも危険すぎる!
俺は必死に追いかけた
だんだん距離が近づいて行く、体力の差だ
普通は5分も全力で走れない、
この時代の人間に乗り移った俺は全然余裕だ
きゃああああああ!!
視界の先で花純が何かに襲われそうになっていた
俺は細い枯れ枝に飛びついて体重をかけてへし折り、地面に向かって落下しながら
花純に乗る獣に向かって全身のバネを使ってぶん投げる
花純の上に乗っていたのは狼だった
口を開けて舌舐めずりするクソ狼の口に枯れ枝が突き刺さり
花純の横に倒れる
「花純!まだ動くな!」
腰を抜かして這いずる花純を制する
狼は一匹で行動しない、男の記憶と本能が俺に告げてくる
花純に追いつき、突き刺した枯れ枝を引っこ抜いて
狼達に向かって構える
グルルル……
見えるだけで7匹は居る
一番デカイ奴がやられ、血の匂いに興奮し威嚇してくる
こんな時どうすれば良いのか?
現代人の俺には思い付かないが…
「う”う”う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!っ!っ!
俺の嫁に手を出したら殺すぞ!犬っころ!!」
男は何度も狩を続けて生きてきた、
狩りをする者と狩られる者の圧倒的な力の差に
狼は鳴き声を上げて散り始めてくれたら……良かったのに……
「五月蝿いです、惚けても無駄ですよ……卑弥呼さん」
「っ!なっなにを言ってるの私は須田 美羽よ!」
「いってぇぇ……何すんだよ!クロノス!」
「ちょっと黙ってて下さい変態浮気男」
「誰が変態だ、浮気男って何のことだ?俺は花純だけだ!!」
「自分の今の状況見てから言ってください、普通の女子高生にほぼ全裸のオヤジ姿……普通は逮捕ですよ?知らないの?」
普通の女子高生はドロップキックしねぇんだよ!!
「って何で俺裸なんだ?」
「記憶が戻ったのね……」
「へ?あんた誰?……確か…美羽が家に来て…あれ?あれ?」
ツヨシの目の前に居た女は一度でも見れば絶対に忘れるなんてあり得ない
それ程の美女なのに誰なのか分からない事に慌てて記憶を探すがやはり思い出せない
「この人に騙されてたんですよ、ツヨシさんは」
「騙されてた……俺が?…」
「もう良いですから、卑弥呼さん、貴女は居るべき場所に戻って貰います」
「嫌よ!!戻ったって利用されて死ぬだけ!私だって…私だって普通に生きたいの!!」
「無理です残念ながら、そう言うのは来世でお願いします」
卑弥呼の悲痛な叫びを食い気味で冷たく返すと
卑弥呼に手を向けて光り出す
「ちょっと待てよクロノス」
「ツヨシさん貴方まさか……自分を騙したこの女に情でも沸いたんですか?」
こんな冷たい顔をするクロノスを見たのは初めてだった
「まぁ……可哀想だと思うよ、この人もどっかの歴史の姫なんだろ?」
少なくとも俺に接する彼女は言葉通りに普通の女性だった
「同情してる場合じゃないでしょうっ!彼女はこの時代の人じゃない!!戻すしかないんですよ!!!花純さんだって今も1人でずっと待ってるんですよ!!!」
「花純を見つけたのか!直ぐにでも迎えに行くよ!!教えてくれ!何処にいる?!」
「だからそしたら入れ替わった彼女を戻すしかないって言ってるんです!!」
「うぅぅ…嫌よ…1人は嫌なのよ……」
「それなら……歴史を修正すれば良いだろ?」
「「…は?」」
修羅場な空気にツヨシの一言により、流れが変わる
「俺がタイムトラベルして、別の誰かに乗り移って、彼女の伴侶になれば満足するんじゃ無いのか?俺はそうやって歴史を修正してきたんだろ?」
「・・・・確かに」
クロノスは落ち着いて考え始める
涙目の卑弥呼は俺が何を言ってるのか分からない
ここから先の話しは人間の理解の範疇を超えたパラレルワールドだ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
クロノスは状況を可能な範囲で説明を始める
ツヨシがタイムトラベルで巴御前の時代に飛んだ時
花純がツヨシと精神的、肉体的な繋がりによる影響を受けて時の狭間に吹き飛ばされた
本来ならば卑弥呼が行う筈だった妖術を花純が代行(花純の意図では無いが)した事により、
時の修正力が卑弥呼ではなく花純を選んでしまった
同じ時代に2人の卑弥呼が存在する筈もなく、花純の代わりとなって卑弥呼が現代へと入れ替わるが、
ツヨシの時の修正力に対する耐性が影響し、卑弥呼は花純として存在する事をツヨシによって拒否されてしまう
