無警戒人間

甘い肉

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第十四話:土曜の夜は普段より夜更かししても大丈夫

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【桜町宅】
 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ただいまぁ……って何これっ…え?全部使ったの?!」



 夕方になってカスミちゃんのおばさんが帰って来たら、ポーチの中身が無くなってる事にまず驚いてたけど、部屋の中に散らばるゴムの数にドン引きしてた



「……あのね?初めてはとっても大変なんだから女の子の身体は大事にしないといけないの?わかる?」



 僕は求められて応えただけなんだけど、カスミちゃんはスヤスヤ眠ってる……仕方ないから代わりにお説教を受ける事にしたんだ……だけど中々終わらない


 あんまりしつこいので、おばさんに抱きついた


「おっおばさん…ごめんなさい………まで使っちゃった……」


 するとおばさんは急に静かになったので、腰からお尻に手を伸ばしてみると、ピクって反応が帰ってきた


「………いっ良いのよ別に、大丈夫だからね?なんならおばさんはゴムとか無くても平気だから………今からおばさんの部屋に来る?」


 いや…それはどうなんだろう?


「本当に?…あっでもお昼も帰ってないし、もうお家帰らないと心配されちゃうから、今日はもう帰るね?また今度で良いかな?」


「あらそう………まぁ流石にもう無理よね…じゃあまた遊びに来るのよ?水曜日はカスミも塾で帰り遅いから、気をつけて帰ってね?水曜日よ?」


「はいっ水曜日にまた来るねっそれじゃお邪魔しましたー」


 やけに水曜日を推してくるのでついその日を約束してしまった


 水曜日にはゴムが補充されてる事を願いながら僕は家に帰った






【井谷宅】
 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ただいまぁっ」


 玄関を開けて靴を脱いでるとリビングでテレビを見てたみっちゃんが顔を出してきた


「すぐる?随分と遅かったんじゃない?」

「あっ、みっちゃんただいまっちょっと友達の家でね、遅くなっちゃった」

「ふーん、沙織姉さんが何回もいつ帰ってくるんだろう?って聞いてきて、何か約束とかしてたんじゃないの?」

「え?さっちゃんが?……約束はしてないけどなぁ、とにかく部屋に行ってみるよっ」

「お母さんと一緒に福引きひきに行ってるから居ないわよ?」

「あっそうなんだ…じゃあ帰ってから聞くよ、ありがとうみっちゃん」


 玄関から自分の部屋に向かうと何故かみっちゃんがついて来た


 みっちゃんはTV大好きっ子だからこの時間はリビングを独り占めするのに、どうしたんだろう?


 そしてみっちゃんは僕の部屋まで結局ついて来た


「えっと、どうしたの?僕に何か用事でもあるの?」


「………」


 普段から何でもハキハキ喋るみっちゃんが珍しく悩んでるみたいに見えた


「どうしたの?僕で良かったら聞くから教えてよ」

 そう聞いて見ると…それまで黙っていたみっちゃんは、


「あんた、来ないだ沙織姉さんの部屋で2人で裸で何してたの?」


 其処まで言い切ってから自分で言った事にハッとするみっちゃん


 どうやら僕はこうやって普通は言いにくい事も聞けちゃうのかも知れない


「何って…みっちゃんは…何だと思ったの?」


「そんなの、エッチな事しか無いじゃないのっ……ずっずるいよ…なんか私ばっかり話してる…聞いてるのはわたしなのにっ」


「ごめんね、何か逆になっちゃったね……さっちゃんとそういう事したのか?って言うなら…うん…しちゃった…途中で止めるつもりだったんだけど…無理だったから」


「さっ最後まで?」

「…最後まで」

「………………」


 僕の告白に押し黙るみっちゃんは年が家の中で一番近くて中学生に上がるまでは毎日遊んでくれてたお姉ちゃんだ、だから嘘はついちゃいけないって思ってたけど



 その時はまだ子供だったから知らなかったんだ



「……ズルイよ…何でよりによって沙織姉さんなの?そんなの絶対勝てっこ無いじゃない………スグルの馬鹿ぁっ!」


「え?え?…みっみっちゃん…?」


 二番目のお姉ちゃんはそう叫んで部屋を出て行って、僕は身体を動かす事が出来なかったんだ


 さっちゃんの事を話したのは、他でもないみっちゃんだからだったのに……泣いてた?あのみっちゃんが?


