無警戒人間

甘い肉

文字の大きさ
上 下
32 / 32

第三十二話:無警戒な人は口が軽すぎる

しおりを挟む
学校 保健室
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 いつも保健室でパクパクパクパクするのが何より楽しみな久美先生が、今日はいつもの半分くらいのスピードでご飯を食べている

「はぁぁぁぁぁ……………コナイ……」

「何が来ないんですか?」

「うわっ!…やっ谷島先生っ!いつから其処に?」


 突然声を掛けられて飛び上がりそうになる程驚く久美先生に、キョトンとした顔をしているのは、スグルの担任教師で、まだ新米の谷島舞やじままい先生だった


「今ですよー?今日はクラスの雰囲気が何か険悪なんでコッチに逃げて来たんですよ」

「険悪?大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ、ですから♪」


 それの何処が大丈夫なのかイマイチ分からない…久美先生は不安を隠せない、最近はイジメの問題は学校で働く者にとっては死活問題になりえるからだ


「本当に危ない時は水面下ですから(笑)面に出てる間はキッチリやらせた方が良いんです♪それに今回、間に入った男の子、アノ子なら問題なんて起こしませんから♪」

「男の子…ですか?」

「ええ、良い子ですよ?とっても♪」


 朗らかに笑いながら話す谷島先生の様子から見て、問題無いのだろうと少しホッとする久美先生だったが


「失礼しまーすっ!あれ谷島先生?こんな所で何してるんですか?」

「あっ過くん、お昼休みにどうしたの?どっか具合でも悪くなったの?」

「え?いや、ちょっと久美先生に相談があっただけなんだけど……良いかな?」


(スグル君………に相談はちょっと出来ないよねぇ………でもなぁ……タイミング的には、間違い無いっぽいんだよなぁ………どうしよ?)


 ぼーーーっとしてる様にしか見えない久美先生は、イジメとは違うとい事に安心すると、ゆっくりパクパクモグモグしながらまた自分の世界に入ってしまっていた


「先生?くみせーんせーい?」


 全く反応しない久美先生の近くに寄って声を掛けるスグルに、ハッとして漸く気がつく久美先生


「え?……ぁっ……スグルくん?……………どっどうしたの?」

「今日は久美先生なんか変ですよ?熱でもあるんじゃないですか?」

「え?久美先生大丈夫?」


 心配そうに見つめてくるスグルに思わず抱きしめたくなりそうになるのを必死に我慢しながら


「大丈夫よ?全然大丈夫っ♪熱なんか無いから心配しないで?」

「じゃあ…悩み事ですか?」

「悩み事?…久美先生…何か悩んでるの?」


 谷島先生の誘導に乗っかるようにスグルが率直に聞いてしまう


「うん…生理が来なくてねぇ、予定日遅れてるんだよね…はは」

「「え”?」」


思わず声が上擦る谷島先生と、生理が来ないといフレーズにピンと来ないスグルは、クルリと振り向き


「谷島先生、生理ってなぁに?」

「えぇっと、何て説明したら良いのかな、ここにね?赤ちゃんの卵を作る所があってね?そこから子供を育てる場所にこんな風に伸びてるんだけど、古くなった卵を排出する周期があってそのタイミングの事を生理って言うんだけど…分かるかな?、」

「うぅん…何となく、それが来ないっていうのはどういう事なの?」

「そりゃぁ、その卵を育てる必要が出来た時って事だから、妊娠した時………だよ?……久美先生?……」


「………え?先生妊娠しちゃったって事?」

「ええっと……その……まだ分かんない……」

「くっくみ先生?お付き合いしてる人からしたんですか?」

「はは……まぁ………どっどうかなぁ?」


汗が止まらなくなっていく久美先生の様子に思い当たる節があり過ぎるスグルは


「それって……やっぱり……」

「やっぱり?やっぱりって何?過くん何か知ってるの?」

「へ?いっいや……その……」

「谷島先生…プライベートな事ですから…余り詮索は…遠慮して頂けますか?必要が有ればキチンと説明しますので」

「え?あっ…すいません…何かつい…もっ申し訳ありませんでした……それじゃぁ…失礼しますね?」


これ以上は聞かない方が良いと判断したのか、そそくさと出て行く谷島先生


「…スグル君も何も気にしないで良いんです、アナタには責任何て何一つ有りませんから…ね?」

「でっでも……僕の子供なんじゃ……」

「もし、仮に万が一そうだとしても、何の問題も無いの、スグル君にお願いしたのは私何だから、ね?そろそろお昼休みも終わっちゃうよ?教室に戻りなさい」

「はっはい……それじゃぁ…また来ますっ!」

「うん♪またね♪」


何も出来ない自分にはせめて側に居るしかないと宣言すると、嬉しそうに返事をしてくれた久美先生の顔を見て少しホッとしたスグルは保健室を出て、教室に向かって走り出そうとすると

保健室の外で硬直していた先生のお腹に頭からダイブしてしまう


「わっぷっ」

「……………スグルくんの子供ってどう言うことかな?」


顔が蒼ざめる谷島先生はとても小さな声でスグルに問い掛ける


「せっ先生?…ちっちがう……ちゃんと説明するから!」

「…そう?…じゃあ……放課後に掃除が終わったら…教室に残って貰える?」

「うっうん…分かった…約束します」

「それじゃあ、教室にいきましょう。」


スグルは、谷島先生の手を握ったまま離せなかった

直感でこの手を離せばとんでもない事になる予感がしたからだ

教室の前まで辿り着くと、「それじゃあ、放課後待ってますから、ちゃん授業には集中するんだよ?良い?」

「はいっ先生」

「んっ宜しい」


漸くいつもの先生の顔になっていた事に少し安心し手を離したスグルは先に席に着いていき、先生はその後ろ姿を黙って見つめていた

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

愛娘(JS5)とのエッチな習慣に俺の我慢は限界

レディX
恋愛
娘の美奈は(JS5)本当に可愛い。そしてファザコンだと思う。 毎朝毎晩のトイレに一緒に入り、 お風呂の後には乾燥肌の娘の体に保湿クリームを塗ってあげる。特にお尻とお股には念入りに。ここ最近はバックからお尻の肉を鷲掴みにしてお尻の穴もオマンコの穴もオシッコ穴も丸見えにして閉じたり開いたり。 そうしてたらお股からクチュクチュ水音がするようになってきた。 お風呂上がりのいい匂いと共にさっきしたばかりのオシッコの匂い、そこに別の濃厚な匂いが漂うようになってきている。 でも俺は娘にイタズラしまくってるくせに最後の一線だけは超えない事を自分に誓っていた。 でも大丈夫かなぁ。頑張れ、俺の理性。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

俺に懐いてる美少女姪っ子姉妹(JC1,JS4)が可愛すぎで我慢できない

レディX
恋愛
俺には可愛い姪っ子がいる。一人は摩耶、中学1年にして推定Dカップのおっぱいの持ち主。バレーボールを愛するスポーツ美少女。純粋にスポーツに打ち込んでいるためか、ユニフォームや制服で自分のおっぱいがぶるぶる揺れてるのを見て、周りの男子がおちんちんおっきくしてしこしこしてたりするなんて想像もつかない。 もう一人は咲弥、小学4年生。小悪魔系の耳年増。お風呂上がりに裸でリビングをうろつき俺に縦筋おまんこを見せつける。周囲の友達から聞かされてこっそり自分でおまんこやお尻の穴をいじって気持ちよくなったりしてる変態娘。 見た目の美少女ぶりと中身のギャップがたまらない。

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

男子中学生から女子校生になった僕

大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。 普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。 強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!

処理中です...