慌てた卑弥呼はツヨシの意識下に合わせて幻術をかけ美羽となる
本物の美羽は会社で倒れたツヨシの代わりでてんてこまいだ
花純の代わりになれない卑弥呼は美羽と入れ替わりそのまま既成事実を作って何とかしてしまおうと雑に考えて居たらしい
ここで問題だ、花純は既に卑弥呼として歴史として存在している
同時に2人の卑弥呼は存在できない
花純が歴史を飛んだ事実は変えられない、時を飛ぶのはそれだけの力が動く、
無理やり止めれは宇宙が吹っ飛ぶそうだ
だから、花純はただ花純として弥生時代に飛び、
卑弥呼は卑弥呼として、弥生時代に存在する事が必要だそうだ
卑弥呼が卑弥呼として存在する為に、俺は再びタイムトラベルとして
花純がくる少し前に飛び、そこで卑弥呼の伴侶となる
その後花純を迎えに行く
それがクロノスの出した今回の時の修正だ
花純を今すぐにでも迎えに行きたいが、俺はそれを選ぶ事にした
目の前の悲壮な運命に泣きじゃくるの彼女に力になれる事があるなら、
寝取ってばかりのタイムトラベルにも少しは意義を見いだせるってもんだ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「分かった……それで誰に飛ぶんだ?」
「女王卑弥呼となっても側に支えて不振がられない人物は1人しかいない……
弟のいかずちのみことがみ、要するに建御雷神よ」
「俺、神様になるの?」
「そんなわけ無いでしょう…ただの人です」
「えぇ?わたしタケミカヅチと結ばれるの?弟なのに…困るわ…」
……全然困ってない様子だ
「じゃ、始めましょうか」
相手は卑弥呼
時代は弥生時代、花純さんが来る前
着地点は建御雷神
目的は、卑弥呼を伴侶にする事
「じゃあ、行ってらっしゃーい!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ツヨシが消え残される2人
「はぁ……行っちゃった……」
「…なんで残念そうなんですか?」
残された刹那の時の中で卑弥呼が溜息をつく
「初めて人を好きになれたのよ?奪えるもんなら奪う、それが私達の時代なの」
「全然分かりません…出合って間もないんでしょう?」
「何でかなぁ?ツヨシの意識と一緒に感じ取った後、もう一つの感情に充てられたのかしら?
美羽って人だっけ?お嫁さんの振りして連絡した時に物凄い感情が流れて来たわ」
「そうですか…」
のほほんと答える卑弥呼とは対照的にクロノスの顔は重い
「あら?……上手くいった……みたい…ありがとね…ク…ノ……」
そして身体が霞みのように消えていく卑弥呼は最後まで笑顔で手を振りながら消えて行った
ツヨシが消えてほんの数瞬のやり取りの後
再びツヨシは現代へと戻ってきた
若干顔を赤くして惚けている
「お疲れ様です、ツヨシさん」
「うわっ!クロノス!」
「何を驚いているんです?、何かやましい事でもあったんですか?」
いやいや、それが目的だったのに聞くんじゃねーよ
とは言えないツヨシは
「まぁ……いつも通りだけど戻りたてで、クロノスが居るのも珍しいから驚いたんだよ」
「そうですか、とりあえず明日までに、こことか家とか片付けた方が良いんじゃないです?」
「え?」
クロノスにぶっ飛ばされ、ひっくり返ったベッド
慣れない料理にメチャクチャにされたキッチン
全て現代の美羽の家だった、いつの間にかクロノスは消え、
1人残されたツヨシは
まじかよ…………
肩を落として美羽の家を1人で片付けたツヨシは家に帰ると
美羽の家の比じゃ無い程に全てがひっくり返っていて…
諦めたツヨシは大人の力(業者)を使って家を片付けた
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「はい!クロノスちゃんでーす!」
「クロノス!早く!早く!」
「だっかっらっだきつくっなああああ!」
「すまん……焦ってつい……」
「全く、本当に、全くなんですから」
なんだかよく分からないテンションのクロノスだ
じゃあ、今回の相手は花純さん
時代は弥生時代
着地点は向こうの時代の誰か
目標は……その……つながったまま……24時間を超える事
「つながったまま?なんの事だ?」
「だから!!……わかるでしょ!」
「はぁ?わかんねぇよ?大事な事なんだからちゃんと説明しろ!」
大真面目に聞いてくるツヨシが本気に憎らしくなってくるクロノス
「せっせっ……」
「せっせっ?」