 僕はどうしたら良いのか分からなくて、何が正しいのか全然分からなかったんだ


 怒らせた本人に聞くのが一番早く解決できる……多分僕にはそれが出来るんじゃないだろうか?


 こんなモヤモヤした気持ちを耐えられない僕は、みっちゃんの部屋の扉をノックした


「みっちゃん…入って良い?」

「…良いよ」

 拒否されたらどうしようって思ったけど、ほぼ即答に近い早さで受け入れてくれた、部屋に入るとみっちゃんは、ベッドの上で仰向けで寝てた

「あっあのね?怒ってる?」

「ううん…怒ってない」

「え?怒ってないの?じゃあどうしたの?」

「悲しかったの、スグル取られちゃったから」

「取られたって…さっちゃんに?」

「そうでしょ?…沙織姉さんの事好きなんでしょ?」


 何だろうこの感じは…心の中の声が全部吐き出されてるような…普通こんな会話する事あり得るんだろうか?


「さっちゃんの事は大好きだけど、みっちゃんの事も大好きだよ?」

「じゃあ何で姉さんとしたの?何で私じゃなかったの?」

「それは、さっちゃんの方が単純にそういう事に詳しいって知ってたからだよ…引き出しにそういうの入ってたし」

「引き出し?何それ?」

「誰にも言わないって、約束できる?」

「する、誰にも言わない、約束するから教えて」

 ずっと仰向けに寝てたみっちゃんは飛び起きた

「あのね……」

 僕はみっちゃんのそばに行って耳打ちすると、顔が見る見るウチに真っ赤になった


「さっ沙織姉さんがそんなの持ってたなんて」


「誰にも言わないでね?本人にもだよ?僕もみっちゃん以外に言ったこと無いんだから」


「言えないよ……そっか…だから沙織姉さんのとこ行ったの?」


「他に聞ける人思いつかなかったから…」


「じゃあ私にもそれ教えてよ?」


「今から?もうお母さん達、帰ってくるんじゃない?」


「夜なら良いじゃん、明日日曜日でしょ?スグルの部屋に行くから…良い?」


「うっうん……いいよ」


「ホント?嫌じゃない?」


「嫌じゃないよっ!さっきみっちゃんが泣いてるの見て、それで辛かったから来たんだ、嫌じゃない」


「……泣いてない」

「泣いてたよね?」

「泣いてた………もうっ!なんなの?!夜に行くからもう帰って!」


 流石に恥ずかしくなったのか部屋を出そうとするみっちゃんだったけど、泣き顔はもう消えてて安心した僕は、部屋を出る前に隣に座るみっちゃんを抱きしめた


 部屋着にしてスレンダーなみっちゃんは思ってたよりずっと柔らかくて細くて、僕の力でも折れちゃいそうで、ボフって感じでまた顔を赤くしながらみっちゃんは応えてくれた


「あっ………よっ夜に行くから……ちゃんとまっててね?」


 抱きしめ返してくれたみっちゃんはそう言ってくれて


「ただいまぁっ!皆んな集合っ!リビング来てーっ!」



「夜だね?絶対寝ないで待ってるから大丈夫だよ、それじゃ下に行こうよ」


「……直ぐいくから、スグルは先行ってて」

 身体を離すとパタパタと服から熱を放出させるみっちゃんからいい匂いがしてたけど、ここにいたらいつまでも終わらない感じがして素直に部屋を出ていった



 リビングに行くと
 お母さん達が帰って来て何時も通りに騒がしい井谷家に戻ってたんだけど……何か良い物当たったんだろうか?
 お姉ちゃんもお母さんもニッコニコだった、
 妹はいつでもニッコニコだ
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