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白く怒るもの【R15】 拘束、性的表現あり、無理やり
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サヤは、和也や朔の一件で疲弊していた。
仕事も店長の不在にて数ヶ月のお休みになった。お店の再開は不明。
別の仕事を探そうかとも思ったが、自分の周りで色々な事件が起きすぎる。
(もう、田舎に帰ろうかな……)
引っ越しを考えていた。
2年過ごして、慣れ親しんだ町だが精神的ストレスが多い町でもあった。
意識しないと、食事も疎かにしがちだった。
(ご飯用意しなきゃ……)
エレベーターに乗り買い出しへ。
「こんにちは!」
落ち着いた声で話しかけてきたのは、隣の住人サナだった。
「……こんにちは。」
サヤは軽く会釈して挨拶する。
たまに出会って、挨拶したり軽く話す位の中だが年も同じ位で、背格好も同じくらい。名前も似ていて、後ろ姿も似ている。近くの住民に間違えられる程似ているのである。
「何か悩んでるの?サヤちゃん。」
サナがおもむろに話しかけてきた。
「……あっ……なんかすみません。普通にしてたつもりだったんですけど……引っ越しを考えてて……。ぼんやりしてました。」
少し驚くサヤ。意外だなと思っていた。
「そうなんだ……。引っ越しかぁ~今年更新だっけ?私も更新だ。寂しくなるな~。お隣さん気にしなくても、サヤちゃんだから気兼ねなくて、安心出来てたのに。悪い意味じゃないわよ!」
二人で少し笑った。エントランスで二人は別れ、空を見上げる。
久しぶりに笑ったサヤはなんだか心が軽くなった気がした。
(まだ、私……笑えるんだ。悩んでても仕方ないから!しっかりしなきゃ)
買い出しし、料理を作った。更新の手続きはせずに、引っ越しを決意した。
片付けやら、なんやかんやで数日バタバタと過ごしていた。
そんなある日、久しぶりにサナさんに会った。
「お疲れ~。引っ越し準備順調?」
気にかけてくれているみたいで、ありがたかった。
「はい……お陰様で。うるさくないですか?」
気になっていたので聞いてみた。
「ん~大丈夫よ!!壁厚いし、元々サヤちゃん静かだもん。ふふ。……あっ、そうだ聞いてみたかったんだけど~。突飛押しもない話なんだけど、サヤちゃんの所、幽霊出たりする?」
驚くサヤ。
「……しろいヤツですかね?」
お互いに驚くサナ。
「ふふっ。やっぱり出るんだ!イケメンだった!?」
答えに困るサヤ
「イケメン?……なんとなく?ぼんやりしたシルエットしか……ハッキリ顔的なモノは見たことないです……。」
サヤには白く透けていて、なんとなく顔の表情が分かる程度だったからだ。
「ふーん。そっかぁ~。私の所に出た男の人イケメンだったんだよな~。出るんだココうーん。更新どうしようかなぁ。助兵衛(スケベ)だな……。他の人の所にも出るのかな?……。」
ぶつぶつ言いながら、歩いて行った。
「あっ!またね!!」
振り返って手を降ってくれた。
思わず笑ってしまった。
部屋へ戻ると、ゴミを玄関付近にまとめて置いていると昼過ぎに、隣の部屋から凄い勢いでドアをバタン!!と閉めた様な音がした。
(サナさん嫌なことあって、閉めたのかな?珍しいな……何か力になれたら!)
そう思いつき、クッキーを持って隣のサナの所へ。
インターホンを押すも、返事はない。
(気の所為だったかな?)
部屋へ戻り、片付けを再開する。
暫くすると、インターホンが鳴る。
ピンボーン。
(誰かな?)
「はい。どちら様でしょう?」
モニター越しに話しかける。
「すみません。水道工事です。お隣のお部屋が終わりましたので、開けて頂いてもよろしいですか?」
(聴いてないけどな?サナさんも何も言ってなかったし……さっきのドアもこの人だったのかな?)
疑問に思いながらもドアを開ける。
「失礼します。お風呂場の水道から案内お願いします。」
帽子を深くかぶっている。なんだか聞いたことがあるような声……。(気のせいかな?)
