無警戒人間

甘い肉

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第二十四話:日常:その3(不定期)

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 火曜日の朝、柔らかい何かに包まれながら目を覚ますと最近何故かさっちゃんとみっちゃんに挟まれてる


 2人ともちゃんとパジャマを着ている事から普通?に寝たんだろう


 僕が身体を起こして目を擦っていると、さっちゃんが目を覚ましたみたいで眠たそうにしながら朝の挨拶をしてきた


「おふぁよう…スグル君……昨日は大変だったみたいですね」


「おはようさっちゃん、凄いビックリしちゃったよ…」


 昨日はコンビニで包丁を持ったおじさんがやって来て、結局僕たちは何も買い物が出来ずに、お巡りさんに色々聞かれて、ひまわりおばさんとお母さんが迎えに来てくれて、それぞれの家に帰らされた


「コンビニで何買うつもりだったの?お菓子はあんまり食べちゃダメだよ?、」

「あっみっちゃんもおはよ……昨日は元々買い物に行くつもりじゃなかったんだけど…………………あっ!忘れてたっ!」


 みっちゃんも目を覚ましたので、説明していたら、桃園さんの家に行くつもりで買い物を言い訳にしようとした事を思い出した僕は


「僕っもう行かないとっ!」


 ベッドから飛び降りて、大急ぎで着替えると桃園さんの家に向かって大急ぎで走って行った


 桃園さんの家は、僕の家より学校が少しだけ遠い


 いつもとは逆方向だけど、まだ朝が早いせいか、通学路には誰も居なかった


 何か大きな四角い建物の隣に立っている2階建の家で、広い庭がある、そこには僕の身体と同じくらいのデッカイ犬が2匹寝転んで寝ていたんだけど、

 僕が家の門の所にたどり着くと目を覚ましたみたいで2匹ともこっちを向いた

 門の所には「猛犬注意!」「噛むので手を入れないで」って書いてあった

 門の所で呼び鈴のチャイムのボタンを押して見るけど、家の中で動く人の気配が全く分からない


「何だよっこれ壊れてるんじゃないの?」


 仕方ないので玄関まで向かう事にした

 ギギッキィって鉄の擦れる音がしてデッカイ犬は2匹ともこっちを不思議そうに見るだけだ


「ぼっ僕は桃園さんの友達だからね?あっ怪しくないからね?」


 デッカイ犬達は、ゆっくりと僕のそばにやって来てスンスンと匂いを確認すると、また元の場所に戻って行った


「だっ大丈夫みたいだ……今の内に」


 犬達を刺激しないように、足早に音を立てないように玄関までたどり着くともう一つのチャイムを鳴らすと

 ピーーンポーーンってデッカイ音が鳴った、やっぱり門のは壊れてたんだ


「はーーい、どちら様あ?」

「あっあの、クラスメイトの井谷過ですっ!桃園さんに会いたくて」


 ドアの向こう側から桃園さんのおばさんの声が聞こえてきた

「スグル君だったの?随分早いのねぇっ」


 桃園さんのおばさんはそう言いながら玄関を開けると、目の前に僕が居る事に驚いた


「え?あれっ?何で其処にいるの?この子達何もしなかったの?」


 知らない人には絶対吠えるし機嫌が悪いと噛みつく番犬達らしくて、大人しくしてる犬達に驚いたおばさんが聞いてくる


「最初は門のチャイム押したんだけど、反応無かったから、ワンチャン達は大人しかったよ?」


「へえ、珍しい事もあるのねぇ、スグル君は動物にモテるのかもね?」


「そうなのかな?…あっ雪恵《ゆきえ》ちゃん居ますよね?昨日遊びに来る予定だったんですけど……僕これなくって…」


「あっ友達遊びに来るかもって行ってたのスグル君だったのね、そんなに気にしなくて良いのにい、さっ上がって来なさい」


 おばさんは、僕を家の中に入れてくれた
桃園さんと少し雰囲気が似てるおばさんはカスミちゃんと同じくらいの年頃で、かなり短いショートカット?なんて言うんだろう?男だったらスポーツ刈りより短い感じで、丸い透明の眼鏡は度がキツイのか瞳がおっきく見える