「あああ!もう!セックスしながら24時間超えろって言ってんのよ!この変態!さっさと行けえ!!」
クロノスにまた殴られ、俺は再び暗闇の世界へと堕ちていった
~~~~タイムトラベルスタート:残り24時間~~~~
「ここが弥生時代……」
俺は弥生時代の家の中に居た
家の中は、思ったより広い、地面を丸く平面に掘り返し、鞣した革が人が寝られる程度に敷き詰められ、そこに何人かが眠っていた女達と子供達だ
三人の女と5人の子供がすやすやと寝息をたてている
俺は乗り移った男の記憶を遡ると、全員嫁でその子供達だった
最初は驚いたがどうやらこれがこの時代の普通らしい
そして男の記憶の中に花純はいない、まだ会ってもいないという事だ
「花純を探さないと!」
寝ている家人達を起こさないように気をつけながら外に出ると夜だった
灯り一つない深夜なのに、月明かりで縦穴式の藁葺きの屋根が蒼白くライトアップされているみたいに綺麗で、夜空を見上げるとプラネタリウムの中に居るかのような星々が世界を包んでいる
一つ一つの星がやけに大きくて…煌く星の世界に迷い込んだような景色に魅入られるながら
俺は集落群を歩き回る
辺りは静まりかえってる、今が何時なのかまるで分からないがきっと深夜なんだろう
こんな時間に誰かいるのか?
答えは直ぐに分かった
集落の少し外、丘の外れで俺と同じように空を見上げて惚けている
見覚えのある…忘れる筈が無い女性……俺がここに来た目的だ
俺は走り寄って花純に声をかけた
「花純!」
俺の声に気がついて振り向くが酷く怯えて
「え?……あっ貴方だれなの?!何で私の名前知ってるの?!」
・・・・・・あっ俺いまツヨシじゃねぇ!
目の前に消えてしまった花純が居る、今すぐに抱きしめたい、二度離したくない、
だけど目の前花純は突然こんな場所に連れてこられて、
真夜中に知らない奴に声をかけられ恐怖に震えている
俺も混乱してきた…なんて説明すれば良いんだ?
タイムトラベルした
中身はツヨシだ
明日の夜セックスしてたら現代に帰れる
どれも……阿保な子だとしか思って貰えそうにない
「カスミとよく似ている……俺はツヨシという…お前もカスミと言うのか?」
俺は誤魔化す事にした…これしか思い浮かばない
「え?ツヨシ?どう言う事?」
少し距離お置いて大地に腰掛ける
「ここは伊都国の村の一つだ、俺は長を努めているんだ、カスミというのは…戦いで生き別れになった妻の名前だ」
「伊都国………縦穴式の家……弥生時代って言うのここは?」
流石だ、情報をきちんと整理し始める
「ここは獣もでる……嫁に世話をさせるから、俺の家に来ないか?」
「けっ獣が?……貴方の家、何処?」
獣と聞いて不安な顔になるがそれでも冷静さを失わない
「真ん中の一番デカイのだ、長だと言ったろ」
「わっ分かったわ…私…人妻ですからね!変なことしたら許さないから!!」
「そうか、俺にも居るよ……とても大事な人だ…」
「そう、大事にしてるのね、ごめんね、ちょっと疑っちゃって」
「良いさ、さぁ行こう」
複雑だ…俺の為に貞操を守る花純と
花純を助ける為に、貞操を奪はないといけない俺
こんな凄い景色の中で夫婦が距離を取って歩くなんて……泣きたくなるよ、ホント
~~~~タイムトラベル:残り23時間~~~~
家の中
俺に続いて家に入るカスミは嫁が三人居る事にまず驚いた
「ちょっと!本当に大丈夫でしょうね?」
「心配するなよ、カスミに変な事はしない」
弥生時代の妻「……ツヨシ、何処か行ってたの?」
嫁の1人が話し声に目を覚ましたらしい
「起きたか、この子はカスミって言うんだ、面倒をみてやってくれ」
弥生時代の妻「あら4人目?」
「違います!私には旦那が居ます!」
「迷い人だよ、夜の外は危ないから連れて来たんだ」
弥生時代の妻「そうなの…それならこっちいらっしゃい、寒かったでしょ?」
カスミがこちらを見る
「俺はそっちだ、安心して寝てくれ」
「じゃあ…遠慮なく」
俺は花純と距離を置いて横になるとそれを見てから花純は嫁の方に向かって行った
はぁぁ……どうすんだこれ
悩みながら結局一睡も出来ずに朝を迎えてしまう
~~~~タイムトラベル:残り18時間~~~~
家族達は目を覚ますと来客に驚いたが、昨日の嫁の1人が説明してくれて
すんなりと受け入れてくれた
妻達と一緒に子供達の面倒を見てくれる花純をぼんやりと見ている
とても楽しそうだ、子供好きだもんな本当は…
戻ったらやっぱりもう1人作ろう
って…だからどうやって花純を説得するんだよ!!