「こち……」バチッ!「……いっ!」
案内しようと後ろを向いた瞬間にバチッという音と共にサヤの意識はなくなった。
次に目覚めた時は見知らぬ部屋。
手足は拘束されている。辺りを見回すとサナも同じように拘束されていた。
サナは、口にタオルを噛まされて話せない状態で涙しているようだった。
打ちっ放しの部屋に窓とドアが一つずつ。まだ外は明るいが、夕方が近い空の色をしている。腕を動かすとカチャカチャと金属の音がする。聞き覚えのある音だった。ゾクリと背筋が凍る思いが蘇(よみがえ)る。
涙が流れ、体が自分の意思とは関係なく震え、あの日の朔の顔がフラッシュバックする。過呼吸の状態になる。呼吸が早く浅く、息を吐く事を忘れる。
「はっはっっはっっ…………」
サナが心配して、暴れている。声が出せず
「ムーッウーッ」
ガチャガチャと鳴る音に、サヤは過呼吸に拍車がかかる。
ガチャッと、ドアの開く音が鳴り1人の男性がニヤニヤしながら入ってくる。
男は苦しそうなサヤを見て、とても恍惚の表情を浮かべる。
「サヤ~~!!素敵だね!最高の顔してる!!僕間違っちゃってさ!ふふ。間違っちゃったんだけど、違う人も面倒だったから連れて来ちゃった♡だって、後ろ姿そっくりなんだもん!」
サヤの前に現れたのは、精神科病院に居るはずの朔だった。
「苦しい?苦しいの?サヤ♡かわいいね~かわいいよ~。心配しなくても、僕は正常だよ!サヤ!あの日の続きをしよう。沢山可愛がってあげるね!」
サヤは呼吸苦で、また気を失ってしまう。
「サヤ……。かわいいサヤ。」
サヤの頭を撫でている。
くるりっと振り返り
「ねぇ、サヤのそっくりさん。君、僕とセックスしない?サヤ寝ちゃったからさ~。僕のこんなだし。良いよね?だって、サヤに似てる君がいけないんだよ?」
ズボンの上から勃起したモノを触り、笑いながらサナに近づく。サナは抵抗しようと暴れるが、朔に髪の毛を鷲掴みにされ動けず。
「はぁ~。サヤもだったんだけどさ……暴れないでくれる?傷つけたくないんだよね。叫んでも無駄だよ?僕の別荘で、山の中なんだ~。セツクス好き?した事ある?」
「うっ……むぅ。」
サナは恐怖に頷く。
「そうなんだぁ~じゃあ、すぐに出来るね!僕ね、暴れなければ君も優しく接してあげるよ。これ取ってあげるね。泣かない泣かない。色々準備するね。待ってて。」
ドアが閉まる。暴れるが外れない。大声を出したらきっと何されるか分からない。
(ベットの柵に縛られている腕でも抜けてくれたら……)
思い切り手を引いたり、上下に動かしたり足も同じようにするも、ベットも手錠も新品のようで、暴れると手、足に食い込む。
ガチャっとドアが再度開くと、朔が鍵を振り回しながら、キャスター付きワゴンに何か道具を積んで運んでくる。布が掛けられていて置かれている物は分からなかった。
「サヤの隣でセックスするわけにはいかないから、場所変えよ~う。面倒だから、ベットごと動くね!あっ、コレ手錠の鍵じゃないよ。ふふふっ期待した?」
サナの足元に鍵を置き、滑車のついたベットを動かす。ワゴンはサヤの近くに置いたまま。
「お、お願い……やめませんか?私サヤちゃんじゃない……。」
頼んでみるが、無視される。
廊下へ出ると、隣の部屋へ。サナの足元に置いてあった鍵を取ると部屋のドアを開ける。
小さな窓がある部屋。殺風景な部屋に数体の等身大の人形。立たされている物、全裸の物、床に倒れている物。他にも数体見られる。人にそっくりな人形だった。
「ひっ!!」
死体かと一瞬思いサナは驚き、声をあげる。
「あ~、ごめんね。この子達は僕の妹なんだぁ~可愛いでしょ?自慢なんだよね!たまにさ、一緒に寝たりヤッたりしてるのふふっ。