 てっきりリビングに向かうのかと思ったら階段を上り始めるおばさんは、振り返ると


「あっウチは二世帯なのよ、二階のリビングに上がって頂戴ね」


 そういえば、おばあさんのお弁当がなんとかって言ってたけど、一緒に暮らしてたんだ


 なんて思いながらおばさんの後ろをついて階段を登ろうとしたら

 ショートパンツのおばさんのお尻がムチムチしてて僕は下を向きながら歩いて着いてった


「ユキエー?スグル君が迎えに来てくれたわよーっ!早く起きなさい」


 数秒の沈黙の後にドンガラガッシャーンとベタな音を立てて
 部屋から小学生とは思えないパジャマを着た桃園さんが部屋から飛び出した


「まっママっ!それ本当っ!」


「……おっおはよ、桃園さん」

「…すすすすすスグルくんっ!おっおっおはおは」

「何どもってんのアンタは、さっさと着替えて来なさいよ」


 やけに大人びたシースルーの桃園さんは……裸を見られるよりパジャマを見られる事の方が恥ずかしかった見たいで、顔をみるみる真っ赤にさせて部屋に戻って行った


「ごめんね、スグル君少し待っててあげてね?…あっご飯まだなんじゃない?良かったら食べていきなさい」

「え?良いんですか?」

「良いわよっ、いっぱいあるからちょっと待ってねぇ」


 そう言いってキッチンに得意顔して入っていくおばさん


 まさか朝から重箱は出てこないだろう?

 そう思っていたんだけど甘かった


「あははっごめんね中身は普通だから、食べちゃって」


 この家では本当に毎日重箱でご飯食べているんだろうか?

 思わずそう聞こうとした時だった

 リビングの向こうから桃園さんがおばさんに見つからないように手招きしていた


「あっ……ちょっとトイレ借りて良いですか?」

「良いわよ、其処の廊下でて右手の扉よ」


 そして手招きする桃園さんの後について部屋の中に入っていくと


「桃園さん、昨日はごめんね、どうしても1人になれなくって」

「いっ良いの…あのさっきのパジャマは変えが無くって、ママの借りたの、私のじゃないからね?」


 あぁ…どおりで少しダボってしてると思った


「そうなんだ…でも似合ってると思ったよ?」


 女性の服装はいつでも褒めろ


 これは、昔おじいさんが言ってた言葉だ


「そっそう?…ありがと………ってそうじゃなくてっ!……恋人の件何だけど……その為に来たんだよね?」

「昨日はそのつもりだったけど、今日は謝りに来たんだよ」

「そうなの?…じゃあ恋人の事はもう良いの?」

 少し残念そうな顔をする桃園さん

「いっいや…教えては貰いたいけど…」

「本当?じゃっじゃあね…其処座って、じっ時間無いから早く」

 そう言われると先にペタリと女の子座りする桃園さんが指さす床に僕も正座で座ることにした


「良い?わっわたひの言った通りに動いてね?」

「うっうん…何したら良いの?」

 これが出来ればカスミちゃんと恋人になれるかも知れない、僕は真面目に聞いた

「そっそのまま…もっとこっちに来て」

「うん、分かった」


 膝をすりながら桃園さんに近づいていく

 前髪を垂らして瞳を隠す桃園さんの口があわあわしながら真っ赤になっていってる気がした


「もっももっもっと…近づくのっ」

「もっもっと?」

「そっそう…もっとっ」

 凄い近くて髪の毛の隙間から桃園さんの瞳が少し見えて、顔がくっつきそうな距離で

「すすすストップっこっここで言うの」

「言う?なんて言うの?」

「す……」

「す?」

「…………き」

「…き?」

「~~~~~~~~~~~~っ!!!」

 ボンって音がなってプシューってなった桃園さん


「ちょっちょっと桃園さんっ!おばさんっ!桃園さんが!」



「え?トイレ行ってたんじゃ……あらあら…2人で何してたの?」


 何でかニヤニヤしだすおばさん


「いっいや何にもしてないけど、何かプシューってなっちゃったよっ!」


 その後、おばさんに猫のように掴まれた桃園さんはソファーに連れて行かれ


「スグル君はご飯食べちゃいなさい、残しちゃだめよ?」


 少しして目を覚ました桃園さんと一緒にご飯を食べると、僕たちは一緒に学校に向かったんだけど

 桃園さんのご飯を食べる速度は異常に早かった
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