弥生時代の妻「ツヨシ、何悩んでるの?」
家族達を見ながら悩んでいると昨日の夜に話した嫁が近づいてきた
「あ?いや、ちょっとな」
「凄い美人ね、嫁に入れないの?」
嫁だよ!とっくに嫁なんだよ!
「人妻だって言ってたろ?」
「欲しいなら取れば良いじゃない」
「えぇ?」
「変な人、皆んなそうだったじゃない、どうしたの?」
そうなの?…………ホントだ……
俺は記憶を掘り返した
3人の妻の内1人は幼馴染で無理やりだった
他の2人は他の集落との戦いで奪ってる
恐ろしい時代だな……
だけど花純にそんな事出来るわけ無い、今の俺は記憶の中の俺じゃないんだから……
襲うか口説くか説明するか
襲う、一番簡単だ今の俺にとっては…だけど一番したくない
口説く、どう見ても無理だ……朝から意図的に近づかないようにしてるの丸わかりだ、妻の1人が何か言ったか?
説明する、やっぱりこれしか無いな
俺は嫁に伝えて家に花純を連れてくるように頼んだ
~~~~タイムトラベル:残り16時間~~~~
「話しってなに?家の手伝いがあるんだけど」
明らかに昨日より警戒してる気がする……
「花純…俺はツヨシなんだ、お前の夫の」
「…なに言ってるの?全然違う人よ私の主人は」
「そうだな、見た目は違う、花純はタイムトラベルをしてここに来たんだ、俺は花純を迎えに来た、昨日いきなり説明しても受け入れられないと、そう思ったんだよ」
「タイムトラベル…嘘でしょ…」
信じてくれる……か?
「本当だよ!花純が戻れば君香も戻ってくる、俺と一緒に現代に戻ってくれ!」
「君香…大変!早く戻らないと……どうやって戻るの?」
「俺がタイムトラベルしてられるのは24時間だ、その時にセックスしてれば良い」
「…………………………馬鹿にして、結局私としたいだけなんでしょ!3人目の奥さんに聞いたわよ!酷い事したって!」
「え?ちっちがうよ!それは俺じゃない!俺はお前の夫だ他に妻は居ない!」
「だから全然違うって言ってるじゃない!!」
花純は家を飛び出して行った
「かっ花純!待て!」
森の方へ駆けて行く花純を必死で追いかけるが
弥生時代の、俺は身体がそこまで大きくない
どんどん離される
ここで見失ったら二度と会えない気がする、
森の中は昼間でも危険すぎる!
俺は必死に追いかけた
だんだん距離が近づいて行く、体力の差だ
普通は5分も全力で走れない、
この時代の人間に乗り移った俺は全然余裕だ
きゃああああああ!!
視界の先で花純が何かに襲われそうになっていた
俺は細い枯れ枝に飛びついて体重をかけてへし折り、地面に向かって落下しながら
花純に乗る獣に向かって全身のバネを使ってぶん投げる
花純の上に乗っていたのは狼だった
口を開けて舌舐めずりするクソ狼の口に枯れ枝が突き刺さり
花純の横に倒れる
「花純!まだ動くな!」
腰を抜かして這いずる花純を制する
狼は一匹で行動しない、男の記憶と本能が俺に告げてくる
花純に追いつき、突き刺した枯れ枝を引っこ抜いて
狼達に向かって構える
グルルル……
見えるだけで7匹は居る
一番デカイ奴がやられ、血の匂いに興奮し威嚇してくる
こんな時どうすれば良いのか?
現代人の俺には思い付かないが…
「う”う”う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!っ!っ!
俺の嫁に手を出したら殺すぞ!犬っころ!!」
男は何度も狩を続けて生きてきた、
狩りをする者と狩られる者の圧倒的な力の差に
狼は鳴き声を上げて散り始めてくれたら……良かったのに……
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