妹以外の子とだよっ。サヤが居なくなって、妹の行方も分からないから……でも、この子達ヒンヤリ冷たいんだ。君が居てくれて良かったよ。サヤと一緒になりたかったんだけど……上手く出来ないからさ!君で練習させてね♡」
ニコリと笑う。悪くない顔なのに狂ってる。サナは狂った男にゾッとする。
「いっ嫌!お願い!私本当にサヤちゃんじゃないし、ヤりたいなら本人とヤればいいじゃない!なんで私なの!」
頼んでみたが、逆鱗に触れたようだった。
凄い形相で睨まれ、顔を平手打ちされる。
「サヤと一緒にするなよ!彼女は特別なんだよ!!お前は練習なんだよ!おとなしく練習させてくれたら良いだけなんだよ!暴れたり、酷いことしたらお仕置きするからね♡早速始めようか?キスしていい?」
そう言うと、キスしてくる。
(こ、怖い……キスうま……)
「ふふっ。いい子だね。流石に慣れてるだけあるよ~。脱ぎ脱ぎしようね~。動いたら、怪我するよ?」
嬉しそうに、ハサミをチョキチョキさせながら見せつけてくる。
ハサミを持ち、洋服の下の方から上に向かって服を切り開く。
冷たい感触にゾワリと鳥肌がたつ。
「うっ…………。」
「いい顔♡邪魔な物取っちゃうね~。」
洋服も、ブラジャーも無惨に切り裂くと、ハサミをベットサイドのボックスの上に置き、サナの上に覆い被さりキスしたり乳房を弄んでくる。
「ふふっ。イイね柔らかい。でもサヤより全然小さい。」
屈辱的な言い方に少しムカつくが、与えられる快楽は優しく気持ちが良い。つい感じてしまう。
「あ……ん」
腰がくねって、よがってしまう。
「慣れてるんだねぇ~。淫乱だ。サヤと全然違うや。」
いちいちムカつく。
段々と暗くなる部屋。夕暮れのようだった。
「そろそろ下も良いかな?動かないでね!」
そう言うと、さっきのハサミを取り出しスカートのウエスト部分と下着を切られてしまう。
(やっぱりイヤだ!助けて!!誰か!)
そう思っていると、隣の部屋からサヤの声が聴こえる。
「だ、誰かーーー!!助けて下さい!!」
初めて聞く大声だ。
「あっ!!サヤ!!気がついたんだ!!可愛いいなぁ~♡僕やっぱり彼女の所に行くね!!君はコレで遊んでて!」
ボックスの中から大人のおもちゃを取り出すとローションを垂らし、慣らしていない膣へ挿し込む。
取れない様にベルトで止められ、見える様に姿見の鏡まで設置していく。
痛みで一瞬顔がゆがむ。
「かわいい♡楽しんで」
そう言って立ち上がり、キスをしドアの方へ歩き始めたが
「サナさーん!誰かーー!!」
「アッ……ふふっサヤの声でイきそう!♡」
そうつぶやくと、急に立ち止まりサナのベットの横で勃起したものを取り出し、椅子に座らせていた等身大の人形に入れ引きずり下ろすと
「ンッ、サヤ~!サヤ~ッッッ!」
と、独りで人形を抱き始める。
人形は、ブラブラと動き床にカタカタとぶつかり音を立てている。
ひとしきり、楽しみ射精すると落ち着いた様子で自分と人形の片付けをし、チラッとサナを確認すると何も言わずにドアの方へ歩いていった。
ドアが閉まると、鏡の中から
「大丈夫?……痛い?……殴られた?……赤くなってる」
白いモヤの幽霊が顔と手だけ出てくる。
「ンンッ……おっお願い、取って。助けて!」
白い幽霊は、大人のおもちゃを抜くと
「だ……大丈夫。大丈夫……。少しねむって。」
そう話し、冷たい手で優しく叩かれた方の頬に触れ、暗示をかけるように話しかけた。
すると急な眠気にサナは意識を失った。
白い幽霊は、身体が逆立つような怒りを露わにし、外が完全に暗くなると鏡から抜け出しヒタヒタと、急いで隣の部屋へと歩み寄るのだった。
続く。
仕事も店長の不在にて数ヶ月のお休みになった。お店の再開は不明。
別の仕事を探そうかとも思ったが、自分の周りで色々な事件が起きすぎる。
(もう、田舎に帰ろうかな……)
引っ越しを考えていた。
2年過ごして、慣れ親しんだ町だが精神的ストレスが多い町でもあった。
意識しないと、食事も疎かにしがちだった。
(ご飯用意しなきゃ……)
エレベーターに乗り買い出しへ。
「こんにちは!」
落ち着いた声で話しかけてきたのは、隣の住人サナだった。
「……こんにちは。」
サヤは軽く会釈して挨拶する。
たまに出会って、挨拶したり軽く話す位の中だが年も同じ位で、背格好も同じくらい。名前も似ていて、後ろ姿も似ている。近くの住民に間違えられる程似ているのである。
「何か悩んでるの?サヤちゃん。」
サナがおもむろに話しかけてきた。
「……あっ……なんかすみません。普通にしてたつもりだったんですけど……引っ越しを考えてて……。ぼんやりしてました。」
少し驚くサヤ。意外だなと思っていた。
「そうなんだ……。引っ越しかぁ~今年更新だっけ?私も更新だ。寂しくなるな~。お隣さん気にしなくても、サヤちゃんだから気兼ねなくて、安心出来てたのに。悪い意味じゃないわよ!」
二人で少し笑った。エントランスで二人は別れ、空を見上げる。
久しぶりに笑ったサヤはなんだか心が軽くなった気がした。
(まだ、私……笑えるんだ。悩んでても仕方ないから!しっかりしなきゃ)
買い出しし、料理を作った。更新の手続きはせずに、引っ越しを決意した。
片付けやら、なんやかんやで数日バタバタと過ごしていた。
そんなある日、久しぶりにサナさんに会った。
「お疲れ~。引っ越し準備順調?」
気にかけてくれているみたいで、ありがたかった。
「はい……お陰様で。うるさくないですか?」
気になっていたので聞いてみた。
「ん~大丈夫よ!!壁厚いし、元々サヤちゃん静かだもん。ふふ。……あっ、そうだ聞いてみたかったんだけど~。突飛押しもない話なんだけど、サヤちゃんの所、幽霊出たりする?」
驚くサヤ。
「……しろいヤツですかね?」
お互いに驚くサナ。
「ふふっ。やっぱり出るんだ!イケメンだった!?」
答えに困るサヤ
「イケメン?……なんとなく?ぼんやりしたシルエットしか……ハッキリ顔的なモノは見たことないです……。」
サヤには白く透けていて、なんとなく顔の表情が分かる程度だったからだ。
「ふーん。そっかぁ~。私の所に出た男の人イケメンだったんだよな~。出るんだココうーん。更新どうしようかなぁ。助兵衛(スケベ)だな……。他の人の所にも出るのかな?……。」
ぶつぶつ言いながら、歩いて行った。
「あっ!またね!!」
振り返って手を降ってくれた。
思わず笑ってしまった。
部屋へ戻ると、ゴミを玄関付近にまとめて置いていると昼過ぎに、隣の部屋から凄い勢いでドアをバタン!!と閉めた様な音がした。
(サナさん嫌なことあって、閉めたのかな?珍しいな……何か力になれたら!)
そう思いつき、クッキーを持って隣のサナの所へ。
インターホンを押すも、返事はない。
(気の所為だったかな?)
部屋へ戻り、片付けを再開する。
暫くすると、インターホンが鳴る。
ピンボーン。
(誰かな?)
「はい。どちら様でしょう?」
モニター越しに話しかける。
「すみません。水道工事です。お隣のお部屋が終わりましたので、開けて頂いてもよろしいですか?」
(聴いてないけどな?サナさんも何も言ってなかったし……さっきのドアもこの人だったのかな?)
疑問に思いながらもドアを開ける。
「失礼します。お風呂場の水道から案内お願いします。」
帽子を深くかぶっている。なんだか聞いたことがあるような声……。(気のせいかな?)
「こち……」バチッ!「……いっ!」
案内しようと後ろを向いた瞬間にバチッという音と共にサヤの意識はなくなった。
次に目覚めた時は見知らぬ部屋。
手足は拘束されている。辺りを見回すとサナも同じように拘束されていた。
サナは、口にタオルを噛まされて話せない状態で涙しているようだった。
打ちっ放しの部屋に窓とドアが一つずつ。まだ外は明るいが、夕方が近い空の色をしている。腕を動かすとカチャカチャと金属の音がする。聞き覚えのある音だった。ゾクリと背筋が凍る思いが蘇(よみがえ)る。
涙が流れ、体が自分の意思とは関係なく震え、あの日の朔の顔がフラッシュバックする。過呼吸の状態になる。呼吸が早く浅く、息を吐く事を忘れる。
「はっはっっはっっ…………」
サナが心配して、暴れている。声が出せず
「ムーッウーッ」
ガチャガチャと鳴る音に、サヤは過呼吸に拍車がかかる。
ガチャッと、ドアの開く音が鳴り1人の男性がニヤニヤしながら入ってくる。
男は苦しそうなサヤを見て、とても恍惚の表情を浮かべる。
「サヤ~~!!素敵だね!最高の顔してる!!僕間違っちゃってさ!ふふ。間違っちゃったんだけど、違う人も面倒だったから連れて来ちゃった♡だって、後ろ姿そっくりなんだもん!」
サヤの前に現れたのは、精神科病院に居るはずの朔だった。
「苦しい?苦しいの?サヤ♡かわいいね~かわいいよ~。心配しなくても、僕は正常だよ!サヤ!あの日の続きをしよう。沢山可愛がってあげるね!」
サヤは呼吸苦で、また気を失ってしまう。
「サヤ……。かわいいサヤ。」
サヤの頭を撫でている。
くるりっと振り返り
「ねぇ、サヤのそっくりさん。君、僕とセックスしない?サヤ寝ちゃったからさ~。僕のこんなだし。良いよね?だって、サヤに似てる君がいけないんだよ?」
ズボンの上から勃起したモノを触り、笑いながらサナに近づく。サナは抵抗しようと暴れるが、朔に髪の毛を鷲掴みにされ動けず。
「はぁ~。サヤもだったんだけどさ……暴れないでくれる?傷つけたくないんだよね。叫んでも無駄だよ?僕の別荘で、山の中なんだ~。セツクス好き?した事ある?」
「うっ……むぅ。」
サナは恐怖に頷く。
「そうなんだぁ~じゃあ、すぐに出来るね!僕ね、暴れなければ君も優しく接してあげるよ。これ取ってあげるね。泣かない泣かない。色々準備するね。待ってて。」
ドアが閉まる。暴れるが外れない。大声を出したらきっと何されるか分からない。
(ベットの柵に縛られている腕でも抜けてくれたら……)
思い切り手を引いたり、上下に動かしたり足も同じようにするも、ベットも手錠も新品のようで、暴れると手、足に食い込む。
ガチャっとドアが再度開くと、朔が鍵を振り回しながら、キャスター付きワゴンに何か道具を積んで運んでくる。布が掛けられていて置かれている物は分からなかった。
「サヤの隣でセックスするわけにはいかないから、場所変えよ~う。面倒だから、ベットごと動くね!あっ、コレ手錠の鍵じゃないよ。ふふふっ期待した?」
サナの足元に鍵を置き、滑車のついたベットを動かす。ワゴンはサヤの近くに置いたまま。
「お、お願い……やめませんか?私サヤちゃんじゃない……。」
頼んでみるが、無視される。
廊下へ出ると、隣の部屋へ。サナの足元に置いてあった鍵を取ると部屋のドアを開ける。
小さな窓がある部屋。殺風景な部屋に数体の等身大の人形。立たされている物、全裸の物、床に倒れている物。他にも数体見られる。人にそっくりな人形だった。
「ひっ!!」
死体かと一瞬思いサナは驚き、声をあげる。
「あ~、ごめんね。この子達は僕の妹なんだぁ~可愛いでしょ?自慢なんだよね!たまにさ、一緒に寝たりヤッたりしてるのふふっ。
妹以外の子とだよっ。サヤが居なくなって、妹の行方も分からないから……でも、この子達ヒンヤリ冷たいんだ。君が居てくれて良かったよ。サヤと一緒になりたかったんだけど……上手く出来ないからさ!君で練習させてね♡」
ニコリと笑う。悪くない顔なのに狂ってる。サナは狂った男にゾッとする。
「いっ嫌!お願い!私本当にサヤちゃんじゃないし、ヤりたいなら本人とヤればいいじゃない!なんで私なの!」
頼んでみたが、逆鱗に触れたようだった。
凄い形相で睨まれ、顔を平手打ちされる。
「サヤと一緒にするなよ!彼女は特別なんだよ!!お前は練習なんだよ!おとなしく練習させてくれたら良いだけなんだよ!暴れたり、酷いことしたらお仕置きするからね♡早速始めようか?キスしていい?」
そう言うと、キスしてくる。
(こ、怖い……キスうま……)
「ふふっ。いい子だね。流石に慣れてるだけあるよ~。脱ぎ脱ぎしようね~。動いたら、怪我するよ?」
嬉しそうに、ハサミをチョキチョキさせながら見せつけてくる。
ハサミを持ち、洋服の下の方から上に向かって服を切り開く。
冷たい感触にゾワリと鳥肌がたつ。
「うっ…………。」
「いい顔♡邪魔な物取っちゃうね~。」
洋服も、ブラジャーも無惨に切り裂くと、ハサミをベットサイドのボックスの上に置き、サナの上に覆い被さりキスしたり乳房を弄んでくる。
「ふふっ。イイね柔らかい。でもサヤより全然小さい。」
屈辱的な言い方に少しムカつくが、与えられる快楽は優しく気持ちが良い。つい感じてしまう。
「あ……ん」
腰がくねって、よがってしまう。
「慣れてるんだねぇ~。淫乱だ。サヤと全然違うや。」
いちいちムカつく。
段々と暗くなる部屋。夕暮れのようだった。
「そろそろ下も良いかな?動かないでね!」
そう言うと、さっきのハサミを取り出しスカートのウエスト部分と下着を切られてしまう。
(やっぱりイヤだ!助けて!!誰か!)
そう思っていると、隣の部屋からサヤの声が聴こえる。
「だ、誰かーーー!!助けて下さい!!」
初めて聞く大声だ。
「あっ!!サヤ!!気がついたんだ!!可愛いいなぁ~♡僕やっぱり彼女の所に行くね!!君はコレで遊んでて!」
ボックスの中から大人のおもちゃを取り出すとローションを垂らし、慣らしていない膣へ挿し込む。
取れない様にベルトで止められ、見える様に姿見の鏡まで設置していく。
痛みで一瞬顔がゆがむ。
「かわいい♡楽しんで」
そう言って立ち上がり、キスをしドアの方へ歩き始めたが
「サナさーん!誰かーー!!」
「アッ……ふふっサヤの声でイきそう!♡」
そうつぶやくと、急に立ち止まりサナのベットの横で勃起したものを取り出し、椅子に座らせていた等身大の人形に入れ引きずり下ろすと
「ンッ、サヤ~!サヤ~ッッッ!」
と、独りで人形を抱き始める。
人形は、ブラブラと動き床にカタカタとぶつかり音を立てている。
ひとしきり、楽しみ射精すると落ち着いた様子で自分と人形の片付けをし、チラッとサナを確認すると何も言わずにドアの方へ歩いていった。
ドアが閉まると、鏡の中から
「大丈夫?……痛い?……殴られた?……赤くなってる」
白いモヤの幽霊が顔と手だけ出てくる。
「ンンッ……おっお願い、取って。助けて!」
白い幽霊は、大人のおもちゃを抜くと
「だ……大丈夫。大丈夫……。少しねむって。」
そう話し、冷たい手で優しく叩かれた方の頬に触れ、暗示をかけるように話しかけた。
すると急な眠気にサナは意識を失った。
白い幽霊は、身体が逆立つような怒りを露わにし、外が完全に暗くなると鏡から抜け出しヒタヒタと、急いで隣の部屋へと歩み寄るのだった。
続く。
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